「株式会社イエイリ・ラボ」のニュース一覧 (191件中141~160件を表示)
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壁面に吸い付いてタイルをコンコン!高松建設らが外壁点検ロボを開発
タイル張りのビルやマンションなどの外壁が劣化すると、外装タイルがはく落する恐れがあります。 そのため、大規模修繕などのとき、建物を足場で囲ったり、ゴンドラを設置したりして壁面全体をハンマーでたたいて異常音がないかを検査員が診断する打診調査という方法が一般に行われています。 しかし、この方法だとコストや工期の負担が大きく、検査員の技量や経験によって検査結果が大きくばらつく可能性がありますね。 そこで高松コンストラクショングループの高松建設(本社:大阪市淀川区)、青木あすなろ建設(本社:東京都千代田区)は、非破壊検査(本社:大阪市)と共同で、「壁面走行ロボットによる外壁検査システム」を開発しました。 壁面をハンマーでたたく打診調査機能が付いた壁面走行ロボット(以下の写真、資料:高松建設) 壁面をハンマーで打診した音をマイクで拾うとともに、カメラで撮影して診断結果をデータとして蓄積するものですが、 ナ、ナ、ナ、ナント、 壁面に吸い付いて昇降 するのです。(高松建設のプレスリリースはこちら) タイル壁面に吸い付いて昇降する壁面走行ロボット 検査作業中の壁面走行ロボットの拡大写真 このロボットは長さ610×幅533×高さ440mmで重量は約30kgと比較的、小型で操作も簡単です。 ロボットの中心部には、空気を吸引する「バキュームチャンバー」が搭載されており、それを囲むように走行用のローラーが取り付けられています。 この機構によって壁面の材質にはかかわらず、壁に吸い付きながら、ローラーの回転で壁面を昇降できるのです。 その最大速度は64mm/秒で19mm程度の段差を乗り越えられるほか、緩やかな曲面を持った壁も走行できます。 このロボットに打診測定機やカメラを搭載し、タイルの打診音と写真によってタイルはく離やクラックなどの検査を行います。 中央部に空気を吸い込むバキュームチャンバーが搭載されたロボットの内部 そして冒頭に掲載したロボットの写真をよく見ると、 測量用のプリズム も搭載されていることがわかります。 おそらく、地上から自動追尾型トータルステーションなどで、正確な現在位置を把握する仕組みも備えているのでしょうね。 そのため、正確な劣化位置をデータ化し、パソコンで外壁面の劣化状況を図で示すことができます。 高松建設らは、比較的規模の小さい建物や、隣地境界との空きが少ない建物の調査に適したシステムとしており、2019年8月から、3社共同で実際の建物での運用を始めます。
2019/07/17 09:06 株式会社イエイリ・ラボ
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廃棄物、水使用量も把握!鹿島が全建築現場のCO2排出量を見える化
鹿島は、環境ビジョン「トリプルZero2050」を2018年5月に改訂し、「建設現場で発生するCO2排出量を2030年度の時点で2013年度比30%以上削減」を中期的な目標を掲げました。 そして、2050年には鹿島グループの温室効果ガス排出量を2013年度比で80%以上削減(Zero Carbon)、建設廃棄物の最終処分率0%(Zero Waste)、建設事業における自然や生物への影響を抑制(Zero Impact)という、さらに高い長期的な目標を目指しています。 鹿島環境ビジョン「トリプルZero2050」のイメージ図(以下の資料:鹿島) この目標を達成するためにはまず、各現場からどれだけのCO2が排出されているのかを把握する必要があります。 そこで同社は、環境データ評価システム「edesイーデス」を開発し、2019年6月から新規着工する建築現場から順次、本格導入を開始しました。 このシステムを各現場で活用することにより、 ナ、ナ、ナ、ナント、 施工CO2排出量 などの実績値を、月単位で把握することができるのです。(鹿島のプレスリリースはこちら) 「edes」の画面イメージ。延べ床面積あたりの施工CO2の総排出量を月単位で表示した例 現場ごとのCO2排出量の比較イメージ 支店ごとのCO2排出量比較も可能に これまで鹿島では、現場をサンプル抽出し、その施工CO2排出量から施工高1億円あたりのCO2排出量原単位を求め、全社の年間施工CO2排出量を把握してきました。 しかし、この方法だとデータ収集に時間と手間がかかるほか、現場ごとに適切な対策をタイムリーに行うことが難しいという問題もありました。 そこで今回、edesを開発し、すべての現場のすべての工程で、CO2排出量を月単位で把握し、可視化できるようにしたのです。 施工CO2は、約7割が建設機械の燃料から発生し、残りの約3割が使用電力から発生します。 燃料分は現場で稼働する建機の種類、台数、稼働時間の情報から算出します。このデータは、既にすべての建築現場で運用している施工管理支援サービス「Buildeeビルディー」のデータを自動的に読み込むことで大幅な効率化を実現しました。 これに電力使用量や土砂や廃棄物の運搬車両の燃料分を加算することで、施工CO2を算出します。 edesによる施工CO2の算出手順と見える化のイメージ このシステムによって、毎月の実績を見える化したほか、 建設廃棄物量や水使用量 についても月単位で集計し、現場ごとの環境データとして管理する体制を構築しました。 現場での資材や技能者などの動きだけでなく、目に見えないCO2まで見える化するとは。建設業のIoT(モノのインターネット)化がここまで深化してきたことに驚かされますね。
2019/07/16 10:07 株式会社イエイリ・ラボ
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ワイルドなシーンもOK!東京・渋谷のスクランブル交差点を栃木県に再現
東京・渋谷のスクランブル交差点は、いまや日本国内だけでなく、外国人観光客にも有名な観光スポットとなっています。 当然、ここで映画やドラマを撮影したいというニーズも高いわけです。しかし、ここで現場ロケをするとなると、交通規制や現場の占有という点で、様々な困難があります。 例えば、「横断歩道を整然と列をなして渡る歩行者に、『だんじり』のように人が立った二階建てバスが突っ込む」といったワイルドな映像を現場で撮ろうとしても、ほとんど不可能ではないでしょうか。 「整然と列をなす歩行者に、『だんじり』のように人が立った二階建てバスが突っ込む」ようなシーンのイメージ(以下の資料:足利市映像のまち推進課ホームページより) しかし、こんなワイルドなシーンが、思う存分、何度でも繰り返して撮影できることになりました。 「映画のまち構想」を推進する栃木県足利市は、同市五十部町の競馬場跡地の一部を使って、渋谷スクランブル交差点の、 ナ、ナ、ナ、ナント、 オープンセットを建設 することになったのです。(足利市のプレスリリースはこちら) 渋谷・スクランブル交差点のオープンセットイメージ 建設場所は、足利市五十部町の競馬場跡地の一部 オープンセットに使用する面積は1万5000m2で、使用期間は2019年7月から12月までです。 完成イメージを見るとオープンセットの周囲は緑色の「グリーンスクリーン」で囲まれるようです。 このスクリーンを利用して、撮影した映像を画像処理することで、交差点や人物などを切り抜き、背景に交差点を囲むように建っているビルや高架橋などのCGを配置すれば、まるで渋谷の交差点で撮影されたようなシーンが撮れるというわけですね。 そして、敷地の周りは駐車場やサッカーコート、道路などで囲まれており、高い建物はあまり見当たりません。そのため、実際の映像で撮られた青空や雲なども生かせそうです。 オープンセットで撮影された映像は、こんな感じに。スタバや三千里薬局などと書かれた場所に、ビルのCGを重ねればまるで現場で撮影した映像のようになりそう 別の角度から見た交差点の映像イメージ このオープンセットを制作したのは、映像美術会社とのことです。 足利市としては「渋谷の街」を再現できる場所を探しているとの情報を受けて、様々な候補地を提案するなど 積極的な誘致を行う中 で、今回の建設に至ったとのことです。 都会のど真ん中のシーンを、まさか地方の競馬場跡地で撮影するとは。これもVFX(ビジュアル・エフェクツ)などのデジタルな映像処理技術が進化したおかげです。 このオープンセットでは映画やドラマなど、複数の作品が撮影されるそうです。作品を見たファンなどが、“バーチャルな聖地”としてここを訪れる機会も増えそうですね。
2019/07/12 11:12 株式会社イエイリ・ラボ
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AIで似た図面を即発見!日立がCAD図面検索システムを発売
「このタイプの階段、どこかのビルで使ったよな」、「排水管をよける特殊なダクトを使ったのはどこだっけ」といった具合に、過去に描いたCAD図面を片っ端から探し回った経験はありませんか。 過去の図面を探す場合、これまでは設計者や施工者のカンや記憶に頼るしかありませんでした。 見積もりや不良の発生で、過去のCAD図面を探し回るイメージ(以下の資料:日立ソリューションズ) そんなとき、大量の図面から似た図形を瞬時に探し出してくれる強力な助っ人が登場しました。日立ソリューションズが開発し、2019年7月9日に発売した「類似図面検索AIソフトウェア」という新製品です。 その名の通り、画像認識AI(人工知能)を使って、10万枚を超えるCAD図面から似た図面や図形を ナ、ナ、ナ、ナント、 数秒で検索 してくれるのです。(日立ソリューションズのプレスリリースはこちら) AIで類似図面を検索するイメージ この製品を使うことで、設計者は既存の図面を再利用して効率的に設計したり、不良が発生した部品や機器を使っている建物などをスピーディーに洗い出し、早期に対策をとったりといった生産性向上が図れそうです。 使い方は、ある図面を丸ごと指定して似た図面を検索できるほか、図面内の一部分を選択して、図面内に含まれている部材などを個別に検索することもできます。 検索対象のファイル形式は、PDFやJPG、PNG、TIFFなどの形式に対応できます。また、ソフトはLinux(Ubuntu 16.04)に対応しており、ユーザーはウェブブラウザーからアクセスする方式です。 図面の一部分を指定して検索した結果のイメージ このソフトには、他のシステムと連携するための 「Web API」が搭載 されているので、既存のCAD図面管理システムなどに、類似図面を探す機能を追加するといった使い方もできそうです。 気になるお値段ですが、個別見積もりとのこと。もともと製造業向けに開発された製品のようですが、建設分野でも使えるかもしれませんね。
2019/07/11 12:15 株式会社イエイリ・ラボ
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ロープウエー型ロボで3Dモデル化!凸版印刷とイクシスがインフラ点検システム開発
少子高齢化による労働力不足に対応するため、インフラの点検・維持管理分野では、構造物を一度、3Dモデルやデジタル写真などのデータにしてから、コンピューターを使って損傷箇所を見つけたり、管理したりという方法が導入されつつあります。 そこで問題となるのが、インフラの3Dモデル化です。これまではドローン(無人機)による空撮や、3Dレーザースキャナーを使って点群データ化する方法が使われてきましたが、橋梁のように狭くて複雑な部分がある構造物の内部では、高精細な画像を取得するのが困難でした。 そこで凸版印刷とイクシス(本社:川崎市幸区)は、両社の独自技術を融合させて「社会・産業インフラ向け三次元形状計測・生成・解析プラットフォーム」を共同開発することになりました。 構造物の写真を撮るのに使われる方法には、 ナ、ナ、ナ、ナント、 ロープウエー型ロボット も使われるのです。(凸版印刷のプレスリリースはこちら) 構造物の写真撮影に使われるロープウエー型ロボット「Rope Stroller」(写真:イクシス) イクシスが開発したワイヤつり下げ型目視点検ロボット「Rope Stroller」というものです。橋脚の間にワイヤを水平に架設して、これにぶら下がって移動しながら、中央に取り付けたカメラで構造物に近づいて写真撮影できるものです。 風やワイヤの張り方で本体が傾いても、中央に搭載したジンバル(雲台)機構が働いて、カメラを一定の向きに固定します。 電源は外部から電源ケーブルで給電し、操作もLANケーブルで遠隔操縦します。 Rope Strollerの本体部(写真:イクシス) 橋桁下での使用イメージ(資料:イクシス) 橋桁裏を撮影した写真(写真:イクシス) 橋梁の点検では、ドローンを使った方法も行われていますが、風に弱い、構造物との接触が心配、長時間の連続飛行が難しいなどの問題もあります。 その点、このロープウエー型ロボットは、ワイヤさえ張れば、長時間、じっくりと撮影ができるのでいいですね。また、ワイヤを上下方向に張れば、煙突や立て配管なども撮影できるそうです。 こうして撮った写真から3Dモデルを作るのが、凸版印刷の技術です。同社は民生品のデジタルカメラで撮影した写真だけを使って、高精度の3Dモデルを自動的に生成する技術を持っています。 写真から3Dモデルを作る「フォトグラメトリー」と言われる技術の肝となるのが、複数枚の写真に写った同一点を探し出し、対応させる後術ですが、凸版印刷の場合、 1画素以下の精度で推定 することができるのです。 地表の撮影写真(左)から自動生成した3Dモデル(右)(資料:凸版印刷) また、イクシスはAI(人工知能)による空間の解析や、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)を使った制御技術も持っていますので、出来上がった3Dモデルを解析する作業でも、強みを発揮しそうです。 両社はこのシステムが、社会・産業インフラの現場で広く活用されるプラットフォームになることを目指して共同開発を推進し、インフラ点検企業との実証実験なども行っていきます。そして2020年度中の提供開始を目指すとのことです。 「社会・産業インフラ向け三次元形状計測・生成・解析プラットフォーム」のイメージ図(資料:凸版印刷) このプラットフォームについては、2019年7月24日から26日まで、東京ビッグサイトで開催される「第11回インフラ検査・維持管理展」で、イクシスのブース(W1-G37)で展示される予定ですので、ご興味のある方はどうぞ!
2019/07/10 10:51 株式会社イエイリ・ラボ
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スクレーパーにもイノベーションを!日本国土開発が「つくば未来センター」を開設
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)、AI(人工知能)、ロボットと、建設業のICT(情報通信技術)導入はとどまるところをしりません。 これまで建設とICTは、専攻する人種や文化も違えば、扱うもののスケールや単位も違うという具合に、“水と油”のような関係でしたが、これからは積極的に合体して、建設業や現場を変えていくイノベーションが起こることが期待されているのです。 そこで日本国土開は、同社の伝統である機械土工などの技術と、異種企業や外部研究機関と連携してオープンイノベーションを実現するため、 つくば未来センター という研究施設をオープンしたのです。(つくば未来センターのウェブサイトはこちら) つくば未来センターの建物。建物の環境性能指標である「CASBEE」のSランクを取得している(以下の写真、資料:日本国土開発) つくば未来センターのウェブサイト 2019年7月5日に行われたオープニングセレモニーであいさつする日本国土開発の朝倉健夫社長 つくば未来センターの建物は、S3階建てで延べ床面積2723m2の規模です。 屋上緑化や太陽光発電はもちろん、ダブルスキンガラスによるカーテンウォールや地中熱ヒートポンプ、タスク・アンビエント照明など様々な環境負荷低減技術が導入されています。 その結果、建築環境総合性能評価システム「CASBEE」の最上位である「Sランク」を取得しました。 研究開発の内容は、日本国土開発が強みとする大型重機土工のほか、汚染度の無害化や超高層建築、太陽光発電、さらには超高層建築まで、幅広い内容となっています。 つくば未来センターの研究内容の一例 オープニングセレモニーでは、建設発生土をリサイクルする回転式破砕混合工法(ツイスター工法)のマシンも公開された 大型重機土工関係の技術では、 ナ、ナ、ナ、ナント、 スクレーパーの刃先データ に、GNSS(全地球測位システム)の位置情報や、ドローン(無人機)による測量情報を統合して、より速く、よりよい燃費で大型土工の効率を30%アップさせる開発にも取り組んでいます。 掘削から積み込み、運搬、敷きならしを1台でこなせるスクレーパー スクレーパーは普通の現場ではなかなかお目にかかることがない珍しい重機です。 この巨大な機械がICTによって自動化されると、大規模工事の生産性がぐっと上がりそうですね。
2019/07/09 10:00 株式会社イエイリ・ラボ
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お客はVRのここを見ていた!ウォークスルーの“視線ログ”がとれるEOPAN Cloud
住宅の新築やリフォームの営業活動では、3DデザインソフトやVR(バーチャル・リアリティー)を活用することが当たり前になりつつあります。 イオグランツ(本社:大阪市中央区)が企画、インフォマティクス(本社:川崎市)と共同開発した「EOPAN Cloud Professional」も、こうした目的に使われているアプリの一つです。工務店は住宅プランを「Walk in home」という住宅プレゼンソフトで3Dモデル化し、クラウドにアップします。 すると、お客さんは提案書に印刷されたQRコードから3Dモデルにアクセスし、スマートフォンアプリと簡易型VRゴーグルでその住宅内を ナ、ナ、ナ、ナント、 VRでウォークスルー できるのです。(イオグランツのプレスリリースはこちら) 一般的な住宅プランの提案書(以下の写真:家入龍太) 提案書に印刷されたQRコードを読み取ると・・・ 住宅のVRモデルが登場する さらにスマホを簡易型VRゴーグルに入れると立体視でリアルに住宅内をウォークスルーできる まあ、ここまでは似たような製品もいろいろと発売されているので、「あー、また住宅のVRソフトか」と、食傷気味に思われる方もいらっしゃるでしょう。 しかし、EOPAN Cloudが違うのはここからです。お客さんが住宅のVRにアクセスすると、工務店にメールで通知されるのです。 お客さんがVRを見たことを知らせるメールが、工務店側に届く つまり、VRにアクセスしたときのログ解析がタイムリーに行えるということですが、同社は2019年5月、この機能について特許を取得しました。(顧客の関心領域とアプローチのタイミングを判定し販促に利用できる情報システム。特許第6530459号) アクセスログの端にある「再生ボタン」をクリックすると、 ナ、ナ、ナ、ナント、 お客さんの視線 がそのまま再生されるのです。 この機能は、法的にはサーバーのアクセスログ解析の一環として扱われるので、特にお客さんには了解をとる必要はありません。しかし、大手工務店など向けには、VRのアクセス解析している旨について、事前に了解をとる画面構成も可能と言うことです。 VRのアクセス日時や視聴時間もわかる。その一端にある「再生ボタン」(赤丸)をクリックすると・・・ お客さんがスマホなどで見たウォークスルー映像がそのまま再生される
2019/07/08 11:17 株式会社イエイリ・ラボ
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日本は50cmメッシュも!NTTデータ、RESTECが2.5mメッシュの全世界3D地図を発売
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)などが普及してきた今、都市計画や自然災害の被害予測にはまず、地表の“現況3Dモデル”を作成することが必要です。 このニーズに対応するため、NTTデータとリモート・センシング技術センター(RESTEC)は世界中の陸地の起伏を5mメッシュの解像度で表したデジタル3D地図サービス「AW3D5m」を提供してきました。(3D地図詳細内容についてはこちら) 現在は世界115カ国以上で利用され、様々な課題解決に役立っています。 そして両社は2019年7月1日、さらに解像度を高め、 ナ、ナ、ナ、ナント、 2.5mメッシュの3D地図 「AW3D2.5m標準版地形データ」を発売したのです。(NTTデータのプレスリリースはこちら) 下の図が、従来の5mメッシュと今回の2.5mメッシュで表した米国のボストンとワシントンDCの3D地図です。 従来の5mメッシュ(左)と今回の2.5mメッシュ(右)で表した米国のボストンとワシントンDCの3D地図(資料:NTTデータ) 左右の3D地図を見比べてみると、2.5mメッシュの方は地形の細かな起伏が表現され、湖の沿岸部埋め立て地や幅の狭い河川などが詳しく表現されているのがわかります。 さらに建物や高架橋などの構造物、道路なども明確になっています。 両社はこのサービスを一部エリアから提供開始し、2019年内に全世界への提供を開始する予定です。気になるお値段ですが、1km2当たり500円から(1万km2未満の場合)となっています。 2.5mメッシュのサービスが始まった背景には、2016年の国連サミットで世界規模の「持続的な開発目標」(SDGs)という17項目からなる世界的な目標が採択されたことがあります。 最近、ロータリークラブや青年会議所などの会合で、17色が放射状にアレンジされたドーナツ型のバッジを着けている人を見かけますが、SDGsの17項目を象徴したものです。 2.5mメッシュの3D地図はこのうち、「9 産業と技術革新の基盤をつくろう」、「11 住み続けられるまちづくりを」、「13 気候変動に具体的な対策を」、「17パートナーシップで目標を達成しよう」の実現を目指しています。 BIM/CIMやi-Construction関係で使われる技術・サービスも、SDGsのどの部分に貢献できるのかを考えてみると、存在価値がグレードアップしそうですね。 SDGsの17項目を象徴するバッジ(写真:UNDP SHOP) 2.5mメッシュの3D地図が貢献する4つの項目(赤枠で囲んだ部分。資料:国際連合広報センター) 両者はこれに先立つ5月23日に、日本全土をカバーするデジタル3D地図「AW3D日本全国高精細3D地図」も発売しています。 こちらの解像度は、 ナ、ナ、ナ、ナント 50cmメッシュ の解像度なのです。(NTTデータのプレスリリースはこちら) このサービスで提供されるのは地形データ、衛星画像、建物3Dデータです。位置精度は地図縮尺で2500分の1相当と正確です。 50cmメッシュのデジタル3D地図「AW3D日本全国高精細3D地図」で提供される建物3Dデータ。建物1棟ずつの形と高さがデジタル化されている(資料:NTTデータ) オプションのテクスチャー付き建物3Dデータ(資料:NTTデータ) 都市開発や防災対策では、元の地形や街並みの3Dモデルを作るため、航空測量や3Dレーザースキャナーによる計測を行おうと考えがちですが、高精度化されたデジタル3D地図データを探してみると、使えるデータが意外と安価でスピーディーにゲットできるかもしれませんよ。
2019/07/05 10:20 株式会社イエイリ・ラボ
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現場にクレーンを表示!ブーム角と吊り上げ荷重もわかる戸田建設の「現場AR」
都心のビル工事など、狭い現場でクレーン作業などを行うとき、問題となるのが建機の配置や搬入経路です。 事前に図面上で検討していても、現場に行ってみると「仮設足場があった」「資材が置いてあった」など、実際には配置や搬入ができない場合もあります。 そこで戸田建設は、作業の直前でも現場の状況に応じてこれらを確認できる画期的なツール「現場AR」を開発しました。 タブレット端末を現場に向けると ナ、ナ、ナ、ナント、 建機の3Dモデル を重ねて表示し、現場に納まるかを直感的に確認できるのなのです。(戸田建設のプレスリリースはこちら) 実際の現場の風景(以下の写真、資料:戸田建設) タブレット端末を向けると、現場と高所作業車の3Dモデルが重なって見え、納まりや作業スペースなどを確認できる 文字通り、AR(拡張現実)の技術を使って、現場の風景に建機の3Dモデルを表示し、同じスケール、同じ視点からの見え方で作業中の風景を“バーチャル確認”できるのです。 図面上では建機の配置が可能でも、近隣の建物や上にある障害物のためにクレーンのブームを旋回ができなかったり、ある角度以上に上げられなかったりといった問題がよくあります。 そこで「現場AR」によってクレーン作業などの現場を実寸大でバーチャル確認することで、あたかも作業当日の現場を見ているかのように問題点が細かくわかるというわけです。 タブレット端末に表示するクレーンなどの建機は、ブームの角度や旋回角、アウトリガーの張り出し幅などを自由に変えることができます。また、複数の建機を同時に表示することも可能です。 また、視点は自由に切り替えることができます。例えば、隣のビルの管理者に工事の説明に行くとき、ビル上階からの作業風景を再現して見てもらうことも可能です。 クレーンを現場に搬入したイメージ。旋回やブームの角度に制約があるかも、と気付く クレーンのブームを旋回させたところ。吊り荷と地盤面の境界(赤い矢印部分)を表示することもできる 現場に面したビルの6階から作業風景を見たイメージ。こんな工事説明なら、納得してくれるのも早そうだ そして、工事の安全性をさらに高めるため、クレーンの場合はブームの角度に応じた 許容荷重を表示 する機能も付いているのです。 ブームの角度に応じた許容荷重が自動的に表示される クレーンの場合、ブームを寝かしたり、アウトリガーの張り出し幅を狭くしたりすると、吊り上げられる荷重は小さくなります。クレーンの倒壊事故を防ぐためにも、こうした数値的な確認ができるのはありがたいですね。 戸田建設は今後、建機モデルの拡充や操作性の向上に取り組みます。そして、このシステムを社内で限定することなく、他社も使えるように幅広く公開していく方針です。
2019/07/04 10:00 株式会社イエイリ・ラボ
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大成建設のBIMノウハウを集大成!Revit対応パッケージ「BooT.one」が登場
大成建設と言えば、“日本のBIM元年”と言われる2009年より前から、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の活用に取り組んで来た企業です。 BIMの草創期から、同社の中でオートデスクのBIMソフト「Revit」を活用し、図面や建具表を作るテンプレートや、設計の際に必要となるBIMオブジェクト(ファミリ)などの社内BIM規格を地道に整備する作業の中心にいたのが、大成建設BIMソリューション室長の高取昭浩氏です。 大成建設BIMソリューション室長の高取昭浩氏(以下の写真、資料:特記以外は大成建設) 例えば、日経BP社が2008年に約半年間にわたって行ったBIMの特訓講座の連載、「BIMブートキャンプ2008」では、“タカトリ参謀”として第7回に登場して指導しています。 「BIMブートキャンプ2008」のウェブサイトと、連載の第7回に“タカトリ参謀”として登場した高取氏(右下)(資料:当時の画面キャプチャーより) 高取氏を中心とする「チーム高取」が10年以上にわたり、大成建設で蓄積してきたBIMのテンプレートやファミリ、コマンドなどのノウハウは、相当な価値です。 その貴重な知的財産がRevitユーザーなら誰でも使えるようになりました。2019年7月1日、大成建設と応用技術は、Revit対応のアドインパッケージを ナ、ナ、ナ、ナント、 「BooT.oneブート.ワン」として発売 したのです。(大成建設のプレスリリースはこちら) 「BooT.one」のカタログ。コマンドツール、テンプレート、ファミリ、活用ガイドラインの4つのカテゴリーからなるBIM規格が含まれている 「BooT.one」とは、大成建設が社内で蓄積してきた「BIM規格」のノウハウを、応用技術の「to BIM」ブランドとして提供するRevit用のアドインパッケージで、コマンドツール、テンプレート、ファミリ、活用ガイドラインの4つのカテゴリーのデータが含まれています。 社内でBIMを活用するときに問題となるのが、BIMモデルの作り方や詳細度、属性情報などが個人のスキルや方法によってバラバラになってしまうことです。 「BooT.one」を使うことで、同じルールで整合性の取れたBIMモデルや図面を作成することができ、Revitによる設計業務の生産効率を高めることができるのです。 例えば、60個以上のコマンドや、約3000個の厳選されたファミリ、そして様々な図面や数量表を作成するためのテンプレート、材質を表現するマテリアルなどが含まれています。 モデリングや図面作成の効率を上げるためのコマンド群 図面やパースを作成するためのテンプレートの例 仕上げ表などの数量集計を行うテンプレートの例 BIMモデルのサンプルも付属している
2019/07/03 10:31 株式会社イエイリ・ラボ
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3Dプリンターで無人建築ロボを開発!前田建設のファンタジー営業部が本気に
前田建設ファンタジー営業部と言えば、「マジンガーZ」をはじめ「銀河鉄道999」や「機動戦士ガンダム」、「宇宙戦艦ヤマト」などのアニメに登場する秘密基地や巨大構造物を実際に建設すると、どれだけのコスト・工期でできるのかを、マジに追求するストーリーで人気を博してきました。 そして、前田建設工業と言えば、2018年に開設したオープンイノベーション型研究施設「ICIラボ」で、実物の建物を建設するコンクリート3Dプリンターを開発していることでも知られています。 ロボットアーム型のコンクリート3Dプリンター/門型クレーンタイプのコンクリート3Dプリンター(以下の写真、資料:前田建設工業) このほど、前田建設工業はサムライインキュベートと共同で、ファンタジー営業部でつちかったチャレンジ精神と、コンクリート3Dプリンター技術を合体したリアルな開発プログラムをスタートさせました。 その究極の目標は、コンクリート3Dプリンターを ナ、ナ、ナ、ナント、 無人巨大建築ロボット へと進化させる、画期的なプロジェクトなのです。(ICIリアルファンタジー営業部からのアイデア募集はこちら) 3Dプリンター技術を使って、都心にタワーマンションを建設する「無人巨大建築ロボット」のイメージ図 これは「ICIリアルファンタジー営業部 BootCamp」と題したプログラムの第1回目となるプロジェクトです。 コンセプトは、「ある日、敷地に巨大建築ロボが出現し、無人のまま建物の印刷を開始する。基礎も自動的に構築。躯帯と仕上げ工事は同時進行で進み、資材は陸送や空輸で切れ目なく無駄なく到着する」というもの。 まさに、省人化や生産性向上を徹底追求した、未来の建設技術を目指していることがうかがえます。苦難にもめげず、様々なファンタジー営業部企画を実現してきた同社らしい取り組みですね。 具体的には(1)コンクリートを使った3Dプリンティング活用に向けた“技術課題”の解決、(2)3Dプリンティングを活用した建設物の“新設”、(3)3Dプリンティングを活用した建設物の“補修・補強”、(4)3Dプリンティング技術を核とした“無人巨大建築ロボット”という4つがテーマとなります。 これらのテーマについて、企業を目指す個人や、研究機関、スタートアップ企業などがらアイデアを募集し、優れたアイデアには 出資や実験施設の提供 出資やICIラボの実験施設を提供するなどの支援を行います。 ICIリアルファンタジー営業部からの募集告知 アイデアを募集する4つのテーマ われと思わん方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
2019/07/02 10:30 株式会社イエイリ・ラボ
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BIMとロボットアームが連動!大林組が耐火被覆吹き付けロボを開発
これから夏のシーズン、ビルの建設現場で大変なのが鉄骨への耐火被覆吹き付け工事です。 一般的に使われる半乾式吹き付けロックウール工法では、吹き付けたロックウールが大量に飛散するため、作業員は夏場でも通気性の悪い防護服を着用する必要があり、大きな負担を強いられるからです。 そこで大林組は、この作業を自動化する「耐火被覆吹き付けロボット」を開発しました。 開発された耐火被覆吹き付けロボット(以下の写真、資料:大林組) 走行装置や昇降装置の上に左右に移動する産業用ロボットアームを取り付けたもので、 ナ、ナ、ナ、ナント、 BIMモデルのデータ を利用して、耐火材を鉄骨に向けて器用に吹き付けてくれるのです。(大林組のプレスリリースはこちら) BIMモデルのデータを利用して動くロボットアーム あるビルでの実証実験風景 このロボットは階高5m、梁せい1.5mまでの梁部材に吹き付けることができます。断面形状が入り組んだH形鋼の梁でも、下フランジ、ウエブ、上フランジとノズルの向きを変えながら丁寧に吹き付けます。 吹き付け作業のデータは、鉄骨のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデルを利用した専用シミュレーター上で作成します。平面図上の座標を基に走行ルートを登録すると、半日もしくは1日単位の長時間単位で、移動と吹き付けを繰り返し実行できます。 走行装置は自動走行できるほか、リモコンでの遠隔操作も可能です。2.5t以上の工事用エレベーターがあれば、他の階に移動して作業を行えます。 大阪府内の工事現場で実証実験を行った結果、大梁2本と小梁2本への吹き付けを建設技能者と同等の品質で行うことができました。 ロボットアームの先端に取り付けたノズルは、吹き出したロックウールをミスト状の水で包み込むような機構になっているため、飛散量を7割も削減できるようになっています。 ロボットアームの先端に取り付けた粉じん飛散防止ノズル さらにすばらしいのは、吹き付け作業の生産性が高いことです。 これまでの吹き付け作業は、建設技能者が高所作業車に乗ってノズルを手に持って行っていました。この場合、一度に吹き付けられる幅は2m程度に限られていました。 ところがこのロボットは、ロボットアームを横行装置で3.8mの範囲をスライドさせられるので、建設技能者の約2倍の幅を一度に施工できます。 高所作業車に乗った建設技能者による施工では一度に2m幅しか吹き付けられなかった ロボットには左右に3.8m移動するロボットアームが付いているため、技能者の2倍程度の幅を一度に施工できる 2時間耐火仕様の場合、建設技能者は1日に150m2程度の吹き付け面積だったのに対し、耐火被覆ロボットは200m2程度の吹き付けが可能となり、 作業効率は約1.3倍 に向上することがわかりました。 建設作業員の1.3倍の作業スピードを実現
2019/07/01 11:54 株式会社イエイリ・ラボ
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TfasとRevitが相互連携!属性付き設備BIMモデルをRevitで編集可能に
最近、設備設計でもBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)が使われるようになり、建築設計用のBIMソフトとのデータ連携による干渉チェックや、干渉部分の設計変更などで施工段階での手戻り防止に効果を上げています。 ただ、これまでは設備用BIMソフトで作ったBIMモデルをIFC形式というオープンな共通フォーマットで建築用BIMソフトで読み込むことが一般的でしたが、手作業によるデータ変換や修正の手間がかかっていました。 そこで設備用BIMソフト「CADW’ell Tfas」(以下、Tfas)を開発元ダイテックと、建築用BIMソフト「Revit」の開発元オートデスクは2019年1月に両ソフトを ナ、ナ、ナ、ナント、 双方向で連携 させることを発表していましたが、その機能がこのほど実現したのです。(ダイテックのプレスリリースはこちら) TfasとRevitの双方向データ連携イメージ(以下の資料:ダイテック) この双方向データ連携機能は、「Tfas 11」に搭載されています。 データ連携の方法はまず、Tfasで設備BIMモデルを作り、「Revit連携ファイル」を書き出します。そしてRevitを開いてこのファイルを読み込むだけです。 すると、Revit上で設備BIMモデルをいろいろな方向から見て確認したり、編集したりすることができるのです。 まず、TfasでRevit連携ファイルを書き出す 次に、Revitで連携ファイルを読み込む 配管やダクトが躯体などと干渉している部分があれば、即座にRevit上で修正できるので便利ですね。修正後のBIMモデルは、再びTfas側に渡すことができます。属性情報はそのまま保たれるので、助かりますね。 Tfasは今、進化の真っ最中です。2019年12月には、次世代BIMアプリ「CADW’ell Linx」としてリリースされる予定です。 ダイテックが5月24日に発表したプレスリリースを見ると、属性情報付きでメーカー機器のBIMオブジェクトを取り込む機能や、法規・施工要領のチェック機能のほか、 AIを活用した自動作図 機能なども搭載される予定です。 次世代BIMアプリ「CADW’ell Linx」のコンセプト AI(人工知能)による設計の自動化は、BIMによる設計業務の生産性をさらに高めるものとして期待できますね。
2019/06/28 10:38 株式会社イエイリ・ラボ
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超小型ドローンをHMDで操縦!アイ・ロボティクスが煙突や管路の点検サービス
建物の屋根裏や煙突、発電所、化学プラントの配管などの点検は、狭くて温度や酸素欠乏などの危険も多いため、人が入りにくい場合があります。 そこでアイ・ロボティクス(本社:東京都新宿区)は、リックス、日本ドローンレース協会(JDRA)、増田勝彦氏と共同で、こうした人が立ち入れない狭隘(きょうあい)部を点検するサービスを開始しました。 ナ、ナ、ナ、ナント、 超小型ドローンを遠隔操作 して、こうした狭い部分を飛行し、内部の点検を行おうというのです。(アイ・ロボティクスのプレスリリースはこちら) 点検対象の建物や管路など(画像:アイ・ロボティクス) 使用するドローンは直径8~19cm、重量170g以下のドローン(無人機)です。もともとレースやホビー用に開発された小型で安全な機体を改造したものです。 サイズが小さいので航空法の適用を受けず、飛行申請が必要ありません。また、機体自体も安いので、複数の機体を使って低コストの運用が行えます。 操縦者はヘッドマウントディスプレー(HMD)などを装着して、自分が機体に乗り込んだようなイメージで操縦します。 世界屈指のマイクロ・ドローンパイロット兼映像技術者である増田勝彦氏が、ドローンの操縦技術をサポートし、機体の開発・展開などを担います。 増田氏はYouTubeの「オンナノコズ」という作品を公開し、話題になりました。マイクロドローンを使って校庭の桜の木の間を通り、校舎の窓から教室に侵入。 女子高生の腕の間をすり抜けたり、いすの間を通り抜けたりする映像です。構造物の点検イメージが伝わってくます。 YouTubeで公開されている「オンナノコズ」のワンシーン。教室の窓から校舎に侵入 (以下の画像:「オンナノコズ」より) 女子高生の腕の間をするりと通過 廊下で話す二人の女子高生の間をすり抜ける ナント、いすの下も難なく通過した これまで、空撮や測量などでドローンを飛ばしたことがある人は、狭いところを精密に飛行させるためにはいったい、どんな方法で操縦しているのが気になりますね。 パイロットは、 ヘッドマウントディスプレー などを装着し、機体に乗り込んだイメージで操縦するとのことです。 この点検は、基本的にサービスとして提供されますが、アイ・ロボティクスが実施する「実運用検定試験」に合格し、システムに使われている「業務用無線資格」を取得することで、ドローン運用事業者でもサービスを行うことができます。 アイ・ロボティクスでは、マイクロドローンを利用したデモンストレーションを2019年7月29日に東京で開催するほか、8月以降に大阪、名古屋、福岡でも開催予定です。(詳しくは、アイ・ロボティクスのウェブサイトを参照) 建設分野で使われるドローンとして、航空法の規制にかからない超小型のドローンは、狭い部分の点検という新たな分野での活用が注目されそうですね。
2019/06/27 10:02 株式会社イエイリ・ラボ
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360°カメラで現地調査を一本化!依頼者と職人を直結するクラウドサービスが登場
マンションのリフォームを検討するとき、お声がけした施工会社ごとにやって来て室内を調査し、プランや見積もりを出すという流れが一般的でした。 そのため、見積もりまでに手間ひまがかかるので、価格はどうしても高めになってしまいます。 そこで、FURUEL(本社:大阪市)クラウドシステムを利用してこれらの手間を省き、依頼者と職人を直接つなぐことでリフォーム費用を抑えるサービス「REMODERA」を2019年7月1日に開始することになりました。 「REMODERA」のウェブサイト(以下の資料:FURUEL) 依頼者と職人をクラウドでつなぐREMODERAのサービス概念図 リフォームの依頼者はREMODERAのウェブサイト上の入力フォームに部屋の図面データを張り付けるだけ。するとREMODERAのスタッフがやって来て ナ、ナ、ナ、ナント、 高画質360°カメラ で室内を撮影し、現地調査を一回で済ませてくれるのです。(FURUELのプレスリリースはこちら) REMODERAの画面 リフォーム依頼者は図面を張り付けるだけ。するとREMODERAが現地調査を1回で済ませる 現地調査データはクラウドによって職人側に提供されるので、現地に行かなくても部屋の状況を確認することができます。 そしてスケジュールが空いている職人を募集することで、スムーズにマッチングを行うことができ、着工も早まるというわけです。 REMODERAによるマッチングのイメージ 依頼者は、いちいち打ち合わせしなくても、ウェブサイト上で壁紙の色や種類を自由に選んだり、予算に応じてリフォーム内容を柔軟に変更したりすることができます。 工事の完成チェックはREMODERAの運営本部が行うため、品質の心配もありません。そして職人に対する評価制度を導入しているので、腕の確かな職人を選んで工事を頼めるのです。 クラウドによって手間ひまを省いた結果、リフォーム費用は 約20%も削減 することができます。 コスト削減のイメージ。見積書も内訳が明確だ 当面は賃貸マンションの現状回復リフォームを想定し、ユーザーをマンションオーナーや不動産管理会社に限定します。まずは大阪でサービスを開始し、2019年末ごろには東京23区でサービスを開始するとのことです。 さらに今後は、AR(拡張現実)技術を使って完成イメージを確認できる機能や自動採寸機能の導入、さらには多言語化による外国人労働者とのマッチング機能なども拡張していきます。 職人さんも、現地調査が空振りに終わったりすることがなく、現場での施工に集中できるのでありがたいですね。
2019/06/26 10:55 株式会社イエイリ・ラボ
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海面に“道”が見える!東亜建設工業が港湾工事用に「ARナビ」を開発
港湾工事や海上工事などで使う起重機船や浚渫(しゅんせつ)船などの操縦は、道路上でクルマの運転をするのと違って難しさがまるで違います。 というのも、海の上は海面しか見えないので、ナビゲーションシステムがあったとしても道路に相当する航路や、浅瀬などの危険エリアなどが視界のどのあたりにあるのが、直感的にわからないからです。 そこで東亜建設工業は、作業船の航行時に航路や浅瀬、航行禁止エリアなどを、映像と音声でわかりやすく表示するシステムを開発しました。 カメラで撮影した周囲の海面映像の上に、 ナ、ナ、ナ、ナント、 ARで航路などを表示 する「ARナビ」というシステムなのです。(東亜建設工業のプレスリリースはこちら) ARナビで見た前方の海面。航路が直感的にわかる(以下の資料:東亜建設工業) 航路からはみ出していないか、施工現場はどこかといったことがわかりやすく表示される このシステムは、現在の位置や方位情報を取得するGNSS(全地球測位システム)方位計、映像を撮影するカメラ、そしてノートパソコンというシンプルな機器構成なので、様々な船舶に簡単に搭載できます。 また監視レーダーやAIS(自動船舶識別装置)によって得られた情報から、付近を航行する他の船舶の船名や速度、距離など表示することも可能です。 進入禁止エリアに接近した場合や、航行経路が計画と違う場合は、オペレーターに映像や音声でアラート(注意喚起)を行います。 「ARナビ」の機器構成。シンプルなので様々な船舶に簡単に搭載できる レーダーやAISで取得した情報から他の船舶の船名や速度、距離なども表示できる そして、この「AR」ナビは工事用車両に搭載すると、 大規模造成工事 でも、毎日変わる現場の通行ルールなどをわかりやすく提供できるのです。 確かに、大きな造成現場は周りに地面しか見えないので、海の上と同様に位置の手がかりがありませんからね。 東亜建設工業では今後、港湾工事を中心にこのシステムを導入し、検証を重ねていくほかカメラ映像の同様低減や、AI(人工知能)による小型船舶や浮遊物の検出などの機能拡張を図っていくとのことです。
2019/06/25 11:06 株式会社イエイリ・ラボ
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DRA-CADの図面をポケットに!iPhone、iPad用の無料アプリ「DRA Viewer」
建築ピボットの3次元CADソフト「DRA-CAD」ユーザーに朗報です。 開発元の建築ピボットはこのほど、DRA-CADの図面を現場や出先で手軽に閲覧できるビューワーアプリ「DRA Viewer」を無料公開しました。 DRA-CADの図面を ナ、ナ、ナ、ナント、 iPhoneやiPad に入れて、現場や出張先などに持ち出し、手軽に見られるのです。(建築ピボットのApp Storeプレビューサイトはこちら) 「DRA Viewer」の画面。iPhone用(左)とiPad用がある(以下の資料:建築ピボット) DRA ViewerはApp Storeから無料でダウンロードできる iOS 10.1以降のiPhoneやiPad、iPod touchに対応しており、DRA-CADの図面をストレスなく、サクサク表示させることができます。 使い方は、DRA-CADのメニューから「書き出し」→「XMLで保存」を選び、「MPXL形式」で保存します。 そのファイルをDropboxなどのクラウドフォルダーに保存し、DRA Viewerで開くだけです。 画面のズームや画面移動は、直感的なマルチタッチで簡単に操作できます。また、レイヤーごとに表示を変更したり、レイヤー名を見たりすることも可能です。 使い方のイメージ。DRA-CADでMPXLファイルの形式に保存した図面データをクラウドにアップし、DRA Viewerで開くだけ レイヤーごとに表示/非表示を切り替えられる 無料アプリですが、 ユーザー登録は不要 なので、自分だけでなく発注者やお施主さんなどにも、気軽に勧めて図面の情報共有ができます。 まだ、基本的な機能だけなのでレイアウトや3D要素は無視されるほか、塗り図形や画像は表示されないなどの機能制限もありますが、取りあえずDRA-CADの図面をiPhoneなどで手軽に見られるのは、ユーザーにとって「プチ働き方改革」につながりそうですね。 今後は図面上の計測機能やアイデア・コメントなどの注釈追加機能、さらにDRA-CADのネーティブファイルである「MPZ形式」や「MPS形式」への対応も行っていく予定です。 DRA-CADユーザーの方は、ぜひ、お試しくださいね。
2019/06/24 11:42 株式会社イエイリ・ラボ
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品薄の高力ボルトもあった!不用資材のフリーマーケット「サンポヨ」が登場
建設現場では、設計変更や多めの発注、色違いなどで使われなくなった資材がなにかと発生しがちです。こうした資材はこれまで、倉庫に入れっぱなしになって保管に多額の費用がかかったり、引取先がないので新品のまま捨てられたりするケースもありました。 このムダに目をつけたのが、香川県三豊市に本社を置く建設会社、石井興産です。 余った資材はネットでほしい人を探して、有効活用してもらおうと、資材・建材を対象に ナ、ナ、ナ、ナント、 フリーマーケット 「サンポヨ」を立ち上げたのです。 資材・建材のフリーマーケットサイト「サンポヨ」のトップページ(以下の資料、写真:サンポヨより) 出品されている資材は、土木から建築(内装・外装)、設備、エクステリア、そして仮設資材まであります。 例えば、建築(内装)や建築(外装)のカテゴリーには、趣のある虎目石タイル(1箱4000円。税込み、以下同じ)や50cm角の3色カーペット十数枚(3000円)や、ダイノックシート(3mで2000円)など、新品・未使用の資材が出品されています。 また、電動工具のカテゴリーには、「やや傷汚れあり」ですがAIRMAN エアコンプレッサーホース(4万円)がありました。 価格は税込み表示で、送料も含まれています。それを考えるとリーズナブルな価格ですね。 建築(内装)のカテゴリーで出品されていた資材の例 建築(外装)のカテゴリーで出品されていた資材の例 それでは、土木のカテゴリーには何があるのかなと、クリックしてみたところ、使い捨て式防塵マスク(3個で1800円)、トン袋(10枚で5000円)のほか、 ナ、ナ、ナ、ナント、 品薄の高力ボルト まで出品されていたのです。 建設業界が活況のため、今、高力ボルトは品薄で納品までにかなりの時間がかかっているようですが、工事で余ったものをこのようなサイトに出品してくれると、助かる会社も多いのではないでしょうか。 土木のカテゴリーで出品されていた資材例。右下に「ハイテンションボルト」があるのを発見 いったい、どんな状態なのだろうとクリックしてみると、「ハイテンションボルト M22×70」の45個セットで、価格は1万円でした。 出品されていた高力ボルトの詳細 箱の拡大写真。箱には傷みはあるものの、新品・未使用とのことだ ちなみにサイト名の「サンポヨ」は、「売り手良し、買い手良し、世間良し」の「三方良し」が由来のようです。このネーミングからも、サイトの理念が感じられますね。 サンポヨへの出品は無料で、売買が成立した場合に15%が手数料として差し引かれるようです。出品はスマートフォンで簡単にできるようですので、皆さんの現場でも不要資材が発生したら、どんどん出品してみてはいかがでしょうか。
2019/06/21 12:07 株式会社イエイリ・ラボ
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BIM、測量機と連携!安藤ハザマが施工自動化に向けて自律走行ロボを開発
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)やCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)など、3Dモデルで設計や施工図作成を行う建設会社が、3D技術をさらに施工現場での生産性向上に取り組むきっかけとなる機器の一つとして、トプコンの「LN-100」という測量機があります。 LN-100は、トプコンの「杭ナビ」という墨出しシステムに使われているもので、いわば“望遠鏡のないトータルステーション”のようなものです。 安藤ハザマとイクシス(本社:川崎市)は、LN-100を使って建築工事の様々な作業を自動化するロボット用の台車を共同開発しました。 その名も「BIMデータと連携した自律走行ロボット」というもので、BIMモデル上で移動指示を行うとその場所まで ナ、ナ、ナ、ナント、 高精度で自律走行 するものなのです。(安藤ハザマのプレスリリースはこちら) BIMモデル上で移動指示を行い、LN-100(後方)と連携して自律走行するロボット(以下の写真、資料:安藤ハザマ) ロボットには測量用のプリズムが搭載されており、LN-100が自動追尾して常に自分の位置を高精度の3D座標で認識するほか、向きや傾きも測定できます。 その位置データを無線LANでロボットやコンローラーとなるタブレット端末などで交換することにより、移動指示と位置確認が行えるのです。 またロボットにはBIMモデルやレーザースキャナーと連携して自己位置推定や地図作成を行う「SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)」というシステムも搭載されており、全方位移動台車によってどの方向にも自律移動します。 コントローラーに使うタブレット端末などに表示するBIMモデルの描画には、ゲームエンジンを採用しているので軽快に動作します。 BIMモデル上で移動指示や現在位置の表示を行う位置認識・移動制御システム しかし、工事現場には脚立や資材、作業員など、測量機にとって障害となる様々なものが存在します。これらがロボットとLN-100の間に入ると、位置の自動追尾がロスト(見失ってしまうこと)してしまい、しばしば作業が中断することになりそうですが、大丈夫なのでしょうか。 その点は、現場の実情を熟知した安藤ハザマが開発しただけあって、ちゃんと答えが用意されていました。実は、ロボットには 4個のプリズムが搭載 されており、1つのプリズムがロストするとそのプリズムは引っ込み、別のプリズムが代わりに出てきて自動追尾を中断なく行えるようになっているのです。 ロボットの四隅には高さを変えて4個のプリズムが搭載されている。外形寸法はプリズム格納時で幅770×奥行き770×高さ800mm、重量60kg、走行速度0.5m/秒 今後、安藤ハザマはロボットの軽量化や自己位置認識技術の高度化を図り、施工を自動化する装置の開発など、実用化や現場への展開を目指していきます。 このロボットの用途は無限にあると言っても過言ではありません。資機材の運搬はもちろん、カメラや3Dレーザースキャナーを取り付ければ検査や進ちょく管理に活用できそうです。 また、ロボットアームを取り付ければ材料の取り付け作業や位置決めなどのアシスト、XYプロッターやインクジェットプリンターを搭載すれば、自動墨出しもできそうですね。あなたなら、何をこのロボットに載せますか?
2019/06/20 11:16 株式会社イエイリ・ラボ
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スマホで建物をデジタルツイン化!ARで維持管理する「Qosmos AR」
建物の維持管理にBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)などの3Dモデルを活用する取り組みが始まっていますが、現場での活用となるとまだハードルが高い面もあるようです。 そこでSaaS型建物メンテナンスアプリを開発するBPM(本社:東京都千代田区)は、別のアプローチで建物を3D化する建物メンテナンス管理アプリ「Qosmos AR」を開発しました。 建物の各部をスマートフォンで撮影すると ナ、ナ、ナ、ナント、 3D位置情報付きの写真 を撮影できるのです。(BPMのプレスリリースはこちら) 建物の各部をスマホで撮影する(特記以外の資料:BPM) すると建物の平面をARで検出し、簡単な3Dモデルを作成する 写真からAR(拡張現実)の技術を用いて3D座標や平面を検出し、建物内の空間情報を3Dモデル化します。 この3Dモデルの平面上に様々な情報を格納する「3Dピン」を設置し、メンテナンス業務のたびに修繕履歴を更新したり、写真をひも付けたりすることができるのです。 スケルトンとなった建物内部の3Dモデルに設置されたピンとひも付けられた「壁の傷」の写真 内装工事後の建物を見た画面と思われる画像 新築建物の躯体施工時や、リフォーム時にスケルトンになった建物をこれで撮影しておくと、後で内装工事が行われても内部の様子が手に取るようにわかりますね。 BMPはこうした手法で 建物をデジタルツイン化 し、将来活用するための3Dデータの管理法補やモバイル端末について特許出願(特願2019-102781)を行いました。 「デジタルツイン」とは、建物の「デジタルデータの双子」という意味ですが、これがあれば現場に行かなくても状況を把握したり、コンピューターに様々な業務を行わせたりすることができます。 アプリはiPadやiPhoneなど、iOS 12.0以降の端末で利用でき、App Storeから無料でダウンロードすることができます。 App Storeで無料公開されている「Qosmos AR」(資料:App Store) まだ、改良の余地は大きそうですが、未来志向の維持管理システムと言えそうです。気になる方は、ARによる維持管理の可能性を試してみてはいかがでしょうか。
2019/06/19 10:00 株式会社イエイリ・ラボ
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