超小型ドローンをHMDで操縦!アイ・ロボティクスが煙突や管路の点検サービス

2019/06/2710:02配信

建物の屋根裏や煙突、発電所、化学プラントの配管などの点検は、狭くて温度や酸素欠乏などの危険も多いため、人が入りにくい場合があります。

そこでアイ・ロボティクス(本社:東京都新宿区)は、リックス、日本ドローンレース協会(JDRA)、増田勝彦氏と共同で、こうした人が立ち入れない狭隘(きょうあい)部を点検するサービスを開始しました。

ナ、ナ、ナ、ナント、



超小型ドローンを遠隔操作



して、こうした狭い部分を飛行し、内部の点検を行おうというのです。(アイ・ロボティクスのプレスリリースはこちら

超小型ドローン

点検対象の建物や管路など(画像:アイ・ロボティクス)



使用するドローンは直径8~19cm、重量170g以下のドローン(無人機)です。もともとレースやホビー用に開発された小型で安全な機体を改造したものです。

サイズが小さいので航空法の適用を受けず、飛行申請が必要ありません。また、機体自体も安いので、複数の機体を使って低コストの運用が行えます。

操縦者はヘッドマウントディスプレー(HMD)などを装着して、自分が機体に乗り込んだようなイメージで操縦します。

世界屈指のマイクロ・ドローンパイロット兼映像技術者である増田勝彦氏が、ドローンの操縦技術をサポートし、機体の開発・展開などを担います。

増田氏はYouTubeの「オンナノコズ」という作品を公開し、話題になりました。マイクロドローンを使って校庭の桜の木の間を通り、校舎の窓から教室に侵入。

女子高生の腕の間をすり抜けたり、いすの間を通り抜けたりする映像です。構造物の点検イメージが伝わってくます。

超小型ドローン

YouTubeで公開されている「オンナノコズ」のワンシーン。教室の窓から校舎に侵入

(以下の画像:「オンナノコズ」より)

超小型ドローン

女子高生の腕の間をするりと通過

超小型ドローン

廊下で話す二人の女子高生の間をすり抜ける

超小型ドローン

ナント、いすの下も難なく通過した



 

これまで、空撮や測量などでドローンを飛ばしたことがある人は、狭いところを精密に飛行させるためにはいったい、どんな方法で操縦しているのが気になりますね。

パイロットは、



ヘッドマウントディスプレー



などを装着し、機体に乗り込んだイメージで操縦するとのことです。

この点検は、基本的にサービスとして提供されますが、アイ・ロボティクスが実施する「実運用検定試験」に合格し、システムに使われている「業務用無線資格」を取得することで、ドローン運用事業者でもサービスを行うことができます。

アイ・ロボティクスでは、マイクロドローンを利用したデモンストレーションを2019年7月29日に東京で開催するほか、8月以降に大阪、名古屋、福岡でも開催予定です。(詳しくは、アイ・ロボティクスのウェブサイトを参照)

建設分野で使われるドローンとして、航空法の規制にかからない超小型のドローンは、狭い部分の点検という新たな分野での活用が注目されそうですね。

最終更新:2019/11/2018:08

株式会社イエイリ・ラボ