超小型ドローンをHMDで操縦!アイ・ロボティクスが煙突や管路の点検サービス
建物の屋根裏や煙突、発電所、化学プラントの配管などの点検は、狭くて温度や酸素欠乏などの危険も多いため、人が入りにくい場合があります。
そこでアイ・ロボティクス(本社:東京都新宿区)は、リックス、日本ドローンレース協会(JDRA)、増田勝彦氏と共同で、こうした人が立ち入れない狭隘(きょうあい)部を点検するサービスを開始しました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
超小型ドローンを遠隔操作
して、こうした狭い部分を飛行し、内部の点検を行おうというのです。(アイ・ロボティクスのプレスリリースはこちら)
点検対象の建物や管路など(画像:アイ・ロボティクス)
使用するドローンは直径8~19cm、重量170g以下のドローン(無人機)です。もともとレースやホビー用に開発された小型で安全な機体を改造したものです。
サイズが小さいので航空法の適用を受けず、飛行申請が必要ありません。また、機体自体も安いので、複数の機体を使って低コストの運用が行えます。
操縦者はヘッドマウントディスプレー(HMD)などを装着して、自分が機体に乗り込んだようなイメージで操縦します。
世界屈指のマイクロ・ドローンパイロット兼映像技術者である増田勝彦氏が、ドローンの操縦技術をサポートし、機体の開発・展開などを担います。
増田氏はYouTubeの「オンナノコズ」という作品を公開し、話題になりました。マイクロドローンを使って校庭の桜の木の間を通り、校舎の窓から教室に侵入。
女子高生の腕の間をすり抜けたり、いすの間を通り抜けたりする映像です。構造物の点検イメージが伝わってくます。
YouTubeで公開されている「オンナノコズ」のワンシーン。教室の窓から校舎に侵入
(以下の画像:「オンナノコズ」より)
女子高生の腕の間をするりと通過
廊下で話す二人の女子高生の間をすり抜ける
ナント、いすの下も難なく通過した
これまで、空撮や測量などでドローンを飛ばしたことがある人は、狭いところを精密に飛行させるためにはいったい、どんな方法で操縦しているのが気になりますね。
パイロットは、
ヘッドマウントディスプレー
などを装着し、機体に乗り込んだイメージで操縦するとのことです。
この点検は、基本的にサービスとして提供されますが、アイ・ロボティクスが実施する「実運用検定試験」に合格し、システムに使われている「業務用無線資格」を取得することで、ドローン運用事業者でもサービスを行うことができます。
アイ・ロボティクスでは、マイクロドローンを利用したデモンストレーションを2019年7月29日に東京で開催するほか、8月以降に大阪、名古屋、福岡でも開催予定です。(詳しくは、アイ・ロボティクスのウェブサイトを参照)
建設分野で使われるドローンとして、航空法の規制にかからない超小型のドローンは、狭い部分の点検という新たな分野での活用が注目されそうですね。
最終更新:2019/11/2018:08
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