海面に“道”が見える!東亜建設工業が港湾工事用に「ARナビ」を開発
港湾工事や海上工事などで使う起重機船や浚渫(しゅんせつ)船などの操縦は、道路上でクルマの運転をするのと違って難しさがまるで違います。
というのも、海の上は海面しか見えないので、ナビゲーションシステムがあったとしても道路に相当する航路や、浅瀬などの危険エリアなどが視界のどのあたりにあるのが、直感的にわからないからです。
そこで東亜建設工業は、作業船の航行時に航路や浅瀬、航行禁止エリアなどを、映像と音声でわかりやすく表示するシステムを開発しました。
カメラで撮影した周囲の海面映像の上に、
ナ、ナ、ナ、ナント、
ARで航路などを表示
する「ARナビ」というシステムなのです。(東亜建設工業のプレスリリースはこちら)
ARナビで見た前方の海面。航路が直感的にわかる(以下の資料:東亜建設工業)
航路からはみ出していないか、施工現場はどこかといったことがわかりやすく表示される
このシステムは、現在の位置や方位情報を取得するGNSS(全地球測位システム)方位計、映像を撮影するカメラ、そしてノートパソコンというシンプルな機器構成なので、様々な船舶に簡単に搭載できます。
また監視レーダーやAIS(自動船舶識別装置)によって得られた情報から、付近を航行する他の船舶の船名や速度、距離など表示することも可能です。
進入禁止エリアに接近した場合や、航行経路が計画と違う場合は、オペレーターに映像や音声でアラート(注意喚起)を行います。
「ARナビ」の機器構成。シンプルなので様々な船舶に簡単に搭載できる
レーダーやAISで取得した情報から他の船舶の船名や速度、距離なども表示できる
そして、この「AR」ナビは工事用車両に搭載すると、
大規模造成工事
でも、毎日変わる現場の通行ルールなどをわかりやすく提供できるのです。
確かに、大きな造成現場は周りに地面しか見えないので、海の上と同様に位置の手がかりがありませんからね。
東亜建設工業では今後、港湾工事を中心にこのシステムを導入し、検証を重ねていくほかカメラ映像の同様低減や、AI(人工知能)による小型船舶や浮遊物の検出などの機能拡張を図っていくとのことです。
最終更新:2019/11/2018:08