「株式会社イエイリ・ラボ」のニュース一覧 (191件中61~80件を表示)
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360度カメラでトンネル施工管理をテレワーク化! 安藤ハザマらがシステム開発
山岳トンネル工事では、最前線の切羽での掘削工に続き、その後方では数百メートルにもわたりトンネル底面部分にコンクリートを打設する「インバート工」や、内壁を構築する「覆工」などの作業が行われます。 山岳トンネル坑内のイメージ図。掘削最前線の「切羽」(右端)に続き、数百メートルにわたり作業が続く(以下の資料:特記以外は安藤ハザマ) 切羽での掘削作業や後方のインバート工、覆工は、施工サイクルがそれぞれ異なるため、毎日、位置関係が変わっていきます。ここで生産性に大きな影響を与えるのが、トンネル坑内に仮置きしてある重機や仮設備の位置です。これらの適切に管理していかないと、坑内でのちょっとした「移動のムダ」が積み重なって、非効率になってしまうからです。そこで安藤ハザマ(本社:東京都港区)は、エム・ソフト(本社:東京都台東区)と共同で、山岳トンネル全線の坑内状況を可視化する「トンネルリモートビュー」を開発しました。トンネル各部の状況を把握するために、ナ、ナ、ナ、ナント、360度カメラをクルマの屋根に載せて、トンネル現場全線を動画で記録するのです。(安藤ハザマのプレスリリースはこちら) 山岳トンネル坑内のイメージ図。掘削最前線の「切羽」(右端)に続き、数百メートルにわたり作業が続く(以下の資料:特記以外は安藤ハザマ)● システムは、上下左右360°方向を同時に撮影できる360度カメラと、トンネル坑内を走行するクルマ、車速センサー、そしてデータの変換や閲覧を行うパソコンで構成されます。まずは、クルマに取り付けた360度カメラでトンネル坑内全線を走行しながら動画を撮影します。トンネル坑内ではGNSS(全地球測位システム)が使えないため、撮影位置は車速センサーのデータから走行距離を割り出すことで求めます。そして専用ソフトにより、映像とトンネル坑内での位置をひも付けた360度動画のデータを作ります。トンネル内の映像データの閲覧は、専用ソフトによって行います。動画配信サイトのように再生できますが、閲覧する位置は分や秒ではなく、坑口からの距離によって表されるので、必要な地点の映像を一発で 見ることができます。 専用ソフトで見た坑内の映像。画面下のカーソルは時間ではなく、坑口からの距離で映像の位置を指定できる
2020/09/07 15:39 株式会社イエイリ・ラボ
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コロナ禍でi-Constructionが2年前倒しに! 国総研、JACICも着々と対応していた
2020年、日本はもとより世界の常識を一変させたコロナ禍ですが、建設業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)やi-Constructionの推進にとってはプラスの方向に作用しているようです。国土交通省は「インフラ分野のDX推進本部」を設置し、2020年7月29日に第1回の会合を開きました。国交省技監を本部長とし、メンバーは道路、河川から港湾、空港、さらには研究所までの幹部約20人が名を連ねています。その会合では、新型コロナウイルス感染症対策を契機として、「非接触・リモート型の働き方への転換」や「DX推進のための環境整備や実験フィールド整備」などを行うことのほか、2023年度までに小規模工事を除き、ナ、ナ、ナ、ナント、すべての公共工事でBIM/CIMを原則適用するという方針が示されたのです。(国土交通省の報道発表資料はこちら)※BIM:ビルディング・インフォメーション・モデリング、CIM:コンストラクション・インフォメーション・モデリング 国土交通省のインフラDXの推進体制(資料:特記以外は国土交通省) 令和5年(2023年)にすべての公共工事でBIM/CIMが原則適用されることになっている 以前は2025年に原則適用という予定でしたから、スケジュールが2年前倒しされたというわけですね。職場や通勤経路の「3密」を防ぐため、会議がオンライン化されたりした結果、ICT(情報通信技術)による「移動のムダ削減」などの効果を、多くの人が体感したことも、きっと影響しているのでしょう。インフラ分野のDX促進では、発注者と受注者をデジタルデータでつなぎ、施工管理や品質管理から納品までをオンラインで行うことにより、両社の負担を減らしたり、効率化と品質確保を両立させたりするイメージが描かれています。また、DXデータセンターを設けて国交省の職員や民間企業がデータを共有したり、BIM/CIMソフトをオンラインで活用したりします。 受発注者間をデジタルデータでつなぎ、負担の軽減や、効率と品質確保を両立させるイメージ DXデータセンターの利用イメージ BIM/CIM原則適用の2年前倒しにより、人材の育成もスピーディーに行う必要があります。そのため、オンライン講座(ウェビナー)による発注者や受注者向けのBIM/CIM研修プログラムを実施するほか、茨城県つくば市にある国土技術政策総合研究所(NILIM)に「先端建設機械実験フィールド」などを設けます。 ウェビナーによる人材育成イメージ
2020/09/04 11:42 株式会社イエイリ・ラボ
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スマホが基準局に?!ソフトバンクが個人向けRTK-GNSSサービス開始
国土交通省の「i-Construction」施策では、道路や堤防などの3Dモデルを使って建設機械を自動制御し、盛り土や切り土を施工する「ICT土工」が行われています。このとき、建機の位置を計測するのにGNSS(全地球測位システム)を使いますが、精度を数センチメートル程度まで高めるために、位置が分かっている「基準局」を別に設置し、位置の補正情報を建機に送る「RTK-GNSS」という方式を使う必要があります。基準局の設置には、高価なGNSS測量機が必要なほか、時間も1時間はかかるので、RTK-GNSSを使うのにネックとなっていました。 基準局からの補正情報を使ったRTK-GNSS測量のイメージ図(資料:国土交通省九州地方整備局のウェブサイトより) こうした手間をなくそうと、ソフトバンクの子会社であるALES(本社:東京都港区)は、2020年8月7日に「センチメートル級測位サービス」を個人ユーザー向けに開始しました。ソフトバンクが全国3300カ所以上に設置している基準局(独自基準点)のデータで作られた補正情報をナ、ナ、ナ、ナント、スマートフォンで利用して、すぐにRTK-GNSSが使えるのです。(ALESのプレスリリースはこちら) 「センチメートル級測位サービス」の提供イメージ(資料:ALES) ソフトバンクの独自基準点は全国で3300カ所以上ある(資料:ソフトバンク) いわば、手元のスマホを“基準局”として使う感覚でしょうか。これはソフトバンクが法人向けに提供している高精度測位サービス「ichimill」と同様なサービスを、ALESが個人向けに提供するものです。利用には、RTK測位対応のGNSSアンテナやGNSS受信機、Ntrip方式(※)で補正情報を受信するためのアプリ、そしてインターネット接続が可能なスマホなどが別途必要です。※Ntrip:補正情報をインターネット経由で送受信する通信プロトコルの一種サービスの利用手順は、次の通りです。(1)RTK測位対応のアンテナや受信機を測位したい機器に設置し、各機材の電源を入れる。(2)スマホなどでNtripクライアントアプリを操作し、各機材と連携する。(3)Ntripクライアントアプリで「ALES配信システム」と接続し、各機材がインターネットに接続されていることを確認する。(4)すると、GNSSアンテナで受信したGNSS信号が、アプリを通して「ALES配信システム」へ送信される。そのデータとソフトバンクの独自基準点が受信した信号を基に、「ALES配信システム」が補正情報を生成してGNSS受信機に配信する。つまり、スマホさえあれば、どこでもすぐにRTK-GNSSを使った施工や測量ができるというわけですね。基準局があちこちにあるので、長距離を移動しながら測量する場合も、基準局を途中で切り替える「ハンドオーバー」によって作業を中断する必要がありません。気になる利用料金ですが、1つのID当たり年間3万6000円(税別)とリーズナブルです。建設業での用途としてはICT土工や、タブレット端末とBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を使った“地下構造物の透視”、HoloLensなどのMR(複合現実)デバイスを使った出来形管理や墨出し、そしてドローン(無人機)や3Dレーザースキャナーによる測量など、いろいろと使えそうですね。
2020/08/17 18:27 株式会社イエイリ・ラボ
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“玉”が自動的に浮かぶ?!アクティオがクレーンの玉掛け作業を自動化
クレーンのワイヤ先端にあるフックを、吊り荷についたロープの吊り具(玉)に引っかけたり、外したりする「玉掛け」作業は、危険を伴うものです。最近はベテランの熟練労働者が少なくなり、この玉掛け作業を安全に行うことが課題になってきました。そこで建設機械のレンタル会社、アクティオは、ナ、ナ、ナ、ナント、遠隔操作で玉掛けや解除が行える「自動玉外し装置」のレンタルを2020年7月13日に始めたのです。(アクティオのプレスリリースはこちら) 遠隔操作で玉掛け・解除が行える「自動玉外し装置」(以下の写真、資料:アクティオ) この装置は、フックを遠隔操作で回転されることにより、玉掛けと解除の両方の作業が行えます。製品名にあえて「玉外し」をうたっているだけに、吊り具を外す際の安全性には特に配慮がなされています。その一つはフェイルセーフ設計(安全設計)です。フックに20kg以上の荷重がかかっているときは、フックが回転しようとするときに、幾何学的に吊り具がひっかかることによって解放を防ぐ仕組みになっています(ジオメトリー設計)。また、重力を利用した装置による解放防止装置も付いています。フックに20kg以上の過負荷がかかった場合、フックを動かすモーターが動かなくなる仕組みもダブルで付いているのです(セキュリティー・トルク・リミット=STL機能)。 フックに20kg以上の荷重がかかっているときは、ジオメトリー設計(左)やセキュリティー・トルク・リミット機能(右)でフックが開かないようになっている 一方、玉掛け時にも「マグネットシステム」という面白い仕組みが導入されています。自動玉外し装置の内部には、強力な「ネオジム永久磁石」が32個、規則的に配置されており、吊り具を磁力で空中に持ち上げ、そこにフックを引っかけるようになってするのです。これらの磁界によって、吊り具をフックに引き寄せ、センターに合わせ、フックと直角方向に向けるという3つの動きを自動的に行えます。吊り具は様々なものに対応しています。 強力な磁石によって吊り具を空中に浮上させ、正しい方向に向けてフックを引っかける また、操作用のリモコンには、自動玉外し装置のロードセルで計測された荷重をリアルタイムに表示させることができ、複数のクレーンを使って「共吊り」する時も、荷重のバランスがとれているかどうかを数値で確認できます。 「自動玉外し装置」の外形図。メーカーは「エレビア」で自重は54kg。使用荷重は16トン この装置を使う場合でも、作業は「玉掛け技能講習」の修了者が行うことが必要ですが、作業の安全性は大幅に高まりそうですね。
2020/07/22 11:14 株式会社イエイリ・ラボ
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クレーン運転もテレワークの時代へ!竹中・鹿島が大阪~名古屋間で遠隔操作
建設機械のIT化が進む今でも、昔ながらの肉体労働が必要な仕事も残っています。例えば、ビル現場でよく見かけるタワークレーン。そのオペレーターは、タワーのてっぺんにある運転席まで、最大50mもの高さを毎日、はしごを使って上り下りしなければなりません。そのため、一度、運転席に座ったら仕事が終わるまで1日中、運転席で過ごしています。このクレーン運転の業務を“働き方改革”するため、竹中工務店と鹿島は、建機レンタル会社のアクティオ、カナモトと共同で画期的なシステム「TawaRemo」を開発しました。タワークレーンを地上の専用コックピットから、ナ、ナ、ナ、ナント、遠隔操作できるようにしたのです。(竹中工務店、鹿島のプレスリリースはこちら) タワークレーンの操作に使う専用コックピット(以下の写真、資料:竹中工務店、鹿島) タワークレーンの運転席には、複数台のカメラを設置しておきます。その映像を地上に送信し、コックピットの前に置かれたモニター画面に映し出します。また、荷重などの動作信号や異常信号を表示する専用モニターもあります。そして、タワークレーンの運転席にはクレーンの振動や揺れを計測するジャイロセンサーも取り付けてあり、その信号もコックピットの座席に送って、ゲームの“フォースフィードバック”システムのように体感することができます。こうした設備により、オペレーターは地上にいながら、まるで空中の運転席にいるような感覚で、タワークレーンを遠隔操作できるというわけです。 タワークレーンの遠隔操作システム「TawaRemo」の全体イメージ図 4社は2019年9月からこのシステムを実際のクレーンで検証を開始し、通信環境やコックピットの仕様変更などの改良を続けてきました。さらに驚くべきことに、大阪に設置したコックピットから名古屋のタワークレーンを操作し、材料の積み込みや積み下ろし作業を遠隔操作で行えることを確認したのです。微妙な操作が求められるタワークレーンを、約140kmもある大阪~名古屋間で「テレワーク運転」したというのはスゴイですね。通信システムには、NTTドコモの「4Gアクセスプレミアム回線」(閉域ネットワーク)を活用し、高いセキュリティーが保たれています。今後は操作性を向上させるため、5G回線の導入も検討しています。また、カナモトが開発した通信システム「KCL」も活用し、セキュリティーの強化と低遅延での操作を実現しました。コックピットの地上化は、運転席への往復時間がなくなることによる生産性向上や省力化だけでなく、若手オペレーターにベテランオペレーターが付いて指導しやすくなるため、技術伝承のメリットもあります。竹中工務店と鹿島は2020年9月までに、関係官庁と協議しながら現場での試行を繰り返すとともに、コックピットの増産やタワークレーンへのシステム搭載を進め、2020年度中に本格的な運用を始める方針です。また、アクティオも自社保有のクレーンにシステムを順次、導入するほか、カナモトもコックピットや通信システムのレンタル運用保守を担当するとのことです。タワークレーンの運転も今後、テレワーク化が急速に進んでいきそうですね。
2020/06/17 13:24 株式会社イエイリ・ラボ
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あの「助太刀」で建機の“出前”を注文!→アクティオから宅急便で翌日配達
建設現場と職人さんを直結する建設業向け求人アプリ「助太刀」は、既に13万もの事業者が登録する一大インフラとなっています。これまでは現場から職人さんを募集するのに使われてきましたが、2020年8月上旬から新サービスが加わり、ナ、ナ、ナ、ナント、建設機械の“出前”を頼むことができるようになるのです。(アクティオのプレスリリースはこちら) 建機の“出前サービス”のイメージ図(以下の資料、写真:アクティオ) 2020年6月9日に行われた記者発表会 これは建機のレンタル会社、アクティオ(本社:東京都中央区)と「助太刀」を運営する助太刀(東京都渋谷区)が、初めてコラボレーションし、助太刀アプリ内にある「助太刀ストア」から、スマホで簡単に建機をレンタルできるサービスを展開するものです。これまでは建機が必要になったとき、作業員から元請けに建機の手配を依頼→施工管理担当者などが電話やFAX、対面などで注文、という流れでした。そのため、納期までタイムラグが生じて、作業予定日に建機が届かず、工程の変更や工期遅れにつながることがよくありました。今回のサービスでは、現場の作業員が直接、スマホで建機を発注すると、翌日に宅急便で配送されてくるので、工事もスムーズに進みます。 宅急便が使える建機や資材など レンタル期間終了のリマインドやレンタル期間延長などの手続きもスマホで行えます。また、レンタル終了後は宅急便で返却でき、修理が必要な場合はその精算もできるとのことです。今回はアクティオの横浜支店を中心に、小型の商品からサービスをスタートし、順次、レンタル商品を拡大していく予定です。 将来はバックホーやクレーンなどもスマホで出前を頼める時代になりそうだ このレンタルサービスが本格化すると、バックホーなどの重量物をオンデマンドで配達する物流システムも進化しそうですね。工場で製作したビルの「プレハブ部品」を多頻度、低価格で配送してくれるようなサービスに発展すると、建設現場の「3密防止」や作業員のテレワーク化にもつながりそうです。
2020/06/15 17:00 株式会社イエイリ・ラボ
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定点カメラで進ちょく管理!安藤ハザマらが4K映像をCIMやAI、図面化で可視化
現場に設置された定点カメラの映像は、現場で何が行われているのかくらいはわかりますが、定量的な施工管理には使えませんでした。そこで安藤ハザマは、日本マルチメディア・イクイップメント(本社:東京都千代田区)、富士ソフト(本社:横浜市中区)、計測ネットサービス(本社:東京都北区)、宮城大学事業構想学群教授の蒔苗耕司氏と共同で、建設現場の進捗(ちょく)管理を効率的に行うための「定点カメラ映像による進捗管理システム」を開発しました。このシステムを使うと、現場に設置した4Kカメラからのリアルタイム映像から、様々な定量的な管理が行えます。例えば、リアルタイムな映像を瞬時に擬似的な3D映像に変換して、ナ、ナ、ナ、ナント、CIMモデルに重ねて表示することで、工事の完成形に対する現在の進ちょく状況が直感的にわかるのです。(安藤ハザマのプレスリリースはこちら)また、振動ローラーがその日、締め固め作業を行ったときのGNSS(全地球測位システム)の軌跡データや、地盤改良に使う深層混合処理を行う重機の施工データも、定点カメラの映像に重ね合わせて見ることができます。 定点カメラの映像にCIMモデルを重ねた合わせたところ。1mごとの等高線に対して、工事が予定通り進行しているのかを確認できる(以下の資料:映像進捗管理システム開発コンソーシアム) 振動ローラーが午前中に締め固めた範囲を青色で表示したところ。画面右側には定量的な盛り土量も表示されているので、定量的な管理が行える システム構成図。現場に設置した4Kカメラのリアルタイム映像に、CIMモデルや施工データを重ねて表示できる また、パソコン画面を直接タッチすることで、映像から距離や面積を算出する機能も付いています。日々の出来高を管理したり、資機材配置計画など、簡単な測量が画面で行えるので便利ですね。 パソコンの画面上でちょっとした測量や計測もできる
2020/03/23 17:44 株式会社イエイリ・ラボ
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無人化施工を上空から“自撮り”!フジタが長時間飛べる有線ドローンを開発
無人の重機を遠隔操作して土工などを行う「無人化施工」の現場では、離れたところにいるオペレーターに現場の映像を伝えるため、施工する重機はもちろん、その周辺にもカメラを積んだカメラ台車を配置するなど、大がかりな設備が必要でした。しかし、カメラ台車の配置が難しかったり、映像の切り替えに人手がかかったりという課題もありました。そこでフジタは、カメラ問題を省力化するため、画期的な装置を開発しました。無人化施工を行う重機から、ナ、ナ、ナ、ナント、有線給電ドローンを放ち、重機の上空から長時間、現場を実況中継するものなのです。(フジタのプレスリリースはこちら) 有線給電ドローンを装備した無人化施工用のバックホー(以下の写真、資料:フジタ) ドローンで上空から撮影した映像の例 このシステムは「建機追従型有線給電ドローン」というものです。一般的なドローンは内蔵バッテリーで電力を供給しますが、有線給電ドローンは文字通り、給電ケーブルから無限に電力が供給されるので、非常に長時間の効果が可能です。ドローンは重機の運転席の上に設置した小型のヘリパッドで離着陸を行い、重機を追いかけながら自動的に追従飛行します。カメラは光学ズームや光学防振機能が付いており、高画質な映像を撮影できます。ドローンの操作は、タッチパネル式のパソコンで直感的に行えます。また給電ケーブルは、ヘリパッドに内蔵した自動巻き取り装置で長さを調整するので絡み事故を防止します。 重機に設置された小型ヘリパッド タッチパネルによるドローンの操作画面 では、無人重機は誰が運転しているのかというと、「ロボQS」という遠隔操縦ロボットです。フジタが、国土交通省 九州地方整備局 九州技術事務所、IHIと共同開発したものです。 遠隔操縦ロボット「ロボQS」。初代に比べてかなり小型化された 以前のロボQは、人間のような形をしており、操縦席にどっかりと座っていましたが、ロボQSはかなり小型化が進みました。いざというときは、ロボQSの上に人間が座って手動操縦することも可能です。以前から凧(たこ)にカメラを取り付けて飛ばし、空撮する「凧カメラ(カイトフォト)」というものがありましたが、このシステムは、凧カメラのイノベーションとも言えますね。
2020/03/06 10:58 株式会社イエイリ・ラボ
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5Gと複数建機で道路造成に成功!KDDI、大林組、NECが実証実験
「高速・大容量」「低遅延」「多接続」という特徴を持つ、第5世代移動通信システム「5G」は、建設現場の生産性向上にも大きく寄与することが期待されています。これまで建設業界では、建設機械の遠隔操作を5Gで行う実験が行われてきましたが、さらに一歩前進する成果がこのほど得られました。KDDI、大林組、日本電気(NEC)は2020年2月3日から2月14日の間、川上ダム(三重県伊賀市)の建設現場の一部を使って5Gによる工事の実証実験を行いました。その結果、5Gで3台の建設機械を遠隔操作し、1台の自動運転振動ローラーと連携させることにより、ナ、ナ、ナ、ナント、道路造成工事の施工に成功したのです。(KDDI、大林組、NECのプレスリリースはこちら) 5Gでリアルタイムに建機を遠隔操作するオペレーター(以下の写真、資料:KDDI、大林組、NEC) 5Gによる遠隔操作で掘削した土を積み込む油圧ショベル(右)とクローラキャリア(左) 5Gによる遠隔操作で土を敷きならすブルドーザー(右)と自動運転で転圧する振動ローラー(左) 現場には5G基地局を設置し、無線で各建機や建機に搭載された多数のカメラなどとつなぐとともに、遠隔施工管理室とは「無線エントランス」という80GHz帯の高速無線伝送システムで接続しました。5Gで遠隔操作した3台の建機は、油圧ショベル、クローラキャリア、ブルドーザーです。離れたところにある遠隔施工管理室にいるオペレーターが5Gを通じて、土砂の掘削や運搬、敷きならしという一連の動作を行いました。これらの建機にはそれぞれ、前方映像用の2Kカメラが3台ずつと全方位カメラが1台ずつ搭載されています。さらに現場には、計8台の2Kカメラと工事エリア全体を見渡せる4K3Dカメラも設置されました。カメラの多さにビックリですね。また、振動ローラーには自動運転システムが搭載されており、転圧作業の指示や転圧結果、品質を5Gでリアルタイムに伝送しました。このほか、これら4台の建機にはGNSS(全地球測位システム)で建機の位置や施工状況、設計値との差を、5Gで遠隔施工管理室に伝送。施工結果をリアルタイムに把握できるようにしました。 現場に設置された5G基地局と、各建機やカメラ、遠隔施工管理室は5Gによる無線通信でつながっている さらに現場には3Dレーザースキャナーを2台設置して、施工現場の土砂量や造成結果データを計測し、そのデータも5Gで遠隔施工管理室にリアルタイムに送りました。これだけ多数の建機を遠隔操作するだけでなく、多数のカメラや3Dレーザースキャナーのデータをリアルタイムに伝送できるとは、さすが5Gですね。将来は、オフィスビルなどから遠隔操作したり、1人のベテランオペレーターが複数の建機や現場での施工に同時に対応したりすることも目指しているとのことですから、ビックリです。
2020/02/17 15:40 株式会社イエイリ・ラボ
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土のうやポリタンを空輸!大林組らがドローンで重量物の自律運搬に成功
建設現場では人手不足を解消するため、単純な運搬作業などを自動化するダンプトラックやロボットが続々と開発されています。しかしながら、山間部や急傾斜地で施工することが多い土木工事では、陸送での資材運搬を自動化することが困難でした。また人力による輸送は、事故や災害が起こるリスクがあります。こうした問題を解決しようと、大林組は、SkyDrive(本社:東京都新宿区)とともに、愛知県豊田市にある研究施設「知の拠点あいち」で実証実験を行いました。その内容は、土のうやポリタン、木杭といった重量物をナ、ナ、ナ、ナント、 ドローンで空輸 するというものだったのです。(SkyDriveのプレスリリースはこちら) 実験に使用した重量物運搬ドローン(以下の写真:大林組) 今回の実験に使用したドローンは、SkyDriveが開発している「カーゴドローン」で、30kgまでのものを運べるパワフルなものです。サイズは全長1.3m×全幅1.7m×全高1.0mで、機体重量は25kg。時速40kmで15分間飛行し、最大積載時には3kmまで飛ぶことができます。今回の実験ではポリタンや土のう、木杭、ブルーシート、金属製パイプという5種類の荷物を空輸しました。 今回の実験で運んだ資材 機体への積載は、固定式ボックスや、着陸せずに荷物を吊り上げるウインチ機構を使いました。その結果、30kg程度の資材を積んで、目視の範囲内で 自律飛行で安定した運搬 が行えることを確認したそうです。 資材を積んで自律飛行するドローン 実証実験の様子(SkyDriveのYouTube動画より) 30kgというと、人間でも持ち上げるのが大変な重さですね。それをドローンが運んでくれるとは驚きです。今後、両社は実際の建設現場で実証実験を重ねながら、現場に適した機体の開発や活用方法を検討していくとのことです。建設業で使われるドローンは、重さ200gを切る超小型のものから、重量物を運ぶ超大型のものまで、多様化が進んできました。
2020/02/14 12:36 株式会社イエイリ・ラボ
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武漢の病院がわずか10日で完成した秘密とは?新華社通信が動画を公開
新型コロナウイルスが猛威をふるう中国・武漢市で、ベッド数1000の病院、火神山医院がわずか10日間で完成したことが話題になっています。建築・土木関係者なら、いったいどのようにしてこんな短工期での工事が可能になったのかが、気になるでしょう。 わずか10日間で完成した中国・武漢市の病院(以下の資料:New ChinaのYouTube動画より) そんな疑問に答えてくれるYouTube動画を、新華社通信(New China)が公開しました。その名も「How can China build a hospital in 10 days? (中国はどのようにして、10日間で病院を建設できたのか)」というものです。 この動画では、2020年1月23日~2月1日までの10日間の工期をナ、ナ、ナ、ナント、毎日の工程ごとに作業の進ちょく状況をまとめているのです。では、1日ごとの作業進ちょくをを見てみましょう。 1月23日の現場。まず、施工管理者が朝の3時に現場に駆けつけた後、重機も続々と入場してきたとのこと 1月24日。100台以上のバックホーとブルドーザーが現場に投入される 1月25日。旧正月のはじまりとともに、200人以上の作業員が働く 1月26日。かなり造成が進み、資材も搬入されてきた 1月27日。造成工事は完了。プレハブ建物の組み立てが始まる
2020/02/07 16:55 株式会社イエイリ・ラボ
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高所も近接目視!東京メトロがドローンで半蔵門線のトンネルを検査
地下鉄のトンネルを検査するとき、意外と困るのはトンネルの上部や立て坑などの高所の目視点検をどうするかです。夜間、電車の運行が止まっている短時間で点検しなければいけないので、足場を組むことも難しく、これまでは作業者が目を凝らして「遠方目視」により点検していました。そこで、東京メトロは本日(2020年2月6日)から、ベイシスコンサルティング(本社:東京都文京区)、東京大学大学院情報学環ユビキタス情報社会基盤研究センターの協力で、半蔵門線のトンネル点検に新兵器を投入することになりました。ナ、ナ、ナ、ナント、トンネル内でドローンを飛行させて、高いところを「近接目視」しようというのです。(東京メトロのプレスリリースはこちら) 従来の「遠方目視」(左)とドローンによる「近接目視」(右)による検査の違い(以下の写真:東京メトロ) トンネル内を飛行するドローン。東京メトロの社員が自ら操縦している 球体フレームに守られたドローン 使用するドローンはトンネル壁面や架線などに接触しても墜落しないように、直径400mmの球体フレームに入っています。重さ1.15kgで、東京メトロと本郷飛行機(本社:東京都文京区)が共同開発しました。また、ドローンの操縦は東京メトロ社員自身が行い、トンネルの開口部や立て坑、トンネル上部を点検します。 ドローンによって開口部や立て坑、トンネル上部を「近接目視」によって点検する トンネル内でドローンを飛ばすとき、難しいのは人工衛星から送られてくるGNSS(全地球測位システム)の電波が受信できないことです。そのため、GNSSによる自動制御は行えません。そこで東京都メトロと本郷飛行機は、地下鉄トンネル内でドローンを自律飛行させるため、画像認識技術やAIによって壁や地面を把握し、障害物のと衝突を回避するための研究開発を行っていきます。 画像認識やAI(人工知能)による高速画像処理技術による衝突回避を行い、トンネル内で自律飛行できるドローンを開発する これまでドローンは、屋外の現場で空撮や測量に使われることが多かったですが、これからは地下鉄や下水道などのライフライン構造物や建物内など、屋内の点検まで活用範囲が広がってきました。
2020/02/06 12:10 株式会社イエイリ・ラボ
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配線不要、3分で簡単に取り付け!重機用のワイヤレスバックカメラが登場
建設業における死亡事故のうち、重機との接触事故は毎年、高所からの墜落事故に次いで多くなっています。重機の運転席からは死角が多いので、背後を見られるバックモニターは安全確保に大きな力となりますが、古い重機だとオプションが用意されていない場合もあります。そんなときに役立つ後付け用のバックモニターセット「SPOT CAMERA」が、開発元のTCI(本社:大阪府摂津市)と販売会社のMechanicBoard(本社:大阪市北区)から発売されました。ナ、ナ、ナ、ナント、ワイヤレスカメラを使っているので、面倒な電源や映像用のケーブル配線がいらないのです。(MechanicBoardのプレスリリースはこちら) 運転席に取り付けたモニター。電源はシガーライターから(以下の写真、資料:TCI) 重機後部に取り付けたワイヤレスカメラ。強力マグネットで鉄の部分ならどこでも取り付けられる 重機の運転席に取り付けるモニター(商品番号:WMBM-0001)は、シガーライターの電源で動作します。また、ワイヤレスカメラ(商品番号:WMBC-0001)は充電式のリチウムイオン電池で最大12時間、連続で動作し、強力マグネットで鉄の部分ならどこでも簡単に取り付けられます。カメラとモニター間は、無線で映像や音声を送り最大120mも届きます。電波法に合致していることを証明する技適マークも取得しています。 カメラとモニター間は電波で映像や映像を送る さらに、カメラにはドライブレコーダー機能も付いていますので、“あおり運転”などの被害を受けてもバッチリ記録できるので安心ですね。 セットの内容 気になるお値段ですが、8万8000円(税別)とお手ごろです。バックモニターが付いていない重機をお持ちの方、検討してみてはいかがでしょうか。
2020/01/30 14:36 株式会社イエイリ・ラボ
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鹿島が生コンを全量チェック!荷下ろし中の動画からスランプ値を読む
コンクリート打設現場には、コンクリートミキサー車(アジテーター車)が次から次へと到着し、生コンを荷下ろししていきますが、中には硬すぎる生コンが混ざっていることもあります。こうした生コンは豆板や充てん不良などの欠陥が発生するリスクが高いので、鹿島の土木現場では5台~35台に1台の割合で抜き取り検査を行っていますが、検査されずに打設されてしまう可能性もあります。そこで鹿島は、アジテーター車から荷下ろしされるコンクリートの全量の品質を、作業を止めずにチェックできるシステムを開発しました。荷下ろし中の生コンを、ナ、ナ、ナ、ナント、動画で連続撮影し、分析することで、施工性の悪いコンクリートを自動的に検知・排除するものなのです。(鹿島のプレスリリースはこちら) アジテーター車から荷下ろしされる生コンクリートの動画を分析し、コンクリートの性状判定を行う画面(以下の写真、資料:鹿島) このシステムは、市販のビデオカメラと分析システムを搭載したパソコンのほか、パトランプやブザーなどの簡単な機器からなります。生コンを荷下ろしする現場にビデオカメラを取り付けておき、撮影した動画をパソコンに送信します。 現場に設置したビデオカメラでアジテーター車から荷下ろし中の生コンを全量撮影。連続RI水分計で水セメント比も計測する すると、AI(人工知能)が測定範囲を自動認識して、コンクリートの性状や状態から施工性のよしあしをリアルタイムに判定。施工性が悪いと判断したときは、パトランプやブザーに警告を発信するとともに、判定結果をクラウド上に記録します。そのため、施工中のコンクリートの状態を、タブレット端末などで現場最前線の施工管理者も確認することができます。 荷下ろし中の生コンを撮影し、施工性が悪い場合はパトランプに警告を発する 鹿島では、このシステムでリアルタイムに算出した「判定指標」と実測スランプ値を比較したところ、高い相関性が得られました。つまり、動画からシステムがスランプ値を“読む”ことにより、施工性の悪いコンクリートを見分けることができるようになったのです。また、以前からある連続RI水分計で推定した「水セメント比」と圧縮強度の相関性も確認でき、こちらは耐久性や強度の点で生コンをチェックできます。 動画から得た判定指標とスランプ値の相関(左)とRIで推定した水セメント比と圧縮強度の相関(右)。どちらも高い相関性が確認された まるで経験豊富なベテラン技術者が、生コンの荷下ろし現場に張り付いているようなチェックができそうですね。鹿島はコンクリート工事の生コン製造から打設、養生までのすべての工程をデータとして見える化するプラットフォーム「コンクリート・アイ」を構築しており、今回、開発したシステムは受け入れ検査の部分を担います。これまで人間が行ってきた品質管理や検査をAIなどで自動化することで、長年、低迷していたコンクリート工事の労働生産性が急速に上がっていきそうですね。 コンクリート工事のすべての工程をデータ化する「コンクリート・アイ」のイメージ図
2020/01/23 11:39 株式会社イエイリ・ラボ
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AIやCIMでさらに進化!熊谷組が小トンネル用自動吹き付け機を開発
太陽光発電は、電力の固定価格買い取り制度(FIT)により、急速に普及しましたが今、同じ制度によって水力発電所の建設も増えています。水力発電と言えば、巨大なダムを建設することを思い浮かべがちですが、今、増えているのは比較的小規模の中小水力発電で、まだまだ開発できる地点が多く残されています。(経済産業省資源エネルギー庁のウェブサイトより) 中小水力発電所の認定量と運転開始量は年々増えている(資料:資源エネルギー庁) こうした動きを受けて、水力発電所用の小断面山岳トンネル工事も活況を呈しています。しかし、断面が小さいので、岩盤を掘削後にトンネル内面を保護する吹き付けコンクリートの施工は、粉じんが充満する悪い環境下で行わなければいけません。そこで熊谷組は、得意の無人化施工技術を生かし、遠隔で吹き付け機を操作できる「小断面トンネル自動吹き付け機システム」を開発しました。 小断面トンネル用の自動吹き付け機システム(以下の写真、資料:熊谷組) 小型のバックホーのアーム先端に自動吹き付けロボット機能を搭載した構造で、ベテランオペレーターの吹き付け作業を、ナ、ナ、ナ、ナント、忠実に再現できるのです。(熊谷組のプレスリリースはこちら) オペレーターが操作して描いた赤線の上を、自動吹き付けシステムが青線でなぞる上書き再現試験 この吹き付け機には教示(ティーチング)システムが搭載されており、オペレーターが操作した吹き付け作業の“ノズル運び”をマシンが覚え、その通りに作業を行うことができます。同社の筑波技術研究所で、塗装用のスプレーを使った実験では、オペレーターが赤い色のペイントで線を描く作業を覚えた後、今度は青いペイントで教示運転を行ったところ、その差は上下左右とも2mm程度でした。また、もっとリアルに現場を再現した模擬トンネルによる吹き付け実験では、吹き付け位置は上下2cm、左右1cm以内に収まったほか、吹き付け厚も10±3cmに収まり、システムの有効性を確認できました。
2020/01/09 15:25 株式会社イエイリ・ラボ
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“3Dスキャンカメラ”で鉄筋検査を大幅効率化!三井住友建設と日立が開発
鉄筋コンクリート工事で、コンクリート打設前に鉄筋が設計通り組まれているかどうかを検査・記録する作業は、施工の証拠となるので、非常に重要です。その作業はこれまで、2人1組でスケールやノギスを使って鉄筋径や配筋間隔を図り、証拠として各寸法をカメラで撮影するという手間ひまのかかる方法で行われてきました。 従来の配筋検査。2人1組となって、手間ひまのかかる作業が求められていた(以下の写真、資料:三井住友建設) しかし、人手不足がますます深刻化するこれからの現場では、こうした作業こそ省人化していくことが求められています。そこで三井住友建設と日立ソリューションズは、この作業を大幅に効率化する「鉄筋出来形自動検測システム」を共同開発しました。手間ひまがかかっていたメジャーやノギスによる計測は、ナ、ナ、ナ、ナント、TOFカメラ付きタブレットで、鉄筋を撮影するだけで完了するのです。(三井住友建設のプレスリリースはこちら) TOFカメラ搭載のタブレットによる鉄筋の計測作業 TOFカメラの構成例 自動作成された検査写真や帳票など TOF(Time of Flight)カメラとは、被写体に照射した光が反射して戻ってくるまでの時間によって距離を計測できるものです。いわば、3Dレーザースキャナーと同じような空間計測が行えるので、TOFカメラと通常のカメラの画像を合成することで、鉄筋形や配筋間隔を測ることができます。また、多段に配置された鉄筋も、TOFカメラの奥行き情報によって対象となる鉄筋を的確に抽出し、計測できます。計測結果はデータとして記録するほか、検査写真や帳票を自動作成します。 TOFカメラによる撮影から帳票作成までの流れ このシステムによって、鉄筋の検測作業における施工管理者の拘束時間は、従来の3分の1まで短縮されました。生産性は約3倍に上がったことになりますね。 三井住友建設では、今後、システムのさらなる開発を進め、土木・建築分野における様々な出来形検測への積極的な導入を図っていく予定です。出来形管理の業務では、今後、メジャーやノギスの代わりとしても、タブレットが使われていくことになりそうですね。
2019/12/24 15:37 株式会社イエイリ・ラボ
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30年以上も発電!大成建設とカネカが太陽光発電パネル付き外装材を開発
太陽光発電は地球環境保護だけでなく、地震や台風などの自然災害時の停電対策としてもニーズが高まっています。しかし、これまでは建物の屋上に設置される場合が多く、スペースが限られたり、設置が難しかったりといった課題がありました。そこで大成建設とカネカは、こうした太陽光発電の制約をなくす画期的な外装システム「T-Green Multi Solar」を開発しました。ナ、ナ、ナ、ナント、 外壁や窓で太陽光発電 ができる外装材なのです。(大成建設のプレスリリースはこちら) 建物の外壁や窓で太陽光発電が行える外装システム「T-Green Multi Solar」の設置イメージ(以下の資料:大成建設、カネカ) このシステムには、太陽電池モジュールを外装パネル化した「ソリッドタイプ」と、窓ガラスにストライプ状の太陽電池を配置した「シースルータイプ」があります。一般的な外装材と同等の耐久性を持っており、太陽電池と外装材が一体化しているため施工が楽なほか、30年以上にわたって発電することが可能です。ソリッドタイプは外壁部に設置するもので、太陽光モジュール付きものの銀色の電極線が外から見えないように、高い意匠性を有しています。 ソリッドタイプは電極線が見えないようなセル構造を採用し、意匠性が高くなっている また、シースルータイプは窓部に設置するもので、高い発電効率だけでなく採光、眺望、遮熱、断熱の機能も持っています。 窓部に設置するシースルータイプ。発電のほか採光、眺望、遮熱、断熱の機能も持っている これらの機能を実現するため、複層ガラス構造になっています。内側のガラスにはLow-E膜が施されており、近赤外線を反射することで遮熱性能を高めています。この反射光も 太陽電池の裏側 を使うことで、表裏同時発電を行って発電効率を高めているのです。 Low-E膜で反射された近赤外線も発電に利用する なお、太陽電池モジュールには結晶シリコンタイプを利用しており、カネカによると発電効率は世界最高の24.37%にも達しているとのことです。つい10年前には十数パーセントもあれば高性能という感じでしたが、20%を大幅に上回るとは太陽電池の性能向上も目覚ましいですね。両社は今後、都市型ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)を実現する技術として、環境経営やBCP(事業継続計画)に取り組む企業、災害時の居住継続機能を強化したい集合住宅などに、このシステムを積極的に提案していくとのことです。
2019/12/20 15:52 株式会社イエイリ・ラボ
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3Dプリンターが建機に!ドバイで世界最大の“2階建てプリント建物”が完成
世界では建物などの建設に使われる大型3Dプリンターを開発する企業が続々と生まれています。中でもエーピス・コー(apis cor)は、タワークレーンを小型化したような旋回式の3Dプリンターを開発。厳寒の地で48時間で低コスト住宅を「プリント」した企業として知られています。 エーピス・コーの旋回式3Dプリンター(以下の写真、資料:Courtesy of apis cor) 厳寒の地で「プリント」された低コスト住宅 同社はこのほど、この3Dプリンターを使い、ドバイで新たな建物を完成させました。その規模は2階建てで、ナ、ナ、ナ、ナント、高さ9.5m、面積640m2とビッグです。同社によると、3Dプリンターを使って基礎からそのまま立ち上げた“プリント建物”としては、世界最大規模とのことです。(apis cor の英文プレスリリースはこちら) ドバイで建設された世界最大の“プリント建物” 施工時の現場全景。3Dブリンターはクレーンで移動させながら造形した 建設に使われた旋回式3Dプリンター それによると基礎は在来工法で造り、その上で3Dプリンターをクレーンで移動させながら壁などを造形していったそうです。造形には、「石こうベースの材料」を使いました。造形に当たって現場をカバーで覆うことなく、温度や湿度の制御が難しい環境下で、作業を行いました。まず1階部分を造って床となるプレキャストスラブを設置した後、その上に3Dプリンターを載せて2階部分の壁などを造形しました。 開口部の施工では、足場材を使って支えとなる型枠を設置した
2019/12/19 13:28 株式会社イエイリ・ラボ
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AIで設計、3Dプリンターで施工!日揮が目指す2030年のプラント建設イメージ
プラント建設の大手、日揮は、AI(人工知能)やロボット、IoT(モノのインターネット)などを活用した日揮グループの新たなIT戦略「ITグランドプラン2030」を2018年12月に発表しました。 現在のプラント工事(以下の写真、資料:日揮ホールディングズ) 約1年前に発表された戦略ですが、2019年9月にはYouTube上にわかりやすいプロモーション映像が公開され、その具体的なイメージが明らかになりました。その中身は、現在の建設業の建設プロセスを大きく変えるものばかりです。例えば、構造物や基礎の施工にはナ、ナ、ナ、ナント、大型3Dプリンターを現場に設置し、直接製造することを目指しているのです。 多数の3Dプリンターを現場に設置し、施工するイメージ) 「ITグランドプラン2030」の全体ロードマップ 設計、機材調達・建設工事、プロジェクトマネジメントの変革イメージ このほか、設計ではAIを使って自動設計、機材調達・建設工事ではプラントを小型モジュール化するほか、ロボットによる工場化や無人化を目指します。 AIによる自動設計イメージ ブラントの小型モジュール化に施工イメージ そして、プロジェクト・マネジメントでは、実物のプラントをそっくりそのまま3Dモデルなどでデータ化した「デジタルツイン」を活用し、シミュレーションしながら最適な設計・調達・建設(EPC)を行うことをイメージしています。 デジタルツインによるプロジェクト・マネジメントのイメージ こうしたプラントプロジェクトの大改革により、人工は3分の1、速度は2倍という、大幅な生産性向上を目指しているのです。
2019/12/16 15:27 株式会社イエイリ・ラボ
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新たな“建機ロボ”が登場!大成建設がクローラーダンプの自動化に成功
今後、数十年にわたって続く日本の生産年齢人口の減少に対応するためには、これまでのように人に頼った建設業では立ち行かなくなりそうです。ではどうするか? 答えはロボットにできる作業はロボットに、AI(人工知能)でできる作業はAIに任せ、人間は人間しかできない作業に集中するという、人間と機械の協働体制を構築していくしかありません。こうした背景を受けて、大成建設とクローラーダンプメーカーの諸岡(本社:茨城県龍ケ崎市)は、画期的なマシン「T-iROBO Crawler Carrier」を開発しました。「クルクルキャリアシリーズ」と呼ばれる諸岡の360°全旋回クローラダンプ「MST-2200VDR」(最大積載量11トン)をナ、ナ、ナ、ナント、自動運転クローラーダンプに進化させてしまったのです。(大成建設のプレスリリースはこちら) 自動運転クローラーダンプの運転試験。左側の油圧ショベルはオペレーターが乗っているが、右側のクローラーダンプは自動運転する(特記以外の写真:大成建設、諸岡) この自動運転クローラーダンプは、土砂を指定されたルートで運搬し、排土したあと、再度積み込み場所に戻る一連の運搬作業をすべて自動的に行うことができます。走行ルートは出発点と到着点、走行経路を座標で入力するほか、一度、人間が乗って友人走行する「ティーチング」操作によって覚え込ませることができます。両社が実際の造成現場で行った検証試験では、長さ200mの走行路を平均時速5kmで1時間当たり7~8回、合計約40m3の土砂を運搬することができました。安全面もしっかり考慮されています。クローラーダンプにはカメラやセンサーが搭載されており、AIによる画像処理技術によって人を認識し、距離に応じて減速や緊急停止を行います。そして人が見えなくなると5秒後に、自動運転を再開します。また、走行路内に障害物があった場合は、自動的に迂回(うかい)したり、停止したりすることができます。試験では走行路に人形を設置して減速や緊急停止ができることや、迂回・停止の機能も確認しました。なお、人体検知システムや自動走行システムは、パナソニック アドバンスストテクノロジー(本社:大阪府門真市)のモビリティー技術を活用しています。 リアルな作業員型人形を使用した人体検知システムの試験 人との距離によって減速や緊急停止が行えることも確認した このほか、運搬作業や安全性に関する様々な情報を5G回線で送受信することもできるようになっています。5Gとは、2020年から本格的なサービスが開始される予定の「第5世代通信システム」のことです。大量の情報を高速、低遅延、多接続によって通信することができるもので、建設現場でも様々な用途に活用できます。検証試験では、可搬型の5G設備を用いた自動運転も行い、その性能を確認しました。大成建設ではキャタピラージャパンと提携して、巨岩を自動的に小割りする「T-iROBO Breaker」や、バックホーとダンプトラックを連携させて土砂をダンプトラックに積み込む作業の自動化などにも取り組んでいます。 バックホーによる掘削・積み込み作業の自動化(写真:キャタピラージャパン) これらの自動運転が行える建機は、形こそ建機ですが、実質的には“建機型のロボット”と言っても過言ではありませんね。
2019/12/11 12:48 株式会社イエイリ・ラボ
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