高所も近接目視!東京メトロがドローンで半蔵門線のトンネルを検査
地下鉄のトンネルを検査するとき、意外と困るのはトンネルの上部や立て坑などの高所の目視点検をどうするかです。
夜間、電車の運行が止まっている短時間で点検しなければいけないので、足場を組むことも難しく、これまでは作業者が目を凝らして「遠方目視」により点検していました。
そこで、東京メトロは本日(2020年2月6日)から、ベイシスコンサルティング(本社:東京都文京区)、東京大学大学院情報学環ユビキタス情報社会基盤研究センターの協力で、半蔵門線のトンネル点検に新兵器を投入することになりました。
ナ、ナ、ナ、ナント、
トンネル内でドローン
を飛行させて、高いところを「近接目視」しようというのです。(東京メトロのプレスリリースはこちら)
従来の「遠方目視」(左)とドローンによる「近接目視」(右)による検査の違い(以下の写真:東京メトロ)
トンネル内を飛行するドローン。東京メトロの社員が自ら操縦している
球体フレームに守られたドローン
使用するドローンはトンネル壁面や架線などに接触しても墜落しないように、直径400mmの球体フレームに入っています。重さ1.15kgで、東京メトロと本郷飛行機(本社:東京都文京区)が共同開発しました。
また、ドローンの操縦は東京メトロ社員自身が行い、トンネルの開口部や立て坑、トンネル上部を点検します。
ドローンによって開口部や立て坑、トンネル上部を「近接目視」によって点検する
トンネル内でドローンを飛ばすとき、難しいのは人工衛星から送られてくるGNSS(全地球測位システム)の電波が受信できないことです。そのため、GNSSによる自動制御は行えません。
そこで東京都メトロと本郷飛行機は、地下鉄トンネル内でドローンを自律飛行させるため、
画像認識技術やAI
によって壁や地面を把握し、障害物のと衝突を回避するための研究開発を行っていきます。
画像認識やAI(人工知能)による高速画像処理技術による衝突回避を行い、トンネル内で自律飛行できるドローンを開発する
これまでドローンは、屋外の現場で空撮や測量に使われることが多かったですが、これからは地下鉄や下水道などのライフライン構造物や建物内など、屋内の点検まで活用範囲が広がってきました。
最終更新:2020/02/0613:04