「日本機械輸出組合」のニュース一覧 (41件中21~40件を表示)
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最近の機械貿易動向(11 月)~機械輸出額 13 ヶ月連続減少~
日本機械輸出組合 2020.1.272019 年 11 月の機械輸出額は 4 兆 556 億円、対前年同月比 8.8%減と、13 ヶ月連続で前年同月比減少し た。これは、① 韓国・台湾向け以外の 5 地域向けで前年同月比減少したこと、② 21 業種中 19 業種が 減少したことなどによる。為替・営業日要因が 6.9%の減少寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸 び率は 2.0%減となった。2019 年 12 月の為替・営業日要因は 2.9%の増加寄与要因となっているが、1 月 23 日発表の貿易統計速報による簡易計算では、12 月の機械輸出は 6.7%減であった。 Ⅰ 要約1. 全商品貿易動向(図表1) ① 全商品輸出額:6 兆 3,790 億円(前年同月比 [以下同じ] 7.9%減、12 ヶ月連続減少) ② 全商品輸入額:6 兆 4,642 億円(15.7%減、7 ヶ月連続減少) ③ 貿易収支:852 億円の赤字2. 機械貿易動向 (1) 機械輸出入動向(図表2) ① 機械輸出額:4 兆 556 億円(8.8%減、13 ヶ月連続減少) 為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:2.0%減 (3 ヶ月連続減少) ② 機械輸入額:2 兆 819 億円(16.0%減、2 ヶ月連続減少)(2) 為替・営業日動向 2019 年 11 月に 6.9%の減少要因、12 月に 2.9%の増加要因、2020 年 1 月に 8.9%の減少要因。 (3) 地域別動向 ① 韓国・台湾向けを除き、5 地域向けで前年同月比減少(図表4、5) ② 北米向け:13.2%減、4 ヶ月連続減少(図表4、5) ③ 中国向け:3.8%減、9 ヶ月連続減少(図表4、5) ④ ASEAN・南アジア向け:12.2%減、11 ヶ月連続減少(図表4、5、6、8、9) ⑤ EU 向け:6.0%減、4 ヶ月連続減少(図表4、5) ⑥ 韓国・台湾向け:3.6%増、22 ヶ月ぶり増加(図表4、5、6、7) ⑦ その他地域向: 14.5%減、2 ヶ月連続減少(図表4、5、10) (4) 業種別動向(図表11) 上位 21 業種中 2 業種が増加。そのうち医療機械が二桁の伸び(5) 機種別動向(図表12、13) ① 医療機械(米国、中国、EU 向け中心)のみが二桁以上の増加 ② 鉄道車両、建設機械、産業車両等が大きく減少 (6) 機械輸入動向(図表14) 機械輸入額上位 12 機種のうち、受信変換その他送受信機器のみが増加 Ⅱ トピックス1.【台湾】UMC が2カ月連続の増収。半導体市場の底入れへの期待が高まる 半導体受託生産で世界4位の台湾大手・聯華電子(UMC)の11月の販売は、前年同月比20%増の138億 9,000万台湾(NT)ドルとなった。10月に続いて2カ月連続の増加となった。UMC は、第4四半期のウエハー出 荷量が前四半期比で10%増えるとの見通しを示しており、半導体市場は底を打ったとの見方が広がっている。 2019年第3四半期における、UMC の半導体受託生産市場でのシェアは6.7%となった(TSMC、サムスン、グロ ーバルファウンドリーズに次ぐ、第4位)。 このほど、UMC による日本にある半導体工場の買収が完了した。スマホ・車載向け半導体ウエハーを生産 する。半導体微細化競争は激化しているが、巨額の開発費用がかかるため、UMC は最先端を狙わず、汎用 品分野に勝機を見出す。一方、業界トップの台湾 TSMC は次世代生産技術「EUV(極端紫外線)」を活用し、7 ナノ品の量産を行っている。シェア追い上げを図るサムスンは、今後10年間で130兆ウォンもの巨費を投じて、 EUV による生産体制の確立を目指す。また、サムスンは、このほど百度の AI 半導体の生産を受注した。 UMC や TSMC の業績が上向いており、また、サムスンが大型投資に動いていることもあって、半導体 市場は回復に向かうとの見方が強まっている。国際半導体製造装置材料協会は、半導体装置の世界販 売額が2020年からは再び成長に転じ、2021年には約670億ドルに達するとの見通しを発表した。 2.【タイ】自動車の生産・販売が低迷。EV に注目が集まる 東南アジア最大の自動車生産国であるタイの 2019 年 11 月の自動車生産台数は、前年同月比 22%減の 15 万 4,088 台となった。前年実績を 7 カ月連続で下回った。これにより、1~11 月累計の生産台数は、前年同 期比マイナス 6%の 187 万 9,502 台となった。バーツ高や国内市場の冷え込みが要因となった。自動車の業 界団体は、2019 年の自動車の年間生産台数の見通しを 215 万台から 200 万台に引き下げた。自動車生産の 落ち込みから、完成車メーカーに期間工を減らす動きが出始めている。 一方、EV 生産には期待が集まっている。タイ政府は「EV アクションプラン」を発表し、2036 年までに EV を 120 万台普及させる計画である。また、EV 産業の振興に向けて、「国家自動車政策委員会」の設置を計画し ている。これに対し、欧州自動車メーカーの動きも加速している。独アウディは、EV「e-tron」をタイ市場に投入 する。ダイムラーは、約 200カ所に充電ステーションを設置する。アジア企業や地場企業も EV 市場に参入して いる。上海汽車と地場企業の合弁企業は、「MG」ブランドの EV 車販売を開始した。地場企業のエナジーアブ ソルートも初の国産 EV「マイン SPA1」を発表し、注目を集めた。
2020/01/28 14:01 日本機械輸出組合
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日本機械輸出組合 最新の世界経済動向(2019年10月~2019年12月)
米国・欧州経済は消費等に支えられて堅調に推移するも、やや弱含み。日本は輸出・生産が弱含み。 前年同期比のGDPは中国6.0%、ベトナム、インド7%台、フィリピン6%台、インドネシア5%台、マレーシア4%台、タイ2%台、シンガポール0.1%、台湾2.9%、韓国2.0%。ブラジル、ロシアは長期低迷から回復も懸念材料有。最新の世界経済動向(2019年10月~2019年12月)
2019/12/20 12:52 日本機械輸出組合
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最近の機械貿易動向(10 月)~機械輸出額 12 ヶ月連続減少~
日本機械輸出組合 2019.12.192019 年 10 月の機械輸出額は 4 兆 2,219 億円、対前年同月比 9.4%減と、12 ヶ月連続で前年同月比減少した。これは、① 6 地域向けすべてで前年同月比減少したこと、② 21 業種中 19 業種が減少したことな どによる。為替・営業日要因が 7.3%の減少寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は 2.3%減となった。2019 年 11 月の為替・営業日要因は 6.9%の減少寄与要因となっているが、12 月 18 日発表の貿易統計速報による簡易計算では、11 月の機械輸出は 9.0%減であった。Ⅰ 要約 1. 全商品貿易動向(図表1) ① 全商品輸出額:6 兆 5,771 億円(前年同月比 [以下同じ] 9.2%減、11 ヶ月連続減少) ② 全商品輸入額:6 兆 5,614 億円(14.8%減、6 ヶ月連続減少) ③ 貿易収支:157 億円の黒字 2. 機械貿易動向 (1) 機械輸出入動向(図表2) ① 機械輸出額:4 兆 2,219 億円(9.4%減、12 ヶ月連続減少) 為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:2.3%減 (2 ヶ月連続減少) ② 機械輸入額:2 兆 1,866 億円(11.2%減、2 ヶ月ぶり減少)(2) 為替・営業日動向 2019 年 10 月に 7.3%の減少要因、11 月に 6.9%の減少要因、12 月に 3.2%の増加要因となる。 (3) 地域別動向 ① 6 地域向けすべてで前年同月比減少(図表4、5) ② 北米向け:11.7%減、3 ヶ月連続減少(図表4、5) ③ 中国向け:12.1%減、8 ヶ月連続減少(図表4、5) ④ ASEAN・南アジア向け:12.6%減、10 ヶ月連続減少(図表4、5、6、8、9) ⑤ EU 向け:8.5%減、3 ヶ月連続減少(図表4、5) ⑥ 韓国・台湾向け:2.9%減、21 ヶ月連続減少(図表4、5、6、7) ⑦ その他地域向: 3.4%減、2 ヶ月ぶり減少(図表4、5、10)(4) 業種別動向(図表11) 上位 21 業種中 2 業種が増加。そのうち船舶が二桁の伸び (5) 機種別動向(図表12、13) ① 船舶(その他地域、特にパナマ、リベリア向け中心)が大きく増加 ② 鉄道車両、携帯電話、通信機械部分品等が大きく減少(6) 機械輸入動向(図表14) ① 機械輸入額上位 12 機種のうち、6 機種が増加 ② そのうち時計が二桁の増加Ⅱ トピックス 1.【中国】経済の減速が続く。日本企業にも大きな影響 中国経済の減速が続いている。2019 年第 3 四半期(7-9 月期)の経済成長率は、前年同期比 6.0%増 だった。2 期連続の減速となった。米中の貿易摩擦や個人消費の減速が要因となった(10 月の自動車販売は前年比 4%減と、16 カ月連続の減少となった)。10 月の輸出は前年同月比 1%減の 2,129 億ドル、 輸入は同 6%減の 1,701 億ドルと貿易も低迷を続けている(同月の対米輸出は前年同月比 16%減、輸入は同 14%減と大きく落ち込んだ)。1~10 月の固定資産投資は、過去最低の前年同期比 5.2%増となった。その他の指標も、経済の減速が続いていることを示している。10月の工業生産は前年同月比 4.7% 増にとどまった。製造業購買担当者景気指数(PMI)も基準値である 50 を 6カ月連続で下回り、デフレリス クさえ指摘されている。中国政府が年初に打ち出した 2 兆元規模の景気対策の効果は表れておらず、 2020 年の経済成長は 5%台に落ち込むとの予測もある。 中国企業の設備投資の落ち込みから、日系工作機械メーカーの業績見通しの引き下げが相次いでいる。 10 月に入り、ファナックは今期 2 度目の下方修正を発表した。ブラザーも工作機械の受注減から、今期の純利益を 17%減に引き下げた。オークマは、連結純利益が前期比 41%減となる見通しを発表した。 インフラ投資の低迷は建機メーカーにとっても逆風となる。住友重機械工業は今期の利益見通しを引き下げ、19%減になるとした。日立建機の第 3 四半期における中国市場の売上高は、前年比 33%減と落ち込んだ。 2.【韓国】SK ハイニックスの業績が悪化。半導体市況は底を打ったとの見方も 韓国の半導体大手・SKハイニックスの2019年第3四半期(7-9月期)の営業利益は、前年同期比93% 減の 4,730 億ウォンと過去 3 年で最低に落ち込んだ。売上高は前年同期比 40%減の 6 兆 8,390 億ウォンだった。売上高の 7 割超を占める DRAM の価格下落が響いた(同社は、世界市場で約 3 割のシェアを 占める)。業績不振を受けて、来年度の投資額を減少させる計画である。 ただ、5G 市場の拡大は半導体メーカーにとっては明るい材料となっており、投資を再開する企業も出てきた。台湾の TSMC は、2019 年と 2020 年に例年の 4 割増となる過去最高水準の設備投資を行う。また、サムスン電子も同四半期は 56%の減益だったが、中国と韓国での投資に乗り出した。一方、米マイク ロンは業績の不調が続いており、来季の投資額を 3 割減少させる。 中国企業の動向も注目される。中国の紫光集団は、重慶市に DRAM 工場を設立する(同社は NAND 生産も開始する)。2019 年末に工場建設に着工し、2021 年に竣工する予定。中国企業が低価格を武器にDRAM市場に本格参入すれば、業界構造に大きな影響を与えることになる。 半導体市況の下げ止まりの兆しから、日本の半導体製造装置メーカーの業績も改善に向かっている。 東京エレクトロンは 5G 関連需要の好調から、2020 年 3 月期の純利益を 32%減に上方修正した。メモリーテスター大手のアドバンテストは5G関連の検査装置の需要が伸びており、業績見通しを105億円上方修正した。
2019/12/20 11:09 日本機械輸出組合
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最近の機械貿易動向(9 月)~機械輸出額 11 ヶ月連続減少~
日本機械輸出組合 2019.11.21 2019年9月の機械輸出額は 4 兆 580 億円、対前年同月比 6.4%減と、11 ヶ月連続で前年同月比減少した。これは、① その他地域向け以外の 5 地域向けで前年同月比減少したこと、② 21 業種中 17 業種が減少したことなどによる。為替・営業日要因が 2.8%の増加寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸 び率は9.0%減となった。2019 年 10 月の為替・営業日要因は 7.3%の減少寄与要因となっているが、11 月 20 日発表の貿易統計速報による簡易計算では、10 月の機械輸出は 9.5%減であった。 Ⅰ 要約 1. 全商品貿易動向(図表1) ① 全商品輸出額:6 兆 3,683 億円(前年同月比 [以下同じ] 5.2%減、10 ヶ月連続減少) ② 全商品輸入額:6 兆 4,931 億円(1.5%減、5 ヶ月連続減少) ③ 貿易収支:1,248 億円の赤字2. 機械貿易動向 (1) 機械輸出入動向(図表2) ① 機械輸出額:4 兆 580 億円(6.4%減、11 ヶ月連続減少) 為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:9.0%減 (再び減少) ② 機械輸入額:2 兆 1,370 億円(3.2%増、2 ヶ月ぶり増加)(2) 為替・営業日動向 2019 年 9 月に 2.8%の増加要因、10 月に 7.3%の減少要因、11 月に 7.1%の減少要因となる。 (3) 地域別動向 ① その他地域向けを除き、5 地域向けで前年同月比減少(図表4、5) ② 北米向け:10.6%減、2 ヶ月連続減少(図表4、5) ③ 中国向け:10.3%減、7 ヶ月連続減少(図表4、5) ④ ASEAN・南アジア向け:6.1%減、9 ヶ月連続減少(図表4、5、6、8、9)⑤ EU 向け:0.1%減、2 ヶ月連続減少(図表4、5) ⑥ 韓国・台湾向け:5.4%減、20 ヶ月連続減少(図表4、5、6、7) ⑦ その他地域向: 0.2%増、2 ヶ月ぶり増加(図表4、5、10)(4) 業種別動向(図表11) 上位 21 業種中 4 業種が増加。そのうち船舶が二桁の伸び (5) 機種別動向(図表12、13) ① 発電機(米国、中国向け中心)が大きく増加 ② 鉄道車両、通信機械部分品等が大きく減少(6) 機械輸入動向(図表14) ① 機械輸入額上位 12 機種のうち、8 機種が増加 ② そのうち 4 機種が二桁の増加 Ⅱ トピックス 1.【中国】CATL が車載電池をダイムラーに供給。中国国内の NEV 販売は低迷 車載用電池で世界大手の中国 CATL(寧徳時代新能源科技)は、2021年から独ダイムラーの商用車(「e アクトロス」、「e カスケディア」など)向けにリチウム電池を供給する(ダイムラーは電動化戦略を加速しており、電動化に 100 億ユーロ投資する)。 CATLはドイツ中部チューリンゲン州で 18 億ユーロにのぼる巨額投資を行い、同社初の海外工場を建設している。2021 年から生産を開始する。EV 市場が急速に立ち上がったために電池不足が予想されていることから、CATL製品の需要が高まっている。同社は VW、PSA や上海汽車、東風汽 車など中国の主要自動車メーカーにも供給を行う。 CATL は 2011 年に設立された新興電池メーカーであるが、「中国製造 2025」を掲げる政府の支援とEV普及を背景に急成長しており、2018 年には出荷量でパナソニックを抜いてトップに立った。 低コストに加え、技術力にも定評がある。その他、中国の有力電池メーカーとしては BYDや合肥国軒高科動力能源、天津力神電池などがある。しかし、足元の中国自動車市場は急減速しており、 9 月の新エネルギー車(NEV)販売は前年同月比 34.2%減の約 8 万台と 3 カ月連続でマイナスとな った。 2.【ベトナム】第3四半期も好調な経済成長。中国からの生産移転の動きが強まる ベトナムの2019年第 3 四半期(7-9 月期)の経済成長率は、前年同期比 7.31%増と高い伸びを示した。特に米国向けの輸出が成長エンジンとなった(対米輸出額は、1-9 月は前年同期比で 28% 増となった)。アジア開発銀行(ADB)は、ベトナムの経済成長率を2019年は6.8%、2020年は6.7%と予測する。米中貿易紛争が激化するなか、安価で豊富な労働力などへの期待感から、企業の生産移転が進んでいる。2019 年の 8 カ月間の直接投資は、前年同期比6.3%増の約120億ドルと好調である。ハノイの他、バクニン省やビンズオン省に投資が集中している。 国内消費も好調である。9 月のベトナムの自動車販売は、前年同期比4%増の 2 万 1,483 台とな った。(ちなみに、インドネシアは前年同期比12%減の 9 万 443 台、タイも 7%減の 8 万 838 台となった)。2019年の9カ月間の累計では18.4%増となった。 他方、ベトナム経済にはリスクも伴う。企業の進出が相次ぎ、地価・人件費が高騰している。 また、港湾など物流インフラの未整備や電力不足も指摘される。世界銀行のビジネス環境調査では69位と、中国(46 位)よりも評価は低い。さらに、中国製品の迂回輸出を警戒する米国の対応も懸念点となっている。米財務省は、今年5月にベトナムを為替監視対象国に加えた。7 月には耐食鋼材など鉄鋼製品の一部に対して関税を課した。
2019/11/25 12:10 日本機械輸出組合
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最近の機械貿易動向(8 月)~機械輸出額 10 ヶ月連続減少~
日本機械輸出組合 2019.10.17 2019 年 8 月の機械輸出額は 3 兆 8,847 億円、対前年同月比 9.4%減と、10 ヶ月連続で前年同月比減少した。これは、① 6 地域向けすべてで前年同月比減少したこと、② 21 業種中 17 業種が減少したことなどによる。為替・営業日要因が 10.9%の減少寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は 1.7%増となった。2019 年 9 月の為替・営業日要因は 2.8%の増加寄与要因となっているが、10 月 7 日発表の貿易統計速報によれば 9 月上中旬の全商品輸出は 2.7%減であった。 Ⅰ 要約 1. 全商品貿易動向(図表1) ① 全商品輸出額:6 兆 1,412 億円(前年同月比 [以下同じ] 8.2%減、9 ヶ月連続減少) ② 全商品輸入額:6 兆 2,848 億円(11.9%減、4 ヶ月連続減少) ③ 貿易収支:1,435 億円の赤字 2. 機械貿易動向 (1) 機械輸出入動向(図表2) ① 機械輸出額:3 兆 8,847 億円(9.4%減、10 ヶ月連続減少) 為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:1.7%増 (3 ヶ月ぶり増加) ② 機械輸入額:1 兆 9,283 億円(8.3%減、再び減少) (2) 為替・営業日動向 2019 年 8 月に 10.9%の減少要因、9 月に 2.8%の増加要因、10 月に 6.9%の減少要因となる。 (3) 地域別動向 ① 6 地域向けすべてで前年同月比減少(図表4、5) ② 北米向け:6.6%減、6 ヶ月ぶり減少(図表4、5) ③ 中国向け:14.6%減、6 ヶ月連続減少(図表4、5) ④ ASEAN・南アジア向け:10.2%減、8 ヶ月連続減少(図表4、5、6、8、9) ⑤ EU 向け:4.3%減、2 ヶ月ぶり減少(図表4、5) ⑥ 韓国・台湾向け:9.3%減、19 ヶ月連続減少(図表4、5、6、7) ⑦ その他地域向: 8.5%減、2 ヶ月ぶり減少(図表4、5、10) (4) 業種別動向(図表11) 上位 21 業種中 4 業種が増加。そのうち農業機械が二桁の伸び (5) 機種別動向(図表12、13) ① 農業機械(米国向け中心)が大きく増加 ② 鉄道車両、携帯電話等が大きく減少 (6) 機械輸入動向(図表14) ① 機械輸入額上位 12 機種のうち、3 機種が増加 ② そのうち 2 機種が二桁の増加 Ⅱ トピックス 1.【中国】レノボが業績を回復。米中貿易紛争がリスクに 中国の最大手 PC メーカー・レノボの 2019 年第 2 四半期(4-6 月期)における売上高は前年同期比 5%増の 125 億 1,200 万ドル、純利益は約 2 倍の 1 億 6,200 万ドルと好調だった。 部門別では、「パソコン」部門の売上は前年同期比 11.7%増の 96 億ドルに達した。同社の PCの世界市場でのシェアは 24.9%となり、米国 HP を抜き一位に返り咲いた。今後は、成長が期待されるスマートディスプレー、スマートカメラなどにも注力する。また、来年発売予定の折り畳み式 PC も注目される。スマホなどの「モバイル」部門の売上はやや減少したが、構造改革が進み利益率が改善した。特に北米、南米でのスマホ販売が好調だった。「データセンター」部門も赤字幅がやや縮小した。 レノボは今後、米中貿易紛争の影響を受ける可能性がある。同社は、中国から他地域への生産移転を検討している。他の中国企業も生産移管を加速させている。2018 年 6 月以降、約 30 社が海外移転や海外拠点への追加投資を表明した。TCL 集団はメキシコ、ベトナムでテレビを増産、電子部品の国光電機はベトナムでの生産を決定している。 2.【台湾】TSMC の業績が低迷。下半期は回復の予想 半導体生産の世界最大手・台湾積体電路製造(TSMC)の 2019 年第 2 四半期(4-6 月期)における営業利益は、前年同期比 10%減の 763 億台湾(NT)ドルと低迷した(4 四半期連続の減益)。スマートフォンの販売低迷などが要因となった。売上高は 3%増の 2,410 億 NT ドルとなった。 一方、下半期には、高価格帯スマホ、サーバー、IoT などの需要が伸びると予想されることから、第 3 四半期の売上高は前年同期比 7%程度増加する見通し。同社の 8 月の売上高は、前年同期比 16.5%増の 1,061 億 NT ドルと好調だった。同社の半導体受託生産における市場シェアは 50%を超えており、その業績は業界の先行指標となる(市場シェア 2 位のサムスンは 18.5%)。 TSMC は AI・5G 向け半導体需要の開拓に向け、従来の計画より上乗せして投資を行う(台湾のメディテックも 5G 向け投資を増加させると表明)。また、先端技術開発の手も緩めない。同社は4 月に 5 ナノ品の試験生産を開始、さらに年末には台湾新竹で 3 ナノ品生産の新工場建設に着手する。
2019/10/18 14:28 日本機械輸出組合
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日本機械輸出組合 最新の世界経済動向(2019年8月~2019年10月)
米国・欧州経済は消費等に支えられて堅調に推移するも、やや弱含み。日本は輸出・生産が弱含み。前年同期比のGDPは中国6.2%、ベトナム7%台、フィリピン、インドネシア、インド5%台、マレーシア4%台、タイ2%台、シンガポール0.1%、台湾2.4%、韓国2.0%。ブラジル、ロシアは長期低迷から回復も懸念材料有り。 最新の世界経済動向(2019年8月~2019年10月)
2019/10/18 10:45 日本機械輸出組合
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日本機械輸出組合 最新の世界経済動向(2019年7月~2019年9月)
米国・欧州経済は投資、生産、消費等に支えられて堅調に推移するも、やや軟調か。日本は輸出・生産が弱含み。前年同期比のGDPは中国6.2%、ベトナム6%台、フィリピン、インドネシア、インド5%台、マレーシア4%台、タイ2%台、シンガポール0.1%、台湾3.3%、韓国2.1%。ブラジル、ロシアは長期低迷から回復も懸念材料有り。 最新の世界経済動向(2019年7月~2019年9月)
2019/09/26 11:44 日本機械輸出組合
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最近の機械貿易動向(7 月)~機械輸出額9 ヶ月連続減少~
日本機械輸出組合 2019.9.19 2019 年7 月の機械輸出額は4 兆2,373 億円、対前年同月比2.0%減と、9 ヶ月連続で前年同月比減少した。これは、① 中国向けはじめ3 地域向けで減少したこと、② 21 業種中16 業種が減少したことなどによる。為替・営業日要因が3.1%の増加寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は4.9%減となった。2019 年8 月の為替・営業日要因は10.9%の減少寄与要因となっているが、9 月18 日発表の貿易統 計速報による簡易計算では、8 月の機械輸出は9.4%減であった。 Ⅰ 要約 1. 全商品貿易動向(図表1) ① 全商品輸出額:6 兆6,434 億円(前年同月比 [以下同じ] 1.5%減、8 ヶ月連続減少) ② 全商品輸入額:6 兆8,941 億円(1.2%減、3 ヶ月連続減少) ③ 貿易収支:2,507 億円の赤字 2. 機械貿易動向 (1) 機械輸出入動向(図表2) ① 機械輸出額:4 兆2,373 億円(2.0%減、9 ヶ月連続減少) 為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:4.9%減 (2 ヶ月連続減少) ② 機械輸入額:2 兆1,902 億円(1.5%増、再び増加) (2) 為替・営業日動向 2019 年7 月に3.1%の増加要因、8 月に10.9%の減少要因、9 月に3.6%の増加要因となる。 (3) 地域別動向 ① 北米、EU、その他地域向けの3 地域向けが前年同月比増加(図表4、5) ② 北米向け:5.7%増、5 ヶ月連続増加(図表4、5) ③ 中国向け:12.0%減、5 ヶ月連続減少(図表4、5) ④ ASEAN・南アジア向け:8.9%減、7 ヶ月連続減少(図表4、5、6、8、9) ⑤ EU 向け:6.5%増、4 ヶ月ぶり増加(図表4、5) ⑥ 韓国・台湾向け:10.0%減、18 ヶ月連続減少(図表4、5、6、7) ⑦ その他地域向: 7.0%増、8 ヶ月ぶり増加(図表4、5、10) (4) 業種別動向(図表11) 上位21 業種中5 業種が増加。そのうち船舶が二桁の伸び (5) 機種別動向(図表12、13) ① 船舶(その他地域向け中心)等が大きく増加 ② 鉄道車両、携帯電話等が大きく減少 (6) 機械輸入動向(図表14) ① 機械輸入額上位12 機種のうち、7 機種が増加 ② そのうち3 機種が二桁の増加 Ⅱ トピックス 1.【シンガポール】輸出低迷で経済成長率の見通しを引き下げ。東南アジア各国の成長も鈍化 シンガポールの2019 年第2 四半期(4-6 月期)の経済成長率は前年同期比0.1%と、第1 四半期(1.1%)からさらに落ち込んだ。米中貿易摩擦を受け、主力の製造業の輸出不振が要因となった。特に電子機器の輸出は前年比27%減と落ち込んだ。 シンガポール政府は2019 年の成長率見通しを引き下げ、0~1%程度になるとした。アナリストは、景気の減速は続き第3 四半期にリセッション入りする可能性が高いとしている。これを受けて、政府は景気刺激策の導入を検討している。 他の東南アジア諸国も経済成長が鈍化している。インドネシアの第2 四半期の経済成長率は、前年同期比で5.05%増とやや減速した。タイは減速傾向が鮮明で、前年同月比2.3%増と約5年ぶりの低い伸びとなった。一方、生産移管が進むベトナムの第2 四半期の成長率は、前年同期比で6.71%と好調だった。フィリピン、マレーシアは各々5.5%、4.9%となった。 また、ASEAN の7 月の製造業PMI(購買担当者景気指数)は、前月の49.7 から49.5 に低下している。各国の中央銀行は相次いで利下げに動いている。5 月にフィリピン、マレーシアが利下げに踏み切り、その後インドネシア、タイが追随した。2019 年後半も不透明な経済状況が続くとアナリストはみている。 2.【インド】自動車販売が大幅減。政府のテコ入れ策に期待が集まる 世界第4 位の自動車市場であるインドの7 月の新車販売は、前年同月比30%減の25 万7,656台と大幅減となった(2000 年12 月以来の大幅な落ち込みとなった)。最大手のマルチ・スズキが36%減、タタ・モーターズも31%の減少だった。通年でも前年度実績(337 万台)を下回る可能性が高まってきた。 その要因としては、景気の減速(第1 四半期は5.8%成長にとどまった)、保険負担の増加、洪水などの自然災害などがある。その中でも最大の要因と指摘されるのが、ノンバンク金融会社(影の銀行)が提供していた流動性の収縮である。 インド自動車メーカーの業績も悪化している。2019 年4-6 月期における、タタ・モーターズの自社ブランド国内事業は4 億ルピーの赤字に転落した。また、生産を停止する企業も出ている。マヒンドラ・アンド・マヒンドラは、工場の稼働を一時停止し、投資計画も延期する。タタやアショカリーランドも同様の措置をとる。自動車部品企業では、独ボッシュが国内工場で生産調整を実施した。 こうした状況のなか、自動車業界全体で人員削減が進んでいる。業界団体は、市場テコ入れのため物品サービス税(GST)の引き下げを政府に要求している。 一方、8 月に入り、中央銀行が政策金利を0.35%引き下げており、これにより自動車ローンの金利が低下、「ディワリ」商戦を迎える年後半には、販売が持ち直すとの見方もある。 Ⅲ 個別動向 1. 全商品貿易動向~輸出は8 ヶ月連続で減少、輸入も3 ヶ月連続減少~ 1) 2019 年7 月の全商品輸出額は6 兆6,434 億円、前年同月比(以下同じ)1.5%減と8 ヶ月連続で減少した(6 月6.6%減)。これは、約24%を占める輸送用機器(7.7%増)が増加したものの、約19%を占める一般機械(7.2%減)をはじめ、約17%の電気機器(7.3%減)、プラスチック等化学製品(0.1%減)等が減少し たためである。 2) 輸入額は6 兆8,941 億円、1.2%減と3 ヶ月連続で減少した(6 月5.2%減)。これは、全輸入額の約15%を占める電気機器(0.3%増)、一般機械(2.7%増)が増加したものの、約21%を占める原粗油等鉱物性燃料(9.1%減)、医薬品等化学製品 (6.6%減)等が減少したことによる。 3) この結果、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、約2,507 億円と再び赤字(6 月は5,896 億円の黒字)となった。
2019/09/24 11:40 日本機械輸出組合
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日本機械輸出組合 最新の世界経済動向(2019年6月~2019年8月)
米国・欧州経済は投資、生産、消費等に支えられて堅調に推移するも、やや軟調か。日本は輸出・生産が弱含み。前年同期比のGDPは中国6.2%、ベトナム6%台、フィリピン、インドネシア、インド5%台、マレーシア4%台、タイ2%台、シンガポール0.1%、台湾3.3%、韓国2.1%。 ブラジル、ロシアは長期低迷から回復も伸び悩み。 最新の世界経済動向(2019年6月~2019年8月)
2019/09/02 17:35 日本機械輸出組合
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最近の機械貿易動向(6 月)~機械輸出額8 ヶ月連続減少~
日本機械輸出組合 2019.8.30 2019 年6 月の機械輸出額は4 兆1,993 億円、対前年同月比8.0%減と、8 ヶ月連続で前年同月比減少した。これは、① 北米向け以外の5 地域向けで減少したこと、② 21 業種中19 業種が減少したことなどによる。為替・営業日要因が5.4%の減少寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は2.7%減となった。2019 年7 月の為替・営業日要因は3.1%の増加寄与要因となっているが、8 月19 日発表の貿易統計速報による簡易計算では、7 月の機械輸出は2.1%減であった。 Ⅰ 要約 1. 全商品貿易動向(図表1) ① 全商品輸出額:6 兆5,858 億円(前年同月比 [以下同じ] 6.6%減、7 ヶ月連続減少) ② 全商品輸入額:5 兆9,962 億円(5.2%減、2 ヶ月連続減少) ③ 貿易収支:5,896 億円の黒字 2. 機械貿易動向 (1) 機械輸出入動向(図表2) ① 機械輸出額:4 兆1,993 億円(8.0%減、8 ヶ月連続減少) 為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:2.7%減 (再び減少) ② 機械輸入額:1 兆9,292 億円(4.0%減、4 ヶ月ぶり減少) (2) 為替・営業日動向 2019 年6 月に5.4%の減少要因、7 月に3.1%の増加要因、8 月に11.6%の減少要因となる。 (3) 地域別動向 ① 北米向け以外の5 地域向けが前年同月比減少(図表4、5) ② 北米向け:4.5%増、4 ヶ月連続増加(図表4、5) ③ 中国向け:10.2%減、4 ヶ月連続減少(図表4、5) ④ ASEAN・南アジア向け:6.8%減、6 ヶ月連続減少(図表4、5、6、8、9) ⑤ EU 向け:10.3%減、3 ヶ月連続減少(図表4、5) ⑥ 韓国・台湾向け:10.9%減、17 ヶ月連続減少(図表4、5、6、7) ⑦ その他地域向:20.4%減、7 ヶ月連続減少(図表4、5、10) (4) 業種別動向(図表11) 上位21 業種船航空機部品と繊維機械の2 業種が増加。 (5) 機種別動向(図表12、13) ①時計(香港向け中心)が大きく増加 ② 鉄道車両、デジカメ・ビデオ等が大きく減少 (6) 機械輸入動向(図表14) ① 機械輸入額上位12 機種のうち、8 機種が減少 ② そのうち3 機種が二桁の増加 Ⅱ トピックス 1.【ベトナム】好調な経済成長。米中貿易紛争による生産移転が相次ぐ ベトナムの2019年第2四半期(4-6月期)の経済成長率は、前年同期比で6.71%だった(第1四半期は6.82%)。輸出が好調で個人消費も拡大している。IMF は、2019年の経済成長率は6.5%になると予想している。 現在のところ、米中貿易紛争はベトナム経済にとって追い風となっている。2019年上半期の対米輸出の伸びは27%に達している。中国から生産拠点を移す動きも目立ってきた。米アマゾンは、kindleの生産をベトナムに移すことを表明している。中国勢の動きも加速している。中国からベトナムへの投資認可額は、年初からの5カ月間で15億6,000万ドルに達し、前年同期比で5.6倍に増えた。アジア開発銀行(ADB)は、これら生産移転の動きは今後3年間でベトナムのGDP を合計2%押し上げる効果があると予測している。 しかしリスクもある。米国政府は中国製品のベトナムからの「迂回輸出」の監視を強化しており、制裁関税を課す可能性を示唆した。 2.【韓国】サムスンの営業利益が半減。半導体市場の低迷が続く 韓国サムスン電子の2019 年第2 四半期(4-6 月期)の営業利益は、前年同期比56.3%減の6 兆5千億ウォンと大幅減となった。売上高も4.2%減の56 兆ウォンと低迷した。主力のDRAM、NAND の価格の大幅な下落や、米中貿易摩擦の激化による需要減が業績不振の要因となった。 利益の約5 割を占める半導体部門の短期的な回復は難しい。DRAM の第2 四半期の単価は前年同期の約50%に落ち込んでおり、価格の下落は2019 年後半まで続くとみられる。NAND の価格も低迷している。 サムスンは、主力のメモリ事業の不振を受けて「半導体ビジョン2030」を策定、システムLSI の開発・生産に133 兆ウォンもの巨額資金を投じる計画である(台湾のTSMC と直接競合する)。スマホ部門では、旗艦機「ギャラクシーS10」の販売低迷が響いた。サムスンは発売延期となった折畳み式スマホ「ギャラクシー・フォールド」を年末商戦にあわせて発売し、巻き返しを図る。折畳み式はスマホ市場の起爆剤として期待されているが、価格をどこまで低くできるかが普及の鍵となる。 Ⅲ 個別動向 1. 全商品貿易動向~輸出は7 ヶ月連続で減少、輸入も2 ヶ月連続減少~ 1) 2019 年6 月の全商品輸出額は6 兆5,858 億円、前年同月比(以下同じ)6.6%減と7 ヶ月連続で減少した(5 月7.8%減)。これは、約11%を占めるプラスチック等化学製品(1.5%増)が増加したものの、約23%を占める輸送用機器(7.6%減)をはじめ、約20%を占める一般機械(8.0%減)、約17%の電気機器(9.2%減)、鉄鋼・非鉄金属等原料別製品(8.6%減)等が減少したためである。 2) 輸入額は5 兆9,962 億円、5.2%減と2 ヶ月連続で減少した(5 月1.5%減)。これは、全輸入額の約20%を占める原粗油等鉱物性燃料(4.1%減)、約15%の電気機器(3.3%減)、一般機械(6.0%減)、鉄鋼・非鉄金属等原料別製品(10.9%減)等が減少したことによる。 3) この結果、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、約5,896 億円と再び黒字(5 月は9,683 億円の赤字)となった。
2019/09/02 11:47 日本機械輸出組合
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最近の機械貿易動向(5 月)~機械輸出額7 ヶ月連続減少~
日本機械輸出組合 2019.7.18 2019 年5 月の機械輸出額は3 兆6,899 億円、対前年同月比7.1%減と、7 ヶ月連続で前年同月比減少した。これは、① 北米向け以外の5 地域向けで減少したこと、② 21 業種中 船舶を除いた20 業種が減少したことなどによる。為替・営業日要因が9.0%の減少寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は2.2%増となった。2019 年6 月の為替・営業日要因は5.5%の減少寄与要因となっているが、7 月18日発表の貿易統計速報による簡易計算では、6 月の機械輸出は8.1%減であった。 Ⅰ 要約 1. 全商品貿易動向(図表1) ① 全商品輸出額:5 兆8,353 億円(前年同月比 [以下同じ] 7.8%減、6 ヶ月連続減少) ② 全商品輸入額:6 兆8,036 億円(1.5%減、3 ヶ月ぶり減少) ③ 貿易収支:9,683 億円の赤字 2. 機械貿易動向 (1) 機械輸出入動向(図表2) ① 機械輸出額:3 兆6,899 億円(7.1%減、7 ヶ月連続減少) 為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:2.2%増 (7 ヶ月ぶり増加) ② 機械輸入額:2 兆2,394 億円(4.1%増、3 ヶ月連続増加) (2) 為替・営業日動向 2019年5月に9.0%の減少要因、6 月に5.5%の減少要因、7 月に3.2%の増加要因となる。 (3) 地域別動向 ① 北米向け以外の5 地域向けが前年同月比減少(図表4、5) ② 北米向け:1.7%増、3 ヶ月連続増加(図表4、5) ③ 中国向け:10.0%減、3 ヶ月連続減少(図表4、5) ④ ASEAN・南アジア向け:17.2%減、5 ヶ月連続減少(図表4、5、6、8、9) ⑤ EU 向け:5.1%減、2 ヶ月連続減少(図表4、5) ⑥ 韓国・台湾向け:17.5%減、16 ヶ月連続減少(図表4、5、6、7) ⑦ その他地域向:0.5%減、6 ヶ月連続減少(図表4、5、10) (4) 業種別動向(図表11) 上位21 業種中船舶1 業種のみ増加(39.4%増加)。 (5) 機種別動向(図表12、13) ① 船舶(その他地域向け中心)が大きく増加 ② 鉄道車両、通信機械部分品、産業用ロボット等が大きく減少 (6) 機械輸入動向(図表14) ① 機械輸入額上位12 機種のうち、9 機種が増加 ② そのうち5 機種が二桁の増加 Ⅱ トピックス 1.【台湾】ホンハイの業績が悪化。米中貿易摩擦を受け生産拠点シフトを加速 電子機器受託製造サービスで世界最大手の台湾・ホンハイ(鴻海)精密工業は、2019年第1四半期(1-3月期)において、純利益が前年同期比18%減の198億台湾(NT)ドルと低迷した。売上高は3%増の1兆543億台湾ドルだった。主要顧客である米アップルの不振が響いた。さらに6月以降は、米トランプ政権によるファーウェイに対する規制の悪影響が広がるとの見方が出ている。すでに、鴻海はいくつかの生産ラインを停止したと報じられている。 ホンハイは米中貿易摩擦を受けて、サプライチェーンの見直しを加速させている。同社は、これまで中国を主な生産拠点としてきたが、2020年末までに米国で電子部品、液晶パネルなどの量産を開始する。投資総額は14億~15億ドルになる。また、子会社のシャープもノートパソコンなどについて、中国から生産を移すことを検討する。 アップルはiPhone などの生産体制を見直し、中国以外に移転することを促進する構えである。アップルの主要サプライヤーである台湾のペガトロン、クワンタ、コンパルなどは東南アジアへの生産移管を進める。 2.【トルコ】経済が大幅に低迷。イスタンブール市長選敗北で大統領の求心力が低下 トルコの2019 年第1 四半期(1-3 月期)の経済成長率は前年同期比2.6%減だった。二期連続のマイナス成長となった(前期比では1.3%増でリセッション入りを免れた)。個人消費や住宅投資など経済のけん引役が落ち込んだ(個人消費はマイナス4.7%、建設業はマイナス10.9%)。通貨リラの急落でインフレ率が上昇し、国民生活に大きな打撃となった(米国との対立により、2018 年夏以降、大幅なリラ安が続いている)。インフレは若干緩和したものの、トルコ中央銀行は政策金利を24%で据え置いている。外貨建て債務の返済が困難となり、政府は大規模なインフラ計画を凍結している。 自動車販売も低迷している。2019 年5月の新車販売台数は、前年同月比54.7%減の3 万3,980 台となった。1-5 月の販売累計でも前年比50%減となっている。 エルドアン大統領の強権的な政治運営に批判が集まるなか、イスタンブール市長選の再選挙が行われ、大統領派候補が大差で敗北した。今回の敗北でエルドアン大統領の求心力が、さらに低下する恐れもある。またミサイル問題で再度、対米関係が悪化する可能性もある。6 月に入り、ムーディーズが外貨準備高の急減からトルコの信用格付けを引き下げるなど、デフォルトリスクも高まっている。 Ⅲ 個別動向 1. 全商品貿易動向~輸出は6ヶ月連続で減少、輸入は3ヶ月ぶりに減少~ 1) 2019 年5 月の全商品輸出額は5 兆8,353 億円、前年同月比(以下同じ)7.8%減と6 ヶ月連続で減少した(4 月2.4%減)。これは、約23%を占める輸送用機器(1.2%増)が増加したものの、約20%を占める一般機械(13.1%減)をはじめ、約17%の電気機器(9.9%減)、鉄鋼・非鉄金属等原料別製品(10.1%減)等が減少したためである。 2) 輸入額は6 兆8,036 億円、1.5%減と3 ヶ月ぶりに減少した(4 月6.5%増)。これは、全輸入額の約15%を占める電気機器(3.3%増)等が増加したものの、約21%を占める原粗油等鉱物性燃料(1.6%減)や、医薬品等化学製品(10.5%減)等が減少したことによる。 3) この結果、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、約9,683 億円と4 ヶ月ぶりの赤字(4 月は568億円の黒字)となった。
2019/07/18 15:54 日本機械輸出組合
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日本機械輸出組合 最新の世界経済動向(2019年5月~2019年7月)
米国・欧州経済は投資、生産、消費等に支えられて堅調に推移するも、やや軟調か。日本は輸出が弱含み。前年同期比のGDPは中国6.2%、ベトナム6%台、フィリピン、インドネシア、インド5%台、マレーシア4%台、タイ2%台、シンガポール1%台、台湾1%台、韓国1.8%。ブラジル、ロシアは長期低迷から回復も伸び悩み。 最新の世界経済動向(2019年5月~2019年7月)
2019/07/18 10:49 日本機械輸出組合
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日本機械輸出組合 最新の世界経済動向(2019年4月~2019年6月)
米国・欧州経済は投資、生産、消費等に支えられて堅調に推移するも、やや軟調か。日本は輸出・生産が弱含み。前年同期比のGDPは中国6.4%、ベトナム6%台、フィリピン、インドネシア、インド5%台、マレーシア4%台、タイ2%台、シンガポール1%台、台湾1%台、韓国1.8%。ブラジル、ロシアは長期低迷から回復も伸び悩み。 最新の世界経済動向(2019年2月~2019年4月)
2019/06/21 12:04 日本機械輸出組合
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最近の機械貿易動向(4 月)~機械輸出額6 ヶ月連続減少~
日本機械輸出組合 2019.6.20 2019 年4 月の機械輸出額は4 兆2,714 億円、対前年同月比3.6%減と、6ヶ月連続で前年同月比減少した。これは、①北米向け以外の5 地域向けで減少したこと、②航空機部品をはじめ21 業種中6輸出業種のみが増加したことなどによる。為替・営業日要因が2.0%の増加寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は5.5%減となった。2019年5 月の為替・営業日要因は9.0%の減少寄与要因となっているが、6月19 日発表の貿易統計速報による簡易計算では、5 月の機械輸出は7.2%減であった。 Ⅰ 要約 1.全商品貿易動向(図表1) ① 全商品輸出額:6 兆6,589 億円(前年同月比 [以下同じ] 2.4%減、5 ヶ月連続減少) ② 全商品輸入額:6 兆6,021 億円(6.5%増、2 ヶ月連続増加) ③ 貿易収支:568 億円の黒字 2. 機械貿易動向 (1) 機械輸出入動向(図表2) ① 機械輸出額:4 兆2,714 億円(3.6%減、6 ヶ月連続減少) 為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:5.5%減 (6 ヶ月連続減少) ② 機械輸入額:2 兆172 億円(7.3%増、2 ヶ月連続増加) (2) 為替・営業日動向 2019 年4 月に2.0%の増加要因、5 月に9.0%の減少要因、6 月に 5.8%の減少要因となる。 (3) 地域別動向 ① 北米向け以外の5 地域向けが前年同月比減少(図表4、5) ② 北米向け:6.3%増、2 ヶ月連続増加(図表4、5) ③ 中国向け:9.8%減、2 ヶ月連続減少(図表4、5) ④ ASEAN・南アジア向け:0.7%減、4 ヶ月連続減少(図表4、5、6、8、9) ⑤ EU 向け:2.3%減、再び減少(図表4、5) ⑥ 韓国・台湾向け:5.6%減、15 ヶ月連続減少(図表4、5、6、7) ⑦ その他地域向:12.9%減、5 ヶ月連続減少(図表4、5、10) (4) 業種別動向(図表11) 上位21 業種中6 業種が増加。そのうち航空機部品が二桁の伸び (5) 機種別動向(図表12、13) ① 航空機部品(北米向け中心)、TV(北米、EU、中国向け中心、7 か月連続上位)等が大きく増加② 発電機、通信機械部分品、原動力機械等が大きく減少 (6) 機械輸入動向(図表14) ① 機械輸入額上位12 機種のうち、9 機種が増加 ② そのうち6 機種が二桁の増加 Ⅱ トピックス 1.【韓国】経済成長率が減少。企業の業績も悪化 韓国の2019年第1四半期(1~3月期)の経済成長率は前期比0.3%減と5四半期ぶりに減少した。米中貿易摩擦のあおりを受けて、主力の輸出が大幅減となり、企業の設備投資も落ち込んでいる。世界景気の先行指標とされる韓国経済の低迷は、世界経済の減速を裏付けるものとなった。 最大の懸念はGDP の4割強を占める輸出の落ち込みだ。特にIT 関連の落ち込みが激しく、第1四半期では半導体輸出が前年同期比22%減、スマホも28%減となった。また、3月の輸出額は前年同月比8%減で4カ月連続の減少。これにより経常収支は112億5,000万ドルの黒字と低水準だった。 さらに5月には、華為技術への事実上の輸出禁止措置が実施され、米中貿易摩擦は新たな段階に入った。華為の主要サプライヤーであるサムスンやSK ハイニクスは、株価を大きく下げている(ただしサムスン電子のスマホの販売には追い風になるとの見方もある)。今後米国はハイクビジョン(監視カメラ)、DIJ(ドローン)などの中国メーカーにも禁輸措置を適用する可能性があり、事態の進展を注視する必要がある。 韓国の企業業績も大幅に悪化しており、通貨ウォンも下落傾向にある。韓国政府は、財政支出の拡大で景気を下支えする計画だが、効果が出るまで時間がかかるとみられる。 2.【台湾】TSMC の業績が大幅に悪化。ファーウェイ問題も打撃に 半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の2019 年第1 四半期(1~3 月期)の純利益は前年同期比32%減の613 億台湾(NT)ドルだった。売上高は12%減の2,187 億NT ドルとなった。 スマホ市場の減速が大きく響いた。 米国商務省は5 月、ファーウェイを安全保障上の懸念がある企業を列挙した「エンティティー・リスト(Entity List)」に加え、米国企業からの部品納入を禁止した。TSMC の売上高のうち1 割弱をファーウェイ向けが占める。同社は米の禁輸措置に該当しないとして、ファーウェイとの取引を継続する意向だ。 米中間の緊張がさらに悪化すればTSMC の最大顧客である米アップルも今後影響を受ける可能性もある。TSMC は2019 年後半の業績回復を予測していたが、現在の不透明な状況では達成困難との見方が広がりつつある(TSMC の株価は大幅に下落している)。 一方、半導体の微細化競争は続いており、2019 年も100 億ドル規模の設備投資を実施する構えだ。 TSMC は3 月に回路線幅5 ナノの半導体の試験生産を開始しており、2020 年後半には量産を開始する。一方、ライバル、韓国サムスンの5 ナノ品の量産開始も2020 年になる予定である。 Ⅲ 個別動向 1. 全商品貿易動向~輸出は5 ヶ月連続で減少、輸入は2 ヶ月連続で増加~ 1) 2019 年4 月の全商品輸出額は6 兆6,589 億円、前年同月比(以下同じ)2.4%減と5 ヶ月連続で減少した(3 月2.4%減)。これは、約12%を占めるプラスチック等化学製品(9.1%増)が増加したものの、約24%を占める輸送用機器(2.8%減)をはじめ、約20%の一般機械(4.1%減)、電気機器(4.6%減)等が減少したためである。 2) 輸入額は6 兆6,021 億円、6.5%増と2 ヶ月連続で増加した(3 月1.2%増)。これは、全輸入額の約22%を占める原粗油等鉱物性燃料(7.0%増)をはじめ、電気機器(6.7%増)、医薬品等化学製品(1.5%増)、一般機械(6.2%増)等が増加したことによる。 3) この結果、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、約568 億円と3 ヶ月連続の黒字(3 月は5,278 億円の黒字)となった。 2.機械貿易動向 (1)機械輸出入動向~輸出は6 ヶ月連続減少、輸入は2 ヶ月連続で増加~ 1)全商品輸出額の約64%を占める4 月の機械輸出額は4 兆2,714 億円、3.6%減と6 ヶ月連続で減少し(3 月3.0%減)、その水準は、リーマンショック前(2008 年4 月)と比べると90.9%となって、前月に比べて1.5 ポイント改善した(3 月89.4%)。なお、為替・営業日要因を除いた実質的伸び率は5.5%減であった。 2)一方、全商品輸入額の約31%を占める機械輸入額は、2 兆172 億円、7.3%増と2 ヶ月連続で増加し(3月1.2%増)、リーマンショック前(2008 年4 月)の水準に比べ、32.9%増となっている。
2019/06/21 11:45 日本機械輸出組合
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日本機械輸出組合 最新の世界経済動向(2019年3月~2019年5月)
米国・欧州経済は投資、生産、消費等に支えられて堅調に推移するも、やや軟調か。日本は輸出・生産が弱含み。前年同期比のGDPは中国6.4%、ベトナム、インド6%台、フィリピン、インドネシア5%台、マレーシア4%台、タイ3%台、シンガポール1%台、台湾1%台、韓国1.8%。ブラジル、ロシアは長期低迷から回復も伸び悩み。 最新の世界経済動向(2019年3月~2019年5月)
2019/05/16 16:55 日本機械輸出組合
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最近の機械貿易動向(3 月)~機械輸出伸び率 5 ヶ月連続マイナス~
日本機械輸出組合 2019.5.16 2019 年 3 月の機械輸出額は 4 兆 6,967 億円、対前年同月比 3.0%減と、5 ヶ月連続でマイナスとなった。これは、① EU、北米向け以外の 4 地域でマイナスだったこと、② 船舶、航空機部品をはじめ 4 輸出業種のみがプラスとなったことなどによる。為替・営業日要因が 2.9%の減少寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は 0.1%減となった。2019 年 4 月の為替・営業日要因は 2.0%の増加寄与要因となっているが、5 月 13 日発表の貿易統計速報によれば 4 月上中旬の全商品輸出は 0.8%減であった。 Ⅰ 要 約 1. 全商品貿易動向(図表1) ① 全商品輸出額:7 兆 2,020 億円(前年同月比 [以下同じ] 2.4%減、4 ヶ月連続マイナス) ② 全商品輸入額:6 兆 6,742 億円(1.2%増、3 ヶ月ぶりプラス) ③ 貿易収支:5,278 億円の黒字 2. 機械貿易動向 (1) 機械輸出入動向(図表2) ① 機械輸出額:4 兆 6,967 億円(3.0%減、5 ヶ月連続マイナス) 為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:0.1%減 (5 ヶ月連続マイナス) ② 機械輸入額:2 兆 1,142 億円(1.2%増、4 ヶ月ぶりプラス) (2) 為替・営業日動向 2019 年 3 月に 2.9%の減少要因、4 月に 2.0%の増加要因、5 月に9.8%の減少要因となる。 (3) 地域別動向 ① EU、北米向けがプラス、それ以外の 4 地域向けがマイナス(図表4、5) ② 北米向け:2.8%増、再びプラス(図表4、5) ③ 中国向け:10.2%減、再びマイナス(図表4、5) ④ ASEAN・南アジア向け:4.2%減、3 ヶ月連続マイナス(図表4、5、6、8、9) ⑤ EU 向け:3.5%増、3 ヶ月ぶりプラス(図表4、5) ⑥ 韓国・台湾向け:2.8%減、14 ヶ月連続マイナス(図表4、5、6、7) ⑦ その他地域向:5.1%減、4 ヶ月連続マイナス(図表4、5、10) (4) 業種別動向(図表11) 上位 21 業種中 4 業種がプラス。そのうち船舶、航空機部品の 2 業種が二桁の伸び (5) 機種別動向(図表12、13) ① 船舶(その他地域、ASEAN・南アジア向け中心)、発電機(中国、北米、ASEAN・南アジア、その他地域向け中心)等が大きくプラス ② TV(北米、EU 向け中心、6 ヶ月連続上位)等も好調に輸出が継続 ③ 鉄道車両、通信機械部分品等が大きくマイナス (6) 機械輸入動向(図表14) ① 機械輸入額上位 12 機種のうち、10 機種がプラス ② そのうち 6 機種が二桁以上のプラス Ⅱ トピックス 1.【中国】工作機械の中国向け受注額が下げ止まり。日系メーカーの現地生産が加速 2019年3月の日本からの中国向け工作機械受注額は前年同月比44.0%減の201億円で、13カ月連続のマイナスとなった。下げ幅は2月の50.4%減から縮小しており、受注額も8カ月ぶりに200億円台を回復した(全体の輸出額は、28.5%減の767億円だった)。 ここにきて、公共投資や増値税の減税などの景気対策で中国経済の減速に歯止めがかかりつつある。 2019年第1四半期(1~3月)の GDP は前年同期比6.4%増で、前四半期から横ばいとなった。3月の工業生産も前年同月比8.5%増と大幅増となっている。4月に入っても各指標は好転している。4月の輸入は同4%増となり、内需が持ち直している可能性がある(輸出は前年同月比3%減)。同じく4月の製造業 PMI 指数は50.1で、拡大・縮小の目安となる50を2カ月連続で上回った(3月は50.5)。ただし、最大のリスク要因は米中貿易紛争だ。5月に入り米国は関税を引き上げ、中国も報復措置を発表した。米中政府は交渉は継続するものの、回復しつつある中国経済への悪影響が懸念される。 2. 【台湾】米中貿易摩擦を受け経済成長が鈍化。中国からの生産移管を行う企業が続出 台湾の 2019 年第 1 四半期(1~3 月期)の経済成長率は大幅に減速し前年同期比 1.72%だった。11 四半期ぶりの低水準となった。米中貿易紛争による IT 関連輸出の低迷が響いた。台湾政府は 2019 年の成長率を 2.27%と見込むが、楽観的すぎるとの指摘もある。4 月に入っても、輸出額は 3.3%減の 258 億 3,000 万ドルと 6 カ月連続のマイナスとなった(半導体などの電子部品は 5%減と落ち込んでいる)。 台湾では 2020 年 1 月に次期総統選が行われる。与党・民進党は、蔡英文政権の経済政策への不満から苦戦が予想される。またホンハイの郭台銘董事長が野党・国民党からの総統選出馬を表明し、注目を集めた米中貿易紛争の激化を受けて、台湾の IT 機器メーカーが中国から生産拠点を移転する動きが加速している。台湾政府が域内投資を誘導する政策をとっているため、メーカーの台湾回帰が進んでいる。ホンハイはサーバー関連の生産拠点を高雄に新設する。コンパルはルーターや PC 生産の一部を桃園に移した。電源装置大手・台達電子工業は、台湾での増産に向け 132 億台湾ドルを投資する。ペガトロンはインドネシア・バタンでの通信機器の生産を強化する。現在のところ台湾企業の生産移転は通信機器など一部にとどまるが、貿易紛争が長引けば本格的にサプライチェーンを見直す動きにつながる可能性もある。
2019/05/16 14:54 日本機械輸出組合
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日本機械輸出組合 最新の世界経済動向(2019年2月~2019年4月)
米国・欧州経済は輸出、消費、生産に支えられて堅調に推移。日本は輸出・生産が弱含み。前年同期比のGDPは中国4%、ベトナム7%台、フィリピン、インド6%台、インドネシア5%台、マレーシア4%台、タイ3%台、シンガポール1%台、台湾2%台、韓国3.1%。ブラジル、ロシアは長期低迷から回復も伸び悩み。 最新の世界経済動向(2019年2月~2019年4月)
2019/04/18 16:52 日本機械輸出組合
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最近の機械貿易動向(2 月)~機械輸出伸び率 4 ヶ月連続マイナス~
日本機械輸出組合 2019.4.18 2019 年 2 月の機械輸出額は 4 兆 964 億円、対前年同月比 2.3%減と、4 ヶ月連続でマイナスとなった。これは、① 中国向け以外の 5 地域すべてでマイナスだったこと、② 産業機械、船舶をはじめ 14 輸出業種がマイナスとなったことなどによる。為替・営業日要因が 0.3%の減少寄与要因だったことを考慮すると、 実質的な伸び率は 2.0%減となった。2019 年 3 月の為替・営業日要因は 2.9%の減少寄与要因となっているが、4 月 17 日発表の貿易統計速報による簡易計算では、3 月の機械輸出は 2.9%減であった。 Ⅰ 要 約 1. 全商品貿易動向(図表1) ① 全商品輸出額:6 兆 3,849 億円(前年同月比 [以下同じ] 1.2%減、3 ヶ月連続マイナス) ② 全商品輸入額:6 兆 501 億円(6.6%減、2 ヶ月連続マイナス) ③ 貿易収支:3,349 億円の黒字 2. 機械貿易動向 (1) 機械輸出入動向(図表2) ① 機械輸出額:4 兆 964 億円(2.3%減、4 ヶ月連続マイナス) 為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:2.0%減 (4 ヶ月連続マイナス) ② 機械輸入額:1 兆 8,513 億円(4.7%減、3 ヶ月連続マイナス) (2) 為替・営業日動向 2019 年 2 月に 0.3%の減少要因、3 月に 2.9%の減少要因、4 月に2.5%の増加要因となる。 (3) 地域別動向 ① 中国向け以外の 5 地域向けがマイナス(図表4、5) ② 北米向け:0.5%減、2 ヶ月ぶりマイナス(図表4、5) ③ 中国向け:1.8%増、4 ヶ月ぶりプラス(図表4、5) ④ ASEAN・南アジア向け:4.3%減、2 ヶ月連続マイナス(図表4、5、6、8、9) ⑤ EU 向け:0.8%減、2 ヶ月連続マイナス(図表4、5) ⑥ 韓国・台湾向け:11.3%減、13 ヶ月連続マイナス(図表4、5、6、7) ⑦ その他地域向:3.8%減、3 ヶ月連続マイナス(図表4、5、10) (4) 業種別動向(図表11) 上位 21 業種中 7 業種がプラス。そのうち船舶、陸用内燃機関の 2 業種が二桁の伸び (5) 機種別動向(図表12、13) ① 船舶(その他地域、ASEAN・南アジア向け中心)、TV(北米、EU、中国向け中心、5 ヶ月連続上位)等が大きくプラス ② 鉄道車両、通信機械部分品等が大きくマイナス (6) 機械輸入動向(図表14) ① 機械輸入額上位 12 機種のうち、6 機種がプラス ② そのうち 2 機種が二桁以上のプラス Ⅱ トピックス 1.【中国】中国経済が減速、半導体需要が減少し日本企業に影響 中国の景気減速、米中貿易紛争が半導体需要に大きな逆風となっている。 中国は世界の半導体市場の3~4割を占めるが、家電、自動車、工作機械向けの需要が減少している。世界半導体市場統計(WSTS)によると、2019年1月の中国半導体市場は、前月比マイナス8.5%の120 億ドルとなった(米州でも落ち込みが大きい)。WSTS は、2019年の中国を含むアジア・太平洋地域の半導体市場は前年比マイナス3%になるとしている。 中国の2018年の経済成長率は、前年比6.6%増にとどまった(第4四半期は6.4%増)。米中貿易紛争の影響がさらに広がり、IMF は、2019年の成長率は6.2%にまで落ち込むと予測している。さらに、2019 年1~2月の工業生産は前年同期比5.3%増にとどまり、10年ぶりの低水準となった。中国企業は軒並み業績が悪化しており、自動車、電機企業においては設備投資を手控える動きが広がっている。 このような状況を受けて、今年3月に開催された全国人民代表大会では減税やインフラ投資などの景気対策が打ち出されたが、その効果が出るまでには、しばらく時間がかかるとの見方が大勢を占める。 半導体需要の減少による、日本企業への影響も顕著になってきている。 ルネサスエレクトロニクスは、国内外の13工場で生産停止に踏み切る。半導体製造装置メーカーでは、2018年第4四半期に東京エレクトロン、日立ハイテクノロジーズ、SCREEN ホールディングスが減益となった。電子部品メーカーでは、日本電産、TDK などが中国の需要減を理由に業績予想を下方修正している。ただし、中期的には AI、IoT、5G などの需要により、半導体市場は再び成長軌道に戻るとの見方が強い。他方、パワー半導体は需要の落ち込みが緩やかで、富士電機、三菱電機は設備投資の強化に踏み切る。 半導体の需要回復の時期を見極めるには、今後の米中貿易紛争の展開についても注視していく必要があるだろう。 2. 【トルコ】経済成長が大幅に鈍化。インフラ計画も凍結 トルコの 2018 年第 4 四半期(10-12 月期)の GDP 成長率は前年同期比 3%減となり、9 四半期ぶりのマイナス成長となった。2018 年通年の実質成長率は 2.6%で、前年度(7.4%)から大きく減速した。消費の落ち込みは激しく、2018 年の自動車販売は前年比 35%減となった。 依然として、2018 年夏の通貨危機(トルコショック)の余波から抜け出せていない。IMF は、2019 年の経済成長率は 0.3%にまで落ち込むと予測している。また、20%前後の高インフレが続いており、トルコ中央銀行は主要な政策金利を年 24%に据え置いた(一方、景気の悪化で輸入額が減少し、経常赤字額は前年比 41%減の 276 億ドルにまで縮小した)。海外からの借り入れに依存した投資主導の経済モデルは終焉を迎えつつある。 エルドアン大統領は「イスタンブール運河」など大規模なインフラ整備を目玉政策に掲げてきたが、政府は財政難から新規の大型インフラ開発を事実上凍結している。2018 年 12 月に策定された予算では、インフラ関連の予算は半減した。頼みの綱は中国である。トルコは「一帯一路」政策の重要国であり、中国は空港・通信インフラの整備を予定している(昨年、中国は総額 36 億ドルのインフラ融資を行っている)。しかし、トルコと中国はウィグル問題で対立を深めており、今後の協力はやや不透明となっている。 欧米では、トルコの投資環境に対する懸念が広がっている。一方、日本企業にとってトルコは、依然として重要な拠点・市場である。ジェトロの最新の調査では、通貨下落にもかかわらず、6 割の企業が黒字と回答している(撤退する企業はゼロ)。 また、日本政府はトルコと経済連携協定(EPA)を交渉中であり、2019 年 6 月の大枠合意を目指している。投資ルールの明確化やサービスの自由化によって、日系企業が進出しやすくなる利点がある。トルコはインフラ市場としての潜在性も高く、政治・経済の早期安定が望まれる。
2019/04/18 16:31 日本機械輸出組合
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日本機械輸出組合 最新の世界経済動向(2019年1月~2019年3月)
米国・欧州経済は消費、生産、輸出に支えられて堅調に推移。日本は輸出・生産が弱含み。中国6.4%。ベトナム7%台、フィリピン、インド6%台、インドネシア5%台、マレーシア4%台、タイ3%台、シンガポール1%台、台湾2%台、韓国3.1%。ブラジル、ロシアは長期低迷から回復も伸び悩み。 最新の世界経済動向(2019年1月~2019年3月)
2019/03/14 16:44 日本機械輸出組合
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最近の機械貿易動向(1月)〜機械輸出伸び率3ヶ月連続マイナス〜
日本機械輸出組合 2019.3.14 平成 31 年 1 月の機械輸出額は 3 兆 5,476 億円、対前年同月比 8.5%減と、3 ヶ月連続でマイナスとなった。これは、① 北米向け以外の 5 地域すべてでマイナスだったこと、② 自動車、産業機械をはじめ 19 輸出業種がマイナスとなったことなどによる。為替・営業日要因が1.9%の減少寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は 6.6%減となった。平成 31 年 2 月の為替・営業日要因は 0.2%の減少寄与要因となっているが、3 月 7 日発表の貿易統計速報によれば 2 月上中旬の全商品輸出は 1.2%増であった。 Ⅰ 要 約 1. 全商品貿易動向(図表1) ① 全商品輸出額:5 兆 5,747 億円(前年同月比 [以下同じ] 8.4%減、2 ヶ月連続マイナス) ② 全商品輸入額:6 兆 9,903 億円(0.6%減、10 ヶ月ぶりマイナス) ③ 貿易収支:1 兆 4,156 億円の赤字 2. 機械貿易動向 (1) 機械輸出入動向(図表2) ① 機械輸出額:3 兆 5,476 億円(8.5%減、3 ヶ月連続マイナス) 為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:6.6%減 (3 ヶ月連続マイナス) ② 機械輸入額:2 兆 2,222 億円(0.3%減、2 ヶ月連続マイナス) (2) 為替・営業日動向 2019 年 1 月に 1.9%の減少要因、2 月に 0.2%の減少要因、3 月に3.0%の減少要因 となる。 (3) 地域別動向 ① 北米向け以外の 5 地域向けがマイナス(図表4、5) ② 北米向け:5.8%増、3 ヶ月ぶりプラス(図表4、5) ③ 中国向け:19.0%減、3 ヶ月連続マイナス(図表4、5) ④ ASEAN・南アジア向け:3.9%減、26 ヶ月ぶりマイナス(図表4、5、6、8、9) ⑤ EU 向け:3.7%減、4 ヶ月ぶりマイナス(図表4、5) ⑥ 韓国・台湾向け:16.7%減、12 ヶ月連続マイナス(図表4、5、6、7) ⑦ その他地域向:16.6%減、2 ヶ月連続マイナス(図表4、5、10) (4) 業種別動向(図表11) 上位 21 業種中 2 業種がプラス。そのうち航空機部品のみが二桁の伸び (5) 機種別動向(図表12、13) ① TV(北米、EU 向け中心、4 ヶ月連続上位)、航空機部品(北米向け中心)等が大きくプラス ② 鉄道車両、通信機械部分品等が大きくマイナス (6) 機械輸入動向(図表14) ① 機械輸入額上位 12 機種のうち、8 機種がプラス ② そのうち 4 機種が二桁以上のプラス Ⅱ トピックス 1.【インドネシア】好調な経済成長を維持。今後のデジタル経済の進展に注目 インドネシアの2018年の経済成長率は、前年比5.17%増となった。個人消費が成長をけん引している。政府は、2019年の経済成長を5.3%程度になると予想している。一方、海外からの直接投資額は2017 年比で8.8%減の392兆ルピアとなった。 インドネシアでは、スマホの普及や中間層の成長を背景にデジタル経済が急速に進展している。政府は、2020年までに東南アジア地域の「デジタル先進国」となる目標を掲げており、現在では電子決済システムが浸透し、EC も急成長している。大手財閥リッポー・グループは、デジタル経済への関与を強めている。リッポーは、電子マネー最大手の「オボ(ovo)」を運営しており、さらに中国ネットサービス大手のテンセントに出資した。EC では、地場企業トコペディアをはじめ、ブカラパック、JD などが主要企業である。米アマゾンもインドネシアへの進出を計画している。EC 市場は、2022年には4,250億ドルにまで成長するとの予測もある。配車サービス分野では、地場最大手のゴジェックがシンガポールのグラブと熾烈なシェア争いを繰り広げている。 しかし、懸念される点は、規制緩和の進展が鈍化していることである。2018年末、政府はデジタル分野における規制緩和政策を発表したが、国内からの反発で撤回に追い込まれている。 2. 【ブラジル】国内経済に回復の兆し。自動車セクターに注目が集まる ブラジルの 2018 年第 3 四半期(7-9 月期)の経済成長率は、前年同期比で 1.3%となった。トラック業界のストの影響も消え、民間消費が力を取り戻しつつある。2019 年は、経済成長が緩やかに加速すると見られている。国際通貨基金(IMF)は、2018 年の成長率を 1.4%、2019 年を 2.4%と予測している。 ボルソナロ新政権の発足後、主要株価指数ボベスパは約 10%上昇し、為替相場もレアル高が続く。インフレ率も安定している。2019 年 2 月に入り、ブラジル中央銀行は政策金利を過去最低の年 6.50% に据え置いた。ボルソナロ政権は経済の構造改革を打ち出しており、世銀のビジネス環境調査で 50 位以内に入るという目標を打ち出した。パウロ・ゲジス経済相の手腕に期待がかかる。 今後注目されるのは、自動車産業である。ブラジルは中南米の生産・輸出基地となりつつある。2018 年の自動車生産台数は、前年比 6.7%増の 288 万 724 台だった。また、国内販売台数は 14.6%増の 256万 6,433 台だった。2019 年 1 月の生産台数は、前年同月比 24.6%増の 21 万 6,834 台と好調を維持している。新たな自動車産業政策である「Rota2030」が、2018 年 12 月に施行された。燃費・安全性基準を満たした自動車には、工業製品税を減免する措置などを導入し、産業の競争力強化や投資促進を図る。
2019/03/14 15:25 日本機械輸出組合
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2021/09/0817:30 株式会社イエイリ・ラボ
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清水建設の新東名現場を直撃! そこは“i-Constructionの総合商社”だった
2020/11/0417:50 株式会社イエイリ・ラボ
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三菱ふそう 金沢支店を移転しオープン
2021/07/2618:12 三菱ふそうトラック・バス株式会社