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1日で造形!シンガポールの南洋工大が3Dプリンターで“公衆トイレ”を建設
シンガポールの南洋工科大学(Nanyang Technological University)と言えば、シンガポール国立大学と並ぶ理系のエリート校です。 同大学では過去4年間、3Dプリンターを使った建設技術の研究に取り組んでいましたが、先日、輝かしい成果が出ました。 南洋工科大学のキャンパス(写真:家入龍太) 3Dプリンターを使って ナ、ナ、ナ、ナント、 “公衆トイレ”のような 躯体を1日で作ってしまったのです。(南洋工科大学のプレスリリースはこちら) 南洋工科大学が作成した“公衆トイレ”の外観(以下の写真:南洋工科大学) 内部にはピカピカの内装が施されている この成果は、南洋工科大学のシンガポール3Dプリントセンターのタン・ミン・ジェン(Tan Ming Jen)准教授をリーダーとして、民間企業との共同研究チームが実現されました。 共同研究チームは2つの躯体を作りました。1つは縦1.5m×横1.62m×高さ2.8mのもので9時間で造形、もう1つは縦2m×横2.6m×高さ2.8mで12時間で造形しました。 造形がスムーズに行われたポイントは、造形時には流動性を持ち、ノズルから吐き出された後は急速に硬化する特殊な生コンクリートの開発にありました。 3Dプリンターによる施工。壁は二重構造になっており、この空洞には配管や鉄筋などを通せる 造形時には流動性があり、ノズルから出た後は急速に固まる生コンが開発された 材料を供給する研究者たち 上部は別に造形し、フォークリフトで載せて完成 造形した躯体の内部には、便器やシャワー、洗面器などを設置し、床と壁はセラミックタイルで覆いました。これらの内装には約5日間かかるとのことです。 これにより、企業は、既存のPBUよりも約30%早く、30%軽量のプレハブバスルームユニット(PBU)を構築することができる可能性があります。 先に行われたより大型の建物をテストしたところ、 シンガポールの強度基準 である「SS492: 2001」を満たしているそうです。 これまでは現場で型枠を組んでコンクリートを打設してトイレを作っていましたが、3Dプリンターを現場に置いて“オンデマンド生産”することにより、現場では資材の仮置き場などが必要なくなり効率化が図れそうですね。
2019/05/28 11:39 株式会社イエイリ・ラボ
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AIで損傷判定!押して歩く「床面ひび割れ検知ロボ」をイクシスが発売
物流倉庫や工場などの維持管理では、床面のひび割れなどの損傷状況をチェックし、記録するという業務があります。 これまではフロア内の作業が止まっている夜間に作業員がフロアを歩きながら床面の損傷を見つけ、写真撮影などで記録するという方法が採られてきました。 この作業を軽減するため、業務用ロボットの開発を手がけるイクシス(本社:川崎市)は、床面ひび割れ検知ロボット(手動式)「Floor Doctor」を開発、発売しました。 ナ、ナ、ナ、ナント、 押して歩くだけ で、床面の撮影と位置情報をセットで取得し、図面との重ね合わせができるのです。(イクシスのプレスリリースはこちら) 床面ひび割れ検知ロボット(手動式)「Floor Doctor」(以下の写真、資料:イクシス) 「イクシス」のウェブサイト。ロボットやAI、IoTに強そうだ ロボットといえども、「手動式」とうたっているように、自転車のハンドルやブレーキのようなものが付いています。 車輪には移動距離計測用センサーが搭載され、赤色レーザーで床面に撮影範囲が表示されます。このレーザー光を頼りに直線的に進みながら、床面の撮影を行うのです。 手元のモニターには、カメラの実映像が表示されるので、撮影範囲を視覚的に確認できます。 そして、撮影した画像は AIで損傷判定 を行うことにより、検査報告書の作成時間を短縮することができます。 AI(人工知能)によるひび割れなどの検知システムは、いろいろな会社で開発されていますが、もはや人間の目視による点検よりも高性能な域に達しています。 今回は手動式のロボットですが、これがお掃除ロボのように自動的に走行するようになると、床面の点検や損傷部分の発見も無人で行えるようになりそうですね。
2019/05/27 18:41 株式会社イエイリ・ラボ
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いすゞ、国産初のハイブリッド連節バス「エルガデュオ」を発売
いすゞ自動車株式会社(本社:東京都品川区、社長:片山正則、以下「いすゞ」)は、国産初のハイブリッド連節バス「エルガデュオ」を本日より全国一斉に発売します。 今回発売する「エルガデュオ」は、日本の道路事情を踏まえた車両寸法とし、効率的な大量輸送を実現しました。また、路線バスでは世界初の「ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)」を搭載し、安心・安全な交通社会の実現に貢献します。さらに、ハイブリッドシステムの採用により環境負荷にも配慮しています。 主な特長は、以下の通りです。 【大量輸送の実現】 日本の道路事情を考慮した車両寸法とし、朝夕時間帯に利用客が集中する通勤通学ラッシュ時や一日を通して利用客が多い観光地での大量輸送を実現しました。 ・車両特徴 全長18m 定員120名 (標準仕様 最大値)※1 ※1:個別仕様により定員変動あり ・最小回転半径 / 所要道路幅 全長の長い連節バスでありながら、レイアウトの最適化により、優れた小回り性を実現しました。 ・連節器 前車室と後車室の角度(連節角)が一定以上になると、連節器の破損を防ぐために警報音により注意を促す連節制御システムを採用し、十分な安全性を確保しています。※2 また、後退時に車速が6km/h以上になると、エンジントルクを制御します。※3加えて、前車室と後車室の角度が大きくなると警報ブザーが鳴り、さらに角度が大きくなると連節器エマージェンシーブレーキが作動して車両を停止させます。 ※2:連節器ターンテーブル上の立席定員はとれません。また、走行中ターンテーブルに立つ事は安全上禁止されています。 ※3:坂道等道路状況により6km/h以下で制限する場合があります。 【インテリアの充実・バリアフリー】 ・インテリア 前車室から後車室につながるノンステップエリアはゆとりある室内高を実現。さらに、開放感のあるサイドウインドは座席からでも車外の確認がしやすく、明るい室内空間になりました。加えて、後車室後方の対面シート部は余裕のある膝前の空間を確保しました。 また、前扉にはグライドスライド扉、中/後扉には拡幅引き扉を採用、扉幅の拡大により大量輸送の乗降時間短縮に貢献します。 ・バリアフリー 前車室はフルフラットとし後車室もノンステップエリアを広く確保するとともに、連節バスとして最適なシートレイアウトにより、乗客の利便性、快適性を実現しています。 【安全性の向上】 ・ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System) 路線バスでは世界で初めてとなるドライバー異常時対応システム(EDSS)を採用しました。 走行中、ドライバーが急病などで安全に運転できない状態に陥った場合、乗客や乗務員が非常ブレーキスイッチを押すことで、減速して停止します。※4車内では赤色フラッシャーランプと音声アナウンスにより、異常時であることを乗客に伝達します。さらに、周囲にはホーンを鳴らし、ハザードランプとブレーキランプを点滅させて異常を知らせます。立席の乗客の安全性に配慮し、路線バスに適した制御となっています。 ※4:国土交通省策定「ドライバー異常時対応システム」技術指針に準拠。 ・ニーリング 乗降時に車両を左に傾けることで、乗降性が向上し、お客さまの安全な乗り降りをサポートします。また低速走行中、路面の障害物を避ける時の車高アップ機能と頭上の障害物を避ける時のロアリング機能も備えています。 【パワートレイン】 ・A09Cエンジン排ガス処理システム エンジンは総排気量8,866cm3(cc)のA09Cエンジンを採用しました。さらにPMとNOxを低減するための後処理装置にはPM除去装置+尿素SCRを採用し、パワーと省燃費の両立を高次元で実現しました。同時に、排出ガスを削減するアイドリングストップ&スタートシステムを採用し、省燃費や騒音防止に貢献しています。 ・ハイブリッドシステム 最新のクリーンディーゼルエンジンとハイブリッドモーターを組み合わせ、パワーと省燃費の両立を高次元で実現しています。また、ハイブリッドバッテリーで駆動する電動式パッケージクーラーなど最新技術を採用しました。 ・トランスミッション クラッチ操作の不要な7速AMTを採用しました。また、ギヤ段を自動で選択する自動変速モードと、走行状況に応じて手動でギヤ段を選択できる手動変速モードの切り替えにより、道路状況に合わせた運転が可能になりました。 【名前の由来】 いすゞの路線バスシリーズを表す「エルガ」に「2つ」を表す「デュオ」を加えました。「連節バスの2つの車両」と、「少ない乗務員で大量乗車が可能という2つのメリット」をイメージする名前としました。 以上
2019/05/27 13:44 いすゞ自動車株式会社
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いすゞと日野、国産初のハイブリッド連節バスを共同開発 -社会課題の解決に向け、近日中に市場投入-
2019年5月24日 いすゞ自動車株式会社 日野自動車株式会社 いすゞ自動車株式会社(本社:東京都品川区、社長:片山正則、以下いすゞ)と日野自動車株式会社(本社:東京都日野市、社長:下義生、以下日野)は、国産初のハイブリッド連節バスを共同で開発し、近日中に、両社より発売する予定です。 また、次世代都市交通システム(ART:Advanced Rapid Transit)での活用を想定した連節バス用のITS技術も開発いたしました。今後、市場ニーズに応じて実装してまいります。 いすゞと日野は、商用車メーカーの社会的責務として、ドライバー不足や環境問題といった社会課題の解決に向けて取り組んでいます。環境負荷低減に寄与しながら安全かつ効率的な大量輸送を実現するハイブリッド連節バスと、高度運転支援技術・ITS技術については、喫緊の課題に対応すべく早期の実用化を目指し、2017年より共同開発を進めてまいりました。 このたび両社で開発したハイブリッド連節バスは、日本の道路事情を踏まえた車両寸法とし、ハイブリッドシステムの採用により環境負荷にも配慮しています。また先進安全装備として、路線バス世界初となる「ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)」を搭載し、安心・安全な交通社会の実現に貢献します。 ◆車両の特長 ・輸送性 定員120名※1という大量輸送能力を備え、乗客の利便性と輸送効率向上に貢献します。 ※1 仕様により変更あり。 ・乗降性・バリアフリー 前車室はフルフラットとし後車室もノンステップエリアを広く確保するとともに、連節バスとして最適なシートレイアウトにより、乗客の利便性、快適性を実現しています。 ・ハイブリッドシステム 小排気量でありながら十分な高出力・高トルクを発揮するA09Cエンジンを採用し、ハイブリッドシステムとAMTの協調制御による変速の最適化を図っています。エンジンとモーターの間にクラッチを配置することでエネルギー回生効率を向上させるとともに、モーターのみによる発進を可能にし、省燃費と環境性能を追求しました。 ・ドライバー異常時対応システム(EDSS)<路線バス世界初> ドライバーに急病などの異常が発生した際、乗客や乗務員が非常ブレーキスイッチを押すことで、減速して停止します※2。立席の乗客の安全性に配慮し、路線バスに適した制御としています。 ※2 国土交通省策定「ドライバー異常時対応システム」技術指針に準拠。 ◆ITS技術 ・プラットホーム正着制御 路面上の誘導線をカメラで認識し、自動操舵、自動減速によりバス停へ誘導することで運転操作を支援します。バス停側の対応とあわせて、隙間・段差を解消することで、円滑な乗降を実現します。 ・協調型車間距離維持支援システム(CACC)※3 先行車の加減速の操作情報を通信で後続車に送ることにより、先行車との車間距離を高精度に制御し、無駄のない、スムーズな加減速を実現します。 ※3 本システムは自動車専用道路での使用を前提としています。 ・衝突警報 ミリ波レーダーにより障害物および先行車両を検知し、衝突の可能性がある場合はディスプレイ表示や警報音でドライバーに警告します。 ・路車間通信・車車間通信※4 バスの走行特性に対応した路車間通信(ITS専用周波数)による安全支援(赤信号注意喚起、赤信号減速支援、右折時注意喚起、信号待ち発進準備案内)や、バス優先の信号制御を行う高度化PTPS(公共車両優先システム:Public Transportation Priority System)に対応。車群走行時には、車車間通信も活用し車群の構成や台数を把握し、車群単位での信号通過やバス停発車を支援する機能も備え、輸送力や速達性・定時性の向上に貢献します。 ※4 高度化PTPSを含む車群走行に対応したシステムは、トヨタ自動車も含めた3社共同開発。 ・視覚支援カメラシステム 車両内外にカメラを設置、ドライバーはモニターで監視します。車外に設置したカメラは、車両停止時に車両周辺の移動物を検知し、ドライバーにアイコンの点滅と音で警報を行います。 以上
2019/05/24 13:04 いすゞ自動車株式会社
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BIMと在来工法、どっちが早い?実際に競争したら、想像以上の大差に
2019年5月21日~23日、米国ロサンゼルスのアナハイムコンベンションセンターで開催された「SPAR3D」と「AEC NEXT」の合同イベントのセミナーで、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を活用した工事の生産性がいかに早いかを実験した動画が話題になりました。 米国・ボストンにあるウェントワース工科大学( Wentworth Institute of Technology )のジョン・クリブス(John Cribbs)助教が、「建設サプライチェーンの最適化についての研究結果」(原題:Results of An AEC Supply Chain Optimization)と題する講演の中で紹介したYouTube動画( Virtual Construction VS Traditional Construction )です。 講演するウェントワース工科大学のジョン・クリブス(John Cribbs)助教(写真:家入龍太) 話題となった動画のワンシーン。配管工事で、BIMとプレハブ工法を使ったチーム1(左)と在来工法を使ったチーム2(右)が対戦する(以下の写真:Corbins Electric) テーブル上に障害物を避けて配管するスピードや人工(にんく)を、BIMとプレハブ工法を使う「チーム1」(以下、BIMチーム)と、現場で材料を加工する在来工法を使った「チーム2」(以下、在来工法チーム)で競うものです。 BIMチームには全体の完成図と配管のプレハブ配管の単品図、在来工法チームには配管の始点と終点の位置、障害物となる“躯体”の位置と大きさを表した図が渡されました。 BIMチームに渡された図面 全体の完成予想図 すべての配管の単品図 在来工法チームに渡された図面 配管の始点と終点の図 障害物となる“躯体”の図 「よーい、ドン」でスタートした工事ですが、在来工法チームは2人のメンバーを配置したのに対し、BIMチームは ナ、ナ、ナ、ナント、 たった1人 しか、現場に立っていませんでした。 BIMチームは1人だけ。在来工法チームは2人でスタートした
2019/05/24 11:28 株式会社イエイリ・ラボ
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墨出し後、3Dスキャナーで確認!デジタルツイン時代の測量機が登場
2019年5月21日~23日、米国ロサンゼルスのアナハイムコンベンションセンターで開催されている3D計測技術テーマとした「SPAR3D」と、次世代建築技術をテーマとした「AEC NEXT」の合同イベントの展示会場では、話題の新製品もデビューしています。 夕方の時間帯は「ハッピーアワー」と名付けられ、展示会場のあちこちに ナ、ナ、ナ、ナント、 ビールやワインを無料提供 するカウンターが登場し、展示会場のユニークな製品群をサカナに、談笑する姿が見られます。 ハッピーアワーの展示会場。ビールやワインを片手にあちこちで盛り上がっています(以下の写真:家入龍太) では、どんなセインが展示されているのかをざっと見て回ったところ、次のようにいろいろと面白い製品があり、中には、自社サイトで紹介したものもありました。 3Dレーザースキャナーを背負って計測するシステム 3Dレーザースキャナーを油圧シリンダーで高く上げて計測するシステム。彼の奥さんは日本人で、まるこちゃんという娘がいるそうです 手持ち式の3Dレーザースキャナー FAROの2Dスキャナー。間取り図が簡単に作れます 3Dメガネで実寸大・立体視ができるBIM CAVE 日本からもシンメトリー・ディメンジョンズが堂々出展していました
2019/05/23 17:27 株式会社イエイリ・ラボ
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コベルコ建機株式会社と日本マイクロソフト株式会社の協業について
2019年5月22日 コベルコ建機株式会社 日本マイクロソフト株式会社 コベルコ建機株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役 社長:楢木 一秀、以下、コベルコ建機)と日本マイクロソフト株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長:平野 拓也、以下、日本マイクロソフト)は、クラウドやAI、IoTなどの先進テクノロジーを活用して、コベルコ建機の目指す「働く人を中心とした、建設現場のテレワークシステム」K-DIVE CONCEPT※1推進のために協業することとし、本日5月22日に「建設・測量生産性向上展2019」のコベルコ建機ブースにて発表をおこないました。 今回の協業のファーストステップとして、“K-DIVE CONCEPT”にマイクロソフトのパブリッククラウドプラットフォームMicrosoft Azureを採用し、オペレーションの円滑化、可視化、ならびに効率的なコミュニケーションの実現を図ります。今後、両社は連携して働く人を中心とした建設業界の働き方改革を推進していきます。 コベルコ建機は昨年、「誰でも働ける現場へ・KOBELCO IoT」をテーマにICTロードマップを策定し、その実現に向けて中長期的に研究・開発を進めています。そのひとつの柱であるK-DIVE CONCEPTは、クラウドマッチングシステムにより、特定の人・場所・時間などの制約を受けずに、現場の施工が可能となる「建設現場のテレワーク化」を実現し、深刻化する建設技能者の不足に対する多様な人材活用、現場生産性の向上、現場無人化による本質的な安全確保などを目指しています。 両社はこの実現に向けて、AI、IoT、画像・音声の認識技術※2を用いて、開発期間を大幅に短縮するアジャイル手法により開発を進めるとともに、コミュニケーション基盤を構築し、具体的には以下3つの機能実装を目指していきます。 1.快適・安全な作業環境と実機同等の操作性を実現 2.テレワーク化による働く時間、働く場所の制約解消 3.作業内容とオペレータスキルのマッチング最適化 これらの実現に向けて、コベルコ建機と日本マイクロソフトは全面的に連携し、ビジョンの具体化から最新テクノロジーを活用した課題解決手段の提案、導入までを一貫して進めていきます。 K-DIVE CONCEPTの目指す姿 K-DIVE CONCEPTのステップアップイメージ ※1 “K-DIVE CONCEPT”とは、コベルコ建機が研究・開発を進める、次世代遠隔操縦技術を用いた「働く人を中心とした、建設現場のテレワークシステム」のことで、建設現場で働く人の働き方を大きく変え、豊かな生活、社会を実現することを目的としています。 ※2 具体的には、マイクロソフトの学習済みAIであるCognitive Servicesなどの活用を予定しています。 <建設・測量生産性向上展2019における発表の様子> *記載されている情報は発表時のもので、予告なしに変更される場合があります。
2019/05/22 18:15 コベルコ建機日本株式会社
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点群からデジタルツインへ!建設界の3D技術イベントで見たバズワードとは
3Dレーザースキャナーやドローン(無人機)などによる3D計測技術テーマとした「SPAR3D」と、次世代建築技術をテーマとした「AEC NEXT」が、米国ロサンゼルスのアナハイムコンベンションセンターで2019年5月21日~23日、開催されています。 「SPAR3D」と「AEC NEXT」が共同開催されているアナハイムコンベンションセンター(以下の写真:家入龍太) 初日の講演「変化に備えよ!BIMからデジタルツイン、機械学習、AIへ」(原題:Preparing for Change:Beyond BIM to Digital Twin, Machine Learning & AI) もともと、別々に開催されていた両イベントですが、2018年から共同開催されています。初日に行われた講演「変化に備えよ!BIMからデジタルツイン、機械学習、AIへ」では、 ナ、ナ、ナ、ナント、 建設界の最新バズワード がポンポン飛び出したのです。 初日の講演で飛び出したバズワードその1「デジタルツイン(Digital Twin)」 その代表例が、「デジタルツイン」(電子の双子)というものでした。講演者による定義では「物理現象やシステムをライフサイクル全体にわたってデジタルデータで表現したもの」です。 BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と非常に近い概念ですが、デジタルツインは実物を忠実にデジタルデータで表現したものです。いわば実物の変化に伴って更新され続ける「竣工BIMモデル」という、実物ありきのデジタルモデルということですね。 SPAR3Dは実物をデータ化する方向で、逆にAEC NEXTはBIMモデルを元に建物を建設する方向のイベントでしたから、両者の特徴が一体化した「デジタルツイン」という言葉は、両イベントの共同開催のたまものかもしれませんね。 このほか、飛び出したワードは「コネクテッド(Connected)」というものです。建物を取り巻く様々な情報がデジタル化されることにより、クラウドやコンピューターで情報を連携し、より合理的な運用を実現するというニュアンスを感じました。 バズワードその2「コネクテッド・アーキテクチュア」のイメージ図 さらにもう一つ、デジタルツインの効果をより積極的に生かそうという意思が感じられた言葉が「予測可能(Predictable)」というものです。 言ってみれば、BIMや点群データなどを使って施工手順や完成後の状態を「シミュレーション」するのと同じような意味です。しかし単に解析するだけでなく、将来のことを意識的に「予測する」という行動に結びつける言葉にすることで、積極的な解決の促進という力強さを感じまくした。 バズワードその3「予測(Predict)」もデジタルツインによって促進される行動となりそうだ そして、建物を取り巻くあらゆることがデジタル化されることで、BIMが一歩進むバズワードとしては オートメーション という言葉もありました。 バスワードその4、デジタル化で可能になってくる設計の「オートメーション化」 「Automated」か「Automating」かによって、微妙な戦略的な意味合いの違いも出てきますが、敷地の形に応じて建物の軸線を変えると部屋の配置や形が自動的に変わるといった程度の「BIMのオートメーション」は、既に実現されているということです。 建物の敷地に応じて部屋の配置などを変える「BIMのオートメーション」は既に実現されている まだ始まったばかりですが、「デジタルツイン」をスピーディーに作れる測量機器の新製品なども続々と登場しています。これから展示会場などもリポートしていきたいと思いますので、ご期待ください。
2019/05/22 12:18 株式会社イエイリ・ラボ
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平成31年4月分フォークリフト統計
日本産業車両協会により、平成31年4月分のフォークリフト統計が発表された。 出典:一般社団法人 日本産業車両協会
2019/05/22 11:52 KENKEY
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思わぬミスも発見!3DモデルをVR化する「SYMMETRY」の実寸大効果
建物や構造物の3次元モデルを、バーチャルリアリティー(VR)で実物大、立体視するためのソフトが進化してきました。 シンメトリー・ディメンジョンズ(SYMMETRY Dimensions。本社:米国デラウエア州)が開発・販売する「SYMMETRY」というソフトもその一つ。ワンクリックで3DモデルをVR用のデータに変換できます。 2019年5月20日にリリースした、「SYMMETRY製品版」のバージョン1.2では、複数の人がVR空間内に集まり、デザインなどを検討する機能が充実しました。 複数人がVR空間に集まり、デザイン検討などを行う機能が充実した「SYMMETRY製品版バージョン1.2」の画面イメージ(以下の資料:特記以外はSYMMETRY Dimensions) 例えば、VR空間内の1カ所に全員が集まる「集合機能」や、リーダーについて歩く「追従機能」、VR空間内での「レーザーポインター機能」が追加されました。 VR空間内の1カ所に全員が集まる「集合機能」のイメージ リーダーについて歩く「追従機能」のイメージ そして、言葉が異なる人々の間でコミュニケーションしやすいように、 ナ、ナ、ナ、ナント、 翻訳機能も追加 されたのです。 VR空間内に音声メモで残した修正指示を、他の言語への翻訳することもできます。 翻訳機能の例。音声メモによる指示を日本語から英語に変換することができる このほか、SketchUp 2019へ対応や、視認性向上、ユーザーインターフェイスの改良などが行われました。 このソフトを体験し、「これは使える」と導入したのが、静岡県伊豆の国市に本社を置く正治組です。 同社では、1つのVRモデルに複数人が同時に入れる「オンライン・コラボレーション機能」を使って、現場の3Dモデルを事前に確認したり、VR空間内で打ち合わせをしたりすることで、“移動のムダ”を省いています。 VRゴーグルを付けて現場のイメージを共有している様子(以下の写真、資料:正治組) 先日、ある橋梁の橋台にアンカーを打って耐震補強を行う工事がありました。当初は、橋が建設された当時の2次元図面を見ながら工事を計画していました。 念のため、SYMMETRYを使って現場の点群データとSketchUpで作った橋の3Dモデルを重ね合わせて、実寸大で確認してみました。 SYMMETRYで点群データとSketchUpデータを重ね合わせ、現場シミュレーションを行った例 当初は特に問題ないと思っていた現場でしたが、土砂崩れ防止のために打設する 矢板と橋台が干渉 していたことが発見されたのです。 橋台わきに打設する予定の矢板が、橋台と干渉することを未然に発見 もし、この干渉に気づいていなかったら、矢板の打設工事は途中でストップし、重機のレンタル費や人件費など、大きな損失が生まれるところでした。 上の図を見ると、ほんのちょっとだけ、矢板が橋台に食い込んでいるのがわかりますね。3Dモデルを実寸大でみることで、縮尺による“情報の省略”がなくなるので、こうした不具合も発見しやすいのでしょう。 SYMMETRYで見た重機配置シミュレーション 実際の現場。狭い桁下空間に重機が計画通り入っている
2019/05/21 11:39 株式会社イエイリ・ラボ
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BIMモデルを検査用iPadデータに!Rebro、RevitとSpiderPlusが連携
工事現場でのタブレット端末「iPad」の活用が増えていますが、それに伴って現場でよく使われているアプリの一つがレゴリス(本社:東京都豊島区)が開発・販売する「SpiderPlus」です。 CAD図面を持ち歩ける「図面管理機能」や、現場写真を撮る際の「電子黒板機能」、入力したデータを報告書などにまとめる「帳票出力機能」などを中心に、工事現場の業務にはほぼすべてに対応した機能があると言っても過言ではありません。 工事現場での業務に対応した様々な機能を持つ「SpiderPlus」の画面(以下の資料:レゴリス) 現場での仕上げ検査や配筋検査、指摘管理など様々な検査に使える そのSpiderPlusが、最近、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)ソフトとも連携し始めています。 例えば、NYKシステムズ(本社:東京都中央区)が開発・販売する設備用BIMソフト「Rebro」との連携です。 NKYシステムズが開発・販売する設備用BIMソフト「Rebro」の画面 Rebroで作成した空調設備のBIMモデルから、 ナ、ナ、ナ、ナント、 風量検査用データ をSpiderPlusに取り込み、そのまま検査に使えるようになったのです。(レゴリスのプレスリリースはこちら) 設備用BIMソフト「Rebro」から風量検査用データを現場用iPadアプリ「SpiderPlus」に取り込むイメージ 取り込んだデータはすぐに現場での検査業務に活用できる Rebroで作成した設備BIMモデルから、風量検査を行う吹き出し口や吸い込み口などの位置情報や設計風量などのデータSpiderPlusに取り込み、そのまま現場での検査記録業務に使えるようにしたものです。 SpiderPlusの風量測定機能では、検査しながら測定値を入力し、図面の測点ポイント番号と測定結果リストの番号にひも付けたExcelシートに出力できます。 そのため、事務所に戻ってからの帳票作成時間も大幅に短縮できます。 図面の測定ポイント番号にひも付けたExcelシートが自動的に作成される SpiderPlusとBIMとの連携は、このほかにもあります。オートデスクのBIMソフト Revitのファイルを取り込み 施工管理や検査に使う機能も開発されています。(レゴリスのプレスリリースはこちら) RevitのデータをSpiderPlusに読み込んで活用するイメージ これらのデータ連携機能を使うと、わざわざ検査用のデータを作成する準備作業が不要になるため、大幅な業務効率化が期待できます。BIMの“I”(属性情報)を、これまでBIMとはあまり関係がなかった施工管理用のアプリで生かすというアイデアはナイスですね。
2019/05/20 10:16 株式会社イエイリ・ラボ
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よいデザインを低価格で!オランダで世界最長の3Dプリント橋を建設
海外では、モルタル状の材料で造形する「3Dコンクリートプリンター」による建設プロジェクトが、建築・土木分野で続々と立ち上がっています。 特にオランダでは、政府がこの分野に力を入れていることもあり、これまでも「世界初の自転車橋」や3Dプリン専業の「サイビー・コンストラクション社」、「世界初の鋼製3Dプリント橋」など、当社サイトでも何度も取り上げています。 そこに、またまた新たなニュースが飛び込んできました。今度は、 ナ、ナ、ナ、ナント、 世界最長の3Dプリント橋 の建設を始めたというのです。 オランダ・ナイメーヘンに建設される世界最長の3Dプリント橋の完成予想図(以下の資料:Michiel van der KleyのVimeo動画より) 橋は30のパーツに分けて造形し、緊張ケーブルによって結合する この橋はオランダの公共事業・水管理局(Rijkswaterstaat)とナイメーヘン(Nijmegen)市によって、同市内に建設されるものです。 数式などを利用して形状を生み出す「パラメトリックデザイン」によって設計された橋は、30個のパーツに分けて作られ、その造形作業は2019年5月13日、2つの建設会社(BAM社とWeber Beamix社)が協同で設立した工場で始まりました。 しかし、これだけの規模の橋を3Dプリンターで建設した例はありません。そこで実橋に先だって、1径間分の「テストブリッジ」が作られ、アイントホーフェン工科大学(Eindhoven University of Technology)で様々なテストが行われました。 テストブリッジの造形作業 モルタル状の材料を吹き出すノズル。付着した余分な材料は手作業で丁寧に取り除く 部材同士の結合部分
2019/05/17 14:50 株式会社イエイリ・ラボ
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日本機械輸出組合 最新の世界経済動向(2019年3月~2019年5月)
米国・欧州経済は投資、生産、消費等に支えられて堅調に推移するも、やや軟調か。日本は輸出・生産が弱含み。前年同期比のGDPは中国6.4%、ベトナム、インド6%台、フィリピン、インドネシア5%台、マレーシア4%台、タイ3%台、シンガポール1%台、台湾1%台、韓国1.8%。ブラジル、ロシアは長期低迷から回復も伸び悩み。 最新の世界経済動向(2019年3月~2019年5月)
2019/05/16 16:55 日本機械輸出組合
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最近の機械貿易動向(3 月)~機械輸出伸び率 5 ヶ月連続マイナス~
日本機械輸出組合 2019.5.16 2019 年 3 月の機械輸出額は 4 兆 6,967 億円、対前年同月比 3.0%減と、5 ヶ月連続でマイナスとなった。これは、① EU、北米向け以外の 4 地域でマイナスだったこと、② 船舶、航空機部品をはじめ 4 輸出業種のみがプラスとなったことなどによる。為替・営業日要因が 2.9%の減少寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は 0.1%減となった。2019 年 4 月の為替・営業日要因は 2.0%の増加寄与要因となっているが、5 月 13 日発表の貿易統計速報によれば 4 月上中旬の全商品輸出は 0.8%減であった。 Ⅰ 要 約 1. 全商品貿易動向(図表1) ① 全商品輸出額:7 兆 2,020 億円(前年同月比 [以下同じ] 2.4%減、4 ヶ月連続マイナス) ② 全商品輸入額:6 兆 6,742 億円(1.2%増、3 ヶ月ぶりプラス) ③ 貿易収支:5,278 億円の黒字 2. 機械貿易動向 (1) 機械輸出入動向(図表2) ① 機械輸出額:4 兆 6,967 億円(3.0%減、5 ヶ月連続マイナス) 為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:0.1%減 (5 ヶ月連続マイナス) ② 機械輸入額:2 兆 1,142 億円(1.2%増、4 ヶ月ぶりプラス) (2) 為替・営業日動向 2019 年 3 月に 2.9%の減少要因、4 月に 2.0%の増加要因、5 月に9.8%の減少要因となる。 (3) 地域別動向 ① EU、北米向けがプラス、それ以外の 4 地域向けがマイナス(図表4、5) ② 北米向け:2.8%増、再びプラス(図表4、5) ③ 中国向け:10.2%減、再びマイナス(図表4、5) ④ ASEAN・南アジア向け:4.2%減、3 ヶ月連続マイナス(図表4、5、6、8、9) ⑤ EU 向け:3.5%増、3 ヶ月ぶりプラス(図表4、5) ⑥ 韓国・台湾向け:2.8%減、14 ヶ月連続マイナス(図表4、5、6、7) ⑦ その他地域向:5.1%減、4 ヶ月連続マイナス(図表4、5、10) (4) 業種別動向(図表11) 上位 21 業種中 4 業種がプラス。そのうち船舶、航空機部品の 2 業種が二桁の伸び (5) 機種別動向(図表12、13) ① 船舶(その他地域、ASEAN・南アジア向け中心)、発電機(中国、北米、ASEAN・南アジア、その他地域向け中心)等が大きくプラス ② TV(北米、EU 向け中心、6 ヶ月連続上位)等も好調に輸出が継続 ③ 鉄道車両、通信機械部分品等が大きくマイナス (6) 機械輸入動向(図表14) ① 機械輸入額上位 12 機種のうち、10 機種がプラス ② そのうち 6 機種が二桁以上のプラス Ⅱ トピックス 1.【中国】工作機械の中国向け受注額が下げ止まり。日系メーカーの現地生産が加速 2019年3月の日本からの中国向け工作機械受注額は前年同月比44.0%減の201億円で、13カ月連続のマイナスとなった。下げ幅は2月の50.4%減から縮小しており、受注額も8カ月ぶりに200億円台を回復した(全体の輸出額は、28.5%減の767億円だった)。 ここにきて、公共投資や増値税の減税などの景気対策で中国経済の減速に歯止めがかかりつつある。 2019年第1四半期(1~3月)の GDP は前年同期比6.4%増で、前四半期から横ばいとなった。3月の工業生産も前年同月比8.5%増と大幅増となっている。4月に入っても各指標は好転している。4月の輸入は同4%増となり、内需が持ち直している可能性がある(輸出は前年同月比3%減)。同じく4月の製造業 PMI 指数は50.1で、拡大・縮小の目安となる50を2カ月連続で上回った(3月は50.5)。ただし、最大のリスク要因は米中貿易紛争だ。5月に入り米国は関税を引き上げ、中国も報復措置を発表した。米中政府は交渉は継続するものの、回復しつつある中国経済への悪影響が懸念される。 2. 【台湾】米中貿易摩擦を受け経済成長が鈍化。中国からの生産移管を行う企業が続出 台湾の 2019 年第 1 四半期(1~3 月期)の経済成長率は大幅に減速し前年同期比 1.72%だった。11 四半期ぶりの低水準となった。米中貿易紛争による IT 関連輸出の低迷が響いた。台湾政府は 2019 年の成長率を 2.27%と見込むが、楽観的すぎるとの指摘もある。4 月に入っても、輸出額は 3.3%減の 258 億 3,000 万ドルと 6 カ月連続のマイナスとなった(半導体などの電子部品は 5%減と落ち込んでいる)。 台湾では 2020 年 1 月に次期総統選が行われる。与党・民進党は、蔡英文政権の経済政策への不満から苦戦が予想される。またホンハイの郭台銘董事長が野党・国民党からの総統選出馬を表明し、注目を集めた米中貿易紛争の激化を受けて、台湾の IT 機器メーカーが中国から生産拠点を移転する動きが加速している。台湾政府が域内投資を誘導する政策をとっているため、メーカーの台湾回帰が進んでいる。ホンハイはサーバー関連の生産拠点を高雄に新設する。コンパルはルーターや PC 生産の一部を桃園に移した。電源装置大手・台達電子工業は、台湾での増産に向け 132 億台湾ドルを投資する。ペガトロンはインドネシア・バタンでの通信機器の生産を強化する。現在のところ台湾企業の生産移転は通信機器など一部にとどまるが、貿易紛争が長引けば本格的にサプライチェーンを見直す動きにつながる可能性もある。
2019/05/16 14:54 日本機械輸出組合
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鉄筋組み立てを自動化!三井住友建設がPCa部材製造ロボを開発
鉄筋コンクリート部材を工場で作るプレキャスト(PCa)部材に強い三井住友建設は、グループ会社を含めて全国5カ所に製造工場を持っており、生産性向上に力を入れています。 つい先日も、IoT(モノのインターネット)を活用した次世代PCa生産管理システムの開発に着手したというニュースがありました。(2018年12月20日付けの記事を参照) 工場生産された部材が整然と並ぶPCa製造工場の例。(以下の写真、資料:三井住友建設) 同社はこのほど、さらなる生産性向上に向けた新しい取り組みを発表しました。 ナ、ナ、ナ、ナント、 鉄筋を自動組み立て するロボット「Robotaras(ロボタラス)」の開発に着手したというのです。(三井住友建設のプレスリリースはこちら) 鉄筋自動組み立てシステム「Robotaras」の試作機。ロボットアームの先端部に鉄筋保持治具を取り付け、鉄筋を型枠内に配置しているところ ロボットアームに市販の鉄筋結束機を取り付け、鉄筋の緊結を行っているところ 開発が行われているのは、佐賀県にある同社の三田川PC工場です。ここでは九州新幹線のレールを支える軌道スラブを約4年間にわたり、約1万2000枚を製造しています。 現在は約20人の作業員が鉄筋を運搬し、型枠内に配置、結束する作業を人力で行っています。しかし、同じ形の軌道スラブの製造は、単純作業の繰り返しとなります。 三田川PC工場で製造されている九州新幹線用の軌道スラブ 現在は約20人の作業員によって手作業での製造が行われている そこで同社は、この作業を自動化するため、ロボットアームを用いた自動化システムの開発に乗り出しました。 プログラムで動くロボットのアーム先端部に、鉄筋保持治具と市販の鉄筋結束機を自動着脱出来るようにして、鉄筋の配置と結束作業を自動的に行います。 同社は実際の鉄筋配置や結束を模した動作試験を行った結果、このシステムの有用性を確認し、導入にメドをつけました。 このシステムが実用化されると、作業員は鉄筋と結束ワイヤを ロボットに充てんするだけ となり、大幅な省人化・省力化が実現できます。 鉄筋組み立て自動化システム「Robotaras」のイメージ。作業員は鉄筋と結束ワイヤをロボットに供給するだけでよくなる 今後はPCa工場の製造ラインへの導入を目指し、このシステムのさらなる開発を進めていきます。将来的には、超高層マンションの主要構造部材や高速道路の大規模更新工事に使われるPCa部材の製造にも活用していく方針です。
2019/05/16 13:08 株式会社イエイリ・ラボ
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アンカーを全数3D化!Excelの施工データで作る熊谷組の「のり面CIM」
国土交通省が推進する「i-Construction」の情報面を支えるCIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)は幅広く使われるようになり、日本建設業連合会がまとめた「2018施工CIM事例集」でも様々な実例が紹介されています。 しかし、トンネルや道路、橋梁、河川など、様々や分野の中で、ぽっかり抜け落ちているのが、斜面の崩壊を防ぐ「のり面」工事です。 その理由は、斜面を補強するためのグラウンドアンカー工や鉄筋挿入工の数が膨大であるため3Dモデル化しにくいからです。 さらに、アンカーなどの長さや地盤面を支える受圧板の大きさなどの仕様が、現地の地盤条件によって変わるため、施工段階にならないと正確な値がわからないという理由もあります。 そこで熊谷組は、こうした難題にチャレンジし、 ナ、ナ、ナ、ナント、 「のり面CIM」を開発 することに成功したのです。(熊谷組のプレスリリースはこちら) のり面CIMのシステム画面(以下の資料:熊谷組) のり枠型、板型の両方に対応できる このシステムは、斜面内に打ち込むグラウンドアンカー工や鉄筋挿入工などを3Dモデル化し、その設置場所やアンカーの諸元、当該箇所の地質情報、施工日、試験結果などをCIMモデルの属性情報として持たせるものです。 さらに各アンカーには、施工時の写真や試験結果のデータシートなどもリンクさせて、元データの直接ファイルを開いて見られるようになっています。 アンカー本体本体とともに、地盤面を押さえつける受圧板も3次元化できるので、見た目もリアルになっています。受圧板の形状は、のり枠形と板形の両方に対応しています。 アンカーのCIMモデルに内蔵した属性情報 受圧板の種類や大きさなどを表示する画面 これらの施工情報を一つ一つ、CIMソフトの画面を開いて入力していくのは大変な作業です。 そこで、このシステムでは、施工実績を整理した Excelデータを読み取り 自動的に3Dモデル上に配置できるようにしているのです。 アンカーの施工実績データを整理したExcelデータ。これを読み取ってCIMモデル化する システムは、3次元地質解析ソフトをベースに開発されたので、調査ボーリングをCIMモデルに追加したり、地質構造の3D解析したりといった柔軟な使い方も可能です。 このシステムは、熊本県内で施工された阿蘇大橋地区斜面対策工事で行われた密着型安定ネット工(鉄筋挿入式アンカー工併用)に導入されました。 施工中に土砂層の厚さを調査し、土砂と支持基盤となる岩の境界を自動的に3Dモデル化。アンカーの種類や長さ、配置、強度をCIMモデル上で一元管理して次ブロックの施工段階にフィードバックすることで、施工の効率化を実現しました。 阿蘇大橋地区斜面対策工事で使われた「のり面CIM」の事例 阿蘇大橋地区斜面対策工事における「のり面実施概念図」 熊谷組では今後、このシステムを全国の斜面対策工に適用していく方針です。 この「のり面CIM」の成功は、現場条件によって仕様を変えていくことが多い薬液注入工事や地盤改良工事、トンネルのフォアパイリングなどのCIM導入にも、大きな参考となりそうですね。
2019/05/15 23:39 株式会社イエイリ・ラボ
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レーザードローン界に価格競争!FLIGHTSが600万円台の製品を市場投入
ドローンから3Dレーザー計測を行うシステムは、数年前なら2000万~3000万円する高価なものでしたが、最近は急速に価格が下がり、導入しやすくなってきました。 自社サイトでも、ドローン界のベンチャー企業、テラドローン(本社:東京都渋谷区)が700万円前後と、従来の3分の1~4分の1程度の低価格製品を発売したというニュースをお伝えしました(詳しくは019年1月18日付けの記事を参照) テラドローンが発売した700万円台のレーザードローン(写真:家入龍太) そんなところに今度は、ドローン総合事業を手がけるFLIGHTS(本社:東京都品川区)が、オーストラリアのエアサイト・オーストラリア社(Airsight Australia)と提携し、 ナ、ナ、ナ、ナント、 600万円台の新製品 「NextCore RN50」を市場に投入したのです。(FLIGHTSのプレスリリースはこちら) DJIのMatrice600 Proに搭載したレーザー計測システム(以下の写真、資料:FLIGHTS) 低価格な航空レーザーシステム「NextCore RN50」 これまでのレーザードローンは、高価なIMU(慣性航法ユニット)を搭載していたため、高価格でした。 今回、低価格化のポイントは、やはり高価なIMU(慣性航法ユニット)の工夫にありました。IMUとGNSS(全地球測位システム)を統合したことにより、高精度で低価格を実現したのです。 レーザー計測のハードには、Quanergy社製の「M8 LiDARユニット」を採用したことも低価格化を後押ししました。 重量は2.5kgと軽量のため、DJI製のドローン「Matrice600 Pro」に搭載でき、最大23分の飛行が可能です。 毎秒42万点の点群データを計測でき、秒速10mで飛行すると1回のフライトで最大50haを5cm以内の精度で計測できます。 この製品はIMUも使用しているため、GNSSだけで位置や姿勢の推定を行う方式よりも、高精度が実現できるとのことです。 「NextCore RN50」で計測した建物の点群データ 森林を上空から計測した点群データの例 計測した点群データは、エアサイト・オーストラリア社のソフトとクラウドシステムによって自動的に処理されるため、 GISエンジニアが不要 というメリットもあります。 「NextCore RN50」のスペック ドローンからデジタルカメラで空撮した写真を解析して地形の3Dモデルを作る方式に比べて、レーザー計測は茂みの上から地表面の形状や、多くの障害物に囲まれた構造物の形などを計測しやすいというメリットがあります。 ドローンレーザーの“低価格化競争”により、ユーザーにとってはこれまで“高嶺の花”とあきらめていた計測手法を採用する敷居がぐっと下がってきたのは歓迎すべきことですね。
2019/05/14 23:30 株式会社イエイリ・ラボ
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2019年3月 産業機械輸出契約状況
一般社団法人日本産業機械工業会 1.概 要 本月の主要約70社の輸出契約高は、3,164億4,800万円、前年同月比178.3%となった。 プラントは4件、1,399億9,400万円、前年同月比298.4%となった。 単体は1,764億5,400万円、前年同月比135.1%となった。 地域別構成比は、アジア29.9%、ロシア・東欧28.8%、北アメリカ24.9%、中東7.0%、アフリカ5.7%となっている。 2.機種別の動向 (1)単体機械 ①ボイラ・原動機 アジア、北アメリカ、南アメリカ、アフリカの増加により、前年同月比216.4%となった。 ②鉱山機械 南アメリカの減少により、前年同月比38.5%となった。 ③化学機械 アジア、ロシア・東欧の増加により、前年同月比139.3%となった。 ④プラスチック加工機械 アジアの増加により、前年同月比142.1%となった。 ⑤風水力機械 アジアの減少により、前年同月比77.9%となった。 ⑥運搬機械 アジア、北アメリカ、アフリカの減少により、前年同月比56.3%となった。 ⑦変速機 アジア、ヨーロッパの減少により、前年同月比61.4%となった。 ⑧金属加工機械 アジアの増加により、前年同月比165.5%となった。 ⑨冷凍機械 アジア、ヨーロッパの増加により、前年同月比165.8%となった。 (2)プラント 北アメリカ、ロシア・東欧の増加により前年同月比298.4%となった。
2019/05/14 20:55 一般社団法人 日本産業機械工業会
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2019年3月 産業機械受注状況
一般社団法人日本産業機械工業会 1.概 要 本月の受注高は8,487億9,400万円、前年同月比127.9%となった。 内需は、5,150億2,400万円、前年同月比109.7%となった。 内需のうち、製造業向けは前年同月比112.4%、非製造業向けは同172.4%、官公需向けは同29.0%、代理店向けは同103.6%であった。 増加した機種は、ボイラ・原動機(173.1%)、鉱山機械(877.6%)、タンク(147.5%)、プラスチック機械(112.4%)、ポンプ(107.1%)、運搬機械(103.5%)の6機種であり、減少した機種は、化学機械(98.8%)、圧縮機(99.5%)、送風機(97.6%)、変速機(83.7%)、金属加工機械(62.6%)、その他機械(37.6%)の6機種であった(括弧の数字は前年同月比)。 外需は、3,337億7,000万円、前年同月比171.8%となった。 プラントは4件、1,399億9,400万円、前年同月比298.4%となった。 増加した機種は、ボイラ・原動機(196.1%)、化学機械(336.5%)、プラスチック機械(113.8%)、金属加工機械(152.4%)の4機種であり、減少した機種は、鉱山機械(35.2%)、タンク(3.2%)、ポンプ(74.3%)、圧縮機(84.8%)、送風機(70.6%)、運搬機械(56.8%)、変速機(62.4%)、その他機械(70.5%)の8機種であった(括弧の数字は前年同月比)。 2.機種別の動向 ①ボイラ・原動機 非鉄金属、建設、電力、外需の増加により 前年同月比179.0%となった。 ②鉱山機械 建設の増加により同722.9%となった。 ③化学機械(冷凍機械を含む) 外需の増加により同177.3%となった。 ④タンク 外需の減少により同35.8%となった。 ⑤プラスチック加工機械 繊維、外需の増加により同113.1%となった。 ⑥ポンプ 外需の減少により同97.8%となった。 ⑦圧縮機 外需の減少により同92.3%となった。 ⑧送風機 電力の減少により同96.3%となった。 ⑨運搬機械 外需の減少により同85.6%となった。 ⑩変速機 はん用・生産用、情報通信機械、 外需の減少により同79.2%となった。 ⑪金属加工機械 金属製品の減少により95.2%となった。
2019/05/14 20:46 一般社団法人 日本産業機械工業会
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2019年3月 環境装置受注状況
一般社団法人日本産業機械工業会 本月の受注高は、618億4,000万円で、前年同月比45.9%となった。 1.需要部門別の動向(前年同月との比較) ①製造業 石油化学向け排煙脱硫装置、化学向け産業廃水処理装置、 その他向け事業系廃棄物処理装置の増加により、221.1%となった。 ②非製造業 その他向け事業系廃棄物処理装置の増加により、124.5%となった。 ③官公需 都市ごみ処理装置、事業系廃棄物処理装置の減少により、15.1%となった。 ④外需 排煙脱硫装置の増加により、496.5%となった。 2.装置別の動向(前年同月との比較) ①大気汚染防止装置 石油化学、海外向け排煙脱硫装置の増加により、280.1%となった。 ②水質汚濁防止装置 機械向け産業廃水処理装置、官公需向け下水汚水処理装置、 汚泥処理装置の減少により、71.4%となった。 ③ごみ処理装置 官公需向け都市ごみ処理装置、 事業系廃棄物処理装置の減少により、27.3%となった。 ④騒音振動防止装置 その他製造業向け騒音防止装置の増加により、155.4%となった。
2019/05/14 20:36 一般社団法人 日本産業機械工業会
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