三菱ふそう ミドリ安全・日本ゴアと 世界初・EV対応業務専用の作業服を共同開発
- 高電圧対応の安全性と、整備現場の環境に耐えうる作業性を両立
- FUSO海外サービス拠点から導入を計画
三菱ふそうトラック・バス株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEO:カール・デッペン、以下 MFTBC)は、ミドリ安全株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:松村乾作、以下「ミドリ安全」)および日本ゴア合同会社(本社:東京都港区、代表職務執行者:香川泰章、以下「日本ゴア」)と共同で、世界初*1の電気自動車(EV)関連業務専用の作業服「ARCTECT GEAR for EV」(以下「本製品」)を開発しました。本製品は、整備や試験、組み立てといった、EVを扱うさまざまな業務で活用が可能です。
*1 EV関連業務専用の作業服として。MFTBC・ミドリ安全調べ

ARCTECT GEAR for EV
本製品は、EVの高電圧対応における安全性と、日々の業務における作業性を両立した、画期的な作業服です。EVの開発や普及が進む中、EVに携わる業務、特に整備の現場においては、従来の内燃機関車両とは異なり、EVの高電圧システムへの対応が必要です。特にバッテリーを扱う際には、感電やアーク放電といった重大事故のリスクがあります。そのため、EVを直接扱う人員は高電圧に関する専門知識を持つと同時に、EV機構の深部に触れる際には高電圧対応の作業服を着用することが安全上不可欠です。*2
*2 MTFBCの「eCanter」を含め、EVの通常の運用時の安全性は認証や試験等によって保証されており、本製品の着用の必要はありません。本稿では整備や車両試験など、通常の運用よりも車両機構の深部に触れる可能性のある業務を主題にしています。
EVを扱う特に整備の現場で作業服に求められることとして、狭所での作業に耐えうる可動性や、特に閉所での作業時の体温調節・吸汗速乾機能、そして高電圧・低電圧の頻繁な切り替えへの対応といった点が挙げられます。また、作業服の安全機能は、想定される使用期間中は著しく劣化してはなりません。
これらの課題に対して、本製品は現場のニーズを満たす商品として開発されました。アーク熱に対する防護性、軽量性、透湿性を特徴とする日本ゴアの「PYRAD® ファブリクスby GORE-TEX LABS」を生地に採用することで、トレーニングウェアのような着心地と、現場から求められる作業性を実現しました。さらに、ミドリ安全が70年以上にわたって様々な安全衛生保護具を開発し続けてきた知見を活かし、日本ゴアとの共同検討によって、作業性を削ぐことなく高電圧作業環境での安全性を確保しました。本製品は最大1500VDC(直流電圧)および1000VAC(交流電圧)までを取り扱う作業環境で必要とされるIEC/EN 61482-2など、アーク熱防護性を含む複数の国際規格の認証を取得しています。
*GORE、GORE-TEX、PYRADおよび記載のデザイン(ロゴ)は、W. L. Gore & Associatesの商標です。
MFTBCは2026年に本製品を複数の海外サービス拠点でメカニック向けに導入する計画です。ミドリ安全は同様の機能を持った製品を2026年夏より法人向けに販売する予定です。
国内初*3の量産型電気小型トラック「eCanter」とともに商用車の電動化の先陣を切ってきたMFTBCは、日本政府の2050年カーボンニュートラル達成目標に貢献すべく、EVトラックが従来のディーゼル車両と同様に容易に運用できる環境整備に尽力しています。これまでもEVに触れる業務に携わる従業員に対しては高電圧対応のトレーニングを行うなど、安全性の確保には注意を払ってきましたが、今回の本製品の導入によって、EV対応における安全性のさらなる強化を図ります。
*3 2017年10月時点、国内商用車メーカーとして

ARCTECT GEAR for EVのプルゾン(左)とパンツ
最終更新:2025/09/1613:44