鹿島、JAXAが“月面テレワーク実験”に成功! 1000km先の振動ローラーを遠隔操作
鹿島建設は既に、建機の自動運転による「A4CSEL(クワッドアクセル)」という無人化施工システムを開発しており、2015年から様々なダム工事に導入しています。そのため、これくらいの締め固め作業は朝飯前です。
自動運転モードで締め固めを行う振動ローラー
振動ローラーの軌跡
しかしながら、月面工事ならではの難問がありました。それは、最初にクレーターに見立てた仮想障害物を避けて走行する遠隔操作です。
現場から送られてくる映像をモニターで見ながら遠隔操作するのですが、地球と月までの距離は約38万kmもあるので、
電波が届くのに1秒以上
かかってしまうからです。
そのため、モニターで見える映像は1秒以上前のものであり、遠隔操作レバーを動かしても、その命令が月面の建機に届くのは1秒以上後になります。
実験は、こうした時間遅れも再現して行われましたが、鹿島建設のウェブサイトで公開されている動画を見ると、見事に障害物をクリアしていることがわかります。
時間遅れを再現した遠隔操作によって、仮想障害物をクリアする振動ローラー
しかし、数秒単位の時間遅れがある中で「障害物が近づいてきたぞ→ハンドルを切ろう」というような「フィードバック的」な遠隔遠隔だと、イライラ感が募りそうです。
この時間遅れ問題を解決するためには、建機の数秒先の動きをシミュレーションして画面に表示する「フィードフォワード」的な技術開発が必要になるかもしれませんね。
建機の動きを表示するモニター画面のイメージ。普通の遠隔操作ならリアルタイム表示でよいが、月面での工事となると数秒先の建機の動きを表示する技術が求められそうだ
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最終更新:2021/05/2013:14