「GNSS」のタグ一覧 (21件中1~20件を表示)
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アカサカテック CLASに対応したGNSS受信機『CLAcanS』リリース!!
2023年12月04日 株式会社アカサカテック(本社:横浜市金沢区、代表取締役社長:加瀬太郎)は、CLASに対応したGNSS受信機『CLAcanS』(シーラカンス)を、2023年11月にリリースいたしました。 本製品『CLAcanS』は、CLASに対応したGNSS受信機です。準天頂衛星(みちびき)から配信されるセンチメータ級測位補強サービス『CLAS』を受信し、簡単にセンチメータ級の位置精度を得ることができます。CLASとはCLASとは、Centimeter Level Augmentation Serviceの略。国土交通省国土地理院が全国に整備している電子基準点のデータを利用して電子基準点を用いて補正情報を計算し、現在位置を正確に求めるための情報(センチメータ級測位補強情報)をみちびきから送信します。センチメータ級測位補強を送信するL6D信号は、GPSから配信している信号ではないため、専用の受信機が必要になります。『MG881』同日リリースまた、同日リリースとなる『MG881』は、センチメータ級の高精度測位に適した小型マルチGNSSアンテナです。GPS/GLONASS/BEIDOU/GALILEO/QZSSといった既存のすべての公共GNSS信号を受信でき、『CLAcanS』と組み合わせることにより、準天頂衛星(みちびき)から配信されるCLASを活用した高精度測位が可能になります。詳細はこちらを参照くださいプレスリリース[PDF]CLAcanS CLAS対応GNSS受信機MG881 4周波GNSSアンテナCONTACT:お問い合わせ
2023/12/06 15:21 株式会社 アカサカテック
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EARTHBRAINが“重機の高度計”を発売! 安価で後付けでき、アラアラな造成作業を効率化
道路工事や造成工事などの盛り土・切り土を効率化するためには、高精度の3Dマシンコントロールや3Dマシンガイダンスのシステムを搭載したICTブルドーザーなどが使われます。しかし、高精度が要求されるのは、最後の仕上げ段階だけです。工程の大部分を占める「アラアラな掘削」の段階では、今の掘削面が設計面に対して、高いか低いかが大雑把に分かればいいのです。そこで、EARTHBRAIN(本社:東京都港区)は、安価で後付け可能なICT土工用のサービス「Smart Construction 3D Machine Guidance Flex」を2023年8月23日から提供開始しました。その発想は、飛行機の操縦に似ています。ナ、ナ、ナ、ナント、 “重機の高度計” といった感じなのです。 運転席に設置された「Smart Construction 3D Machine Guidance Flex」のタブレット画面。上段には設計面からの高さの差をヒートマップで表示し、下段には設計面からの“相対高度”が表示されている(以下の資料:EARTHBRAIN) このサービスは、建設機械に取り付けたIMU(慣性計測ユニット)センサーやGNSS(全地球測位システム)アンテナなどで、建機の現在位置を取得し、設計面の3D設計データと建機の接地面の高さを比較して相対高さを表示するものです。さらに建機の走行履歴データによって各地点の最新の高さ情報を記録し、タブレット上の平面図にヒートマップとして表示します。重機のオペレーターは、飛行機のパイロットのように、高度がどれくらい設計面に近づいているかを直感的に判断しながら掘削などを進めることができます。このサービスは、メーカーや車種を問わず、あらゆる建設機械に後付けして使えます。従来のICT土工システムよりも安価なので、多くの建機に取り付けて、丁張なし施工の生産性を高めることでできます。さらにこのサービスを、現場を見える化する「Smart Construction Dashboard」のサービスと連携させると、ブルドーザーや自動車など現場で稼働する様々な車両の走行履歴情報を統合して、 現場の点群データ として表示し、工事の進ちょく状況や出来形などをクラウド上で確認、共有することができます。 各車両の走行履歴データを「Smart Construction Dashboard」と連携させると、現場の地形が点群データとして表示される このサービスによって掘削や造成作業を行い、設計面に対して±20cm程度に収まってきたら本格的なICT建機で精度よく仕上げればよいのです。安価で後付けできるので、ICT土工のユーザーが増えそうですね。
2023/09/04 14:07 株式会社イエイリ・ラボ
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あの「杭ナビ」が本格的な3D-MCに対応! ブルドーザーやモーターグレーダーによるICT土工が可能に
トプコンのレイアウトナビゲーター「LN-150」は、通称「杭ナビ」と呼ばれ、杭打ちや墨出し作業など「誰でも簡単に1人で素早く」行うことをコンセプトに開発されました。トータルステーション並みの精度をもちながら、現場に設置すると自動的に水平を出す「自動整準機構」など手軽に設置できる使い勝手のよさが現場で評価され、「i-Constructionの入門機」としても愛用されています。最近は小型のバックホーと組み合わせた「杭ナビショベル」システムとして、簡易的な情報化施工にも使われています。 1人墨出しや簡易的な情報化施工に、幅広く使われる「杭ナビ」(以下の写真、資料:トプコン) 杭ナビの活躍範囲は、ますます広がっています。このほど、ナ、ナ、ナ、ナント、3Dマシンコントロールシステムに対応し、本格的な情報化施工に活用できるようになったのです。(トプコンのプレスリリースはこちら) 杭ナビが3Dマシンコントロールに対応したことにより、ICTブルドーザーによる本格的な情報化施工も可能になった 例えば、ICTブルドーザー用としては、「3D-MC TSドーザー Z-53 LPS」に対応しました。このシステムは、セットアップが簡単なため、短工期の小規模現場でも導入しやすくなっています。従来はGNSS(全地球測位システム)や通常の自動追尾トータルステーションで、位置決めを行っていましたが、今回、杭ナビが使えるようになったことで、機器の設置が一段と簡単かつスピーディーになりました。 杭ナビにも対応したICTブルドーザー用の「3D-MC TSドーザー Z-53 LPS」
2023/08/23 16:20 株式会社イエイリ・ラボ
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日立建機 クラウド型転圧管理ソリューション「Solution Linkage Compactor」の対象機種を拡大
様々な建設現場でデータ管理作業を軽減し、作業工数の省略・施工状況のリアルタイムな「見える化」を実現 2023 年 5 月 19 日 「Solution Linkage Compactor」画面イメージ 日立建機株式会社(執行役社長:先崎 正文/以下、日立建機)は、2023 年 5 月 24 日より、クラウド型転圧管理ソリューション「Solution Linkage Compactor(ソリューション リンケージ コンパクター)」(以下、本サービス)の対象機種を拡大します。これまで対象としていた土工用振動ローラ ZC120S-6に加えて、新たに、コンバインドローラ(ZC35C-5、ZC50C-5)、タンデムローラ(ZC35T-5、ZC50T-5)、タイヤローラ(ZC220P-6)の5機種を対象機種に加えます。日立建機グループの多くの道路機械で本サ ービスを使用できるようになり、様々な現場でのデータ管理作業の軽減や、施工状況のリアルタイムな「見える化」に寄与します。本サービスの販売価格は、初期費用が 218 万円(税抜き)、アプリ利用料が 4 万円/月(税抜き)です。 道路や舗装を締め固める施工は、転圧によって地面の密度を均等に強化します。また、締め固める地面の状態や性質によって、人が転圧回数を数えて管理を徹底し、施工後にどの程度締め固まっているか密度試験を行い、含水比や粒度を確認する必要があります。さらに、施工内容の記録として、転圧回数や試験結果の数値を用いて、帳票の作成も求められます。 本サービスは、道路機械に搭載した GNSS アンテナ*を用いて転圧状況を記録することで、これまで人が行っていた転圧回数や、施工管理の記録・確認業務の省略を可能にするものです。また、PC やタブレット端末などを用いて、現場から離れた遠隔地からでも、転圧作業の進捗状況をリアルタイムに確認できます。国土交通省が定める管理要領にも準拠しており、i-Construction の施工現場でもご活用いただけます。 本サービスはこれまで、ダムや空港などの大規模なインフラ整備で活用される土工用振動ローラ ZC120S-6 を対象としていました。一方、コンバインドローラやタンデムローラ、タイヤローラは、一般道路や市街地での工事でも活用されています。今回、対象機種を拡大することで、大規模なインフラ工事から都市整備に至るまで、幅広い現場で本サービスを使用できるようになります。*GNSS(Global Navigation Satellite System)とは、GPS などの衛星測位システムの総称。 ■特長 1.「オペレータ向けアプリ」で、リアルタイムに転圧回数の確認が可能 運転室内に設置したタブレット端末上のアプリに、道路機械の走行軌跡がリアルタイムに更新され、転圧を行った回数ごとに色分け表示されます。これにより、オペレータは転圧回数が不足している箇所の有無を一目で確認することができ、オペレータの負担軽減につながります。 2.「管理者向けアプリ」で、遠隔地にいながら施工の進捗確認や帳票作成が可能 PC やタブレット端末などから閲覧でき、「オペレータ向けアプリ」と同様に、現在行っている転圧作業の進捗状況を、遠隔地にいながらでもリアルタイムに確認することが可能です。 また、転圧を行う施工現場の各種情報や、規定の転圧回数、図面情報などの登録や、過去に完了した転圧作業履歴の確認のほか、記録されたデータをクラウドから抽出して電子データの帳票出力も行うことができます。電子データの帳票出力は、国土交通省が定める管理要領に準拠しているため、i-Construction 対象の施工でもご活用いただけます。 日立建機グループは、今後も引き続き、身近で頼りになるパートナーをめざします。ICT 建機の販売のみならず、それぞれのお客さまのニーズに沿った ICT・IoT ソリューション「Solution Linkage」を提供することで、お客さまの課題である「安全性向上」「生産性向上」「ライフサイクルコスト低減」に貢献していきます。 ■商標注記 ・Solution Linkage は、日立建機株式会社の登録商標です。 ・その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社、団体の商号もしくは登録商標です。■関連情報 ・2022 年 8 月 31 日クラウド型転圧管理ソリューション「Solution Linkage Compactor」の提供を開始 ・「Solution Linkage Compactor」ウェブサイト ・「Solution Linkage Compactor」紹介動画
2023/05/24 11:30 日立建機日本株式会社
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加藤製作所、新明工業、中部国際空港、日野自動車 空港制限区域内での路面清掃車自動運転実証実験を開始
2023年5月10日株式会社加藤製作所新明工業株式会社中部国際空港株式会社日野自動車株式会社 株式会社加藤製作所、新明工業株式会社、中部国際空港株式会社、日野自動車株式会社は、滑走路や誘導路を含む空港制限区域内における現場作業の安全性確保や生産性向上、労働力不足などの課題解決に向け、実証実験を本日から開始します。本実証は、自動運転(レベル2相当)※1に対応した小型トラックをベースに、自動運転と路面清掃の技術連携により高機能化させた路面清掃車(真空吸込式)を用いて中部国際空港(愛知県常滑市)で実施します。 本実証では、滑走路や誘導路を含む空港制限区域における路面清掃車としては日本で初めて自動運転車を導入します。夜間や単調作業下での安全運行や、重複清掃や清掃漏れの削減による清掃品質や効率向上の確認、準中型免許で運転可能な小型トラックをベースとした路面清掃車の有用性についてデータを取得することを主な目的としています。 本実証の結果を踏まえ、空港制限区域内での高機能化させた路面清掃車の実用化に向けて検討を進めてまいります。1. 実証実験概要(1)期間 : 2023年5月10日から約3週間(予定)(2)場所 : 中部国際空港制限区域内(滑走路、誘導路、その他)(3)車両 : 小型トラック「日野デュトロ」をベースに、加藤製作所が「真空吸込式路面清掃車」を製作し、新明工業にて自動運転に必要な改造を実施(4)台数 : 1台2. 自動運転および利用システム 本実証で使用する車両は、小型トラックに自動運転技術を搭載し、時速20km以下で走行します。車両の走行位置や経路は、GNSSデータ※2、LiDAR※3、赤外線カメラで把握し、障害物を検知すると自動で停止します。清掃区間までドライバーが運転し、区間内は自動運転に切り替えて路面を清掃します。 架装部分の清掃装置はタブレット操作により自動運転と連動して自動で清掃作業を行います。 車両外観 ※1 自動運転(レベル2相当):ドライバーが周辺監視を行い、特定条件下での自動運転機能(高機能化)※2 GNSS:Global Navigation Satellite System、GPSなどの全地球衛星測位システム※3 LiDAR(ライダー): Light Detection And Ranging、周辺環境の立体的な様子を捉える技術や機器
2023/05/12 13:43 株式会社加藤製作所
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東洋建設がAIで船の”進路予報円”! AIステレオカメラでクレーン作業の安全システムも開発
建設業の生産性向上のため、「頭脳労働はAI(人工知能)に」という動きが活発化しています。そんな中、海洋工事に強い東洋建設は、AIを活用した現場の安全管理システムを続々と開発しています。その1つが、工事海域を航行するタンカーや貨物船など、一般船舶の将来の進路を予測する「AI長期進路予測システム」です。 中部国際空港周辺には、多数の船が航行している(写真:家入龍太) 富士通が開発した船舶位置予測のAI技術に、港ごとに船の動きを記録した過去のAIS(船舶自動情報識別装置)データを「教師データ」として機械学習させたシステムです。これを使うと、船舶の進路をナ、ナ、ナ、ナント、台風進路の予報円のように、60分後まで予測できるのです。(東洋建設のプレスリリースはこちら) 台風進路の予報円のように、60分後の船の進路を予測できる(特記以外の資料:東洋建設) これまで同社には、「みはりちゃん」というシステムがあり、AISや船舶レーダー、GNSS(全地球測位システム)のデータなどから、工事海域周辺にいる一般船舶をリアルタイムに把握していました。そして船舶の進行方向と速度から、将来の進路を予測していましたが、10分後までの進路を直線ベクトルで表示するにとどまっていました。 「みはりちゃん」による船舶の進路予測。直線コースを進むものとして、10分後までの位置予測にとどまっていた 今回、開発されたAI長期針路予測システムによって、船の進行方向や速度だけでなく、地形や航路などの港湾形状も加味して、曲線的な進路予測も可能になりました。そのため、工事の作業船が、カーブしながら接近してくる一般船舶などをより早く予測できるので、安全に航行できます。 AI長期進路予測システムで、カーブしながら接近してくる船舶の動きを60分後まで予測できるようなった 今後、主要港でのAISデータを学習させてこのシステムを全国的に展開を図ります。また、AISを搭載していない船舶の動きも、レーダー情報を学習させることで、すべての船舶の針路予測ができるよう開発を進めていきます。東洋建設はこのほか、AIを使った「クレーン作業安全支援システム」を、リコーインダストリアルソリューション(本社:東京都大田区。以下、RINS)と共同開発しました。
2022/11/01 11:09 株式会社イエイリ・ラボ
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五洋建設がBIMモデル上で多数の重機を追跡! RTK-GNSS仕様の高精度で
杭打ち現場では、1本の杭を打つために、杭打ち機やクローラークレーン、バックホーなど数台の重機が一組になって、穴の掘削や既製杭の吊り下ろし、周辺の土砂搬出などを連携して行います。そのため、数十台の重機が稼働する現場では、どの重機が今、どこにいて、どんな作業をしているのかを把握するだけでも手間ひまがかかります。そこで五洋建設は、応用技術、ソフトバンクと共同で、現場のBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)モデル上に重機の位置と杭の施工状況をリアルタイムに投影する技術を開発しました。 重機位置と杭工事の進捗状況をBIMモデルで表示した例(緑:先行掘削完了 赤:打設完了)(資料:五洋建設) 「いまどきそんなの、簡単じゃない」とお思いの方もおられるでしょうが、各重機の位置は、ナ、ナ、ナ、ナント、RTK-GNSSで高精度で表示されているのです。(五洋建設のプレスリリースはこちら)RTK-GNSSというと、GNSS(全地球測位システム)衛星から送られてくる電波を、基準局と呼ばれる別の場所で受信した電波で補正し、位置精度をセンチメートル単位まで高める測位技術です。その証拠に、冒頭の図をよくみると、打設を完了した杭の高さが、杭によって微妙に違っているのがわかります。 上記の図を拡大したところ。打設完了の杭(赤色)の高さの微妙な違いがわかる RTK-GNSSのシステムには、価格に定評のあるソフトバンク「ichimill」(2020年8月17日付けのイエイリラボブログ参照)を使用しました。五洋建設は、この技術を「五洋建設統合施工管理システム PiCOMS」(ピーコムス)に実装し、大型物流施設現場で実証を行いました。BIMモデル上に表示した各重機の位置は、現場事務所や作業員休憩所の大型モニター、各種タブレット端末に表示することができます。このほか重機の稼働時間の算出や、工事期間中の重機の位置と稼働時間のデータを収集することも可能です。 PiCOMSによるBIMモデルとRTK測位情報連携のシステム図 このシステムによって、最大20台の重機が稼働する杭工事現場では、情報収集が自動化され、工事関係者間でリアルタイムな情報に基づいた打ち合わせが可能になったため、現場負担が5分の1に軽減できることが確認できました。 PiCOMSによる建築現場での情報一元化と情報共有のイメージ 今後、五洋建設では、データを蓄積・分析することで、重機の配置計画や稼働状況を考慮した、効率的な施工計画の立案や生産性向上を目指し、各現場に展開していく予定です。また、重機の実稼働時間からCO2排出量を自動算定し、「現場CO2排出量の見える化」にも取り組んでいくとのことです。
2022/09/02 12:15 株式会社イエイリ・ラボ
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日立建機 クラウド型転圧管理ソリューション「Solution Linkage Compactor」の提供を開始
転圧回数をリアルタイムに可視化し、施工の効率化やオペレータの負担軽減に寄与 2022 年 8 月 31 日 「Solution Linkage Compactor」で転圧回数をリアルタイムに可視化 日立建機株式会社(執行役社長:平野 耕太郎/以下、日立建機)は、土工用振動ローラ ZC120S-6(2022 年6月発売開始)の後付け可能オプションとして、クラウド型転圧管理ソリューション 「Solution Linkage Compactor(ソリューション リンケージ コンパクター)」(以下、本サービス)を開発しました。本サービスによって、リアルタイムに転圧状況の記録が可能となり、これまで人が行っていた転圧回数や施工管理の記録と確認の業務が省略できるため、作業の効率化や工期の短縮、オペレータの負担軽減に寄与します。本サービスは 2022 年9月より、国内市場向けに提供開始します。販売価格は、初期費用が 218 万円(税抜き)、アプリ利用料が 4 万円/月(税抜き)です。 道路や舗装を締め固める施工は、転圧によって地面の密度を均等に強化します。また、締め固める地 面の状態や性質によって、人が転圧回数を数えて管理を徹底し、施工後にどの程度締め固まっているか密度試験を行い、含水比や粒度を確認する必要があります。さらに、施工内容の記録として、転圧回数や試験結果の数値を用いて、帳票の作成も求められます。 本サービスでは、GNSS アンテナ*1 を用いて記録した土工用振動ローラの走行軌跡がクラウド上にアップロードされるため、「オペレータ向けアプリ」と「管理者向けアプリ」のそれぞれで、リアルタイムに転圧の施工状況の記録と管理が可能です。これにより、従来、人が行っていた転圧回数の管理や施工後の確認業務を省略することができ、施工の品質を確保したまま、作業の効率化や工期の短縮、オペレータの負担軽減に寄与します。また、国土交通省が定める管理要領*2 に準拠しており、i-Constructionの施工現場でもご活用いただけます。*1 GNSS(Global Navigation Satellite System)とは、GPS などの衛星測位システムの総称。 *2 国土交通省「TS/GNSS を用いた盛土の締固め管理要領(令和 2 年 3 月版)」 ■特長 1.「オペレータ向けアプリ」で、リアルタイムに転圧回数の確認が可能 運転室内に設置したタブレット端末上のアプリに、土工用振動ローラの走行軌跡がリアルタイムに更新さ れ、転圧を行った回数ごとに色分け表示されます。これにより、オペレータは転圧回数が不足している箇所の 有無を一目で確認することができ、オペレータの負担軽減につながります。2.「管理者向けアプリ」で、遠隔地にいながら施工の進捗確認や帳票作成が可能 PC やタブレット端末などから閲覧でき、「オペレータ向けアプリ」と同様に、現在行っている転圧作業の進捗状況を、遠隔地にいながらでもリアルタイムに確認することが可能です。 また、転圧を行う施工現場の各種情報や、規定の転圧回数、図面情報などの登録や、過去に完了した転圧作業履歴の確認のほか、記録されたデータをクラウドから抽出して電子データの帳票出力も行うことができます。電子データの帳票出力は、国土交通省が定める管理要領に準拠しているため、i-Construction 対象の施工でもご活用いただけます 「オペレータ向けアプリ」画面イメージ(左)「管理者向けアプリ」画面イメージ(右) 日立建機グループは、今後も引き続き、「地球上のどこでも Kenkijin スピリットで身近で頼りになるパートナー」をめざします。ICT建機の販売のみならず、それぞれのお客さまのニーズに沿った ICT・IoT ソリューション 「Solution Linkage」を提供することで、お客さまの課題である「安全性向上」「生産性向上」「ライフサイクルコスト低減」に貢献していきます。■商標注記 ・Solution Linkage は、日立建機株式会社の登録商標です。 ・その他記載の会社名、製品名は、それぞれの会社、団体の商号もしくは登録商標です。 ■関連情報 ・「Solution Linkage Compactor」ウェブサイト ・「Solution Linkage Compactor」紹介動画 ・2022 年 2 月 9 日 土工用振動ローラ ZC120S-6 を発売 ・2021 年 3 月 16 日 日立建機グループで初めて土工用振動ローラを開発 ・土工用振動ローラ ZC120S-6 紹介動画ニュースリリース記載の内容は、発表日現在の情報であり、その後予告なしに変更される場合もありますので、ご了承ください。
2022/08/31 12:05 日立建機日本株式会社
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コマツ系のEARTHBRAINがスマホ用3D計測アプリを開発!令和4年度のi-Construction基準でも“お墨付き”
スマートフォンを使った3D計測が、土木現場での施工管理で急速に普及しつつあります。そんな中、EARTHBRAIN(本社:東京都港区)は、初心者でも簡単に使えて、小規模現場にも手軽に導入できる高精度や3次元計測アプリ「Smart Construction Quick3D」を開発しました。 EARTHBRAINが開発した3次元計測アプリ「Smart Construction Quick3D」の使用状況(特記以外の写真、資料:EARTHBRAIN)● LiDARスキャナーと呼ばれる3D計測機能を内蔵したiPhoneやiPadの上位機種用に使えるもので、土工などの3D点群を、ナ、ナ、ナ、ナント、楽に・安く・早くできるのです。 「Smart Construction Quick3D」で作成した土工現場の点群データ 使い方は、このアプリのライセンスを「Smart Construction DX Gateway」(2022年5月下旬からの予定)で購入し、LiDARスキャナー搭載のiPhoneやiPadにインストールします。後は測定範囲を撮影するだけで、LiDARスキャナーや撮影した写真から高精度や点群データを作成できるのです。点群データは「LAS形式」で出力されます。 アプリの使い方手順 測定範囲に標定点や検証点を配置し、ランドログ(本社: 東京都港区)のGNSS測量器「Smart Construction Rover」で座標を取得すると、その座標を自動的にインポートできます。 現場に設置された標定点(黄色の矢印)(左)とGNSS測量器による座標計測(右) 標定点を使うことで、精度が±5cm以内の点群を作成できるので、2022年4月に国土交通省が発表した令和4年度の地上写真を用いた出来形管理要領に対応したアプリとして使用できます。また、「小規模土工」でこのアプリを利用すると、加点対象となります。 国土交通省が発表した令和4年度の地上写真測量(動画撮影型)を用いた出来形管理のイメージ(資料:国土交通省) EARTHBRAINは、コマツ、NTTドコモ、ソニーセミコンダクタソリューションズ、野村総合研究所の4社が出資して2021年に設立されました。コマツ系のEARTHBRAINが開発したこのアプリは、国土交通省のi-Constructionの出来形管理基準への対応や、令和4年度の小規模土工加点対象を打ち出していることもあり、スマホによる3D計測の普及を後押しするものと言えそうです。
2022/04/06 12:09 株式会社イエイリ・ラボ
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三井住友建設がARで転圧回数を見える化! 振動ローラー運転席に透過型ディスプレー
土工事で盛り土を振動ローラーで締め固める作業では、ローラーがその場所を通過した回数で品質管理を行う「工法規定」がよく用いられます。これまではGNSS(全地球測位システム)を活用して振動ローラーの位置を計測し、運転席に搭載したタブレット端末のモニターに締め固め回数を色分け表示するシステムがよく使われてきました。しかし、振動ローラーの運転中に、(1)モニターに目線を動かすために安全性に問題がある、(2)画面が小さいので細かな部分の踏み残しが見えづらい、などの課題もありました。 振動ローラーによる締め固め作業(以下の写真:三井住友建設) そこで三井住友建設は、これら2つの課題を同時に解決する「AR転圧管理システム」を開発しました。AR(拡張現実)の技術を使って、盛り土の転圧回数の色別画像を、ナ、ナ、ナ、ナント、実際の盛り土に重ねて表示できるのです。(三井住友建設のプレスリリースはこちら) 「AR転圧管理システム」を導入した振動ローラーの運転席。各種カメラや加速度センサーなどが取り付けられている AR画像と運転手の視点を合わせる補正は、次の3つの方法で行います。運転席に設置した2台のアイトラッキング(視点計測)カメラが運転手の目の動きを認識し、目線に合わせてAR画像の表示範囲や角度を補正します。また、加速度センサーで車体の前後左右の傾きを自動認識し、AR画像の表示を補正します。さらにGNSSの位置情報に加えて、車両前面に設置した360°カメラで車体の方位を自動認識し、AR画像の表示を補正します。AR画像を現場で見るデバイスとしては、HoloLensのようなMR(複合現実)ゴーグルや、メガネ部分に小型スクリーンを仕込んだスマートグラス、タブレット端末などが使われていますが、このAR転圧管理システムでは、フロントガラスに大型の透過型ディスプレーを搭載しています。 運転席に取り付けられた大型の透過型ディスプレー 透過型ディスプレーとは、映像を表示しつつ、向こう側が透けて見えるディスプレーのことで、最近では透過率80%以上と、ガラスに近い透過度を備えた製品もあるようです。MRゴーグルなどは視界が狭くなることから、工事現場では安全管理上、使いにくい場合もありますが、透過型ディスプレーならそんな心配もいりません。現場や建設機械でMRやARを使うときの新しいツールとして、今後、使われそうですね。
2021/11/30 17:40 株式会社イエイリ・ラボ
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大林組がクレーン運転をテレワーク化! BIM、LiDAR、AIで吊り荷の動きを自律制御
ずらりと並んだモニターの画面には現場の映像や、CGアニメーションのようなものが映っています。そこには、大林組のシンボルであるカーキ色の作業服に身を包み、あちこちの画面に目をやりながら黙々と仕事をするオペレーターがいます。 モニターの映像を見ながら、黙々と仕事をするオペレーター(以下の写真、資料:大林組) 彼はいったい、何をしているのかというと、ナ、ナ、ナ、ナント、 現場のクレーンを遠隔操作 しているのです。大林組はこのほど、「クレーン自律運転システム」を開発しました。そのモニター画面には現場の全景やクレーン、吊り荷などの状況を再現した3Dモデルやカメラ映像がリアルタイムに表示され、現在の状況がいろいろな角度から確認できます。オペレーターは、この制御室から複数の現場のクレーンを遠隔操作することができるのです。 オペレーターが見ていたモニター画面。現場の状況が3Dモデルやカメラ映像でリアルタイムに表示される クレーン自律運転システムの全体イメージ
2021/10/05 16:39 株式会社イエイリ・ラボ
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大成建設がGNSSの届かないトンネル内で建機の自動運転に成功! 日本初の快挙
建設業の人手不足は今後、数十年にわたって厳しくなる一方です。そんななか、建設機械の自動運転技術が大手ゼネコンなどを中心に開発されています。大成建設もこのほど、国土交通省国土技術政策総合研究所の実大トンネル実験施設で、土砂運搬に使うクローラーダンプの自動運転技術の実証実験を行い、機能を確認しました。 国土交通省国土技術政策総合研究所の実大トンネル実験施設で行われた無人クローラーダンプの自動運転実験(以下の写真、資料:大成建設) 上の写真を見ると、無人建機が平らな道を何気なく走っているだけのように見えますが、何がすごいかというと、ナ、ナ、ナ、ナント、GNSS電波が届かないトンネル内での自動運転に日本で初めて成功したことなのです。(大成建設のプレスリリースはこちら)GNSS(全地球測位システム)の電波が届かないトンネル内では、自動運転のために必要な位置情報を取得するために自動追尾式のトータルステーションなどの使用が考えられます。しかし、障害物や曲線部などでは光波が遮られるため、長距離での使用が難しいという課題がありました。この難問を解決するため、大成建設は無人建機に搭載したセンサーの計測情報から建機の自己位置を推定するとともに、周辺の地図を作成する「SLAM(Simultaneous Localization And Mapping)」という技術を活用し、「T-iDraw Map」というシステムを開発しました。 センシング装置で取得したデータをもとに作成した環境地図と建機の自己位置。トンネル内の地図情報が緑点と青点で示され、建設機械位置と走行予定ルートが赤点と青線で示されている このシステムが開発されたため、GNSSの電波が届かないトンネル内や地下室などでも、あらかじめ設定したルート上を自動運転できる道が開けました。また、予定した走行ルート上に想定外の障害物があった場合も、センサーで障害物を認識し、自動で回避ルートを作成し、減速走行するようになっています。現場では施工状況に応じて、建機や資材の位置が時々刻々と変化するので、こうした柔軟なルート変更を自動的に行えるのは安心・安全につながりますね。この自動運転システムは、国内の道路トンネル建設現場でも実証実験が行われました。 実際のトンネル建設現場で行われた自動運転の実証実験 大成建設は今後、「T-iDraw Map」による無人建設機械の自動運転を施工中のトンネル現場に順次導入するとともにホイール式の建設機械への適用を進めていく方針です。そして、将来的には屋内や地下での自動運転や、災害発生時における探査・点検への適用範囲拡大、そして無人・有人の建設機械が協調して制御する同社の「T-iCraft」システムとの連携を図り、さらなる生産性や安全性の向上を目指していくとのことです。GNSSに頼らない位置計測技術ができたことは、トンネル現場はもちろん、建築現場の自動化にも大きな前進と言えそうですね。
2021/06/15 13:33 株式会社イエイリ・ラボ
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準天頂衛星「みちびき」が建機と連携! 土砂の掘削、積み込み自動化に成功
東京大学発のスタートアップ、ARAV(本社:東京都文京区)は、テレワークを想定した建設機械の遠隔操作や、自律運転の技術を開発しています。同社はこのほど、ビスペル(本社:静岡県富士市)と共同で、油圧ショベルによる掘削から、ダンプトラックへの積み込みまでを自律的に行う実証実験に成功し、事業化に向けての取り組みを開始しました。 自律的に土砂をすくい、ダンプトラックに積み込む油圧ショベル。運転席には誰も乗っていない(以下の写真、資料:特記以外はARAV) こうした自動制御を行うためには、油圧ショベルやダンプトラックの位置を高精度に把握する必要がありますが、ここで使ったのはナ、ナ、ナ、ナント、準天頂衛星みちびきだったのです。(ARAVのプレスリリースはこちら) 準天頂衛星「みちびき」(資料:内閣府宇宙開発戦略推進事務局) 「みちびき」に搭載されている「センチメータ級測位補強システム(CLAS)」の概念図(資料:内閣府宇宙開発戦略推進事務局) みちびきは通常のGNSS(全地球測位システム)の衛星としての機能だけでなく、「センチメータ級測位補強システム(CLAS)」という機能も搭載しています。これは、地上の電子基準点約300カ所で受信した電波をもとに作成した「補正情報」を、宇宙から地上に向かって送信する機能です。通常、補正情報はインターネットや携帯の電波で受信しますが、みちびきのおかげで人工衛星からの電波だけで、10cm(サブメーター)程度の精度で位置を計測できるのです。建設業では携帯のサービスエリア外で作業することも多いので、みちびきからの補正情報が使えると、とても便利ですね。精度については精密なICT土工にも使われる「RTK-GNSS」ほどではありませんが、土砂の積み込みや移動などには十分でしょう。
2021/03/09 11:10 株式会社イエイリ・ラボ
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鉄輪で3D点群計測?! ライカと竹中土木がユニークなローラー転圧システムを開発
ライカジオシステムズと竹中土木は、盛り土工事の品質管理を高精度化しようと、画期的な転圧管理システム「Dual Mast Roller」を開発しました。振動ローラーの鉄輪の両側に2本のGNSSアンテナを立て、ライカのGNSS受信機「Leica iCON gps 80」によって鉄輪の位置と方位角を直接、測定するとともに、鉄輪の傾きまでも傾斜計で測定できるようにしたものです。 それだけではありません。地表面を踏んだ鉄輪の幅や位置、方向角、傾斜角の情報を使って、ナ、ナ、ナ、ナント、地表面を点群計測できるようにしたのです。(ライカジオシステムズのプレスリリースはこちら) 鉄輪が踏んだ地表面の部分に点群データができていくイメージ。点群の密度は任意で設定できる オペレーターは運転席のパソコンで点群データを見ながら、点群データに凸凹ができている部分をその場で踏み直すことができます。このシステムが開発されたのは、従来のGNSS(全地球測位システム)を使った締め固め管理で「転圧もれ」という問題があったからです。これまでは土を締め固める振動ローラーの位置をGNSS(全地球測位システム)でリアルタイムに追跡し、盛り土上面の通過回数をカウントする方法がよく使われてきました。しかし、この方法をもう少し精密に見ていくと、問題も出てきます。それは振動ローラーの鉄輪が締め固めを行う位置と、GNSSアンテナの位置がずれていることです。もちろん、前後、左右、上下の「オフセット量」は考慮していますが、オペレーターがハンドルを切ったとき、鉄輪が左右に振れるのでGNSSの位置計測と誤差が生じ、「踏み残し」が起こってしまうのです。 鉄輪の位置とGNSSアンテナの位置の違いは、オフセット量で管理されている オペレーターがハンドルを切ると、鉄輪の位置とGNSSによる計測位置に誤差が生じ、「転圧もれ」につながる
2021/03/04 17:44 株式会社イエイリ・ラボ
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360度カメラでトンネル施工管理をテレワーク化! 安藤ハザマらがシステム開発
山岳トンネル工事では、最前線の切羽での掘削工に続き、その後方では数百メートルにもわたりトンネル底面部分にコンクリートを打設する「インバート工」や、内壁を構築する「覆工」などの作業が行われます。 山岳トンネル坑内のイメージ図。掘削最前線の「切羽」(右端)に続き、数百メートルにわたり作業が続く(以下の資料:特記以外は安藤ハザマ) 切羽での掘削作業や後方のインバート工、覆工は、施工サイクルがそれぞれ異なるため、毎日、位置関係が変わっていきます。ここで生産性に大きな影響を与えるのが、トンネル坑内に仮置きしてある重機や仮設備の位置です。これらの適切に管理していかないと、坑内でのちょっとした「移動のムダ」が積み重なって、非効率になってしまうからです。そこで安藤ハザマ(本社:東京都港区)は、エム・ソフト(本社:東京都台東区)と共同で、山岳トンネル全線の坑内状況を可視化する「トンネルリモートビュー」を開発しました。トンネル各部の状況を把握するために、ナ、ナ、ナ、ナント、360度カメラをクルマの屋根に載せて、トンネル現場全線を動画で記録するのです。(安藤ハザマのプレスリリースはこちら) 山岳トンネル坑内のイメージ図。掘削最前線の「切羽」(右端)に続き、数百メートルにわたり作業が続く(以下の資料:特記以外は安藤ハザマ)● システムは、上下左右360°方向を同時に撮影できる360度カメラと、トンネル坑内を走行するクルマ、車速センサー、そしてデータの変換や閲覧を行うパソコンで構成されます。まずは、クルマに取り付けた360度カメラでトンネル坑内全線を走行しながら動画を撮影します。トンネル坑内ではGNSS(全地球測位システム)が使えないため、撮影位置は車速センサーのデータから走行距離を割り出すことで求めます。そして専用ソフトにより、映像とトンネル坑内での位置をひも付けた360度動画のデータを作ります。トンネル内の映像データの閲覧は、専用ソフトによって行います。動画配信サイトのように再生できますが、閲覧する位置は分や秒ではなく、坑口からの距離によって表されるので、必要な地点の映像を一発で 見ることができます。 専用ソフトで見た坑内の映像。画面下のカーソルは時間ではなく、坑口からの距離で映像の位置を指定できる
2020/09/07 15:39 株式会社イエイリ・ラボ
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スマホが基準局に?!ソフトバンクが個人向けRTK-GNSSサービス開始
国土交通省の「i-Construction」施策では、道路や堤防などの3Dモデルを使って建設機械を自動制御し、盛り土や切り土を施工する「ICT土工」が行われています。このとき、建機の位置を計測するのにGNSS(全地球測位システム)を使いますが、精度を数センチメートル程度まで高めるために、位置が分かっている「基準局」を別に設置し、位置の補正情報を建機に送る「RTK-GNSS」という方式を使う必要があります。基準局の設置には、高価なGNSS測量機が必要なほか、時間も1時間はかかるので、RTK-GNSSを使うのにネックとなっていました。 基準局からの補正情報を使ったRTK-GNSS測量のイメージ図(資料:国土交通省九州地方整備局のウェブサイトより) こうした手間をなくそうと、ソフトバンクの子会社であるALES(本社:東京都港区)は、2020年8月7日に「センチメートル級測位サービス」を個人ユーザー向けに開始しました。ソフトバンクが全国3300カ所以上に設置している基準局(独自基準点)のデータで作られた補正情報をナ、ナ、ナ、ナント、スマートフォンで利用して、すぐにRTK-GNSSが使えるのです。(ALESのプレスリリースはこちら) 「センチメートル級測位サービス」の提供イメージ(資料:ALES) ソフトバンクの独自基準点は全国で3300カ所以上ある(資料:ソフトバンク) いわば、手元のスマホを“基準局”として使う感覚でしょうか。これはソフトバンクが法人向けに提供している高精度測位サービス「ichimill」と同様なサービスを、ALESが個人向けに提供するものです。利用には、RTK測位対応のGNSSアンテナやGNSS受信機、Ntrip方式(※)で補正情報を受信するためのアプリ、そしてインターネット接続が可能なスマホなどが別途必要です。※Ntrip:補正情報をインターネット経由で送受信する通信プロトコルの一種サービスの利用手順は、次の通りです。(1)RTK測位対応のアンテナや受信機を測位したい機器に設置し、各機材の電源を入れる。(2)スマホなどでNtripクライアントアプリを操作し、各機材と連携する。(3)Ntripクライアントアプリで「ALES配信システム」と接続し、各機材がインターネットに接続されていることを確認する。(4)すると、GNSSアンテナで受信したGNSS信号が、アプリを通して「ALES配信システム」へ送信される。そのデータとソフトバンクの独自基準点が受信した信号を基に、「ALES配信システム」が補正情報を生成してGNSS受信機に配信する。つまり、スマホさえあれば、どこでもすぐにRTK-GNSSを使った施工や測量ができるというわけですね。基準局があちこちにあるので、長距離を移動しながら測量する場合も、基準局を途中で切り替える「ハンドオーバー」によって作業を中断する必要がありません。気になる利用料金ですが、1つのID当たり年間3万6000円(税別)とリーズナブルです。建設業での用途としてはICT土工や、タブレット端末とBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)を使った“地下構造物の透視”、HoloLensなどのMR(複合現実)デバイスを使った出来形管理や墨出し、そしてドローン(無人機)や3Dレーザースキャナーによる測量など、いろいろと使えそうですね。
2020/08/17 18:27 株式会社イエイリ・ラボ
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日立建機 高精度測位サービス「ichimill」が建設機械メーカーで初めて採用
2020 年 6 月 30 日ソフトバンク株式会社日立建機株式会社スマホによる土量計測・進捗管理サービス「Solution Linkage🄬 Survey」で活用し 2 周波測位で計測準備時間を大幅に短縮、ランニングコストも最大 7 分の 1 に低減 ソフトバンク株式会社(本社:東京都港区、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO 宮内 謙/以下、 ソフトバンク)は、高精度測位サービス「ichimill(イチミル)」が、日立建機株式会社(本社:東京都 台東区、執行役社長:平野 耕太郎/以下、日立建機)が提供する、スマートフォン(スマホ)で施工現場の進捗管理ができる「Solution Linkage® Survey(ソリューション・リンケージ・サーベイ)」の アドバンス版に採用されましたのでお知らせします。「ichimill」が建設機械メーカーで採用されるのは、今回が初めてです。 測量などで使用する位置情報の確定には、準天頂衛星「みちびき」などの GNSS※1 から複数の異なる信号を受信する必要がありますが、「ichimill」は一度に 2 周波※2 の信号を受信でき、その周波数の違いから遅延時間の差を読み取って補正するため、計測の準備時間を短縮することができます。このたびの「ichimill」の採用により、土木施工現場で「Solution Linkage® Survey」の アドバンス版をご利用のお客さまは、従来の 1 周波対応のGNSSアンテナでは最長で十数分かかっていた土量計測の準備時間を、わずか 1 分程度に短縮できます。また、「ichimill」はソフトバンク が全国 3,300 カ所以上に設置した独自基準点を活用してRTK測位※3 を行うため、全国のほとんどの現場※4 で誤差数センチメートルの高精度な測位が可能です。さらに、従来のRTK測位に対応したサービスと比較して、ランニングコストを最大で 7 分の 1 程度に抑えることができます。 ■「Solution Linkage® Survey」について 「Solution Linkage® Survey」は、スマホの専用アプリで計測対象を動画で撮影するだけで、 土木工事の作業で発生する土量や、土木施工現場の進捗状況を簡便かつ定量的に把握することができるサービスです。2020 年 6 月 16 日からスタンダード版とアドバンス版にラインアップを拡充して提供しています。 従来のサービスでは、GNSSからの信号を受信するGNSSアンテナに 1 周波対応のものを使用しており、このアンテナで受信した信号と、補正情報提供事業者から送られた補正情報を使って精密な測位を行っていました。1 周波対応のGNSSアンテナは安価に入手できますが、GNSSから複数の信号を受信して位置情報が安定するまでの時間(計測準備時間)が最長で十数分かかることが課題となっていました。 ■「ichimill」の特長と「Solution Linkage® Survey」のアドバンス版について ソフトバンクが提供する「ichimill」は、GNSSから受信した信号を利用してRTK測位を行うことで、誤差数センチメートルの高精度な測位ができるサービスです。また、2 周波対応のGNSSアンテナを内蔵したGNSS受信機をソフトバンクが独自に開発しており、これをスマホと接続して使用することで、計測準備時間を 1 分程度に短縮することができます。 さらに、これまでの土木施工現場の測量では、エリアによって正確な位置情報を取得しにくいという課題がありましたが、「ichimill」はソフトバンクの基地局の設置場所を活用して全国3,300カ所以上に独自基準点を設けており、独自基準点とユーザーの測定位置までの距離が常に10キロメートル圏内となるため、全国のほとんどの現場で高精度な測位を行うことができます。 なお、従来のサービスでは、アンテナや受信機の購入費用に加え、補正情報を提供する事業者に支払う月額数万円程度の補正情報サービス料が発生していましたが、アドバンス版では、スマホやGNSS受信機をはじめとする測位に必要なツールと、「ichimill」を活用した測位サービスをパッケージ化して月額制で提供するため、ランニングコストを最大 7 分の 1 程度に抑えることができます。 「Solution Linkage® Survey」に関する詳細やお問い合わせは、こちらをご覧ください。 「ichimill」に関する詳細やお問い合わせは、こちらをご覧ください。
2020/06/30 18:28 日立建機日本株式会社
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海面に“道”が見える!東亜建設工業が港湾工事用に「ARナビ」を開発
港湾工事や海上工事などで使う起重機船や浚渫(しゅんせつ)船などの操縦は、道路上でクルマの運転をするのと違って難しさがまるで違います。 というのも、海の上は海面しか見えないので、ナビゲーションシステムがあったとしても道路に相当する航路や、浅瀬などの危険エリアなどが視界のどのあたりにあるのが、直感的にわからないからです。 そこで東亜建設工業は、作業船の航行時に航路や浅瀬、航行禁止エリアなどを、映像と音声でわかりやすく表示するシステムを開発しました。 カメラで撮影した周囲の海面映像の上に、 ナ、ナ、ナ、ナント、 ARで航路などを表示 する「ARナビ」というシステムなのです。(東亜建設工業のプレスリリースはこちら) ARナビで見た前方の海面。航路が直感的にわかる(以下の資料:東亜建設工業) 航路からはみ出していないか、施工現場はどこかといったことがわかりやすく表示される このシステムは、現在の位置や方位情報を取得するGNSS(全地球測位システム)方位計、映像を撮影するカメラ、そしてノートパソコンというシンプルな機器構成なので、様々な船舶に簡単に搭載できます。 また監視レーダーやAIS(自動船舶識別装置)によって得られた情報から、付近を航行する他の船舶の船名や速度、距離など表示することも可能です。 進入禁止エリアに接近した場合や、航行経路が計画と違う場合は、オペレーターに映像や音声でアラート(注意喚起)を行います。 「ARナビ」の機器構成。シンプルなので様々な船舶に簡単に搭載できる レーダーやAISで取得した情報から他の船舶の船名や速度、距離なども表示できる そして、この「AR」ナビは工事用車両に搭載すると、 大規模造成工事 でも、毎日変わる現場の通行ルールなどをわかりやすく提供できるのです。 確かに、大きな造成現場は周りに地面しか見えないので、海の上と同様に位置の手がかりがありませんからね。 東亜建設工業では今後、港湾工事を中心にこのシステムを導入し、検証を重ねていくほかカメラ映像の同様低減や、AI(人工知能)による小型船舶や浮遊物の検出などの機能拡張を図っていくとのことです。
2019/06/25 11:06 株式会社イエイリ・ラボ
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360度カメラで橋梁現場を3D化!設計者も“バーチャル出張”で働き方改革
これまでの建設業では、「現場を見ること」が非常に重要とされてきました。しかし、現場が遠隔地にある場合などは、ちょっとした確認にも、長時間かけての出張が必要になるなど、非効率な面もありました。 そこで構造計画研究所(本社:東京都中野区)、川田テクノロジーズ(本社:富山県南砺市)、川田建設(本社:東京都北区)は、工事現場をバーチャル化し、工事関係者間で共有できる「BridgeStudio powered by NavVis technology」(以下、「BridgeStudio」(ブリッジ・スタジオ))を開発ししました。 工事現場を、手持ち型計測デバイスで撮影し、 ナ、ナ、ナ、ナント、 3Dバーチャルデータ化 することで、WEBページで共有できるのです。(構造計画研究所のプレスリリースはこちら) 工事現場を3Dバーチャルデータ化し、WEBで共有できる「BridgeStudio」のイメージ(以下の資料:構造計画研究所) また、工事現場を撮影する手持ち型デバイスは、構造計画研究所と川田テクノロジーズが開発した「HandMapper」というもので、360度カメラとスマートフォンを組み合わせたものです。 橋梁の床版裏など、GNSS(全地球測位システム)の電波が届かないところや、足もとが整地されていない場所でも、このデバイスを持って現場内を歩けば、その画像や点群データから3Dバーチャルデータを作成できます。 360度カメラとスマートフォンを組み合わせた手持ち型計測デバイス「HandMapper」 「HandMapper」による工事現場での計測作業風景 このシステムは、川田建設が施工中の東北自動車道 迫川橋(はさまがわぱし。橋長約215m、橋面積約2300m2)の床版取り替え工事の現場で、2019年5月から試験運用しています。 橋の構造部材すべての点群データと、380地点の画像データを取得するのにかかった時間は10時間です。そして2日後には、現場の3Dバーチャルデータを工事関係者間で共有することができました。 また、「BridgeStudio」は、ドイツのNavVis社が開発した「IndoorViewer」の技術をベースに開発されました。 インターネットブラウザーをベースにしたアプリで、工事関係者はパソコンやタブレット端末を使って、現場を高解像度のパノラマ映像と3D点群を見ながら、自由に歩き回ることができるほか、バーチャルな空間上に図面や指示項目を表示することもできます。 「BridgeStudio」の操作画面 その結果、現場の最新情報をオフィスで業務を行う設計者も把握しやすくなり、現バーの 出張回数を減らす ことができるのです。 現場で確認したいことの多くは、目で見れば解決できるのではないでしょうか。こうした場合は今後、目視に代わって3Dバーチャルデータを遠隔で見るというのが普通になってくるのかもしれませんね。 3社は今後、「BridgeStudio」を様々な橋梁タイプに適用しながら現場での実績を重ね、より一層の生産性向上を目指すとのことです。
2019/06/11 10:01 株式会社イエイリ・ラボ
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コマツ 建設現場のデジタルトランスフォーメーションを加速 NTTドコモのGNSS位置補正情報配信基盤を活用
2019年05月28日 コマツ(社長:小川啓之)は、株式会社NTTドコモ(社長:吉澤和弘、以下NTTドコモ)が技術検証を開始した「GNSS※1位置補正情報配信基盤」を活用し、建設現場のデジタルトランスフォーメーションを実現して安全で生産性の高いスマートでクリーンな「未来の現場」の早期実現を目指します。 コマツは、本年4月よりスタートした新中期経営計画「DANTOTSU Value – FORWARD Together for Sustainable Growth」において、イノベーションによる価値創造を成長戦略のひとつとしています。その中では、モノ(建設機械の自動化・高度化)とコト(施工オペレーションの最適化)の高度化により施工のデジタルトランスフォーメーションを実現することで、深刻な労働力不足など、建設現場における社会課題の解決を目指しています。 具体的には、高度化されたICT建機が司令塔となり、すでに市場にある従来型も含めたすべての建機がデジタル化されお互いが協調して稼働することで、安全と生産性が大幅に高められた現場の実現を目指します。そのためには、高度化されたICT建機の市場導入に加え、既存の従来型建機に後付けでICT機能を付加する「スマートコンストラクション・レトロフィットキット(仮称)」の提供、施工計画および3D設計データの自動生成機能、そして精度の高いGNSS位置補正情報が欠かせません。 今般、NTTドコモが提供するGNSS位置補正情報配信基盤を活用することにより、低価格で精度の高い位置補正情報を取得することが可能となり、コマツが描く「未来の現場」の実現を加速させます。 ◆NTTドコモのGNSS位置補正情報配信基盤活用の内容◆ ICT建機の位置補正情報をGNSS位置補正情報配信基盤より受信 現在、コマツのスマートコンストラクション※2に欠かせないICT建機は、国土地理院により全国約1,300か所に設置された電子基準点をベースとして位置補正情報を取得し、GNSSからの測位情報に対し補正を行うことで、誤差±20㎜以内の精度による動作を確保しています。しかしながら、電子基準点から離れた現場では十分な位置補正情報を取得できないケースがありました。 今後、コマツのスマートコンストラクション導入現場の近接地に、NTTドコモが独自固定局を設置し、GNSS補正情報配信基盤で電子基準点とドコモ独自固定局を活用して位置補正情報を配信します。これにより、電子基準点から離れた場所や山間部などの建設現場特有の地域にも位置補正情報インフラが整備され、低価格で精度の高い位置補正情報の取得が可能となります。 <独自固定局によるGNSS位置補正情報配信(イメージ)> ◆「スマートコンストラクション・レトロフィットキット(仮称)」について◆ 「スマートコンストラクション・レトロフィットキット(仮称)」は、既存の従来型建機にICT機能を提供する後付けキットであり、IMUセンサー、GNSSアンテナ、コントローラーなどで構成されます。キット搭載機には、3D-マシンガイダンス機能、施工履歴データ取得機能、複数建機間の協調機能、GNSS補正情報受信機能が提供される予定で、司令塔となる高度化されたICT建機と協調することで従来型建機でもICT施工が可能となります。 また、キットは中型油圧ショベルであれば機種を問わず搭載可能であるとともに、販売だけではなく、サブスクリプションによる提供も予定しており、現場のデジタルトランスフォーメーションを一気に加速させることが期待されます。 <高度化されたICT建機と全ての建機が協調し、デジタルトランスフォーメーションした現場(イメージ)> ※1 GNSSとは、GPSやGLONASS等、衛星測位システムの総称。 ※2 国内の建設業界では、技能労働者の高齢化などにより労働力不足が深刻な課題となっています。コマツは本課題に対し、建設現場に携わる人・モノ(機械、土など)に関するさまざまな情報をICTでつなぎ、建設現場の安全・生産性を向上させるソリューション事業「スマートコンストラクション」を2015年より開始し、これまでに7,500を超える現場に導入しています。 ※ニュースリリースに記載されている情報は発表時のものであり、予告なしに変更される場合があります。
2019/05/28 18:11 株式会社小松製作所
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