東洋建設がAIで船の”進路予報円”! AIステレオカメラでクレーン作業の安全システムも開発

2022/11/0111:09配信

建設業の生産性向上のため、「頭脳労働はAI(人工知能)に」という動きが活発化しています。

そんな中、海洋工事に強い東洋建設は、AIを活用した現場の安全管理システムを続々と開発しています。

その1つが、工事海域を航行するタンカーや貨物船など、一般船舶の将来の進路を予測する「AI長期進路予測システム」です。

中部国際空港周辺には、多数の船が航行している(写真:家入龍太)

富士通が開発した船舶位置予測のAI技術に、港ごとに船の動きを記録した過去のAIS(船舶自動情報識別装置)データを「教師データ」として機械学習させたシステムです。

これを使うと、船舶の進路を

ナ、ナ、ナ、ナント、

台風進路の予報円

のように、60分後まで予測できるのです。(東洋建設のプレスリリースはこちら

台風進路の予報円のように、60分後の船の進路を予測できる(特記以外の資料:東洋建設)

これまで同社には、「みはりちゃん」というシステムがあり、AISや船舶レーダー、GNSS(全地球測位システム)のデータなどから、工事海域周辺にいる一般船舶をリアルタイムに把握していました。

そして船舶の進行方向と速度から、将来の進路を予測していましたが、10分後までの進路を直線ベクトルで表示するにとどまっていました。

「みはりちゃん」による船舶の進路予測。直線コースを進むものとして、10分後までの位置予測にとどまっていた

今回、開発されたAI長期針路予測システムによって、船の進行方向や速度だけでなく、地形や航路などの港湾形状も加味して、曲線的な進路予測も可能になりました。

そのため、工事の作業船が、カーブしながら接近してくる一般船舶などをより早く予測できるので、安全に航行できます。

AI長期進路予測システムで、カーブしながら接近してくる船舶の動きを60分後まで予測できるようなった

今後、主要港でのAISデータを学習させてこのシステムを全国的に展開を図ります。また、AISを搭載していない船舶の動きも、レーダー情報を学習させることで、すべての船舶の針路予測ができるよう開発を進めていきます。

東洋建設はこのほか、AIを使った「クレーン作業安全支援システム」を、リコーインダストリアルソリューション(本社:東京都大田区。以下、RINS)と共同開発しました。

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