2026年度 産業機械の受注見通し

2026/03/2714:15配信

1.ボイラ・原動機
2025年度
 内需は、燃料転換、既設改修、データセンター向け非常用発電などの需要により前年度比+35.0%の1 兆4,927億円と見込んだ。産業用設備の脱炭素化に向けた検討が進み、ボイラ改修や原動機の更新・新設が継続したためによる。
 外需は、GTCCの大型案件増加やデータセンター向け非常用電源需要の拡大、円安効果も重なり、前年度比+100.0%の1兆2,705億円と見込んだ。
 内外総合では、前年度比+58.7%の2兆7,632億円と見込んだ。
2026年度
 内需は、火力投資抑制の継続、資機材・人件費の高止まり、長納期化、投資判断の先送りなどにより、前年度比−10.0%の1兆3,434億円と調整が見込まれる。なお、非常用電源や燃料転換案件は一定の需要が続くものの、導入コスト上昇や不透明感による影響は大きい。国内原子力も新規制対応工事の反動や案件の不透明化がみられる。
 外需は、ガスタービン案件が引き続き堅調で、既設発電設備の延命やライフサイクル需要の拡大、大型ボイラ案件の入札進展も見込まれ、前年度比+10.0%の1兆3,975億円と高水準が続く見通しである。
 一方、SMR・新型炉などの動きは活性化しているが、資金調達環境や地政学リスクなどにより案件化の遅延リスクは残る。
 なお、ボイラでは廃棄物焼却・廃熱回収・副生ガス等のカーボンニュートラル関連が内外で底堅い。
 内外総合では前年度比−0.8%の2兆7,410億円と小幅な減少が見込まれる

2.鉱山機械
2025年度
 内需は、自然災害関連の復旧・補強工事が下支えとなった一方、原材料・部品高騰や品不足、長納期化による価格上昇が続き、ユーザーの購入意欲が弱まったことで前年度比−5.0%の206億円と見込んだ。資材高や人手不足による工期遅れも影響し、設備投資は慎重姿勢が続いた。
 外需は、円安による輸出増や老朽機の入れ替え需要、中東、アフリカ向け特殊要因などが寄与し、前年度比+10.0%の49億円と増加した。
 内外総合では、前年度比−2.4%の256億円の微減と見込んだ。
2026年度
 内需は、自然災害関連工事や半導体分野の国内投資が一定の下支えとなるものの、機械が既に行き渡ったことによる新規需要減、業界の高齢化による人手不足、資材・原材料高、金利上昇などが重なり、前年並み(±0%)の206億円と見込んだ。
 外需も入れ替え需要は続くが、価格転嫁時の購買意欲低下、政治・経済情勢の不安定化、米国の関税引上げによる市場減速などの影響から、前年並み(±0%)の49億円の見込みである。
 内外総合では、前年度比±0%の256億円と見込んだ。

3.化学機械
(冷凍機械、環境装置のうち大気汚染防止装置と水質汚濁防止装置を含む)
2025年度
 内需は、老朽設備の更新や安全・環境規制対応、GX推進による低・脱炭素投資、医薬・半導体分野の設備増強などが重なり、前年度比+10.0%の1兆1,210億円と見込んだ。なお、水処理では半導体工場向けの用水・薬液設備などが押し上げ要因となったものの、官需の下水処理・汚泥処理で発注量が高水準だった前年度を若干下回り、大気分野では一部で反動減があった。
 外需は+70.0%の7,919億円と大幅増を見込んでおり、中東向け気化器・液化器などの大型案件に加え、CIS地域における肥料プラントの大口受注が全体を押し上げた。LNG・ガス関連投資、産油国の設備投資拡大、脱炭素技術(水素・アンモニア・CCUS等)への投資も寄与した。半導体向け水処理の海外投資も堅調だったが、建設コスト高、資機材調達リスク、長納期化、中国市況の弱さなどの制約も残った。
 内外総合では、前年度比+28.8%の1兆9,130億円と見込んだ。
2026年度
 内需は、前年度比+20.0%の1兆3,452億円と増加が見込まれる。老朽更新・保全、GX関連投資(CCUS・水素・アンモニア等)、半導体・電池素材向け高機能化学品設備、官需水処理の更新が継続する見通しである。また、前年に停滞した塩ビ関連や脱炭素設備の再開も想定される。
 外需は、前年度比−15.0%の6,731億円へ下振れを見込む。最大の要因は、前年度に計上した肥料プラントの大口受注の反動減である。LNG・ガス案件や中東の石油化学増設、各国の脱炭素補助金(IRA等)による投資促進、重要鉱物(銅・ニッケル)関連の精錬投資、半導体関連投資は底堅いが、FIDの長期化、建設費上昇、地政学リスクの影響も重なり、前年の高水準には届かない。
 分野別では、化学機械は中東向けの大型案件が引き続き存在する一方、特殊鋼材の価格上昇・長納期化や製作人員の高齢化が課題である。化学プラントは、GX関連・医薬・半導体・資源循環設備の投資が国内で継続する一方、海外ではLNG・石化・脱炭素分野の案件形成にばらつきが出やすい。大気汚染防止装置は火力発電向け設備の市場縮小が継続し、更新需要が細る構造的要因があり、数量ベースの伸びは期待し難い状況にある。水質汚濁防止装置は、官需水処理・PPP、下水の脱炭素化、半導体向け設備が堅調で、国内外とも安定推移が見込まれる。
 内外総合では、前年度比+5.5%の2兆184億円を見込んだ。

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最終更新:2026/03/2714:15

一般社団法人 日本産業機械工業会

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