三菱ふそう 自動追尾型EVごみ収集車に関する環境省の実証事業に参画
-電気小型トラック「eCanter」新型モデルをベースにしたコンセプトモデルを開発-
- 電気小型トラック「eCanter」の新型モデルをベースに、SAEレベル2の運転自動化機能を搭載した自動追尾型のごみ収集車のコンセプトモデル「eCanter SensorCollect」を開発し、令和3年度から令和5年度の環境省「デジタル技術の活用等による脱炭素型資源循環システム創生実証事業」に、試作車の製作および技術開発を環境省の委託で実施
- 2023年11月に環境省と合同で自動追尾型EVごみ収集車の実証実験を川崎市内で実施。令和6年度の実証事業にも参画
- 今回の実証実験の検証を踏まえ、クリーンでより効率的なごみ収集作業を可能にするEVごみ収集車の開発を今後も継続
三菱ふそうトラック・バス株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEO:カール・デッペン、以下 MFTBC)は、環境省が実施するEVごみ収集車を使用したごみ収集作業におけるCO₂削減効果を検証する事業へ参画したことをお知らせします。MFTBCは環境省による令和3年度から令和5年度の「エネルギー起源CO₂排出削減技術評価・検証事業のうちデジタル技術の活用等による脱炭素型資源循環システム創生実証事業」に参画し、自動追尾型EVごみ収集車を用いた廃棄物処理作業におけるCO₂削減の実証事業を、環境省及び同事業の受託者である一般財団法人日本環境衛生センターからの委託により実施しました。
当社は同事業において、「eCanter」の新型モデルをベースに開発した自動追尾型EVごみ収集車を用いて、ごみ収集作業における作業効率化とCO₂削減効果の実証実験を、2023年11月10日から同22日にかけて川崎市内の公道で環境省と合同で実施しました。この実証実験では、EVごみ収集車に予め設定した収集ルートを自動で追尾するシステムを搭載し、ごみ収集作業の効率化と作業者の負担軽減における効果の検証を行いました。また、同車両に積載したごみの重量や体積及び投入個数をセンサーで感知し、これらの情報をごみ処理施設にインターネット経由で送信するごみ情報共有システムも開発し、ごみ処理施設まで含めた全体の運用効率化・高度化における効果の検証も行いました。
実証実験で用いたコンセプト車両「eCanter SensorCollect」は、車両前方と後方に搭載したミラー兼用のカメラセンサーが運転席から下車する人を自動的にドライバーと認識し、ごみ集積場に到着後もドライバーの後を車両が自動追尾します。自動追尾型のこの車両はワイヤレス式HMI(Human Machine Interface)を通じて遠隔操作ができるため、ドライバーが運転席に乗り降りする回数を大幅に減らすことで、作業時間を短縮するとともに、ドライバーの肉体的負担を軽減することが出来ます。車両に搭載したカメラ及び超音波式センサーと高精度GPSで車両付近に安全区域を形成し、車両周囲にある障害物の回避や、安全区域に人が侵入した際の緊急停止、車両の追尾や一時停止なども遠隔で操作可能です。
「eCanter」ベースのEVごみ収集車「eCanter SensorCollect」は、安全性と環境性そして操作性を兼ね備えた次世代のEVごみ収集車です。MFTBCは2020年に自動追尾型EVごみ収集車の初代コンセプトモデル「eCanter SensorCollect」を開発し、車両の機能を一部改良したモデルを今回の実証実験で使用しました。改良モデルに搭載したドライバーの自動追尾システムはSAEレベル2の運転自動化機能に相当し、ごみ集積場に到着後から作業開始までにかかる時間や手間を前モデルから短縮しました。また、車外にいるドライバーがリモート端末から停止ボタンを押した時の位置をシステムが記憶し、ドライバーの位置まで車両が走行して停止する機能や、車両の先にある最も近いごみ集積所を停止位置として登録して停止する機能も追加しました。今回の実証実験では車両総重量(GVW)6.4トンでリチウムイオンバッテリー1個を搭載した車両を使用し、新型「eCanter」に搭載された衝突被害軽減ブレーキなどの安全装置により、車両周囲の安全強化も備えています。
環境省による同事業は、日本政府が目指す2050年までのカーボンニュートラル化に向けて、廃棄物焼却やごみ収集運搬および中間処理施設等の稼働におけるCO₂の排出削減を、デジタル技術の活用を通じて実現することを目的としています。MFTBCは電気小型トラック「eCanter」の新型モデルをベースに自動追尾型のEVごみ収集車のコンセプトモデルを開発し、同事業において技術開発面で参画しました。また、MFTBCは令和6年度の同事業へも参画し、EVごみ収集車を用いた実証事業を継続します。
MFTBCは自動運転技術をはじめとする先進安全技術の開発を通じて、ドライバーの負担軽減や、輸送の効率化を可能にする次世代型トラックの開発を目指しています。当社は今回の実証実験の検証を踏まえ、次世代型EVごみ収集車の実用化を環境省と合同で今後も進めて行きます。また、高度な先進技術を備えた付加価値を持つEVトラックの開発、そしてより高度な自動運転トラックの開発を今後も継続していきます。さらに、実証実験を通じて得た知見を他のFUSOトラックにも活用し、輸送を取り巻くあらゆるニーズに対応する車両の開発に今後も取り組んでいきます。
MFTBCが開発した自動追尾式ごみ収集車「eCanter SensorCollect」
▼川崎市内で実施した実証実験の動画はこちら:
▼環境省「エネルギー起源CO2排出削減技術評価・検証事業」事業の詳細はこちら:
https://www.env.go.jp/content/000097326.pdf
▼一般財団法人日本環境衛生センター「令和5年度デジタル技術の活用等による脱炭素型資源循環システム創生実証事業委託業務報告書」はこちら:
最終更新:2024/08/0715:56