コマツ、坑内掘りハードロック向け鉱山機械を電動化
―米国プロテラ社との2つ目の協業を発表―
2021 年 10 月 27 日
コマツ(社長:小川啓之)は、このたび坑内掘りハードロック向けの鉱山機械の電動化の実現に向け、米国のプロテラ社(会長(兼)CEO: Jack Allen)よりリチウムイオンバッテリーシステムの供給を受ける協業契約を締結しました。坑内掘りハードロック向けの鉱山機械であるバッテリーLHD(ロードホールダンプ)、ドリル(ドリルジャンボ)、ボルタ(ロックボルト打設機)の電動化開発を進め、21年度より順次試作機の完成、2022年度の量産開始を目指します。
(プロテラ社のバッテリーを搭載したバッテリーLHD のイメージ)
気候変動への意識の高まりや環境問題の深刻化に対応するため、コマツは坑内掘り石炭(ソフトロック)向け鉱山機械の生産再編を進めると同時に、坑内掘りハードロック向け鉱山機械の開発については、「No Blasting(発破の必要がない掘削性能), No Batch(バッチ処理をおこなわない連続掘削), No Diesel(ディーゼル不使用)」というスローガンを掲げて注力してきました。
プロテラ社は、商用車の電動化技術のリーディングカンパニーであり、世界の各分野の高負荷や商用の車両向けにバッテリーシステムと電動化技術を提供しています。このたびのプロテラ社との協業は、このスローガンを具現化する取り組みの一つであり、大気汚染や騒音を軽減することが期待されます。特に、安全性と耐久性が重要視される坑内の採掘現場において、プロテラ社のバッテリーは特徴ある構造と制御技術により優れた性能を発揮します。
(プロテラ社のバッテリーを搭載したドリルのイメージ)
コマツとプロテラ社は、中小型の油圧ショベルの電動化において、高性能バッテリーと周辺機器の提供を受けるとともに、実証実験の戦略的パートナーの1社として協業を開始しており、今回はそれに次ぐ2つめの協業となります。
コマツは中期経営計画において、2030 年目標として 2010 年比で CO2 排出量の 50%削減と、再生可能エネルギーの比率を50%とすることを掲げており、その延長として 2050 年までに CO2 の排出を実質ゼロとするカーボンニュートラルに向けた取り組みに関する長期ビジョンを新たに掲げました。また鉱山オペレーションにおける温室効果ガス(GHG)削減を加速するため、コマツのお客さまである大手鉱山企業とともに「コマツ GHG アライアンス」を発足させるなど、世界的な気候変動への意識の高まりが加速する中、積極的に取り組みを進めています。
これまで培ってきたハイブリッド建設機械やバッテリー駆動式ミニショベルの技術も活かし、また今後は様々な戦略的パートナーとも協業を進めながら、お客さまの鉱山オペレーションの変革の実現に向けて取り組んでまいります。
コマツは今後も「品質と信頼性」を追求し、企業価値の最大化を図るとともに、ダントツバリュー(顧客価値創造を通じた ESG 課題の解決と収益向上)により、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場の実現を目指していきます。
[プロテラ社の概要]
社名: Proterra Inc
設立:2004 年 1 月
所在地:米国 カリフォルニア州
代表者:会長(兼)CEO Jack Allen
事業内容: 商用車の電動化技術のリーディングカンパニー
最終更新:2021/10/2718:38