三菱ふそう バリューチェーン全体のカーボンニュートラル化に挑戦
■MFTBC の国内工場は 2039 年を目標――川崎・中津では 5 年間で CO2排出量を 17%削減
MFTBC は日本の川崎、富山、中津の3工場も、トラマガル工場に続いて、遅くとも2039年までのカーボンニュートラル化達成を目指します。
MFTBC は、本社を置く川崎製作所と中津工場(神奈川県愛川町)で、2015 年からの 5 か年計画によりCO2排出量の同年比 17%削減を達成しました。これに続く取り組みとして、川崎製作所を 2039 年までにカーボンニュートラル化することを目指し、新たな計画を策定しました。また MFTBC の生産ネットワークで重要な拠点である、バスを製造する富山工場やトランスミッションなどを手掛ける中津工場も、同じく 2039 年を目標としています。
新たに策定した川崎製作所の計画には、主に以下の取り組みを盛り込んでいます。
① 省エネルギー:エネルギー需要の削減やエネルギー効率の良い設備機器の導入により、生産におけるエネルギー消費を削減
② 再生可能エネルギーの生成:再生可能エネルギーの自家生成により、CO2排出量を削減 - 2013・14 年に、川崎製作所の建屋屋上に太陽光発電設備を設置 - さらなる太陽光発電設備の設置を計画中 - 水素など他のエネルギー源の統合を検討 - グリーンエネルギーの購入と CO2排出係数の低減:電力会社との協力
③ CO2 オフセット制度の活用
川崎製作所
また MFTBC では、製造プロセス自体の CO2削減も検討を始めています。例えば、表面処理の方法を見直すことで、車両の塗装で排出される CO2 と揮発性有機化合物(VOC)を削減する可能性についての評価を行っています。
■バリューチェーン全体でのカーボンニュートラルに挑戦
製造だけでなく、MFTBC は車両のバリューチェーンの他の側面にも着目しています。それぞれの段階において、CO2排出量を削減するための方法を検討しており、いくつかはすでに実行に移されています。
<輸送>
輸送は、バリューチェーン全体のCO2排出削減を進めるにあたり、MFTBCが着目している領域の一つです。MFTBCは、サプライヤーから材料や部品を受け取る過程と、製品をお客様にお届けする過程のそれぞれで発生するCO2排出量を数値化する方法の評価を開始しました。これらの領域ではすでに、以下のような対策を実施しています。
・ 部品や製品を輸送するトラックの数を見直し、積み荷やルートを最適化することで CO2排出量を削減するとともに、一部を「モーダルシフト」へ転換
・ 構内輸送における CO2削減のため、電動フォークリフトの導入
MFTBC は現在、輸送業務におけるカーボンニュートラル化の計画を策定しており、近く取り組みの領域を拡大する予定です。
<購買>
MFTBCの購買活動では、ダイムラーのサプライヤーサステナビリティ基準とダイムラートラック購買ガイドラインに沿って、サプライヤー評価の一環としてサステナビリティを考慮しています。MFTBCはダイム ラートラックの一員として、サプライヤーに気候保護とサステナビリティに関する取り組みを推奨し、サプ ライヤー企業の内部とそれらの企業のサプライチェーン双方で、より高い水準を目指す行動を促しています。
CDP気候変動レポートがその一例です。サプライチェーンの環境に与える影響の透明性を高めるために、ダイムラートラックは CDP(旧称:Carbon Disclosure Project)などの機関と協力しています。2020年には、主要なサプライヤーを対象に、CO2排出量などの環境への影響を報告する CDP の年次調査を実 施しました。これまで、ダイムラートラックグループの年間購入量の 70%以上に相当するサプライヤーに参加を要請してきましたが、2021年は対象範囲を広げ、自動車のサプライチェーン全体での CO2排出量削減への取り組みを支援する予定です。
その他の取り組みとして、ダイムラー全体で毎年開催している「Sustainability Award:サステナビリティ賞」を通じて、サプライヤーの気候保護とサステナビリティの取り組みを推進しています。この賞は、気候保護と資源保全で際立った取り組みを行っているサプライヤーを表彰するために、2019 年からすべての部門で行われています。
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最終更新:2021/07/2112:09