ヒューマンタッチ総研独自分析 建設技術者の人材需給及び建設市場の動向 ~2020 年のまとめと 2021 年の動向を考察~
■建設市場は公共工事が下支えするも縮小傾向
2021年の動向を予測するために、将来の売上高動向を示す先行指標となる手持ち工事高(工事請負金額のうち、未着手の工事に相当する金額)の推移を見ると、減少傾向ではありますが、8 月に前年同月を下回った以外はかろうじて前年同月レベルはキープしています(図表④)。民間、公共別に見ると民間工事が減少する中、公共の工事が前年を上回っており、建設市場を下支えしています(図表⑤)。
次に、同じく将来の売上高動向を示す先行指標となる元請受注工事高の推移を見ると、最大の受注月である 3 月に前年同月増減率▲21.6%と大幅に減少し、その後も減少傾向が続いています(図表⑥)。
民間と公共の受注別に見ると、民間からの受注が 8 月以外はすべての月で前年同月を下回っているのに対して、公共からの受注は 1 月と 8 月以外は前年同月を上回っており、比較的順調に推移しています(図表⑦)。
手持ち工事高は前年ぎりぎりの水準であり、受注高については公共工事が下支えしながらも民間工事の減少により前年割れとなっている状況からは、2021年の建設市場は縮小傾向になる可能性が高いと考えられます。
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最終更新:2021/03/2514:17