最近の機械貿易動向(5 月)~機械輸出額 19 ヶ月連続減少~
日本機械輸出組合 2020.7.15
2020 年 5 月の機械輸出額は 2 兆 4,252 億円、対前年同月比 34.3%減と、19 ヶ月連続で前年同月比減少した。これは、① 5 地域向けで前年同月比減少したこと、② 21 業種すべてが前年同月比減少したことなどによる。為替・営業日要因が 7.3%の減少寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は 29.1% 減となった。7 月 7 日発表の貿易統計速報によれば 2020 年 6 月上中旬の全商品輸出は 25.2%減であった。
Ⅰ 要約
1. 全商品貿易動向(図表1)
① 全商品輸出額:4 兆 1,856 億円(前年同月比 [以下同じ] 28.3%減、18 ヶ月連続減少)
② 全商品輸入額:5 兆 238 億円(26.2%減、13 ヶ月連続減少)
③ 貿易収支:8,382 億円の赤字
2. 機械貿易動向
(1) 機械輸出入動向(図表2)
① 機械輸出額:2 兆 4,252 億円(34.3%減、19 ヶ月連続減少)
為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:29.1%減 (4 ヶ月連続減少)
② 機械輸入額:1 兆 7,158 億円(23.5%減、8 ヶ月連続減少)
(2) 為替・営業日動向
2020 年 5 月に 7.3%の減少要因、6 月に 9.2%の増加要因、7 月に 4.9%の増加要因。 (7 月の為替要因は 7 月 9 日の東京市場のレートにより、仮計算)
(3) 地域別動向
① 韓国・台湾向けを除く 5 地域向けで前年同月比減少(図表4、5)
② 北米向け:58.9%減、10ヶ月連続減少(図表4、5)
③ 中国向け:4.5%減、3 ヶ月連続減少(図表4、5)
④ ASEAN・南アジア向け:32.6%減、17 ヶ月連続減少(図表4、5、6、8、9)
⑤ EU27 向け:40.4%減、8 ヶ月連続減少(図表4、5)
⑥ 韓国・台湾向け:6.1%増、2 ヶ月連続増加(図表4、5、6、7)
⑦ その他地域向: 53.5%減、4 ヶ月連続減少(図表4、5、10)
(4) 業種別動向(図表11)
上位 21 業種すべての業種が減少
(5)機種別動向(図表12、13)
① 半導体製造装置(韓国・台湾、中国向け中心)が二桁の伸び
② 乗用車、航空機部品、農業機械、貨物自動車、自動車部品等が大きく減少
(6)機械輸入動向(図表14)
機械輸入額上位 12 機種のうち、電子計算機のみが増加
Ⅱ トピックス
* 2020年5月の中国、韓国・台湾向け業種別輸出金額をみると、半導体製造装置や風水力機械、原動力機械等の産業機械、電子ディバイス、コンデンサー等の民生用電子機械の部分品、重電気機械、電気・電子計測器等軽電気機械等において金額が大きく、前年同月比の伸び率でも、増加ないしは低い減少率となっている。中国、韓国・台湾向けについては、製造設備や電子部品等の生産財が輸出を底上げしており、生産活動が回復し始めていると考えられるが、本格的な回復であるかどうかは、今後の状況を見極めていく必要がある。
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最終更新:2020/07/1716:02