最近の機械貿易動向(8 月)~機械輸出額 10 ヶ月連続減少~

2019/10/1814:28配信

Ⅲ 個別動向

1. 全商品貿易動向~輸出は 9 ヶ月連続で減少、輸入も 4 ヶ月連続減少~

1) 2019 年 8 月の全商品輸出額は 6 兆 1,412 億円、前年同月比(以下同じ)8.2%減と 9 ヶ月連続で減少した(7 月 1.5%減)。これは、約 22%を占める輸送用機器(8.2%減)をはじめ、約 19%を占める一般機械(12.3%減)、約 18%の電気機器(8.1%減)、約 12%のプラスチック等化学製品(5.1%減)等が減少したためである。

2) 輸入額は 6 兆 2,848 億円、11.9%減と 4 ヶ月連続で減少した(7 月 1.2%減)。これは、全輸入額の約 22%を占める原粗油等鉱物性燃料(25.3%減)をはじめ、約 14%を占める電気機器(8.8%減)、約 10%の医薬品等化学製品 (4.2 減)、約 9%の一般機械(14.8%増)等が減少したことによる。

3) この結果、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、約 1,435 億円と 2 ヶ月連続で赤字(7 月は2,507 億円の赤字)となった。



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2.機械貿易動向
(1)機械輸出入動向~輸出は 10 ヶ月連続減少、輸入は再び減少~

1)全商品輸出額の約 63%%を占める 8 月の機械輸出額は 3 兆 8,847 億円、9.4%減と 10 ヶ月連続で減少し(7 月 2.0%減)、その水準は、リーマンショック前(2008 年 8 月)と比べると 86.2%となって、前月に比べて 2.0 ポイント改善した(7 月 84.2%)。なお、為替・営業日要因を除いた実質的伸び率は 1.7%増であった。

2)一方、全商品輸入額の約 31%を占める機械輸入額は、1 兆 9,283 億円、8.3%減と再び減少し(7 月 1.5%増)、リーマンショック前(2008 年 8 月)の水準に比べ、24.5%増となっている。


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(2)為替・営業日動向~8 月は 10.9%の減少要因、9 月は 2.8%の増加要因~

1)2019 年 8 月は 1 ドル=107.1 円となり、前年に比べ 3.8%の円高となった。また、対ユーロは 119.5 円と前年に対して 7.5%の円高となり、合わせて約 2.4%の為替減少要因となった。営業日は前年に比べて2 日少ないため、約 8.7%の減少要因となり、合計で約 10.9%の減少要因となる。8 月の輸出額は 9.4%減であったことから、実質的伸び率は 1.7%増と 3 ヶ月ぶりの前年同月比増加となった(7 月 4.9%減)。

2)2019 年 9 月は 1 ドル=106.6 円で前年比 4.1 の円高、対ユーロは 117.8 円で前年比 8.6%の円高となり、合わせて約 2.6%の為替減少要因となった。営業日は前年に比べて 1 日多いため、約 5.6%の増加要因となり、合計で約 2.8%の増加要因となる。

3)2019 年 10 月は、対ドルが 10 月 15 日 17:00 時点の 108.6 円とすれば、3.8%の円高、また、対ユーロは 119.9 円で 8.4%の円高となり、合わせて約 2.5%の為替減少要因となる。営業日は前年に比べて1日少ないため、約 4.5%の減少要因となり、合計で約 6.9%の減少要因となる。



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(3)地域別動向~6 地域向けすべてで前年同月比減少~
1)機械輸出額の地域的動きをみると、①全体の 24.4%を占める北米向けでは、産業機械(6.0%増)、航空機部品(4.7%増)等が増加したものの、約 46%を占める自動車(12.9%減)、電気・電子計測器等軽電気機械(13.5%減)等が減少し、6.6%減となった。②22.6%を占める中国向けでは、産業機械(21.5%減)、電子ディバイス(1.9%減)、自動車(16.2%減)、軽電気機械(3.7%減)等が減少して 14.6%減となり、③15.0%のASEAN・南アジア向けは、インドネシア(18.3%減)、マレーシア(16.3%減)、パキスタン(57.6%減)等タイ向けを除く主要国向けが赤字となり、業種でも、産業機械(4.2%減)、自動車(13.9%減)、電子ディバイス(4.0%減)等が減少して 10.2%減となった。④12.3%を占める EU 向けは、約 39%を占める自動車(4.4%増)向けが増加したものの、産業機械(15.7%減)、軽機械(2.8%減)、建設機械(15.1%減)等が減少して 4.3%減となり、⑤9.7%を占める韓国・台湾向けは、電子ディバイス(3.1%増)が増加したものの、産業機械(18.9%減)、自動車(4.3%減)、重電気機械(13.1%減)等が減少して 9.3%減となった。⑥16.0%のその他地域向けでは、ロシア東欧等(12.9%減)、大洋州(11.3%減)向け等が減少し、業種でも、船舶(6.2%増)が増加したものの、自動車(7.1%減)、産業機械(20.8%減)等が減少して 8.5%減となった。

2)また、リーマンショック前の 2008 年 8 月の地域別輸出額と比較すると、北米、ASEAN・南アジア向けが 100%台、中国向けが 90%台、韓国・台湾向けが 80%台、EU、その他地域向けが 60%台となった。

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最終更新:2019/11/2018:07

日本機械輸出組合