教師データを提供!国交省がインフラ点検用のAI開発を支援へ

2019/09/0910:51配信

コンクリートのひび割れ発見や道路舗装の異常発見など、公共インフラの維持管理に、AI(人工知能)が使われ始めています。

ICT(情報通信技術)を活用して、建設分野の生産性向上を目指す「i-Construction」を推進する国土交通省は、構造物点検などに使われるAIの研究開発を促進するため、「AI開発支援プラットフォーム」の設立を検討しています。

現在のインフラ点検では、ドローンやロボットがインフラのデータを収集し、人間の専門家がそれを見て異常を発見していますが、将来はAIを使って

ナ、ナ、ナ、ナント、


人の「判断」を効率化


することを目指しているのです。(国土交通省のプレスリリースはこちら

AIによって人の判断の効率化を目指すイメージ

AIによって人の判断の効率化を目指すイメージ(以下の資料:国土交通省)

国交省は「AI開発支援プラットフォーム」の設立について検討するため、「AI開発支援プラットフォームの開設準備ワーキング・グループ」(以下、AI-PF準備WG)を設け、2018年11月と2019年7月に会合を開きました。
メンバーを見ると、大手建設コンサルタントや電気・通信メーカー、調査・研究機関などそうそうたるメンバーがそろっていることがわかります。

AI-PF準備WGの会員一覧

このメンバーで検討しているのは、AIが現場のデータから異常などを発見させるための教育に使われる


良質な”教師データ”の提供


を行うことです。

AI開発支援プラットフォーム

AI開発支援プラットフォームでは「教師データ」の提供を目指している

例えば、コンクリートのひび割れ発見を行うAIを開発する場合、コンクリート表面の写真とセットで「ひび割れ部分」を示したデータを大量に読み込ませます。

これに使われるのが教師データですが、数百、数千という膨大な数のデータを、各社が準備することは大変です。
そこで、土木技術者の正しい判断をもとにした良質な教師データを国が整備し、人工知能開発者に提供しようというわけです。

もともとAIの開発者は、あまりインフラの現場とは縁がありません。こうした現場データが大量に提供されると、本来のAI開発業務に集中できるので、インフラ点検用AI分野への参入者も増えそうですね。

最終更新:2019/11/2018:09

株式会社イエイリ・ラボ