日立建機 油圧ショベルのオペレータ操作を学習するフィジカルAIの研究開発を開始
経済産業省・NEDOが推進する国家プロジェクトGENIACに採択され、産学連携で建設機械の自律運転技術を開発

中型油圧ショベルの掘削作業
日立建機株式会社(本社:東京都台東区、執行役社長:先崎正文、以下、日立建機)は、2026年10月より、油圧ショベルのオペレータ操作を学習するフィジカルAIの研究開発(以下、本研究開発)を開始します。本研究開発では、カメラ映像や作業指示などの情報をもとに、オペレータのレバー操作を学習させ、状況に応じて適切な操作を判断・実行するフィジカルAIを開発します。将来的には、災害現場におけるがれきの除去作業や、建設・鉱山現場における掘削・積込作業などでの自律運転の実現をめざします。
なお、本研究開発は経済産業省と国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する、国内の生成AIの開発力強化と社会実装の促進を目的としたプロジェクト「GENIAC(Generative AI Accelerator Challenge)」の支援を受けて実施します。日立建機は、株式会社Jizai(本社:東京都文京区、代表取締役CEO 石川佑樹)、国立大学法人奈良先端科学技術大学院大学と連携し、研究開発を推進します。
■研究開発の背景
建設・鉱山業界では、労働力不足への対応に加え、厳しい作業環境における安全性や生産性の向上が求められています。また、近年激甚化する自然災害への迅速な対応や、鉱物資源の安定確保の重要性も高まっています。
油圧ショベルは、対象物の形状や位置、周辺環境、天候など、施工現場ごとに異なる状況に応じて操作する必要があります。そのため自律運転の実現には、周囲の状況を認識しながら適切な操作を判断できる技術が求められます。日立建機はこれまでも自律運転に関する研究開発を進めてきました。本研究開発では、新たにオペレータの操作データを学習したAIを開発することで、現場環境に応じて自律的に作業を行う建設機械の実現をめざします。
■研究開発の概要
本研究開発では、オペレータの操作データをAIに学習させ、施工現場の状況や作業指示に応じて適切な判断・操作を行うフィジカルAIの開発に取り組みます。
フィジカルAIとは、現実世界の状況を認識し、自律的に判断・行動できる技術で、産業用ロボットやヒューマノイドなどへの応用が進められています。日立建機では、フィジカルAIを、建設機械・鉱山機械が「周辺環境の把握(認知)」、「作業計画の最適化(判断)」、「操作の実行(実行)」という一連のプロセスを自律的に行うことで、安全で効率的な施工を実現するための技術と捉えています。単なる機械の自動化ではなく、AIが機械や周辺環境を理解し、自律的に施工を行う点が特徴です。
日立建機は、オペレータの作業映像と操作履歴など、長時間のデータを収集し、開発するフィジカルAIに学習させます。通常の作業に加え、作業ミスから立て直す復旧(リカバリー)の過程や、天候、周辺環境、機械の状態、対象物の位置など、多様な条件下で取得したデータを学習させることで、実際の施工現場においても、高精度な施工を実現するフィジカルAIの開発をめざします。
■研究開発体制
本研究開発は、産学連携のもとで推進します。各参画機関の主な役割は以下の通りです。

日立建機は、本研究開発を通じて、オペレータの操作を学習したAIによる自律運転技術の確立をめざします。将来的には、災害対応、マテリアルハンドリング、林業、鉱山、解体、土木など幅広い分野への展開を通じて、労働力不足や安全性・生産性の向上など社会課題の解決に貢献していきます。
最終更新:2026/09/0915:21