日野自動車 <インタビュー>大型観光バス日野セレガ、約20年ぶりにデザインを刷新 ~デザインに込めた想い~
沼岡:インテリアコーディネートも刷新しました。以前のドライバーシートはブラウン系でインテリアは寒色系を採用していましたが、上質で落ち着きのあるブラウン系に整理しました。手すりはゴールドから明るめのシルバー系に変更し、夜間でも視認性が上がるよう工夫しました。形が変わらない分、色で使いやすさを表現することが難しい部分でもありました。
コーディネートプランは4グレードから3グレードに見直しを行いました。もともとは高価格帯にコーディネートのバリエーションが集中していて、お手頃な価格帯は少ない状況でした。今回は、中間グレードのコーディネートバリエーションを拡充し、事業者の方に適した仕様を選びやすいよう意識しました。
シート周りは環境に配慮したマテリアルを採用し、サステナビリティに貢献しています。

先代モデル

新モデル
3. 機能とデザインの間で繰り返す試行錯誤
――――機能とデザインの両立についてどのような苦労がありましたか
遠藤:空力性能の向上は、デザインと機能の両立で大きな課題でした。
リヤの門型のフィンをどこまで空力に最適化するか、初期段階から関係部署と議論を重ねました。解析を繰り返しながら、最適な角度や長さを決めていきました。空力を突き詰めつつ、日野セレガらしいグラマラスな表情の追求が今回の最大の難所でした。
また、くびれを表現するところも難しかったです。クレイモデル(工業用の粘土)をクレイモデラーに削ってもらい、今度はそれを3Dスキャンしてデジタルに取り込んでモデリングしていくのですが、なかなか満足のいくくびれにならず、このプロセスを繰り返し行って品質と性能を上げていきました。

リヤのクレイモデルを確認している様子

リヤのクレイモデル
4. 「日野セレガ」の新モデルに込めた想い
――――お客様に「日野セレガ」の新モデルをどのように感じてほしいですか
岡田:商用車はどうしてもデザインより機能が優先されがちですが、日野ブランドが培ってきたデザインへのこだわりも今回感じていただけると思います。乗客もドライバーも事業者も、三者それぞれに価値を感じていただける車になっていると思います。
沼岡:まずは一目見てかっこいい、乗ってみたいと感じてほしいです。移動の高揚感と期待感を持っていただきたいというのが一番の願いです。ドライバーの方々には誇りや安心感を、乗客の方々にはリラックスできる特別な空間を感じていただければと思います。
遠藤:乗客の方には遠くから見てもデザインが変わったことと、かっこいいなと感じてもらいたいです。ドライバーの方には機能だけでなくインテリア、カラーコーディネートも含めた変化を感じていただきたいです。そして事業者の方々には、空力性能を向上したこの日野セレガの新モデルが、街の景色を変えることを実感していただけると嬉しいです。
――――今後、「日野セレガ」の新モデルはどのような存在になってほしいですか
岡田:子どもの頃に日野セレガの先代モデルを見て感動した経験が、日野自動車に入社するきっかけのひとつになりました。日野セレガの新モデルを見た子どもたちが、同じように感動してくれたら嬉しいです。そしてそれが日野自動車への憧れにつながっていければと思います。
遠藤:わたしも日野セレガの新モデルは次の世代の憧れの存在になってほしいです。今回、開発するにあたって何がかっこよくしているのか徹底的に考えた時に、「くびれ」に日野セレガらしさがあると気づきました。次の開発をするときも、日野セレガらしい良さは残しながら、継承していければと思っています。
沼岡:私たちの世代は、日野セレガの先代モデルを子どもの頃に見た記憶が、現在の仕事に取り組む原動力になっています。今回の日野セレガの新モデルが、誰かにとっての憧れの車になってくれることを願っています。
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最終更新:2026/06/2612:31