日野自動車 <インタビュー>大型観光バス日野セレガ、約20年ぶりにデザインを刷新 ~デザインに込めた想い~

日野自動車は、2026年5月20日に大型観光バス「日野セレガ」を改良して発売しました。最新の安全装備の搭載や静粛性と乗り心地を改善し、ドライバーと乗客に安心で快適な移動を提供します。
さらに、約20年ぶりにボディーデザインの刷新を行いました。「Glamorous Flow」をコンセプトに掲げ、フロントには風を受け流す抑揚ある艶やかな「ラウンディッシュデザイン」を、リヤには風を流す「ダイナミックシャープエッジデザイン」を採用。空力性能の向上を図りながら、機能美を高次元で両立したデザインを実現しました。
今回は、「日野セレガ」のデザイン刷新の背景とデザインに込めた想いについて、デザインセンターの3人にインタビューしました。

責任者 沼岡 一徳(ぬまおか かずのり)
フロント周りを担当

遠藤 直哉(えんどう なおや)
リヤ周りを担当

岡田 和葉(おかだ かずは)
フロントのアイデアを担当
1.日野セレガ約20年ぶりにデザインを刷新、その決断の背景
――――今回のデザイン刷新はいつから構想していましたか
沼岡:プロジェクトが正式にスタートしたのは2023年の春です。しかし、デザインの検討はすでに数年前から始まっていました。最初は"次期大型観光モビリティを作る"という、より大きなくくりからスタートしました。日野セレガを作るというより、新しい観光モビリティを作るという発想です。そこから徐々に製品化に向けて進めてきましたが、会社全体の開発スケジュールの変更やコロナ禍に伴う市場変動などがあり、中断も経験しました。
そして今回、環境負荷低減や安全性能に対する期待がより高まり、プロジェクトがスタートしました。
遠藤:中断になった時は、製品化できるレベルまでデータを作り込んでいたのに、世に出ないのかという無念さがありました。しかし、今思えば、その時の経験が今回の日野セレガの開発に生きたと感じています。改めてデザインに取り組んだからこそ、より良いものができたという自負があります。
――――ロングセラー商品の日野セレガの先代モデル、デザイン刷新に関して迷いはありましたか?
沼岡:20年前に日野セレガの先代モデルが登場した時、観光バスのイメージをドラスティックに変えたインパクトは、私たちの世代には鮮烈な記憶として残っています。それだけに、そこから新しい世代へと踏み出すことの難しさは感じていました。
岡田:小学生の頃に初めて日野セレガの先代モデルを見て、一目で感動した覚えがあります。自分もファンとして、デザインを変えることへの責任の重さを感じていました。ただ、当時の自分が感じた感動を、今の子どもたちにも味わってほしいという思いがあって、プロジェクトに参加しました。
遠藤:幼い頃、誕生日に日野セレガの先代モデルのミニカーと雑誌を買ってもらったことを今でも覚えています。日野セレガの先代モデルが従来の「四角い箱」というバスのイメージを一新した時の衝撃は忘れられません。その感動が日野自動車に入社するきっかけのひとつです。その日野セレガのデザインを手がけることになるとは、感慨深いものがありました。

――――ユーザーのニーズはどのように変わり、何を反映したのでしょうか
沼岡:20年の間に、バスに求められるものも変化しています。特に、移動の質へのこだわりは向上しています。コロナ禍以降の開発スタートという背景を踏まえ、ユーザーの価値観調査を行いました。「人々が出かけることへの魅力を再発見」という仮説を立て、コンセプトの策定に取り組みました。
岡田:ユーザーといっても、乗客・ドライバー・事業者と立場はさまざまです。それぞれの立場に最適な価値提供を目指しました。
遠藤:例えば、乗客の視点を体験するため長距離バスに乗車するほか、実際に国内外のバスショーも視察しました。また、事業者様のカラーを再現し、形が変わっても意図が適切に反映されているかも確認しました。それらで得られた知見や経験を内外装デザイン・コーディネートプランに生かしています。
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最終更新:2026/06/2612:31