コマツ リチウムイオンバッテリー搭載 20 トンクラス 新型電動ショベル 市場への導入を開始
-電動化建機の市場形成を目指して-
2023 年 7 月 21 日
コマツ(社長:小川啓之)は、このたび、リチウムイオンバッテリーを搭載した 20 トンクラスの電動ショベル 「PC200LCE/210LCE-11」について、国内および欧州市場へレンタル機として 10 月以降に導入を開始する予定です。加えて、アジア・北米・豪州への順次導入も予定しています。電動化市場がまだ形成されていない建設機械において、本導入を一つの契機として、2050 年のカーボンニュートラル実現へ向けた早期の市場形成を目指します。
【リチウムイオンバッテリー搭載 20 トンクラス 新型電動ショベル「PC200LCE-11」】
当該機は、2021 年 1 月よりプロテラ社と共同開発してきた機種であり、世界の各分野の高負荷対応や商用の車両向けに実績があるプロテラ社提供のリチウムイオンバッテリーを搭載しています。お客さまの現場での実証試験を経て、昨年 10 月の「bauma 2022」や本年 3 月の「CONEXPO-CON/AGG 2023」へ展示した製品を、このたび、レンタル機として市場に導入します。将来電動化市場が形成されることが見込まれる各地域で、稼働条件や電源環境の異なる様々なお客さまにレンタル機として使用いただくことで、環境性や安全性を実感いただくと共に、お客さまの声や知見を蓄積し、電動化市場の形成につなげていきます。
コマツは 2023 年度を電動化建機の市場導入元年と位置付けており、このたびの市場導入は、3 トンクラス電動ミニショベルの市場導入に続く、第二弾となります。油圧ショベルは建設機械の中でも汎用性が最も高く、特に 20 トンなどの中型クラスは、土砂の掘削や積込み作業を中心に幅広い現場や用途で使用されることから、当該機の市場導入をきっかけとして中型クラスの電動化市場の形成を目指していきます。
コマツは中期経営計画「DANTOTSU Value – Together, to “The Next” for sustainable growth」 に掲げている、ダントツバリュー(収益向上と ESG 課題解決の好循環を生み出す顧客価値の創造)を通じて、未来の現場に向けた次のステージに踏み出し、サステナブルな未来を次の世代へつないでいくため、新たな価値創造を目指していきます。
【商品の主な特徴】
1.環境性・経済性
・バッテリー駆動式で人と作業環境にやさしい排気ガスゼロを実現
バッテリー駆動式のために排気ガスがいっさい発生せず、クリーンな作業環境を実現します。車両周辺の作業員や樹木にやさしく、屋内工事や管工事、都市部での工事など、さまざまな現場で幅広く活躍します。
2.快適性・安心
・大容量リチウムイオンバッテリーによる稼働時間の確保
451kWh のリチウムイオンバッテリーを搭載しておりフル充電で約8時間※1の稼働が可能です。付属の充電器を活用してのフル充電は約 9 時間※2です。
・静音性に優れた電動モーターで車体騒音・周囲騒音を大幅低減
動力源はモーターのため、エンジンによる騒音が発生しません。作業中でもオペレーターが周囲の作業員とコミュニケーションをとりやすく、安全で的確に作業が行えます。
・エンジンによる車体振動がなくなりオペレーターの疲労を軽減
エンジンを搭載していないので、オペレーターに伝わる振動が大幅に改善されました。作業中のストレスや疲労感が少なく、快適に作業が行えます。
・車体からの発熱量低減で、快適な作業環境を実現
エンジンによる熱源がないので、機械周辺が熱くならず、作業を快適に行えます。
3.安全性・信頼性・整備性
・安全性・信頼性に優れたバッテリーコンポーネントを搭載
世界の各分野の高負荷対応や商用車向けに実績があるプロテラ社提供のリチウムイオンバッテリーと、作業機操作のための油圧ポンプ、コントローラー、電動モーターなどのコンポーネントを、コマツ独自のすり合わせ技術により協調させることで、車体制御システム全体を最適化するとともに、堅牢なバッテリーの保護構造を開発しました。エンジン駆動式油圧ショベルと同等の掘削性能や耐久性を実現しました。
※1作業条件や稼働状況により異なる
※2電源環境により異なる
最終更新:2023/07/2416:47