「最近の機械貿易動向(5 月)~機械輸出額 3 ヶ月連続で前年同月比増加~」
日本機械輸出組合 2021.7.28
・2021 年 5 月の機械輸出額は 3 兆 7,695 億円、対前年同月比 55.4%増と、3ヶ月連続で対前年同月比増となった。為替・営業日要因が1.6%の増加寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は52.9%増となった。7 月 21 日発表の貿易統計速報による簡易計算では、2021 年 6 月の機械輸出は 48.4%増であった。
・5 月の機械輸出は、2020 年 5 月の輸出が前年同月比で大きく減少した反動もあり、6 地域向けすべてで対前年同月比伸び率がニ桁となって機械輸出額全体が大きく伸びた。
Ⅰ 要約
1. 全商品貿易動向(図表1)
① 全商品輸出額:6 兆 2,599 億円(対前年同月比 [以下同じ] 49.6%増、3 ヶ月連続対前年同月比増加)
② 全商品輸入額:6 兆 4,492 億円(27.9%増、4 ヶ月連続で対前年同月比増加)
③ 貿易収支:1,894 億円の赤字
2.機械貿易動向
(1)機械輸出入動向(図表2)
① 機械輸出額:3 兆 7,695 億円(55.4%増、3 ヶ月連続対前年同月比増加)
為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:52.9%増
② 機械輸入額:2 兆 834 億円(21.3%増、5 ヶ月連続で対前年同月比増加)
(2)為替・営業日動向
2021 年 5 月に 1.6%の増加要因、6 月に 1.5%の増加要因
(3) 地域別動向
① 6 地域向け全てで 2 ヶ月連続前年同月比二桁増加(図表4、5)
② 北米向け:2.3 倍、3 ヶ月連続対前年同月比増加(図表4、5)
③ EU27向け:76.3%増、3 ヶ月連続対前年同月比増加(図表4、5)
④ 中国向け:17.4%増、6 ヶ月連続対前年同月比増加(図表4、5)
⑤ 韓国・台湾向け:16.6%増、6 ヶ月連続対前年同月比増加(図表4、5、6、7)
⑥ ASEAN・南アジア向け:58.7%増、3ヶ月連続対前年同月比増加(図表4、5、6、8、9)
⑦ その他地域向:91.4%増、3ヶ月連続対前年同月比増加(図表4、5、10)
(4) 業種別動向(図表11)
上位 21 業種中自動車等 20 業種が対前年同月比二桁増加。
(5) 機種別動向(図表12、13)
① 農業機械(北米向け中心)、TV(北米、EU向け中心)、貨物自動車(その他地域向け中心、4 ヶ月連続上位)、写真機の部分品・附属品(EU、北米向け中心、3ヶ月連続上位)、乗用車(北米、その他地域向け中心)、自動車部品(北米向け中心)、電動機(北米、中国向け中心、10ヶ月連続上位)、白物家電(北米、EU向け中心)等が対前年同月比で大きく増加
② デジカメ・ビデオ(北米、中国向け中心、3 ヶ月連続上位)等も好調に輸出が継続
③ 鉄道車両、原動力機械等が対前年同月比で大きく減少
(6) 機械輸入動向(図表14)
機械輸入額上位 12 機種のうち、電子ディバイス、乗用車、携帯電話、白物家電等 11 機種が対前年同月比で二桁増加
Ⅱ トピックス
2021 年 5 月の日本からの全商品輸出は、前年同月比 49.6%増と、4月の38.0%増に続き、大きく増加した。新型コロナウイルス感染症からの回復状況を測るために、2020 年 1 月からの全世界、ユーロ圏、米国、中国と日本からの輸出入額の伸び率を比較してみた。
まず輸入であるが、中国がいち早く昨年 5 月以降連続して前年同月比で増加しており、それに続いて米国も昨年10 月以降連続して増加している。ユーロ圏と日本は今年に入ってから前年同月比で急激に増加しており、全世界では今年に入ってから、輸入の伸び率が大きくなっている。
日本は通関統計、その他の地域は CPB Netherlands Bureau for Economic Policy Analysis のデータから作成
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最終更新:2021/07/3016:42