「最近の機械貿易動向(1 月)~機械輸出額 2 ヶ月連続で対前年同月比増加~」
日本機械輸出組合 2021.3.10
・2021 年 1 月の機械輸出額は 3 兆 5,593 億円、対前年同月比 4.3%増と、2 ヶ月連続で対前年同月比増加した。為替・営業日要因が 7.8%の増加寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は3.2%減となった。3 月 5 日発表の貿易統計速報によれば、2021 年 2 月上中旬の全商品輸出は0.5%減であった。
・1 月の機械輸出は、中国及び韓国・台湾向けが対前年同月比で大きく増加し、機械輸出額全体も 2020 年 12 月に続き、対前年同月比で増加した。
Ⅰ 要約
1. 全商品貿易動向(図表1)
① 全商品輸出額:5 兆 7,796 億円(対前年同月比 [以下同じ] 6.4%増、2 ヶ月連続対前年同月 比増加)
② 全商品輸入額:6 兆 1,049 億円(9.5%減、21 ヶ月連続対前年同月比減少)
③ 貿易収支:3,254 億円の赤字
2. 機械貿易動向
(1) 機械輸出入動向(図表2)
① 機械輸出額:3 兆 5,593 億円(4.3%増、2 ヶ月連続対前年同月比増加)
為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:3.2%減
② 機械輸入額:2 兆 1,938 億円(4.8%増、2 ヶ月ぶりに対前年同月比増加)
(2)為替・営業日動向
2021 年 1 月に 7.8%の増加要因、2 月に 11.3%の減少要因、3 月に 10.5%の増加要因。
(2021 年 3 月の為替要因は 3 月 9 日の東京市場のレートにより、仮計算)
(3)地域別動向
① 中国、韓国・台湾向けを除く 4 地域向けで対前年同月比減少(図表4、5)
② 北米向け:6.4%減、2 ヶ月連続 対前年同月比減少(図表4、5)
③ EU27 向け:4.8%減、16 ヶ月連続 対前年同月比減少(図表4、5)
④ 中国向け:26.5%増、2 ヶ月連続 対前年同月比増加(図表4、5)
⑤ 韓国・台湾向け:26.0%増、2 ヶ月連続 対前年同月比増加(図表4、5、6、7)
⑥ ASEAN・南アジア向け:1.8%減、25 ヶ月連続 対前年同月比減少(図表4、5、6、8、9)
⑦ その他地域向: 4.3%減、12 ヶ月連続 対前年同月比減少(図表4、5、10)
(4) 業種別動向(図表11)
上位 21 業種中産業機械等 14 業種が対前年同月比増加。
(5) 機種別動向(図表12、13)
① 半導体製造装置(韓国・台湾、中国向け中心)、産業用ロボット(中国、北米向け中心)、電動 機(中国、北米、EU向け中心)、通信機械部分品(中国向け中心)、電気・電子計測器(中国、 韓国・台湾向け中心)等が大きく増加
② 航空機部品、鉄道車両、船舶等が対前年同月比で大きく減少
(6) 機械輸入動向(図表14)
機械輸入額上位 12 機種のうち、電子計算機、携帯電話、電子ディバイス等 8 機種が対前年同 月比で増加
Ⅱ トピックス
近年輸出が増加している半導体製造装置であるが、2020年の輸出金額は2 兆 5,167億円である。機種別に見ると、乗用車、自動車部品、電子ディバイスに次いで 4 番目に多く、機械輸出額の5.9%を占めている。
半導体製造装置の上位輸出仕向け国は、世界トップ10に入る半導体企業本社が所在する米国(イン テル、マイクロン等)、韓国(サムスン電子、SKハイニックス等)、台湾(TSMC 等)、中国(ハイシリコン)の4ヶ国の他、トップ10に次ぐ半導体企業のインフィニオンのあるドイツや半導体の組み立てメーカーが多くあるシンガポール及びマレーシアに加え、イスラエルがある。
イスラエルはインテルの半導体製造工場(約 1 万人を雇用)がある他、半導体関連のベンチャー企業が 多く創業され、中東のシリコンバレーとも言われており、今後も日本からの半導体製造装置の輸出はコンスタントに継続されると思われる。
※上記で言う半導体製造装置とは、拡散炉、結晶引上装置、結晶研削機、ウエハー切断装置、ウエハー研削機、薄膜形成装置、ドーピング装置、エッチング及びレジスト剥離装置、リソグラフィ装置、露光したウエハーを現像する装置、半導体ディバイスまたは集積回路の組立て装置、半導体ディバイス用の物質の運搬・荷扱い及び保管のためのAMH(automated material handling) 機器、FPD用のスピナー、切断加工用の機器が含まれる。
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最終更新:2021/03/1216:22