「最近の機械貿易動向(11 月)~機械輸出額 25 ヶ月連続対前年同月比減少~」

2021/01/2713:00配信

Ⅲ 個別動向

1.全商品貿易動向~輸出は 24 ヶ月連続、輸入は 19 ヶ月連続で対前年同月比減少~

1) 2020 年 11 月の全商品輸出額は 6 兆 1,137 億円、前年同月比(以下同じ)4.2%減と 24 ヶ月連続で対前年同月比減少した(10月0.2%減)。これは、約19%を占める電気機器(1.0%増)や約12%を占めるプラスチック等化学製品(5.5%増)が増加したものの、約23%を占める自動車等輸送用機器(4.5%減)をはじめ、約19%の一般機械(3.0%減)、約10%の鉄鋼・非鉄金属等原料別製品(10.6%減)等が減少したためである。

2) 輸入額は 5 兆 7,475 億円、11.1%減と19ヶ月連続で対前年同月比減少した(10 月 13.3%減)。これは、 全輸入額の約21%を占める電気機器(15.0%増)が増加したものの、約14%の原粗油等鉱物性燃料(40.2%減)、約 11%の医薬品等化学製品(9.2%減)や約10%の一般機械(1.8%減)、約9%の原料別製品(8.2%減)等が減少したことによる。 

3) この結果、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、5ヶ月連続で黒字(3,661億円、10月は 8,717 億円の黒字)となった。

2.機械貿易動向

(1)機械輸出入動向~輸出は 25 ヶ月連続で前年同月比減少、輸入は 14 ヶ月ぶりに対前年同月比増加~

1)全商品輸出額の約64%を占める 11 月の機械輸出額は 3 兆 9,349 億円、3.0%減と25ヶ月連続で対前年同月比減少した(10月0.3%減)。なお、為替・営業日要因を除いた実質的伸び率3.9%増であった。 

2)一方、全商品輸入額の約37%を占める機械輸入額は、2 兆 1,488 億円、3.1%増と14ヶ月ぶりに対前年同月比増加した(10月 8.1%減)。

(2)為替・営業日動向~11 月は 6.6%の減少要因、12 月は 1.9%の減少要因~

1)2020年11月1 ドル=104.7円となり、前年に比べ 3.8%の円高となった。また、対ユーロ123.3 円と前年に対して2.3%の円安となり、合わせて約1.7%の為替減少要因となった。営業日は前年に比べて1日少ないため、約5.0%の減少要因となり、合わせて約 6.6%の減少要因となる。11月の輸出額は3.0%減であったことから、実質的伸び率3.9%増と10ヶ月ぶりに前年同月比増加となった(10月4.1%減)。

2)2020年12月1ドル=104.1 円で前年比4.5%の円高、対ユーロ125.1円で前年比 3.8%の円安となり、合わせて約1.9%の為替減少要因となった。営業日は前年と同じため、合計で約1.9%の減少要因 となる。

3)2021年1月は、対ドルが1月22日17:00時点の103.7 円とすれば、前年比5.1%の円高、また、対ユーロ126.0円3.5%の円安となり、合わせて約2.3%の為替減少要因となる。営業日は前年と同じであるが、中華圏における春節の影響を考慮すると、約 10.3%の増加要因となり、合計で約7.8%の増加要因となる。

(3)地域別動向~微増した北米向けを除き、他の 5 地域向けで前年同月比減少~ 

 機械輸出額の地域的動きをみると、①全体の25.4%を占める北米向けでは、産業機械(5.6%減)、航空機部品(37.4%減)等が減少したものの、54%を占める自動車(6.5%増)、電池等軽電気機械(12.5%増)等が 増加し、0.04%の微増となった。②10.0%を占める EU(英国を除く 27 ヶ国)向けは、産業機械(8.5%増)、白物家電・電池等軽電気機械(10.8%増)等が増加したものの、36%を占める自動車(14.4%減)、理化学用機器等軽機械(4.5%減)等が減少して 3.9%の減少となり、③24.1%を占める中国向けでは、23%を占める産業機械(0.8%増)、20%を占める自動車(3.1%増)、9%の配電機器等軽電気機械(9.6 増)等が増加したものの、13%を占める電子ディバイス(18.5%減)等が大きく減少して0.6%減となった。④10.2%を占める韓国・台湾向けは、電子ディバイス(6.3%増)、電気・電子計測器等軽電気機械(6.4%増)等が増加したものの、産業機械(4.3%減)、自動車(20.3%減)が減少して2.2%減となり、⑤13.7%のASEAN・南アジア向けは、マレーシ ア(7.0%増)、パキスタン(76.1%増)が増加したものの、インドネシア(36.5%減)、フィリピン(22.7%減)、インド (14.5%減)等が二桁の減少となり、業種でも電子ディバイス(10.9%増)が増加したものの、産業機械(1.6%減)、自動車(21.3%減)等が減少して 11.2%減となった。⑥14.8%のその他地域向けでは、大洋州(12.7%増) 向け等が増加したものの、中近東(13.6%減)、アフリカ(9.0%減)向け等が減少し、業種でも船舶(24.0%増) が増加したものの、64%を占める自動車(6.3%減)、産業機械(4.0%減)等が減少して 2.6%の減少となった。 ⑦11 月は、微増した北米向けを除いた 5 地域全てにおいて、対前年同月比で輸出額が減少し、機械輸出全体でも 3.0%減と対前年同月比の減少幅が拡大した(10 月は 0.3%減)。全体的に 10 月に比べて輸出環境の改善がストップした。

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最終更新:2021/01/2713:05

日本機械輸出組合