最近の機械貿易動向(9 月)~機械輸出額 23 ヶ月連続対前年同月比減少~
日本機械輸出組合 2020.11.18
・2020 年 9 月の機械輸出額は 3 兆 8,453 億円、対前年同月比 5.2%減と、23 ヶ月連続で対前年同月比減少し、リーマンショック以降で対前年同月を下回った最長期間を更新している。為替・営業日要因が 5.3% の増加寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は 10.0%減となった。11 月 18 日発表の貿易統計速報による簡易計算では、2020 年 10 月の機械輸出は 0.2%減であった。
・6 月以来、機械輸出額の対前年同月比減少幅の縮小は続いており、日本からの機械輸出環境は改善されてきているが、感染再拡大の懸念もあり、新型コロナウイルス感染症収束の見通しが立っていないため、今後も予断を許さない状況である。
Ⅰ 要約
1. 全商品貿易動向(図表1)
① 全商品輸出額:6 兆 541 億円(対前年同月比 [以下同じ] 4.9%減、22 ヶ月連続対前年同月比減少、リーマンショック以降で対前年同月を下回った期間が最長)
② 全商品輸入額:5 兆 3,663 億円(17.4%減、17 ヶ月連続対前年同月比減少)
③ 貿易収支:6,878 億円の黒字
2. 機械貿易動向
(1) 機械輸出入動向(図表2)
① 機械輸出額:3 兆 8,453 億円(5.2%減、23 ヶ月連続対前年同月比減少、リーマンショック以降で対前年同月を下回った期間が最長)
為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:10.0%減
② 機械輸入額:1 兆 8,306 億円(14.4%減、12 ヶ月連続対前年同月比減少)
(2) 為替・営業日動向
2020 年 9 月に 5.3%の増加要因、10 月に 4.0%の増加要因、11 月に 6.7%の減少要因。
(11 月の為替要因は 11 月 17 日の東京市場のレートにより、仮計算)
(3)地域別動向
① 北米、中国、韓国・台湾の 3 地域向けで対前年同月比増加(図表4、5)
② 北米向け:1.2%増、14 ヶ月ぶり対前年同月比増加(図表4、5)
③ EU27 向け:10.0%減、12 ヶ月連続対前年同月比減少(図表4、5)
④ 中国向け:9.6%増、3 ヶ月連続で対前年同月比増加(図表4、5)
⑤ 韓国・台湾向け:3.0%増、2 ヶ月ぶり対前年同月比増加(図表4、5、6、7)
⑥ ASEAN・南アジア向け:20.0%減、21 ヶ月連続対前年同月比減少(図表4、5、6、8、9)
⑦ その他地域向: 19.9%減、8 ヶ月連続対前年同月比減少(図表4、5、10)
(4) 業種別動向(図表11)
上位 21 業種中電子ディバイス等 7 業種が対前年同月比増加。
(5) 機種別動向(図表12、13)
① 鉄道車両(ASEAN・南アジア、その他地域向け中心、3 ヶ月連続上位)、電気・電子計測器 (中国、北米、韓国・台湾向け中心)、半導体製造装置(中国、韓国・台湾向け中心、3 ヶ月連続上位)、電動機(北米、中国向け中心)、農業機械(北米向け中心)が対前年同月比二桁の伸び
② 携帯電話、船舶、航空機部品、時計等が対前年同月比で大きく減少
(6)機械輸入動向(図表14)
機械輸入額上位 12 機種のうち、電子計算機、受信変換その他送受信機器、白物家電、TV の 4 機種が対前年同月比で増加
Ⅱ 個別動向
1. 全商品貿易動向~輸出は 22 ヶ月連続、輸入は 17 ヶ月連続で対前年同月比減少~
1) 2020 年 9 月の全商品輸出額は 6 兆 541 億円、前年同月比(以下同じ)4.9%減と 22 ヶ月連続で対前年同月比減少した(8 月 14.8%減)。これは、約 19%を占める電気機器(1.0%増)や約 12%を占めるプラス チック等化学製品(1.7%増)が増加したものの、約 23%を占める自動車等輸送用機器(7.2%減)をはじめ、約18%の一般機械(7.8%減)、約 10%の鉄鋼・非鉄金属等原料別製品(11.3%減)等がそれ以上に減少したためである。
2) 輸入額は 5 兆 3,663 億円、17.4%減と 17 ヶ月連続で対前年同月比減少した(8 月 20.8%減)。これは、 全輸入額の約17%を占める電気機器(16.5%減)をはじめ、約15%の原粗油等鉱物性燃料(38.7%減)、約11%の医薬品等化学製品(12.4%減)や約 10%の一般機械(9.0%減)等が減少したことによる。
3) この結果、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、3 ヶ月連続で黒字(6,878 億円、8 月は 2,486 億円の黒字)となった。
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最終更新:2020/12/0317:52