最近の機械貿易動向(1 月)~機械輸出額 15 ヶ月連続減少~

2020/03/1718:37配信

日本機械輸出組合 2020.3.12

2020 年 1 月の機械輸出額は 3 兆 4,128 億円、対前年同月比 3.8%減と、15 ヶ月連続で前年同月比減少した。これは、①韓国・台湾、その他地域向け以外の4地域向けで前年同月比減少したこと、②21業種中13業種が減少したことなどによる。為替・営業日要因が8.9%の減少寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は5.6%増となった。2020年2月の為替・営業日要因は3.0%の増加寄与要因となっているが、3月6日発表の貿易統計速報によれば 2 月上中旬の全商品輸出は0.8%減であった。 

Ⅰ 要約 

1. 全商品貿易動向(図表1) 

① 全商品輸出額:5 兆 4,312 億円(前年同月比 [以下同じ] 2.6%減、14 ヶ月連続減少) 

② 全商品輸入額:6 兆 7,444 億円(3.5%減、9 ヶ月連続減少) 

③ 貿易収支:1 兆 3,132 億円の赤字

2. 機械貿易動向

(1) 機械輸出入動向(図表2) 

① 機械輸出額:3 兆 4,128 億円(3.8%減、15 ヶ月連続減少) 為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:5.6%増 (5 ヶ月ぶり増加) 

② 機械輸入額:2 兆 939 億円(5.8%減、4 ヶ月連続減少)

(2) 為替・営業日動向 

2020 年 1 月に 8.9%の減少要因、2 月に 3.0%の増加要因、3 月に 1.7%の増加要因。

(3) 地域別動向 

① 韓国・台湾、その他地域向けを除き、4 地域向けで前年同月比減少(図表4、5) 

② 北米向け:7.9%減、6 ヶ月連続減少(図表4、5) 

③ 中国向け:2.3%減、2 ヶ月ぶり減少(図表4、5) 

④ ASEAN・南アジア向け:6.6%減、13 ヶ月連続減少(図表4、5、6、8、9) 

⑤ EU向け:8.3%減、6 ヶ月連続減少(図表4、5) 

⑥ 韓国・台湾向け:0.4%増、3 ヶ月連続増加(図表4、5、6、7) 

⑦ その他地域向: 5.4%増、4 ヶ月ぶり増加(図表4、5、10)  

(4) 業種別動向(図表11) 

上位 21 業種中 8 業種が増加。そのうち船舶・鉄道車両が二桁の伸び 

(5) 機種別動向(図表12、13) 

① 船舶(その他地域、ASEAN・南アジア向け中心)、鉄道車両(中国、その他地域、ASEAN・南 アジア向け中心)等が大きくプラス 

② 携帯電話、通信機械部分品、建設機械、工作機械等が大きく減少 

(6) 機械輸入動向(図表14) 

機械輸入額上位 12 機種のうち、電子計算機、乗用車、受信変換その他送受信機器の 3 機種が増加 

Ⅱ トピックス 

1.【中国】2019年のスマホ出荷台数が前年割れ。5G スマホの普及に期待

 2019年の中国のスマホ出荷台数は、前年比7.5%減の3億6,670万台と低迷した。3年連続で前年割れとなった。首位のファーウェイは1億4,000万台を出荷し、シェアは38.3%で前年から大きく増加した(ファーウェイは出荷台数を増加させた唯一の主要メーカーとなった)。次いで、Vivo(18.1%)、Oppo(17.1%)の順となった。 中国では、すでに5G商用サービスが始まっており、世界の5G市場をリードする。ファーウェイは8機種の5Gスマホを発売、690万台以上を出荷した。同社は基幹部品の半分近くの国産化を達成している。2020年には主要機種をすべて5G化する計画である。また、小米、Vivo、Oppo も5Gスマホを投入している。小米は2,000元以下の格安5Gスマホを発表し、注目を集めた。さらに、家電メーカーのハイセンスなど他業種の参入も相次いでいる。この他、出遅れているアップルの5G端末の発売も注目される。 2020年は5Gシフトが一気に加速すると期待されているが、新型肺炎の感染拡大が大きなリスクとなっている。 サプライチェーンや販売チャネルが長期的に影響を受ける可能性もあり、2020年第1四半期のスマホ販売が 前期比で5割近く減少するとの分析もある。

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最終更新:2020/03/1814:56

日本機械輸出組合