最近の機械貿易動向(12 月)~機械輸出額 14 ヶ月連続減少~
日本機械輸出組合 2020.2.20
2019 年 12 月の機械輸出額は 4 兆 2,099 億円、対前年同月比 6.5%減と、14 ヶ月連続で前年同月比減少 した。これは、① 中国、韓国・台湾向け以外の 4 地域向けで前年同月比減少したこと、② 21 業種中 18 業種が減少したことなどによる。為替・営業日要因が 2.9%の増加寄与要因だったことを考慮すると、実質 的な伸び率は 9.1%減となった。2020 年 1 月の為替・営業日要因は 10.5%の減少寄与要因となっているが、 2 月 19 日発表の貿易統計速報による簡易計算では、2020 年 1 月の機械輸出は 4.0%減であった。
Ⅰ 要約
1. 全商品貿易動向(図表1)
① 全商品輸出額:6 兆 5,768 億円(前年同月比 [以下同じ] 6.3%減、13 ヶ月連続減少)
② 全商品輸入額:6 兆 7,314 億円(4.9%減、8 ヶ月連続減少)
③ 貿易収支:1,546 億円の赤字
2. 機械貿易動向
(1) 機械輸出入動向(図表2)
① 機械輸出額:4 兆 2,099 億円(6.5%減、14 ヶ月連続減少) 為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:9.1%減 (4 ヶ月連続減少)
② 機械輸入額:2 兆 1,733 億円(1.6%減、3 ヶ月連続減少)
(2) 為替・営業日動向
2019 年 12 月に 2.9%の増加要因、2020 年 1 月に 10.5%の減少要因、2 月に 4.6%の増加要因。
(3) 地域別動向
① 中国、韓国・台湾向けを除き、4 地域向けで前年同月比減少(図表4、5)
② 北米向け:14.4%減、5 ヶ月連続減少(図表4、5)
③ 中国向け:3.7%増、10 ヶ月ぶり増加(図表4、5)
④ ASEAN・南アジア向け:15.8%減、12 ヶ月連続減少(図表4、5、6、8、9)
⑤ EU 向け:10.4%減、5 ヶ月連続減少(図表4、5)
⑥ 韓国・台湾向け:4.2%増、2 ヶ月連続増加(図表4、5、6、7)
⑦ その他地域向: 1.3%減、3 ヶ月連続減少(図表4、5、10)
(4) 業種別動向(図表11) 上位 21 業種中 3 業種が増加。そのうち光学機械が二桁の伸び
(5) 機種別動向(図表12、13)
① 原動力機械(ASEAN・南アジア、その他地域向け中心)、半導体製造装置(中国、韓国・台湾 向け中心)、その他の光学機器(中国、韓国・台湾向け中心)等が大きくプラス
② 鉄道車両、建設機械、携帯電話、産業車両等が大きく減少
(6) 機械輸入動向(図表14) 機械輸入額上位 12 機種のうち、携帯電話等 5 機種が増加
Ⅱ トピックス
1.【ベトナム】引き続き高い経済成長。消費市場としても注目が高まる
ベトナムの2019年の経済成長率は7.02%となった(政府は統計手法を変更しており、今後上方修正される 可能性がある)。製造業は前年比11%増、輸出は同8%増となった。米中貿易摩擦の影響から、ベトナムへの 直接投資が増加している。IMF は2020年の GDP 成長率を6.5%、一人当たり GDP は3,000ドルに達すると予 測している。一般に、一人当たり GDP が3,000ドルを超えると、自動車など耐久消費財の需要が増加すると言 われる。これまでは生産拠点として注目されてきたベトナムだが、消費市場としての重要性も高まってきた。
2019年のベトナムの自動車販売台数は前年比11.7%増の32.2万台となり、30万台の壁を突破した。地場メ ーカーも参入しており、ビングループが初の自社生産の国産ブランド車を発売し、注目を集めた(同社はスマ ホの生産・販売も行っている)。政府は、2025年に年間100万台に到達する可能性があると指摘している。 小売分野では、ロッテなど韓国勢の動きが加速している。また、ベトナムはスマホの普及から EC 市場が急 速に拡大しており、2025年にはインドネシアに次ぐ規模(244億ドル)になる見通しである。
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最終更新:2020/03/0618:29