「3D」のタグ一覧 (24件中21~24件を表示)
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点群からデジタルツインへ!建設界の3D技術イベントで見たバズワードとは
3Dレーザースキャナーやドローン(無人機)などによる3D計測技術テーマとした「SPAR3D」と、次世代建築技術をテーマとした「AEC NEXT」が、米国ロサンゼルスのアナハイムコンベンションセンターで2019年5月21日~23日、開催されています。 「SPAR3D」と「AEC NEXT」が共同開催されているアナハイムコンベンションセンター(以下の写真:家入龍太) 初日の講演「変化に備えよ!BIMからデジタルツイン、機械学習、AIへ」(原題:Preparing for Change:Beyond BIM to Digital Twin, Machine Learning & AI) もともと、別々に開催されていた両イベントですが、2018年から共同開催されています。初日に行われた講演「変化に備えよ!BIMからデジタルツイン、機械学習、AIへ」では、 ナ、ナ、ナ、ナント、 建設界の最新バズワード がポンポン飛び出したのです。 初日の講演で飛び出したバズワードその1「デジタルツイン(Digital Twin)」 その代表例が、「デジタルツイン」(電子の双子)というものでした。講演者による定義では「物理現象やシステムをライフサイクル全体にわたってデジタルデータで表現したもの」です。 BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と非常に近い概念ですが、デジタルツインは実物を忠実にデジタルデータで表現したものです。いわば実物の変化に伴って更新され続ける「竣工BIMモデル」という、実物ありきのデジタルモデルということですね。 SPAR3Dは実物をデータ化する方向で、逆にAEC NEXTはBIMモデルを元に建物を建設する方向のイベントでしたから、両者の特徴が一体化した「デジタルツイン」という言葉は、両イベントの共同開催のたまものかもしれませんね。 このほか、飛び出したワードは「コネクテッド(Connected)」というものです。建物を取り巻く様々な情報がデジタル化されることにより、クラウドやコンピューターで情報を連携し、より合理的な運用を実現するというニュアンスを感じました。 バズワードその2「コネクテッド・アーキテクチュア」のイメージ図 さらにもう一つ、デジタルツインの効果をより積極的に生かそうという意思が感じられた言葉が「予測可能(Predictable)」というものです。 言ってみれば、BIMや点群データなどを使って施工手順や完成後の状態を「シミュレーション」するのと同じような意味です。しかし単に解析するだけでなく、将来のことを意識的に「予測する」という行動に結びつける言葉にすることで、積極的な解決の促進という力強さを感じまくした。 バズワードその3「予測(Predict)」もデジタルツインによって促進される行動となりそうだ そして、建物を取り巻くあらゆることがデジタル化されることで、BIMが一歩進むバズワードとしては オートメーション という言葉もありました。 バスワードその4、デジタル化で可能になってくる設計の「オートメーション化」 「Automated」か「Automating」かによって、微妙な戦略的な意味合いの違いも出てきますが、敷地の形に応じて建物の軸線を変えると部屋の配置や形が自動的に変わるといった程度の「BIMのオートメーション」は、既に実現されているということです。 建物の敷地に応じて部屋の配置などを変える「BIMのオートメーション」は既に実現されている まだ始まったばかりですが、「デジタルツイン」をスピーディーに作れる測量機器の新製品なども続々と登場しています。これから展示会場などもリポートしていきたいと思いますので、ご期待ください。
2019/05/22 12:18 株式会社イエイリ・ラボ
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思わぬミスも発見!3DモデルをVR化する「SYMMETRY」の実寸大効果
建物や構造物の3次元モデルを、バーチャルリアリティー(VR)で実物大、立体視するためのソフトが進化してきました。 シンメトリー・ディメンジョンズ(SYMMETRY Dimensions。本社:米国デラウエア州)が開発・販売する「SYMMETRY」というソフトもその一つ。ワンクリックで3DモデルをVR用のデータに変換できます。 2019年5月20日にリリースした、「SYMMETRY製品版」のバージョン1.2では、複数の人がVR空間内に集まり、デザインなどを検討する機能が充実しました。 複数人がVR空間に集まり、デザイン検討などを行う機能が充実した「SYMMETRY製品版バージョン1.2」の画面イメージ(以下の資料:特記以外はSYMMETRY Dimensions) 例えば、VR空間内の1カ所に全員が集まる「集合機能」や、リーダーについて歩く「追従機能」、VR空間内での「レーザーポインター機能」が追加されました。 VR空間内の1カ所に全員が集まる「集合機能」のイメージ リーダーについて歩く「追従機能」のイメージ そして、言葉が異なる人々の間でコミュニケーションしやすいように、 ナ、ナ、ナ、ナント、 翻訳機能も追加 されたのです。 VR空間内に音声メモで残した修正指示を、他の言語への翻訳することもできます。 翻訳機能の例。音声メモによる指示を日本語から英語に変換することができる このほか、SketchUp 2019へ対応や、視認性向上、ユーザーインターフェイスの改良などが行われました。 このソフトを体験し、「これは使える」と導入したのが、静岡県伊豆の国市に本社を置く正治組です。 同社では、1つのVRモデルに複数人が同時に入れる「オンライン・コラボレーション機能」を使って、現場の3Dモデルを事前に確認したり、VR空間内で打ち合わせをしたりすることで、“移動のムダ”を省いています。 VRゴーグルを付けて現場のイメージを共有している様子(以下の写真、資料:正治組) 先日、ある橋梁の橋台にアンカーを打って耐震補強を行う工事がありました。当初は、橋が建設された当時の2次元図面を見ながら工事を計画していました。 念のため、SYMMETRYを使って現場の点群データとSketchUpで作った橋の3Dモデルを重ね合わせて、実寸大で確認してみました。 SYMMETRYで点群データとSketchUpデータを重ね合わせ、現場シミュレーションを行った例 当初は特に問題ないと思っていた現場でしたが、土砂崩れ防止のために打設する 矢板と橋台が干渉 していたことが発見されたのです。 橋台わきに打設する予定の矢板が、橋台と干渉することを未然に発見 もし、この干渉に気づいていなかったら、矢板の打設工事は途中でストップし、重機のレンタル費や人件費など、大きな損失が生まれるところでした。 上の図を見ると、ほんのちょっとだけ、矢板が橋台に食い込んでいるのがわかりますね。3Dモデルを実寸大でみることで、縮尺による“情報の省略”がなくなるので、こうした不具合も発見しやすいのでしょう。 SYMMETRYで見た重機配置シミュレーション 実際の現場。狭い桁下空間に重機が計画通り入っている
2019/05/21 11:39 株式会社イエイリ・ラボ
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よいデザインを低価格で!オランダで世界最長の3Dプリント橋を建設
海外では、モルタル状の材料で造形する「3Dコンクリートプリンター」による建設プロジェクトが、建築・土木分野で続々と立ち上がっています。 特にオランダでは、政府がこの分野に力を入れていることもあり、これまでも「世界初の自転車橋」や3Dプリン専業の「サイビー・コンストラクション社」、「世界初の鋼製3Dプリント橋」など、当社サイトでも何度も取り上げています。 そこに、またまた新たなニュースが飛び込んできました。今度は、 ナ、ナ、ナ、ナント、 世界最長の3Dプリント橋 の建設を始めたというのです。 オランダ・ナイメーヘンに建設される世界最長の3Dプリント橋の完成予想図(以下の資料:Michiel van der KleyのVimeo動画より) 橋は30のパーツに分けて造形し、緊張ケーブルによって結合する この橋はオランダの公共事業・水管理局(Rijkswaterstaat)とナイメーヘン(Nijmegen)市によって、同市内に建設されるものです。 数式などを利用して形状を生み出す「パラメトリックデザイン」によって設計された橋は、30個のパーツに分けて作られ、その造形作業は2019年5月13日、2つの建設会社(BAM社とWeber Beamix社)が協同で設立した工場で始まりました。 しかし、これだけの規模の橋を3Dプリンターで建設した例はありません。そこで実橋に先だって、1径間分の「テストブリッジ」が作られ、アイントホーフェン工科大学(Eindhoven University of Technology)で様々なテストが行われました。 テストブリッジの造形作業 モルタル状の材料を吹き出すノズル。付着した余分な材料は手作業で丁寧に取り除く 部材同士の結合部分
2019/05/17 14:50 株式会社イエイリ・ラボ
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レーザードローン界に価格競争!FLIGHTSが600万円台の製品を市場投入
ドローンから3Dレーザー計測を行うシステムは、数年前なら2000万~3000万円する高価なものでしたが、最近は急速に価格が下がり、導入しやすくなってきました。 自社サイトでも、ドローン界のベンチャー企業、テラドローン(本社:東京都渋谷区)が700万円前後と、従来の3分の1~4分の1程度の低価格製品を発売したというニュースをお伝えしました(詳しくは019年1月18日付けの記事を参照) テラドローンが発売した700万円台のレーザードローン(写真:家入龍太) そんなところに今度は、ドローン総合事業を手がけるFLIGHTS(本社:東京都品川区)が、オーストラリアのエアサイト・オーストラリア社(Airsight Australia)と提携し、 ナ、ナ、ナ、ナント、 600万円台の新製品 「NextCore RN50」を市場に投入したのです。(FLIGHTSのプレスリリースはこちら) DJIのMatrice600 Proに搭載したレーザー計測システム(以下の写真、資料:FLIGHTS) 低価格な航空レーザーシステム「NextCore RN50」 これまでのレーザードローンは、高価なIMU(慣性航法ユニット)を搭載していたため、高価格でした。 今回、低価格化のポイントは、やはり高価なIMU(慣性航法ユニット)の工夫にありました。IMUとGNSS(全地球測位システム)を統合したことにより、高精度で低価格を実現したのです。 レーザー計測のハードには、Quanergy社製の「M8 LiDARユニット」を採用したことも低価格化を後押ししました。 重量は2.5kgと軽量のため、DJI製のドローン「Matrice600 Pro」に搭載でき、最大23分の飛行が可能です。 毎秒42万点の点群データを計測でき、秒速10mで飛行すると1回のフライトで最大50haを5cm以内の精度で計測できます。 この製品はIMUも使用しているため、GNSSだけで位置や姿勢の推定を行う方式よりも、高精度が実現できるとのことです。 「NextCore RN50」で計測した建物の点群データ 森林を上空から計測した点群データの例 計測した点群データは、エアサイト・オーストラリア社のソフトとクラウドシステムによって自動的に処理されるため、 GISエンジニアが不要 というメリットもあります。 「NextCore RN50」のスペック ドローンからデジタルカメラで空撮した写真を解析して地形の3Dモデルを作る方式に比べて、レーザー計測は茂みの上から地表面の形状や、多くの障害物に囲まれた構造物の形などを計測しやすいというメリットがあります。 ドローンレーザーの“低価格化競争”により、ユーザーにとってはこれまで“高嶺の花”とあきらめていた計測手法を採用する敷居がぐっと下がってきたのは歓迎すべきことですね。
2019/05/14 23:30 株式会社イエイリ・ラボ
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