点群からデジタルツインへ!建設界の3D技術イベントで見たバズワードとは
3Dレーザースキャナーやドローン(無人機)などによる3D計測技術テーマとした「SPAR3D」と、次世代建築技術をテーマとした「AEC NEXT」が、米国ロサンゼルスのアナハイムコンベンションセンターで2019年5月21日~23日、開催されています。
「SPAR3D」と「AEC NEXT」が共同開催されているアナハイムコンベンションセンター(以下の写真:家入龍太)
初日の講演「変化に備えよ!BIMからデジタルツイン、機械学習、AIへ」(原題:Preparing for Change:Beyond BIM to Digital Twin, Machine Learning & AI)
もともと、別々に開催されていた両イベントですが、2018年から共同開催されています。初日に行われた講演「変化に備えよ!BIMからデジタルツイン、機械学習、AIへ」では、
ナ、ナ、ナ、ナント、
建設界の最新バズワード
がポンポン飛び出したのです。
初日の講演で飛び出したバズワードその1「デジタルツイン(Digital Twin)」
その代表例が、「デジタルツイン」(電子の双子)というものでした。講演者による定義では「物理現象やシステムをライフサイクル全体にわたってデジタルデータで表現したもの」です。
BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と非常に近い概念ですが、デジタルツインは実物を忠実にデジタルデータで表現したものです。いわば実物の変化に伴って更新され続ける「竣工BIMモデル」という、実物ありきのデジタルモデルということですね。
SPAR3Dは実物をデータ化する方向で、逆にAEC NEXTはBIMモデルを元に建物を建設する方向のイベントでしたから、両者の特徴が一体化した「デジタルツイン」という言葉は、両イベントの共同開催のたまものかもしれませんね。
このほか、飛び出したワードは「コネクテッド(Connected)」というものです。建物を取り巻く様々な情報がデジタル化されることにより、クラウドやコンピューターで情報を連携し、より合理的な運用を実現するというニュアンスを感じました。
バズワードその2「コネクテッド・アーキテクチュア」のイメージ図
さらにもう一つ、デジタルツインの効果をより積極的に生かそうという意思が感じられた言葉が「予測可能(Predictable)」というものです。
言ってみれば、BIMや点群データなどを使って施工手順や完成後の状態を「シミュレーション」するのと同じような意味です。しかし単に解析するだけでなく、将来のことを意識的に「予測する」という行動に結びつける言葉にすることで、積極的な解決の促進という力強さを感じまくした。
バズワードその3「予測(Predict)」もデジタルツインによって促進される行動となりそうだ
そして、建物を取り巻くあらゆることがデジタル化されることで、BIMが一歩進むバズワードとしては
オートメーション
という言葉もありました。
バスワードその4、デジタル化で可能になってくる設計の「オートメーション化」
「Automated」か「Automating」かによって、微妙な戦略的な意味合いの違いも出てきますが、敷地の形に応じて建物の軸線を変えると部屋の配置や形が自動的に変わるといった程度の「BIMのオートメーション」は、既に実現されているということです。
建物の敷地に応じて部屋の配置などを変える「BIMのオートメーション」は既に実現されている
まだ始まったばかりですが、「デジタルツイン」をスピーディーに作れる測量機器の新製品なども続々と登場しています。これから展示会場などもリポートしていきたいと思いますので、ご期待ください。
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最終更新:2019/11/2018:08