最近の機械貿易動向(9 月)~機械輸出額 11 ヶ月連続減少~

2019/11/2512:10配信

Ⅲ 個別動向 

1. 全商品貿易動向~輸出は 10 ヶ月連続で減少、輸入も 5 ヶ月連続減少~ 

1) 2019 年 9 月の全商品輸出額は 6 兆 3,683 億円、前年同月比(以下同じ)5.2%減と10ヶ月連続で減少した(8月8.2%減)。これは、約 24%を占める輸送用機器(2.7%減)をはじめ、約19%を占める一般機械 (11.2%減)、約18%の電気機器(4.7%減)、約 11%のプラスチック等化学製品(2.1%減)等が減少したためである。 

2) 輸入額は 6 兆 4,931 億円、1.5%減と 5 ヶ月連続で減少した(8 月 11.9%減)。これは、全輸入額の約 17% を占める電気機器(4.0%増)、約10%の一般機械(1.2%増)等が増加したものの、約20%を占める原粗油等鉱物性燃料(19.1%減)、約9%の鉄鋼・非鉄金属等原料別製品 (1.3 減)等が減少したことによる。 

3) この結果、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、約1,248億円と3ヶ月連続で赤字(8 月は 1,435 億円の赤字)となった。

2.機械貿易動向 

(1)機械輸出入動向~輸出は 11 ヶ月連続減少、輸入は再び増加~ 

1)全商品輸出額の約64%を占める 9 月の機械輸出額は 4 兆 580 億円、6.4%減と 11 ヶ月連続で減少し(8 月 9.4%減)、その水準は、リーマンショック前(2007 年 9 月)と比べると 80.8%となって、前月に比べ て 5.4 ポイント悪化した(8 月 86.2%)。なお、為替・営業日要因を除いた実質的伸び率は 9.0%減であった。 

2)一方、全商品輸入額の約33%を占める機械輸入額は、2 兆 1,370 億円、3.2%増と 2 ヶ月ぶりに増加し(8 月 8.3%減)、リーマンショック前(2007 年 9 月)の水準に比べ、38.8%増となっている。

(2)為替・営業日動向~9 月は 2.8%の増加要因、10 月は 7.3%の減少要因~ 

1)2019年9月は1ドル=106.7円となり、前年に比べ 4.0%の円高となった。また、対ユーロは 117.8 円と前年に対して8.6%の円高となり、合わせて約 2.6%の為替減少要因となった。営業日は前年に比べて 1 日多いため、約 5.6%の増加要因となり、合計で約 2.8%の増加要因となる。9 月の輸出額は 6.4%減であったことから、実質的伸び率は9.0%減と再び前年同月比減少となった(8 月 1.7%増)。 

2)2019 年 10 月は 1 ドル=107.8 円で前年比 4.5%の円高、対ユーロは 118.6 円で前年比 9.4%の円高となり、合わせて約 2.9%の為替減少要因となった。営業日は前年に比べて 1 日少ないため、約 4.5%の減少要因となり、合計で約7.3%の減少要因となる。 

3)2019 年 11 月は、対ドルが 11 月 20 日 17:00 時点の 108.4 円とすれば、4.1%の円高、また、対ユーロは 120.0 円で 6.8%の円高となり、合わせて約 2.5%の為替減少要因となる。営業日は前年に比べて1 日少ないため、約 4.8%の減少要因となり、合計で約 7.1%の減少要因となる。

(3)地域別動向~その他地域向けを除き、5 地域向けで前年同月比減少~ 

1)機械輸出額の地域的動きをみると、①全体の23.7%を占める北米向けでは、約47%を占める自動車 (16.4%減)、産業機械(1.3%減)、航空機部品(5.2%減)等が減少し、10.6%減となった。②21.4%を占める中国向けでは、電子ディバイス(9.4%増)が増加したものの、産業機械(16.9%減)、自動車(12.9%減)、軽電気機械(1.5%減)等が減少して10.3%減となり、③15.7%の ASEAN・南アジア向けは、フィリピン(14.2%増) 向け等が増加したものの、タイ(12.2%減)、インドネシア(10.6%減)、パキスタン(51.7%減)等向けが二桁減少し、業種でも、産業機械(1.8%増)等が増加したものの、自動車(15.6%減)、軽電気機械(11.0 減)等が減少して 6.1%減となった。④12.3%を占める EU 向けは、自動車(20.1%増)、軽機械(4.2%増)等が増加したものの、産業機械(18.6%減)、軽電気機械(10.1%減)等が減少して 0.1%の微減となり、⑤9.9%を占める韓国・台湾向けは、電子ディバイス(8.5%増)が増加したものの、産業機械(11.9%減)、重電気機械 (20.0%減)等が減少して 5.4%減となった。⑥16.9%のその他地域向けでは、大洋州(10.6%減)向け等が減少したものの、中近東(5.8%増)、ロシア東欧等(2.5%増)等向けが増加し、業種でも、船舶(10.8%増)等が増加したものの、産業機械(12.7%減)、建設機械(2.5%減))等が減少して0.2%の微増となった。

2)また、リーマンショック前の 2007 年 9 月の地域別輸出額と比較すると、ASEAN・南アジア向けが 100% 台、中国向けが 90%台、韓国・台湾向けが80%台、北米、その他地域向けが70%台、EU向けが60%台となった。

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最終更新:2019/11/2514:50

日本機械輸出組合