もはや“警備員ロボ”!OKIが現場に置くだけの侵入監視システムを開発
工事現場で発生する重大事故は、クレーンの吊り荷の周辺や資材投下場所などの危険な場所に、不慣れな作業員が入ってしまうことが大きな原因となっています。
これまでは現場に警備員を配置し、現場を監視してきましたが、人手不足の昨今、多くの警備員を確保するのは難しくなりつつあります。
こうした問題を解決するため、OKIは「可搬型エリア侵入監視システム」を開発しました。
レーザー距離センサーと4台の広角カメラを一体化したセンサーユニットを、
ナ、ナ、ナ、ナント、
警備員代わりに置くだけ
で、周囲360°の範囲で危険場所(特定エリア)に人が侵入しないかを見張ってくれるのです。(OKIのプレスリリースはこちら)
レーザー距離センサーと広角カメラを一体化したセンサーユニット(図中左上)を置くだけで、周囲360°を監視する「可搬型エリア侵入監視システム」(以下の資料:OKI)
このシステムは、防水ケースにレーザー距離センサーとカメラを一体化したポールを取り付け、ケースに内蔵されたAI(人工知能)エッジコンピューター「AE2100」によって、人物を識別する機能を持たせたものです。
特定エリアに人物が近づくと、それを検知して付近にある無線警報器などの警告灯やブザーによって、その人や周辺の作業員に警報を発信します。
特定エリアとの距離によって、遠いときは小さな音で、さらに近づくと大きな音で段階的に警報が出せます。
また、特定エリア内で作業する人は、ヘルメットの色で区別することができるので、無用な警報は出しません。
無線警報器と本体との通信は、920MHz帯のマルチホップ無線で行い、監視情報はWi-FiやLTE、5G回線によってクラウドや現場事務所、施工管理者が持つスマートフォンとも共有できます。
本体の監視情報は、様々な無線によって警報の発信や情報共有に使える
特定エリアの設定は、
エリア設定アプリ
で簡単に設定や変更が行えます。
このシステムが優れている点は、距離センサーとカメラを一体化して、すぐに運んで設置できるようにしたところでしょう。
これまでも現場のセンサーや監視カメラなどによる監視システムはありましたが、センサーやカメラを別々に設置すると、工事の進ちょくに合わせて移動させる「盛り換え」や、カメラとセンサーの位置合わせが大変、面倒という面がありました。そのため、簡単に使いづらいという課題がありました。
その点、これらを一体化した今回のシステムは、システム全体をワンタッチで移動でき、キャリブレーションも不要なので、大幅に使いやすくなりました。
いわば、現場に立つ「警備員ロボット」が登場したと言っても、過言ではないでしょう。
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最終更新:2019/11/2018:08