着水して河床を計測!JR東、OKIらが水陸両用ドローン測深機を実験中

2019/10/1111:30配信

河川橋梁の維持管理では、橋脚付近の河床が洗くつなどによって異常に深くなっていないかを把握することが重要です。

東日本旅客鉄道(以下、JR東日本)ではこれまで、橋梁の上から重りの付いたロープを河底まで下ろして、河床の状況を測定しました。

しかし、橋桁から離れた場所の測深が難しかったり、流速が早い場合は測定精度が落ちるなどの課題もありました。

この問題を解決するため、開発が行われているのは、

ナ、ナ、ナ、ナント、


ドローン搭載型MNB測深機


なのです。(OKIのプレスリリースはこちら

「ドローン搭載型MNB測深機」の試作機

「ドローン搭載型MNB測深機」の試作機(以下の写真、資料:OKI)



この“空飛ぶ水中測深装置”は、「マルチ・ナロー・ビーム(Multi Narrow Beam)」という深浅測量用の機器を、水陸両用にドローン(無人機)に搭載したものです。

ドローンのように陸上から飛び立ち、水深を測定したいところに着水します。

そして、機器から水中に扇状に音波を放射し、その反射音から広い範囲の水深を測定しします。着水した後は、ボートのように水面を自由に移動できます。

浅瀬に遭遇した場合は、離水して移動することができます。

河床調査の手順イメージ



JR東日本が設立したオープンイノベーション組織、「JR東日本モビリティ変革コンソーシアム」に参加しているJR東日本OKIFPV Robotics(本社:東京都渋谷区、以下FPV)はこのほど、この装置を使い、河床状況調査の作業効率化と安全性向上目指す実証実験を始めました。

測深装置部は、OKIシーテックが開発した無人ボート「CARPHIN V」に使われているものをさらに小型化し、FPVが開発した水陸両用ドローンに搭載しました。

測深装置部は無人ボート「CARPHIN V」のものを小型化した



そして調査対象場所への飛行から着水、水上航行と測深、離水から陸上への帰還までの一連のプロセスを、遠隔操作や自動制御で行うことが可能なりました。

ドローン関連の製品や技術は、海外で開発されたものが目立ちますが、今回の測深機は、測深機からドローン機体、ソフトウェアまでも、すべてを国産化しています。

OKIはこのドローン搭載型MNB測深機を、「CARPHIN air(カーフィンエア)」という製品名で、


2020年度の第3四半期


に発売することを目指しています。

ご興味のある方は、2019年10月15日から18日まで、千葉市の幕張メッセで開催される「CEATEC 2019」のOKIブース(ホール4、期間番号:A005)に出展されますので、ご覧ください。

今回のケースでは、ドローンによって現場を計測すると言うよりも、ドローンによって計測装置を現場まで送り届ける使い方をしていると言えそうです。

地すべり崩壊地に加速度センサーやGNSS発信器などを設置する手段など、いろいろな使い方ができそうですね。

最終更新:2019/11/2018:07

株式会社イエイリ・ラボ