AI診断、3D化も自動で!日立システムズのドローン点検がセルフサービス化

2019/09/1310:40配信

日立システムズはドローン(無人機)を使って構造物の空撮や画像の加工、データ管理などをワンストップで行える「ドローン運用統合管理サービス」を2016年9月に開始しました。(詳細は、2019年9月15日付けのイエイリラボの記事を参照)

その後、大量の写真をAI(人工知能)でチェックして劣化箇所を自動抽出したり、3次元管理台帳で劣化箇所を管理したりする機能などを追加してきました。(詳細は、2018年3月22日付けのイエイリラボの記事を参照)

そして、2019年8月30日には、ドローン空撮写真からの「3次元モデル作成」や「診断」、「管理」などを、

ナ、ナ、ナ、ナント、

ユーザー自身がボタン操作

で簡単に行えるクラウドサービスを追加したのです。(日立システムズのプレスリリースはこちら



橋梁をいろいろな角度から撮影した写真

橋梁をいろいろな角度から撮影した写真(以下の写真、資料:日立システムズ)



真から自動作成された3次元モデル

写真から自動作成された3次元モデル



ユーザーは構造物全体を網羅するように撮影した写真をクラウドにアップすると、自分自身で3次元モデルを作成できます。写真は縦方向90%、横方向60%のラップ立に応じた枚数が必要です。

また、写真と3次元モデルをひも付けて構造物の劣化箇所を一元管理する「3次元管理台帳」などの機能も、ユーザー自身がクラウド上のメニューを操作して簡単に使えます。

こうした“セルフサービス”が生まれた背景には、ユーザー層の拡大があります。

ドローン運用統合サービスが登場した当初は、橋梁やトンネルなど大規模な土木インフラを点検・補修する建設コンサルタントやゼネコンなどが中心でした。

しかし、最近はマンションや商業ビルなどの住宅やビル施設を管理・点検する不動産事業者や点検事業者がドローンを使って劣化状況を把握したいというニーズも増えてきたのです。


ドローン運用統合管理サービス

「ドローン運用統合管理サービス」の画面例



このセルフサービス化により、価格体系もリーズナブルになりました。これまでは定額制でしたが、利用する機能やデータ処理した画像枚数単位で課金する月額従量制に変更したのです。

例えば、AIを用いて劣化箇所を抽出した場合は、

画像1枚当たり200円

です。

また、3次元モデル生成機能を使った場合、画像1枚当たり30円となります。(月額の基本使用料、3万円は必須)

これからの建設業界は、人手不足問題がますます深刻化していきます。専門家を多く雇うことはもはや期待できませんので、AIにできる仕事はAIに担当させるワークフローの構築がそろそろ求められ始めたのかもしれません。



最終更新:2019/11/2018:09

株式会社イエイリ・ラボ