株式会社 小松製作所 2020年3月期第1四半期決算短信〔米国基準〕(連結)
1.当四半期決算に関する定性的情報
(1)連結経営成績に関する定性的情報
コマツは、2021 年の創立100 周年とその先の成長を目指し、本年4 月より2022 年3 月期をゴールとする3 カ年の中期経営計画「DANTOTSU Value - FORWARD Together for Sustainable Growth」をスタートし、①イノベーションによる価値創造、②事業改革による成長戦略、③成長のための構造改革、を成長戦略3本柱として掲げ、収益向上とESG の課題解決の好循環による持続的成長を目指し、活動を開始しました。
本中期経営計画の初年度となる2020 年3 月期の第1 四半期(2019 年4 月1 日から2019 年6 月30 日まで)において、連結売上高は6,097 億円(前年同期比5.6%減)となりました。建設機械・車両部門では、北米やオセアニアにおいて鉱山機械の需要が引き続き堅調であったものの、中国、アジアを中心に需要が減少したことなどから、売上げは前年同期を下回りました。産業機械他部門では、自動車業界向けの鍛圧機械及び工作機械の販売が減少したことに加え、半導体市場でのエキシマレーザー関連製品の販売減少もあり、売上げは前年同期を下回りました。
利益につきましては、建設機械・車両部門の販売量減少や地域構成差による影響などにより、営業利益は747 億円(前年同期比22.2%減)となりました。売上高営業利益率は前年同期を2.6 ポイント下回る12.3%、税引前四半期純利益は669 億円(前年同期比28.0%減)、当社株主に帰属する四半期純利益は474億円(前年同期比24.6%減)となりました。
(注) セグメント別売上高は、注記のないものはすべてセグメント間取引消去前ベースです。
部門別の概況は以下のとおりです。
【建設機械・車両】
建設機械・車両部門の売上高は 5,614 億円(前年同期比5.5%減)、セグメント利益は686 億円(前年同期比22.2%減)となりました。
中期経営計画の成長戦略 3 本柱の1 つであるイノベーションによる価値創造において、建設・鉱山機械及びユーティリティの電動化を重点項目の 1 つに掲げており、本年 4 月にドイツのミュンヘンにて開催された国際的な建設機械見本市「bauma2019」では、次世代を見据えたバッテリー駆動式ミニショベルを初出展しました。今後、早期の市場導入を目指していきます。
また、2015 年2 月にスタートした建設現場向けソリューション事業「スマートコンストラクション」を着実に推進し、これまでに国内においては 8,200 を超える現場に導入しました。海外においては、米国やドイツなどでパイロット導入し、本格導入に向けた活動を推進しています。安全で生産性の高いスマートでクリーンな「未来の現場」の早期実現のため、ICT 建機の更なる施工精度の向上を目指し、高精度なGNSS 位置補正情報取得に向けて取り組みました。今後は、既存の従来型建機に ICT 機能を提供する後付けキット「スマートコンストラクション・レトロフィットキット(仮称)」の提供を進めることで、建設現場のデジタルトランスフォーメーションを加速させていきます。
建設機械・車両部門の地域別売上高(外部顧客向け売上高) (金額単位:百万円)
(注) (※)「アジア」は日本及び中国を除きます。
地域別の概況は以下のとおりです。
<日本>
日本では、2017 年9 月に施行された新排出ガス規制に伴う駆け込み需要の反動減からの回復があったものの、中古車販売の減少などにより売上げは前年同期並みとなりました。
<米州>
北米では、一般建機・鉱山機械ともに需要が引き続き堅調であり、売上げは前年同期を上回りました。中南米では、ブラジルにおける一般建機の需要が堅調に推移したものの、アルゼンチンの経済情勢が引き続き悪化していることに加え、鉱山機械の需要が低調であることなどにより、売上げは前年同期を下回りました。
<欧州・CIS>
欧州では、主要市場であるドイツ、英国、フランスに加え、東欧などでの需要が堅調であり、売上げは前年同期を上回りました。
CIS では、鉱山機械の需要が引き続き堅調であることに加え、部品・サービスの売上げが伸長したことにより売上げは前年同期を上回りました。
<中国>
中国では、米中貿易摩擦が長期化し、国内経済の不透明感が強まる中、一般建機の需要が減少したことにより売上げは前年同期を下回りました。
<アジア・オセアニア>
アジアでは、燃料炭価格の下落に伴い、最大市場であるインドネシアでの鉱山機械の需要が減少したことに加え、各国における選挙の影響もあり、売上げは前年同期を下回りました。
オセアニアでは、鉱山機械の需要が引き続き堅調であり、売上げは前年同期を上回りました。
<中近東・アフリカ>
中近東では、イエメンの内戦に伴う各国政府の緊縮財政の影響が続いているものの、UAE 向けの石油ガス開発、住宅地開発の大型案件受注などにより、売上げは前年同期を上回りました。
アフリカでは、鉱山機械の需要が低調に推移したことなどにより、売上げは前年同期を下回りました。
【リテールファイナンス】
リテールファイナンス部門では、北米などにおいて増収となったことから、売上高は172 億円(前年同期比21.2%増)となりました。セグメント利益は、前年度に実現した中国の債権回収に伴う引当金の戻 し益がなくなったこともあり、34 億円(前年同期比 38.0%減)となりました。
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最終更新:2019/11/2018:08