日野と三菱ふそうの新持株会社の概要について
日野自動車株式会社
三菱ふそうトラック・バス株式会社
- 新持株会社の名称「ARCHION株式会社」、本社所在地、経営陣を発表
- 「商用車の未来をともに作る」という目標のもと、お客様を起点にすべてを 考え、持続可能な輸送に貢献していく
- 統合プラットフォーム戦略:統合による相乗効果の創出に向け、商品力向上、技術開発加速、製品・ユニットのバリエーション最適化、スケールメリット最大化、 製品ポートフォリオ充実、投資効率化を目指す
- 開発、調達、生産・物流などの各機能の強みを集結し最適化。2028年末までに 国内のトラック生産拠点を5か所から3か所へ集約予定
- 包括的なシナジー戦略により競争力向上、競合他社同等以上の収益レベルを目指す
日野自動車株式会社(代表取締役社長・CEO:小木曽 聡、以下日野)と三菱ふそうトラック・バス株式会社(代表取締役社長・CEO:カール・デッペン、以下三菱ふそう)は、2025年6月10日にダイムラートラック社(CEO:カリン・ラドストロム、以下ダイムラートラック)およびトヨタ自動車株式会社(社長・CEO:佐藤 恒治、以下トヨタ)と4社で締結した経営統合に関する最終合意(DA)* に基づき2026年4月1日に事業開始を予定している持株会社ARCHION(アーチオン)株式会社(以下ARCHION)の名称をお知らせします。
*2025年6月10日「ダイムラートラック、三菱ふそう、日野、トヨタ、 三菱ふそうと 日野の統合に関する最終合意を締結」
新持株会社名「ARCHION」は、英語で弓型の構造物を意味する「ARCH」と、遠い過去から未来まで続く様子を意味する英語の「EON(ION)」を融合させた言葉です。会社とステークホルダー、そして三菱ふそうと日野をつなぐ絆を、また、輸送の未来を創造し、より良い暮らしを次世代に受け継いでいく志を表しています。
「商用車の未来をともに作る」という目標のもと、ダイムラートラック、三菱ふそう、日野、トヨタの4社に共通する、「モビリティを通じて豊かな社会に貢献する」という想いをARCHIONは体現していきます。
ARCHIONグループ(持株会社であるARCHIONと事業会社である日野と三菱ふそう)として、統合を通じて事業効率を高め競争力を磨きつつ、地球環境に優しく安全なクルマを普及させることで、社会における移動の価値を高めていくことを目指します。
ARCHIONグループは、上記の実現に向けて、以下、本経営統合によるシナジー創出のための主要戦略を発表します。
◼お互いの強みを掛け合わせる「統合プラットフォーム戦略」
我々の競争力を高める主要戦略として「統合プラットフォーム戦略」を推進します。 大型、中型、小型トラックのプラットフォームを統合し、両社の強みを活かして製品の競争力を引き上げるとともに、コスト効率性を高め、より良い商品をタイムリーに市場投入できる体制を実現します。加えて、日野とふそうの両ブランドの車両をお互いに活用することで、より充実した製品ポートフォリオをお客様に提供していきます。
◼スケールメリットを活かした競争力・効率性の向上
統合プラットフォーム戦略を支える開発、調達、生産、物流などの機能の統合・効率化にも積極的に取り組み、事業効率を大きく高めていきます。開発機能の統合を通じて、重複投資の削減を図るとともに、リソースの最適配置および有効活用を進めることで、製品プラットフォームの統合をタイムリーに実現し、将来のイノベーションを支える基盤を構築します。
調達においては、購買機能を統合し購買ボリュームを集約することで直接・間接調達の幅広いカテゴリーにおいて大幅なコスト削減を図るとともに、製品統合によるスケールメリットを活かしたさらなる効率化にも取り組みます。
さらに、生産拠点・物流ネットワークを最適化することで、コスト・品質・リードタイムを改善するとともに、統合プラットフォーム戦略の実現を推進します。2028年末までに、現在5か所ある国内のトラック生産拠点を川崎製作所(神奈川県川崎市)・古河工場(茨城県古河市)・新田工場(群馬県太田市)の3か所に集約します*。
間接機能においても、機能集約化・重複領域の最適化を進め、コスト効率化と業務の 卓越性を両立させます。
* 日野の羽村工場は、2025年6月10日付発表の通りトヨタへ移管。
三菱ふそうの中津工場の生産は川崎製作所へ集約。
◼CASE技術を通じた持続可能な社会への貢献
統合・効率化を通じて生み出したリソースを、特に既存技術の進化とCASE技術開発の加速に向けた投資へと振り向け、お客様・社会の期待に応えつつさらなる事業成長を実現していきます。
トヨタ、ダイムラートラックを含めた4社の技術資本とスケールメリットを生かし、電動車の各セグメントで市場をリードする製品を開発していきます。特に水素領域に関しては、ダイムラートラックとトヨタの協業により両社の強みを合わせることで、世界トップレベルの燃料電池システムを開発し、普及を図ってまいります。また、自動運転領域においても開発を加速させていきます。コネクテッド領域では、車両データの効果的な活用により、より高いお客様への価値を提供するソリューションの強化につなげていきます。
日野と三菱ふそうは、上記のシナジーを基盤としつつ、両ブランドは市場で切磋琢磨し合うことでも互いの価値を高め、ARCHIONグループは、お客様に対してより良い商品を提供し、幅広いステークホルダーに対して持続的な貢献を続けていきます。
◼新持株会社の経営陣に関して
ARCHIONグループは、グループ全体の将来の技術ロードマップの策定および、研究開発や製品プラットフォームによる技術的シナジーの実現を目的として、新持株会社に最高技術責任者(CTO)のポジションを設立することを決定しました。
当ポジションは、日野の代表取締役社長を務める小木曽聡が就任予定であり、同時に取締役執行役員に指名されました。
さらに、透明性、業績、資本配分に関する財務体制を構築するため、三菱ふそうの代表取締役兼最高財務責任者(CFO)であるヘタル・ラリギが、CFOおよび代表取締役に指名されました。
これらの人事は、2026年4月1日の事業開始を予定日として発効する予定であり、必要な承認および取引の適時な完了を前提としています。それまでは、両氏とも現在の役職を継続します。
また、住友理工株式会社の社外取締役である伊勢清貴、およびダイムラートラックの副社長兼コーポレート・ディベロップメント部門責任者であるクリスチャン・ヘルマンが、取締役(非常勤)に指名されました。これらの人事も、2026年4月1日の事業開始を予定日として発効する予定です。
◼新会社概要
・社名: ARCHION(アーチオン)株式会社
・本社所在地: 東京都品川区
・役員体制: 本日時点で選任を予定しているのは以下の通り
代表取締役・最高経営責任者(CEO) カール・デッペン
代表取締役・最高財務責任者(CFO) ヘタル・ラリギ
取締役・最高技術責任者(CTO) 小木曽 聡
取締役(非常勤)伊勢 清貴
取締役(非常勤)クリスチャン・ヘルマン
※独立社外取締役4名は11月上旬に決定し、公表予定
・設立日: 2025年6月2日
・事業開始: 2026年4月1日
・資本構成: ダイムラートラックとトヨタはそれぞれ持分比率25%を保有する方針
・上場取引所: 東京証券取引所プライム市場への上場を目指す
・持株会社は日野と三菱ふそうの株式を100%保有する予定
◼トップコメント
「本日、私たちは共通のビジョンを実現するための次なる一歩を踏み出します。ARCHIONを通じて、アジアにおける商用車のリーディングカンパニーとなり、業界の変革を推進することで、お客様およびすべてのステークホルダーに貢献してまいります。
強力なブランドである日野とふそうのもと、私たちはお客様のニーズに応える優れた製品とソリューションを提供していきます。
ARCHIONを通じて、効果的かつ透明性の高いガバナンスを導入し、コンプライアンスの促進と財務パフォーマンスの向上を通じて信頼の構築を目指します」
(カール・デッペン、ARCHION代表取締役CEO候補者、三菱ふそう 代表取締役CEO)
「新グループの財務目標は明確な戦略に基づいています。それは、両社の統合によって生まれるシナジーと成長機会を最大限に引き出すと同時に、両社それぞれの独立した業績の継続的な向上にも取り組むことです。
私たちは、財務のレジリエンスとパフォーマンスを業界のベンチマーク水準へと引き上げることを目指しています。この戦略に沿った資本配分により、持続可能な価値創造を実現してまいります」
(ヘタル・ラリギ、ARCHION 代表取締役CFO候補者、三菱ふそう 代表取締役CFO)
「何よりもまず、お客様を起点に物事を考え、お客様のビジネスの成功に貢献することを目指します。私たちにはそれぞれの地域でお客様との強い絆があり、これをより確かなものとしていくために重要なのは、お客様や社会との接点である私たちの“商品”に磨きをかけていくことです。さらに、4社の力を合わせてCASE技術の開発を加速させ、商用車の未来をともに作ります。そのためにも互いに学び合い、多様性を尊重する企業文化を作り上げていきます」
(小木曽 聡、ARCHION取締役CTO候補者、日野 代表取締役社長)
さらに詳細な協業範囲や内容については、今後発表予定です。 本件は、関連する取締役会の承認を経た上で、株主の皆様や当局のご承認をいただくことを前提に進めてまいります。
最終更新:2025/10/0915:54