日立建機とディマーグ社が1.7tクラスのバッテリー駆動式ショベルの開発で協業
ディマーグ社がCES2024に出展した1.7tクラスのバッテリー駆動式ショベル
日立建機株式会社(執行役社長:先崎 正文/以下、日立建機)とアメリカ合衆国(以下、米国)のDimaag-AI, Inc. (CEO:Satish Padmanabhan/以下、ディマーグ社)は、このたび、1.7tクラスのバッテリー駆動式ショベルの開発で協業することをお知らせします。
ディマーグ社は、主に都市土木や屋内解体作業などに使用される1.7トンクラスの日立建機製ミニショベルに同社の電動化システム「ENCORE」を組み込み、バッテリー駆動式ショベルの試作機を開発します。それにあたり日立建機は、開発に必要なベース機の技術情報や電動化への要求仕様などを提供します。世界最大級のテクノロジー見本市「Consumer Electric Show (CES) 2024」(期間:2024年1月9日~12日、場所:米国ネバダ州ラスベガス)で初めて展示されたENCOREは、ディマーグ社の技術である高出力で交換可能なバッテリーモジュールや熱管理システム、インバーター、モーター、パワーエレクトロニクス、電気自動車(EV)用ソフトウエア、充電ステーションで構成されます。
試作機は今年12月の完成を見込み、2025年4月にドイツのミュンヘンで開催されるBauma2025で展示する予定です。日立建機はENCOREを使用したバッテリー駆動式ショベルを2027年に欧州市場に投入することをめざしています。
ディマーグ社のエンジニアリング担当副社長のイアン・ライト氏は、テスラ社の共同創業者の1人です。同氏は今回の協業への意気込みを表明し、「ENCOREは、安全で、終日稼働できる電池容量を備え、手頃な価格である、という当社の技術がつまったものであり、さまざまなオフロード車に展開されています。日立建機という業界の先駆者と提携して、ENCOREの裾野を広げられることを光栄に思います。このパートナーシップは、農業機械と建設機械の電動化を達成するための重要な一歩です。」とコメントしました。
日立建機 執行役常務 CTOパワー・情報制御プラットフォームビジネスユニット長兼研究・開発本部長 中村 和則は、「ゼロ・エミッションを実現するにあたり重要なことは、施工現場に日立建機の製品だけではなく、蓄電池などの関連製品と組み合わせたソリューションを提供することであり、そのためにはより多くのパートナーと連携して開発を進めることが鍵と考えています。今回の協業で使用するディマーグ社のバッテリーモジュールは汎用性が高く、さまざまな電動製品のバッテリーとしても使用できるため、現場の電動化がより促進されることが期待されます。ディマーグ社のような革新的な企業と提携できることを嬉しく思います。今後の協業を通じて私たちは電動建機のラインアップの拡充を図っていきます。」とコメントしました。
交換式バッテリーの挿入部