「最近の機械貿易動向(4 月)~機械輸出額 2 ヶ月連続で前年同月比増加~」
日本機械輸出組合 2021.6.16
・2021 年 4 月の機械輸出額は 4 兆 4,193 億円、対前年同月比 42.3%増と、2ヶ月連続で対前年同月比増となった。為替・営業日要因が1.0%の増加寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は40.9%増となった。6 月 16 日発表の貿易統計速報による簡易計算では、2021 年 5 月の機械輸出は55.3%増であった。
・4 月の機械輸出は、前年同月の伸び率が大きく減少した反動もあり、6地域向けすべてで対前年同月比伸び率がニ桁となって機械輸出額全体が大きく伸びた。
Ⅰ 要約
1. 全商品貿易動向(図表1)
① 全商品輸出額:7 兆 1,805 億円(対前年同月比 [以下同じ] 38.0%増、2 ヶ月連続対前年同月比増加)
② 全商品輸入額:6 兆 9,275 億円(12.8%増、3 ヶ月連続で対前年同月比増加)
③ 貿易収支:2,531 億円の黒字
2. 機械貿易動向
(1) 機械輸出入動向(図表2)
① 機械輸出額:4 兆 4,193 億円(42.3%増、2 ヶ月連続対前年同月比増加)
為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:40.9%増
② 機械輸入額:2 兆 2,024 億円(11.5%増、4 ヶ月連続で対前年同月比増加)
(2) 為替・営業日動向
2021 年 4 月に 1.0%の増加要因、5 月に 1.6%の増加要因
(3) 地域別動向
① 6 地域向け全てで前年同月比二桁増加(図表4、5)
② 北米向け:61.2%増、2 ヶ月連続対前年同月比増加(図表4、5)
③ EU27向け:49.8%増、2 ヶ月連続対前年同月比増加(図表4、5)
④ 中国向け:28.8%増、5 ヶ月連続 対前年同月比増加(図表4、5)
⑤ 韓国・台湾向け:25.0%増、5 ヶ月連続 対前年同月比増加(図表4、5、6、7)
⑥ ASEAN・南アジア向け:39.9%増、2 ヶ月連続対前年同月比増加(図表4、5、6、8、9)
⑦ その他地域向:54.2%増、2 ヶ月連続対前年同月比増加(図表4、5、10)
(4) 業種別動向(図表11)
上位 21 業種中自動車等 19 業種が対前年同月比増加。
(5) 機種別動向(図表12、13)
① 貨物自動車(その他地域向け中心、3 ヶ月連続上位)、乗用車(北米、その他地域向け中心)、
半導体製造装置(中国、韓国・台湾向け中心)等が、対前年同月比で大きく増加
② 電動機(北米、中国向け中心、9 ヶ月連続上位)等も好調に輸出が継続
③ 鉄道車両、携帯電話等が対前年同月比で大きく減少
(6) 機械輸入動向(図表14)
機械輸入額上位 12 機種のうち、電子ディバイス、携帯電話、自動車部品等 10 機種が対前年同月比で増加
Ⅱ トピックス
2021 年 4 月の機械輸出は、前年同月比 42.3%増と、大きく増加した。これは、2020年に新型コロナウイルス感染症の影響で機械輸出が大きく落ち込んだことへの反動の要素が大きいと見られる。
新型コロナウイルス感染症は、2020年の年初に中国武漢から流行が始まったと報告されているが、2020年3 月から機械輸出の大幅減少が現れるようになり、同年 5 月がボトムとなっている。その後、前年同月比での落ち込み幅が少しずつ減少し、12 月には前年同月比増加するまでに回復してきている。 2020年の機械輸出の落ち込みが大きかっただけに、特に本年上期は前年同月比増の回復傾向が続くことが期待されるが、回復の強さを測るため、新型コロナウイルス感染症拡大前の 2019 年の各月の輸出額に戻ることを目安として試算したのが下表である。
2021 年 3 月は前年同月比 14.5%増と二桁の伸びを示したが、2019 年 3 月の水準に戻るには16.1%増であることが必要であるため、若干力不足であると言える。2021年 4 月は前年比 42.3%増となったが、37.6%増であれば 2019 年 4 月レベルに達していたことになるので、2019 年レベルを超える力強い回復であると言える。
今後 5 月以降、機械輸出の前年同月比増が続くとしても、2019年の水準に回復するためには引き続き高い伸び率が必要である。
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最終更新:2021/06/2115:56