「最近の機械貿易動向(2 月)~機械輸出額 3 ヶ月ぶりに対前年同月比減少~」
日本機械輸出組合 2021.4.14
・2021 年 2 月の機械輸出額は 3 兆 7,970 億円、対前年同月比 5.6%減と、3 ヶ月ぶりに対前年同月比減少した。為替・営業日要因が 10.9%の減少寄与要因だったことを考慮すると、実質的な伸び率は 6.0%増と なった。4 月 7 日発表の貿易統計速報によれば、2021 年 3 月上中旬の全商品輸出は 11.8%増であった。
・2 月の機械輸出は、中国及び韓国・台湾向けの対前年同月比伸び率が縮小し、その他の 4 地域向けも対前年同月比で減少して機械輸出額全体は 3 か月ぶりに対前年同月比で減少した。
Ⅰ 要約
1. 全商品貿易動向(図表1)
① 全商品輸出額:6 兆 382 億円(対前年同月比 [以下同じ] 4.5%減、3 ヶ月ぶり対前年同月比減少)
② 全商品輸入額:5 兆 8,224 億円(11.8%増、22 ヶ月ぶり対前年同月比増加)
③ 貿易収支:2,159 億円の黒字
2. 機械貿易動向
(1) 機械輸出入動向(図表2)
① 機械輸出額:3 兆 7,970 億円(5.6%減、3 ヶ月ぶり対前年同月比減少)
為替・営業日要因を除いた実質的伸び率:6.0%増
② 機械輸入額:1 兆 8,852 億円(26.1%増、2 ヶ月連続で対前年同月比増加)
(2) 為替・営業日動向
2021 年 2 月に 10.9%の減少要因、3 月に 10.5%の増加要因、4 月に 0.9%の増加要因。
(2021 年 4 月の為替要因は 4 月 13 日の東京市場のレートにより、仮計算)
(3) 地域別動向
① 中国、韓国・台湾向けを除く 4 地域向けで 2 ヶ月連続 対前年同月比減少(図表4、5)
② 北米向け:15.0%減、3 ヶ月連続 対前年同月比減少(図表4、5)
③ EU27向け:4.6%減、17 ヶ月連続 対前年同月比減少(図表4、5)
④ 中国向け:0.4%増、3 ヶ月連続 対前年同月比増加(図表4、5)
⑤ 韓国・台湾向け:4.9%増、3 ヶ月連続 対前年同月比増加(図表4、5、6、7)
⑥ ASEAN・南アジア向け:8.9%減、26 ヶ月連続 対前年同月比減少(図表4、5、6、8、9)
⑦ その他地域向:0.3%減、13 ヶ月連続 対前年同月比減少(図表4、5、10)
(4) 業種別動向(図表11)
上位 21 業種中産業機械等 10 業種が対前年同月比増加。
(5) 機種別動向(図表12、13)
① 電動機(北米、中国、EU 向け中心、7 ヶ月連続上位)、産業用ロボット(中国、北米向け中心、 4 ヶ月連続上位)等が、対前年同月比で大きく増加
② 航空機部品、発電機、金属加工機械等が対前年同月比で大きく減少
(6) 機械輸入動向(図表14)
機械輸入額上位 12 機種のうち、電子計算機、電子ディバイス、携帯電話等 11 機種が対前年同月比で増加
Ⅱ トピックス
2020 年の機械輸出は新型コロナ輸出感染症の大きな影響を受けた。2020 年 1 月から 2021 年 2 月にかけての毎月の地域別輸出金額及び対前年同月比伸率の推移を見てみると、以下のようになる。
この期間中の同じ地域向けでの最大輸出金額と最少輸出金額及び対前年同月比伸率の最大と最少のポイント差をまとめてみると、以下のようになる。
上記のことから、新型コロナウイルス感染症にともなう日本からの機械輸出の推移を見てみると、全世界及び主要地域において概ね 2020 年 5 月に前年同月比での最大の落ち込みを記録しており、中国、韓国・台湾は 3 月に最大の落ち込みを記録している。中国、韓国・台湾について、前年同月比の落ち込みは、他地域に比べて相対的に小さく、また前年同月比増に比較的早く回復している。他方、北米は同年 5 月に 58.9%減と大きく輸出減となったが、2020 年 9 月から 12 月にかけて、ほぼ前年同月並みに回復している。この間、EU及びASEAN・南アジア向けは一貫して前年同月比減が続いており、北米、中国、韓国・台湾に比べ回復の遅さが見られる。
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最終更新:2021/04/2117:47