いすゞと日野、国産初のハイブリッド連節バスを共同開発 -社会課題の解決に向け、近日中に市場投入-
2019年5月24日
いすゞ自動車株式会社
日野自動車株式会社
いすゞ自動車株式会社(本社:東京都品川区、社長:片山正則、以下いすゞ)と日野自動車株式会社(本社:東京都日野市、社長:下義生、以下日野)は、国産初のハイブリッド連節バスを共同で開発し、近日中に、両社より発売する予定です。
また、次世代都市交通システム(ART:Advanced Rapid Transit)での活用を想定した連節バス用のITS技術も開発いたしました。今後、市場ニーズに応じて実装してまいります。
いすゞと日野は、商用車メーカーの社会的責務として、ドライバー不足や環境問題といった社会課題の解決に向けて取り組んでいます。環境負荷低減に寄与しながら安全かつ効率的な大量輸送を実現するハイブリッド連節バスと、高度運転支援技術・ITS技術については、喫緊の課題に対応すべく早期の実用化を目指し、2017年より共同開発を進めてまいりました。
このたび両社で開発したハイブリッド連節バスは、日本の道路事情を踏まえた車両寸法とし、ハイブリッドシステムの採用により環境負荷にも配慮しています。また先進安全装備として、路線バス世界初となる「ドライバー異常時対応システム(EDSS:Emergency Driving Stop System)」を搭載し、安心・安全な交通社会の実現に貢献します。
・輸送性
定員120名※1という大量輸送能力を備え、乗客の利便性と輸送効率向上に貢献します。
※1 仕様により変更あり。
・乗降性・バリアフリー
前車室はフルフラットとし後車室もノンステップエリアを広く確保するとともに、連節バスとして最適なシートレイアウトにより、乗客の利便性、快適性を実現しています。
・ハイブリッドシステム
小排気量でありながら十分な高出力・高トルクを発揮するA09Cエンジンを採用し、ハイブリッドシステムとAMTの協調制御による変速の最適化を図っています。エンジンとモーターの間にクラッチを配置することでエネルギー回生効率を向上させるとともに、モーターのみによる発進を可能にし、省燃費と環境性能を追求しました。
・ドライバー異常時対応システム(EDSS)<路線バス世界初>
ドライバーに急病などの異常が発生した際、乗客や乗務員が非常ブレーキスイッチを押すことで、減速して停止します※2。立席の乗客の安全性に配慮し、路線バスに適した制御としています。
※2 国土交通省策定「ドライバー異常時対応システム」技術指針に準拠。
◆ITS技術
・プラットホーム正着制御
路面上の誘導線をカメラで認識し、自動操舵、自動減速によりバス停へ誘導することで運転操作を支援します。バス停側の対応とあわせて、隙間・段差を解消することで、円滑な乗降を実現します。
・協調型車間距離維持支援システム(CACC)※3
先行車の加減速の操作情報を通信で後続車に送ることにより、先行車との車間距離を高精度に制御し、無駄のない、スムーズな加減速を実現します。
※3 本システムは自動車専用道路での使用を前提としています。
・衝突警報
ミリ波レーダーにより障害物および先行車両を検知し、衝突の可能性がある場合はディスプレイ表示や警報音でドライバーに警告します。
・路車間通信・車車間通信※4
バスの走行特性に対応した路車間通信(ITS専用周波数)による安全支援(赤信号注意喚起、赤信号減速支援、右折時注意喚起、信号待ち発進準備案内)や、バス優先の信号制御を行う高度化PTPS(公共車両優先システム:Public Transportation Priority System)に対応。車群走行時には、車車間通信も活用し車群の構成や台数を把握し、車群単位での信号通過やバス停発車を支援する機能も備え、輸送力や速達性・定時性の向上に貢献します。
※4 高度化PTPSを含む車群走行に対応したシステムは、トヨタ自動車も含めた3社共同開発。
・視覚支援カメラシステム
車両内外にカメラを設置、ドライバーはモニターで監視します。車外に設置したカメラは、車両停止時に車両周辺の移動物を検知し、ドライバーにアイコンの点滅と音で警報を行います。
以上
最終更新:2019/11/2018:08