最近の機械貿易動向(11 月)~機械輸出額 13 ヶ月連続減少~

2020/01/2814:01配信

Ⅲ 個別動向

1. 全商品貿易動向~輸出は 12 ヶ月連続で減少、輸入は 7 ヶ月連続減少~

1) 2019 年 11 月の全商品輸出額は 6 兆 3,790 億円、前年同月比(以下同じ)7.9%減と 12 ヶ月連続で減 少した(10 月 9.2%減)。これは、約 24%を占める輸送用機器(9.7%減)をはじめ、約 19%を占める一般機 械(12.0%減)、約 18%の電気機器(5.3%減)、約 11%のプラスチック等化学製品(7.4%減)、鉄鋼・非鉄金 属等原料別製品(11.1%減)等が減少したためである。 

2) 輸入額は 6 兆 4,642 億円、15.7%減と 7 ヶ月連続で減少した(10 月 14.8%減)。これは、全輸入額の約 20%を占める原粗油等鉱物性燃料(30.1%減)をはじめ、約 16%を占める電気機器(18.0%減)、約 11%の 医薬品等化学製品(9.6%減)、約 10%の食料品(5.2%減)、約 9%の一般機械(17.3%減)、原料別製品 (10.8%減)等が減少したことによる。 

3) この結果、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は、2 ヶ月ぶりに約 852 億円の赤字(10 月は 157 億円の黒字)となった。



2.機械貿易動向 

(1)機械輸出入動向~輸出は 13 ヶ月連続、輸入は 2 ヶ月連続で減少~ 

1)全商品輸出額の約 64%%を占める 11 月の機械輸出額は 4 兆 556 億円、8.8%減と 13 ヶ月連続で減少し(10 月 9.4%減)、その水準は、リーマンショック前(2007 年 11 月)と比べると 80.7%となって、前月に比 べて 1.2 ポイント悪化した(10 月 81.9%)。なお、為替・営業日要因を除いた実質的伸び率は 2.0%減であった。 

2)一方、全商品輸入額の約 32%を占める機械輸入額は、2 兆 819 億円、16.0%減と 2 ヶ月連続で減少し (10 月 11.2%減)、リーマンショック前(2007 年 11 月)の水準に比べ、19.7%増となっている。 



(2)為替・営業日動向~10 月は 6.9%の減少要因、11 月は 6.9%の減少要因~ 

1)2019 年 11 月は 1 ドル=108.8 円となり、前年に比べ 3.7%の円高となった。また、対ユーロは 120.6 円と前年に対して 6.3%の円高となり、合わせて約 2.3%の為替減少要因となった。営業日は前年に比べ て 1 日少ないため、約 4.8%の減少要因となり、合計で約 6.9%の減少要因となる。11 月の輸出額は 8.8%減であったことから、実質的伸び率は 2.0%減と 3 ヶ月連続で前年同月比減少となった(10 月 2.3% 減)。 

2)2019 年 12 月は 1 ドル=108.9 円で前年比 3.8%の円高、対ユーロは 120.5 円で前年比 6.3%の円高と なり、合わせて約 2.3%の為替減少要因となった。営業日は前年に比べて 1 日多いため、約 5.3%の増加 要因となり、合計で約 2.9%の増加要因となる。 

3)2020 年 1 月は、対ドルが 1 月 24 日 17:00 時点の 109.5 円とすれば、0.3%の円安、また、対ユーロ は 121.0 円で 3.3%の円高となり、合わせて約 0.1%の為替増加要因となる。営業日は前年と同じであるが、中華圏における春節の影響を考慮すると、約 8.9%の減少要因となり、合計で約 8.9%の減少要因となる。



(3)地域別動向~韓国・台湾向けを除き、5 地域向けで前年同月比減少~ 

1)機械輸出額の地域的動きをみると、①全体の 24.7%を占める北米向けでは、約 50%を占める自動車 (16.5%減)、産業機械(5.7%減)、航空機部品(5.7%減)、電池等軽電気機械(8.2%減)等が減少し、13.2% 減となった。②23.5%を占める中国向けでは、産業機械(0.5%増)、配電機器等軽電気機械(6.4%増)が 増加したものの、自動車(1.3%減)、電子ディバイス(3.5%減)、重電気機械(13.1%減)等が減少して 3.8% 減となり、③14.9%の ASEAN・南アジア向けは、フィリピン(0.8%増)向けが微増したものの、インドネシア (28.0%減)、シンガポール(15.7%減)、パキスタン(57.6%減)等向けが大きく減少し、業種でも、自動車 (10.8%減)、産業機械(23.0%減)、電子ディバイス(0.9%減)等が減少して 12.2%減となった。④11.8%を占 める EU 向けは、42%を占める自動車(9.7%増)等が増加したものの、産業機械(14.1%減)、軽機械(9.4% 減)等が減少して 6.0%の減少となり、⑤10.2%を占める韓国・台湾向けは、自動車(9.9%減)等が減少した ものの、産業機械(17.4%増)、電子ディバイス(11.8%増)等が増加して 3.6%増となった。⑥14.9%のその 他地域向けでは、アフリカ(12.8%増)、中近東(5.5%増)向けが増加したものの、中南米(31.2%減)、大洋 州(19.2%減)、ロシア東欧等(14.6%減)向けが大きく減少し、業種でも、自動車(5.1%減)、船舶(47.3%減)、 産業機械(22.6%減)等が減少して 14.5%の減少となった。 

2)また、リーマンショック前の 2007 年 10 月の地域別輸出額と比較すると、中国、ASEAN・南アジア向け が 100%台、韓国・台湾、北米向けが 80%台、EU、その他地域向けが 60%台となった。 

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最終更新:2020/01/2815:22

日本機械輸出組合