「トンネル工事」のタグ一覧 (3件中1~3件を表示)
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3Dナビでシールド機運転、AIで岩盤判定!大林組がトンネル、ダム施工を革新
トンネルやダム工事はこれまで、経験と勘がものを言う世界でした。 例えば、都市トンネルなどの掘削で使われるシールド機の方向修正を行うとき、曲がりたい方向に「余掘り」してシールド機の向きをぐいと変えます。 そのとき、シールド機とセグメントの間に適切なすき間(クリアランス)がないと、シールド機やセグメントに無理な力がかかり、施工中や完成後の漏水やひび割れ発生の原因になります。 シールド機の方向を修正するときに必要な「余掘り」と「クリアランス」を計算する2次元図面のイメージ(特記以外の資料:大林組) シールド機の曲げ加減や余掘りの量はこれまで、施工管理者が表計算ソフトや作図ソフトを駆使し、2次元の作図によって求めていましたが、うまくいかないこともありました。 そこで大林組は、シールド機の方向修正作業をスムーズに行えるシステムを開発しました。 シールド機が進む方向や余掘り量、セグメントとのクリアランスを、 ナ、ナ、ナ、ナント、 3Dで線形管理 することにより、わかりやすく見える化してくれるのです。(大林組のプレスリリースはこちら) シールド3次元管理システムの画面。3D空間上で余掘り量を色分け表示したところ。ソフトはNavisworksを使っている シールド機後部とセグメントとのクリアランスを色分け表示した例 これまでは手作業で計算していた余掘り量とクリアランスを、3D空間上で自動計算し、色分け表示してくれるので方向修正の計画立案作業にかかる時間を30%短縮できます。 また、「アシスト機能」によって方向修正計画の妥当性をチェックしてくれるので、経験の少ない技術者でもスムーズなシールド機の運転が行えます。 大林組は、シールド自動化システム「大林インテリジェントシールド(OGENTS:Obayashi Intelligent Shield)」の開発に取り組んでいます。 今回の3次元線形管理システムはシールド自動運転システム「OGENTS/DRIVE(オージェンツ/ドライブ)」の一部となるものです。 今後、シールドトンネル用の自動測量システム「OGENTS/SURVEY(オージェンツ/サーベイ)」とも連携させ、測量結果をもとに方向修正計画の立案や指示、運転操作までを自動化していく予定です。 シールドトンネル用の自動測量システム「OGENTS/SURVEY」のイメージ図 ゆくゆくは、シールド機による施工を自動化する「大林インテリジェントシールド」の実現を目指している さらに大林組では、ダム工事の技術革新も進めています。長年の経験で蓄積してきた施工技術と、 ICT、IoT、AIを融合 させた様々な情報化施工技術を開発し、「ODICT(Obayashi-Dam Innovative Construction Technologyの略。オーディクトと読む)」というソリューションに集約していきます。 そして、工事の安全性や生産性を向上させるほか、品質管理の高度化を目指します。 ダム施工技術とICT、IoT、AIを統合したソリューション「ODICT」の概念図 このソリューションは、水資源機構が発注した川上ダム本体建設工事(三重県伊賀市)で初めて活用します。 川上ダムの完成イメージ(資料:水資源機構川上ダム建設所) 例えば、「AI(人工知能)による基礎岩盤の健全性判定」や「タワークレーンによるコンクリート運搬のオートメーション化」、「コンクリート締め固め判定の自動化」などの新開発技術を含め、20を超える技術を使っていきます。 経験と勘に頼っていた判定作業も、少しずつAIなどで行えるようになってきましたね。
2019/10/04 10:23 株式会社イエイリ・ラボ
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飛島が山岳トンネル工事をIoT化!まずは入退坑管理と接近警告システムを開発
山岳トンネル工事では安全管理上、坑内に今、だれが入っているのかを把握することが重要です。 その方法としてよくあるのが、坑口のボードです。トンネルに出入りするとき、自分の名前が書かれた札を裏返したり、スライドさせたりして、「入坑/出坑」を表示させます。 一般的なボードによる入坑管理システム(以下の写真、資料:飛島建設) ところが、飛島建設が施工中の北海道新幹線ニセコトンネルの現場では、新たに開発された入坑管理システムを導入し、便利に活用しています。 坑口のボードを見に行かなくても、 ナ、ナ、ナ、ナント、 現場事務所で入坑者 をリアルタイムに確認できるのです。しかも、それぞれの入坑者が坑口近くにいるのか、坑口から100m以上離れたところにいるのかということまで、わかります。(飛島建設のプレスリリースはこちら) 現場事務所でも現在の入坑者がリアルタイムにわかる新型入坑管理システム それぞれの入坑者が坑口付近にいるのか、100m以上離れた場所にいるのかまで、色分け表示できる 従来のアナログ的な入坑管理では不可能だった高度な安全管理が行える秘密は、トンネルに出入りする職員や作業員全員が、それぞれ固有の識別情報を発信する「BLE(Bluetooth Low Energy)ビーコン」を持っているからです。 トンネルの坑口などには、ビーコンの電波を検知するセンサー(IoTゲートウェイ)が設置されており、付近を通った人の情報を自動的にサーバーに送ることで、現在の入坑者の名前をリアルタイムに把握できるのです。 ビーコンを忘れずに持ち運べるように、飛島建設ではビーコン収納ポケット付きの反射チョッキも製作しました。 坑口などにはビーコンの電波をキャッチし、サーバーに送るセンサー(IoTゲートウェイ)が設置されている さらに、このビーコンは別のところでも安全管理の役に立っています。 トンネル坑内で稼働する重機にも、ビーコンの電波を検知するセンサーが取り付けられているため、作業員などが重機に接近し、設定した距離以下になると運転席に備えたモニター画面を通じて オペレーターに警告 してくれるのです。 オペレーターへの警告画面。接近した人の名前までわかるようになっている 建設機械接近警告システムのイメージ 重機に取り付けられたセンサー。電波の死角がなくなるように4カ所に付けられている
2019/08/22 10:48 株式会社イエイリ・ラボ
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3DスキャナーでPDCAを回す!清水建設が開発したトンネル発破システムの節約効果
爆薬によって発破しながら掘っていく山岳トンネル工事では、計画断面より小さくなるマイナス誤差は許されません。かといって、計画断面より外側に「余掘り」を大きくして掘ればいいかというと、今度はコスト面の理由で許されません。 発破後の「ずり」と呼ばれる岩石の搬出や処理、計画に合わせるためのコンクリート打設、そして発破に使う爆薬など、すべてのコストが余掘りの分だけ大きくなってしまうからです。 そのため、トンネル工事を手がける建設会社は、いかに「余掘り」を小さくするかにしのぎを削っています。 そこで清水建設は、サンドビック株式会社SMRTカンパニー(本社:横浜市港北区)と、余掘り量低減システム「ブラストマスタ」を共同開発し、実用化しました。 ブラストマスタを導入した新東名高速道路「高取山トンネル西工事」の現場(以下の写真、資料:清水建設) 余掘りを少なくするために重要なのは、「発破パターン」と呼ばれる爆薬を装填(そうてん)する穴の位置と角度の調整です。 ブラストマスタは、ある発破パターンで発破した後、切り羽(掘削最前面)の空間形状を、 ナ、ナ、ナ、ナント、 3Dスキャナー搭載車両 で計測するのです。(清水建設のプレスリリースはこちら) こうして発破後の余掘り量を精密に把握した後、余掘りに最も影響を与える切り羽外周部の穴の位置と角度の最適値を求め、掘削機に入力している発破パターンを自動更新します。この過程で所要時間はわずか3分しかかかりません。 手前のタブレットの画面には発破パターンが表示されている 画面の拡大図。掘削位置や角度が設定データと離れている場合は青色で表示され、精度よくセットされた場合は緑色で表示される これまでも3Dスキャナーで余掘りを計測する試みは行われてきましたが、システマチックではなく、発破パターンの更新にも時間がかかったので発破のたびにパターンを修正することはできませんでした。 その点、ブラストマスタは、発破パターンの作成→削孔→3Dスキャナーによる計測→削孔位置・角度の調整されたデータの削孔機への転送という一連の作業が自動化されており、 発破のPDCA が、発破のたびに回る仕組みになっているのです。 システム概要図。発破パターンの自動作成(Plan)→削孔(Do)→余掘り計測(Check)→削孔位置と角度の自動調整(Action)がシステム化されている 上の図の左上にある図を見ても、PDCAが回るたびに余掘りが小さくなっている様子がうかがえますね。 このシステムが初導入された新東名高速道路高取山トンネル西工事では、余掘り量を既存システム比で40%も減らすことができました。PDCAによる節約効果はあなどれませんね。 一般にP(Plan)やC(Check)はデータの世界、D(Do)とA(Action)はリアルな世界で行われることが多いですので、リアルとデータが測量機器や自動化機器などで自動的につながるようになれば、PDCAによる施工の改善は、ますますスムーズに行えるようになりそうです。
2019/07/23 10:41 株式会社イエイリ・ラボ
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