日立建機と丸紅がブラジルに鉱山機械の販売・サービス会社設立で合意
新車販売から部品・サービス提供までの体制を強化し、南米市場のマイニング事業を拡大
日立建機のリジッドダンプトラック(左)と超大型油圧ショベル(右)
日立建機株式会社(執行役社長:先崎 正文/以下、日立建機)は、丸紅株式会社(代表取締役社長:柿木 真澄/以下、丸紅)と、8月、ブラジル連邦共和国(以下、ブラジル)に鉱山機械の販売・サービス会社ZAMine Service Brasil Limitada(以下、ザマイン・ブラジル社)を設立することで合意しました。日立建機と丸紅は両社が50%ずつ出資する特別目的会社を設立し、特別目的会社が全額出資する販売・サービス会社を設立する予定です。今後、ザマイン・ブラジル社設立の具体化に向けた協議を両社で進めていきます。
ザマイン・ブラジル社の設立により、銅・鉄鉱石・金などの採掘拡大が見込まれる南米市場の新車販売から部品・サービス提供までの体制を強化することで、南米市場のマイニング事業を拡大します。
2023年度から始まった日立建機グループの中期経営計画「BUILDING THE FUTURE 2025 未来を創れ」では、経営戦略の4つの柱の中に「米州事業の拡大」を掲げています。北米市場は販売代理店網の早期構築により販売・サービス体制が整っていますが、マイニング事業が中心となる南米市場においては、事業拡大に向けて中核となる拠点の整備が課題になっていました。
中南米市場は世界のリジッドダンプトラックの23%、超大型油圧ショベルの9%の需要*1を占め、今後も需要拡大が見込まれる銅・鉄鉱石・金などの鉱物資源が多く採掘されます。中でもブラジルは、日立建機の超大型油圧ショベルが多く稼働しているため、これらの納入実績をベースに部品・サービスの拡販、さらなる新車販売が見込めます。
*1:積載重量150トン以上のダンプトラックおよび運転質量190トン以上の超大型油圧ショベルが対象。 (2010年-2024年3月需要台数合計)に基づく。
ブラジルでの鉱山機械販売は、2017年より丸紅の100%子会社Marubeni Brasil S.A.(丸紅ブラジル会社)が担ってきました。今般、稼働機に対する部品・サービス体制を強化するため、ザマイン・ブラジル社を設立し、丸紅のブラジルにおける長年の事業経営ノウハウ・顧客ネットワークに加え、日立建機が建設機械メーカーとして、万全な保守・サービスを提供する体制を構築することにしました。丸紅と日立建機は1970年代から協業を続けており、オーストラリアやウクライナで販売・サービス会社を共同で設立・運営してきた実績に加え、丸紅の子会社および関連会社を通じてペルー、チリ、コロンビアなどで日立建機の鉱山機械を販売しています。これらの経験を生かし、ザマイン・ブラジル社を設立することに合意したものです。
日立建機グループは、ブラジル含め南米全体のマイニング事業体制の再構築を進め、2025年度に独自展開分のみ*2で米州売上収益3,000億円以上をめざします。
*2:ディア社向けOEM売上収益を除いた数値。