三菱ふそう 「ドイツ専門職業訓練(VT)」を採り入れたメカニック向けトレーニングプログラムを開始

2024/04/1612:30配信

2024年4月4日


  • 在日ドイツ商工会議所のプログラムに参加。2024年新卒社員を含めた若手メカニックの一部が本プログラムを受講
  • 実務と座学を並行して学び、従来5年で習得する技術・知識レベルに3年間で到達
  • 体系的な教育でのメカニックの技術・知識レベルの標準化・全体的な底上げにより、お客様に対するサービスの質の向上を目指す

三菱ふそうトラック・バス株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEOカール・デッペン、以下MFTBC)は、2024年4月より、「ドイツ専門職業訓練」以下「VT」を採り入れたメカニック向けトレーニングプログラムを開始します。

VTは、ドイツで広く定着している職業訓練制度です。約3年間の訓練期間を通して、企業で働きながら技術や技能を習得する「実践」と、専門知識や一般教養を学ぶ「講義」を並行して進めることから「デュアルシステム」とも呼ばれ、最終的に試験を受けて知識・技能が認定されます。ドイツ国内では328の職種に対して毎年約130万人が参加しているほか、ドイツ以外でも48の国と地域で導入されています。
*2024年4月時点。

このVTの日本への導入として、在日ドイツ商工会議所は2024年4月より、「ドイツ専門職業訓練自動車整備士養成プログラム」を開始します。MFTBCは本プログラムにパートナー企業として参加し、2024年の新卒社員を含む若手メカニックの一部が本プログラムを受講します。

本プログラムは2027年3月までの3年間の事業です。MFTBCではこの期間中、従来の教育プログラムと並行する形でVTを採用します。プログラム終了後の2027年4月以降は、MFTBCでは若手メカニックの教育をVTに全面的に移行することを検討しています。

参加社員は配属先拠点での実務を通じた職場内訓練 on the job training、以下OJT)と提携校での座学を通じて、整備の基本や電気自動車(などの先端技術などを体系的に学び、3年でのプログラム修了を目指します。本プログラムでの学習内容は、従来のMFTBCの新入社員が5年程度かけて習得してきた技能・知識レベルに相当します。

MFTBCではこれまで、専門教育機関の「FUSOアカデミー」による研修と、配属先の販売・サービス拠点での職場内訓練(によって、若手メカニックに対する教育を行ってきました。OJTでは配属先拠点の入庫車両の傾向や担当業務の違いによって、各メカニックへの教育内容に差が生じてしまいがちでした。VTでは、各拠点でのOJTに対して体系的な教育項目が用意されるとともに、「ベーシックトレーナー」と呼ばれる講師が毎月巡回して教育項目の達成状況や習熟度を確認していくことから、メカニックの技術・知識レベルの標準化につながります。

MFTBCはVTの採用によって、高レベルの技能・知識を有するメカニックを従来よりも短期間で育成するとともに、体系的な教育プログラムによって技術・知識レベルを標準化することにより、お客様へのサービスの質の全体的な向上を目指します。

本プログラムの開始にあたり、三菱ふそうトラック・バス株式会社代表取締役会長の松永和夫は「自動車産業の未来を担う若手社員がこうした充実した学びの機会を得られることは、大変貴重な経験となると思います。人手不足やいわゆる『2024年問題』など、物流を取り巻く環境が厳しさを増す中で、高レベルなメカニックを育成するこのプログラムへの参加は、三菱ふそうが今以上にお客様から頼られる存在となるチャンスでもあります」とコメントしています。

また、駐日ドイツ商工特別代表・在日ドイツ商工会議所専務理事のマークゥス・シュールマンは「在日ドイツ商工会議所は、市場環境や産業界のニーズを考慮しながら、今後は他の職種にもドイツ専門職業訓練を広げていきたいと考えています。そのためにも、日本の教育機関との連携を非常に重要視しています」と述べました。

以上

最終更新:2024/04/1614:56

三菱ふそうトラック・バス株式会社