竹中工務店が高所作業車アプリを発売! 移動のムダ、探すムダをなくし生産性向上
最近、建築業界で需要が増えている大型物流倉庫や工場、商業施設、病院などは天井が高い部分が多いため、工事現場では数多くの高所作業車が使われています。
広い現場だと空いている作業車がどこにあるのかを探して来るのもひと苦労です。おまけに余っているところには余っていたりします。
しかし、竹中工務店の現場では、高所作業車をめぐる“ムリ、ムラ、ムダ”はほとんどありません。
というのは、高所作業車の予約などを総合的にできるアプリ「高車管理」を開発、活用しているからです。
高所作業車用のアプリ「高車管理」を活用する技術者のイメージ(以下の写真、資料:竹中工務店、朝日興産)
高所作業車の位置をリアルタイムに確認(左)でき、ワンクリックで予約できる(右)
各フロアに取り付けたビーコンの電波により、高所作業車の位置を把握する
高所作業車に位置は、各フロアに取り付けた近距離無線通信技術「iBeacon」の電波により把握します。
竹中工務店が2015年に調査したところ、作業所員29人の現場では高所作業車を探すのに毎日30分もかかっていたそうです。(2016年2月4日付けのプレスリリースを参照)
マップ上で高所作業率の位置を検索し、予約できると「移動のムダ」や「探すムダ」が大幅に減りそうですね。
予約履歴のデータは現場全体やフロアごと、協力会社ごとに集計できるほか、各高所作業車の稼働率も見える化できます。
アプリではフロアマップ上でドラッグ・アンド・ドロップを行うことにより、高所作業車の配置を見直すこともできます。最適な配置を行うと、稼働率はますます高まりそうですね。
高所作業車の台数や予約率・稼働率を見える化したグラフ
ドラッグ・アンド・ドロップで配置の見直しもスピーディーに行える
そして、余った作業車は返却リストと引き取り場所の地図が入った
返却依頼メール
をレンタル会社の担当者あてに自動送信する機能も付いています。
竹中工務店では、ビーコンによる位置特定技術を使った「位置プラス」シリーズのアプリをいくつも開発しています。
2016年には職員や建設機械の位置を探索できる「位置プラス探」、2017年には撮影した写真の位置をデジタル図面上に自動配置できる「位置プラス写」を、2018年には高所作業車の予約管理を行える「高車予約」を開発し、グループ会社の朝日興産(本社:大阪市中央区)などを通じて外販を行ってきました。
そして今回、このシリーズに「高車管理」も加わり、2021年7月1日に朝日興産を通じて外販を始めました。
現場内の「移動のムダ」「探すムダ」は、クラウドや携帯端末によって削減できそうです。こうした地道な取り組みが、生産性向上や建設DXにつながっていくのでしょうね。
最終更新:2021/07/0912:32