無資格でクレーンを思い切り練習! 日本初のVR訓練システムをシンフォニアが発売

2021/01/0713:10配信

工事現場には欠かせない小型移動式クレーンですが、操作には技能講習などを受講し、実技試験にパスする必要があります。

ワイヤーに吊り下げられて振り子のように揺れる吊り荷を静止させたり、運転席から吊り荷の位置や高さを正確に判断したりする操作感覚をマスターするために重要なのが、クレーンを実際に操作して“場数”を踏むことですね。

しかし、資格を取るのに必要な技能講習では、実際にクレーンを操縦できるのは1日足らずです。また、無資格の人が実物のクレーンを使って練習するとなると、高価なレンタル料や教官の手配などの課題がありました。

そこで、シンフォニア(本社:東京都調布市)は、無資格の人が思う存分、練習できるようにしました。

小型移動式クレーンを対象に、

ナ、ナ、ナ、ナント、

VR訓練システム

開発し、2020年12月24日に発売したのです。(シンフォニアのプレスリリースはこちら

VR訓練システムのセッティング例(以下の資料、写真:特記以外はシンフォニア)

VR訓練のイメージ

VRで忠実に再現された小型移動式クレーン

運転席から見た吊り荷。影や色つやなどリアルな出来栄えだ

これは「小型移動式クレーンVR訓練システム」というものです。

練習生は、VRゴーグル「Oculus Rift S」を装着し、吊り荷やブームの動き、周囲の風景などのVR(仮想現実)モデルを実物大で立体視しながらクレーンをバーチャルに操縦します。

VRのコントローラーは、楽器の「マラカス」のようなものが多いですが、このシステムでは実際のクレーンを模して4本のレバーが付いた特製のコントローラーが用意されています。

また、吊り荷は実際の物理法則に従って揺れや重量感、衝突、落下などを再現するようになっており、ブームを急停止させると大きく揺れます。

これを微妙なレバー操作によって静止させるといった練習も、思う存分できるのです。

大きく揺れた吊り荷を静止させる訓練。実物のクレーンだと危険すぎるが、VRならゲーム感覚で実技を磨ける

VR訓練のコースは、基本的なレバー操作と動作確認から始まり、実技試験の体験や荷振れ制御訓練などが既に開発されています。

また、開発中の訓練には、ブームの展開や格納、リモコンでのクレーン操作、現場用訓練などがあります。

クレーンの実技訓練は、吊り荷を所定のコース通りに空中移動させるというものがあります。このとき、コース脇のポールに吊り荷が当たらないようにブームやフックの高さを操作するのが難しいところです。

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最終更新:2021/01/0713:30

株式会社イエイリ・ラボ