VRやARで働き方改革!シンメトリーとドコモが5Gで現場をデジタルツイン化
建物などの3Dモデルや点群データを実物大で立体視できるVR(バーチャルリアリティー)やAR(拡張現実)、MR(複合現実)を体験された方は、あたかも自分が現場に行ったかのような感覚にビックリします。
この“仮想現場”で仕事をする環境を作り、建築や土木の働き方改革実現しようと、Symmetry Dimensions(本社:米国デラウェア州。以下、シンメトリー)とNTTドコモは、日本HPと協力して共同実証実験を行うことになりました。
ドローンや3Dレーザースキャナーで現場を計測した大容量の点群データを、
ナ、ナ、ナ、ナント、
5G回線でデジタルツイン化
するという画期的な実験なのです。(シンメトリーとNTTドコモのプレスリリースはこちら)
5G回線で現場をデジタルツイン化するイメージ(資料:シンメトリー、NTTドコモ)
デジタルツインとは、直訳すると「デジタルデータの双子」という意味です。つまり、現場をそっくりそのまま3Dのデジタルデータ化したです。
5Gとはもちろん、2020年にサービス開始が予定されている第5世代移動通信方式のことで、高速・大容量、低遅延、多数の端末との接続といった特長があります。
NTTドコモでは5Gを使って現場で計測した点群データを「ドコモオープンイノベーションクラウド」上に収集し、サイバー空間上に実際の現場を再現します。
そして、建築・土木の技術者はどこからでも、VRやARなどを使ってあたかも現場にいるような感覚で、現地調査や測量などを行えます。
これまでのように現場に何度も足を運ばなくても、デジタルツインを利用して何度も調査や測量が行えると、移動のムダが大幅に減りそうですね。
今回の実験では、シンメトリーは点群データを効率的に処理する画像処理エンジン、NTTドコモは5G回線やクラウド、そして日本HPは高性能のワークステーションのほか、高解像度ヘッドマウントディスプレーも提供します。日本HPもヘッドマウントディスプレーを開発、販売した実績があるのには驚きました。
シンメトリーの本社は米国にありますが、社長は沼倉正吾氏が務めている日本的な企業です。
2019年5月、米国ロサンゼルスで開催されたイベント「AEC NEXT」に出展したシンメトリーのブース
(写真:家入龍太)
日本HPが2019年2月まで販売していたヘッドマウントディスプレー
「HP Windows Mixed Reality Headset(コントローラー付き)」(写真:日本HP)
将来的には、デジタルツインに電気・ガス・上下水道などの流れや人の動き、電車・バスなどの交通インフラになどの情報を付加し、
仮想空間でシミュレーション
を行えるようにすることねも検討しています。
こうなると、あらゆる業種で「どこでも仕事」ができるようになりますね。
ICT(情報通信技術)やBIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)、CIM(コンストラクション・インフォメーション・モデリング)などの導入では、様々な働き方改革の効果が期待できますが、その中でも「移動のムダ」を削減することは、最大の効果と言えそうです。
最終更新:2019/11/2018:09