下水道にイノベーションを!国交省が「下水道開拓者」を大々的に募集中
1884年、東京・神田に日本初の下水道が造られて以来、下水道は暮らしに欠かせないインフラとして着々と拡大してきました。
“道路下の力持ち”といった地味なインフラというイメージもありますが、「下水道にオムツを流したい」、「バイオガス発電をしたい」、「清掃を自動化したい」といった新たなニーズも生まれています。
そこで国土交通省 水管理・国土保全局下水道部は、これまで下水道に関係がなかった異業種企業の技術を生かしてイノベーションを起こそうと、マッチングイベント「下水道スタートアップチャレンジ」を2019年9月9日に開催することになりました。
そして、7月31日に発表されたプレス発表資料では、
ナ、ナ、ナ、ナント、
求む 下水道市場開拓者!
と、いうチャレンジ精神を刺激する呼びかけを行ったのです。(国土交通省のプレスリリースはこちら)
昨今の少子高齢化による労働力不足を反映してか、下水道が抱える“お困りごと”には、「維持管理を効率化したい」、「下水処理場の運転を自動化したい」といった日常的な運営に関するものがあります。
また、「浸水情報を迅速に国民に伝えたい」、「大地震でも壊れない下水道にしたい」といった災害時への備えもあります。
さらに、「下水道資源を活用して新たなビジネスを創出したい」といった、攻めの発想も生まれています。
マッチングイベントでは、これらのニーズに対して、様々な分野から解決策(ソリューション)を募集します。参加者には、そこから下水道を活用した新たなビジネスチャンスを感じてもらおうというわけです。
下水道のニーズとソリューション例
下水道管理の完全自動化のイメージ
下水処理場から出る汚泥を発電に使う新たなビジネスのイメージ
国土交通省では以前から、下水道関連の新技術を開発・実用化するため
B-DASHプロジェクト
(下水道革新的技術実証研究)を実施しており、新技術に対する交付金も出しています。
B-DASHプロジェクトによる技術開発と、交付金による新技術の導入ワークフロー
これまで下水道は、目立たない存在だっただけに、イノベーションやビジネスチャンスの宝庫なのかもしれません。
国交省の会議などは冒頭のみ報道陣の写真撮影が行われるのが普通でしたが、9月9日のイベントでは進行の妨げにならない範囲で取材やカメラ撮りが終始、OKとなっていることも注目です。
こうしたオープンな姿勢からも、イノベーションに対する本気度が伝わってきますね。
最終更新:2019/11/2018:09