1トンの資材をけん引!東急建設とTHKが“機関車型ロボ”を開発
少子高齢化による人手不足に悩む工事現場では、少しでも少ない人数で施工を行うための努力が行われています。
その一環として、東急建設と大手機械部品メーカーのTHK(本社:東京都港区)は、現場内で、資機材搬送を自動化するロボットを共同開発しています。
狭くて段差のある現場内の通路をスムーズに通過するために選んだ構造は、
ナ、ナ、ナ、ナント、
機関車のようなロボット
で細長い貨車をけん引するスタイルなのです。(THKのプレスリリースはこちら)
細長い貨車に資材を載せて、狭い通路もスムーズに走る搬送ロボット(以下の写真、資料:THK)
このロボットは、段差や粉じんのある環境で資機材の搬送作業を自動化するため、THKが独自に開発した自律移動制御システム「SIGNAS」を搭載しています。
ロボットにはステレオカメラが搭載されており、経路周辺に設置したサイン法との距離と方位を計測。目標経路を走行するように軌道修正しながら走ります。
経路はサインポストを設置するだけで設定できるので、プログラミングの知識がない現場作業者でもサインポストの位置を変えるだけで、素早く簡単に経路を変更できます。
そのため、毎日、通路や障害物などが変化する工事現場にもスムーズに対応できます。
「SIGNAS」に採用された、サインポストによる経路の設定イメージ
ロボットの左右輪は、独立した高出力モーターで駆動し、前進、後進、旋回が行えます。そして障害物を検知するレーザーレンジファインダーとパンパーセンサーを搭載しているので、進行方向に障害物などがある場合は安全に停止します。
ステレオカメラやレーザーレンジファインダーなどを搭載し、前進・後進・旋回が行えるロボット
両社は都内の大規模マンション工事現場で、このロボットの実証実験を行ったところ、
1トンの資材を載せた台車
をけん引しながら鉄板の段差を乗り越え、モノの配置などを糧も安定した走行ができることを確認しました。
そして、これまで7人で行ってきた資機材運送作業を5人でできるようになり、削減した人員は他の作業を行えるようになりました。作業効率から言えば、約30%向上したことになります。
このロボットは今後、段階的に試験導入を広げ、2020年の春にレンタル提供による商用化を予定しているとのことです。
ロボットというと縁遠い感じもしますが、これからはレンタル会社から借りて気軽に使える時代になりそうですね。
最終更新:2019/11/2018:08